アーカイブ - 2018年 9月

9月 28日

京都大学図書館機構と慶應義塾大学メディアセンター、「富士川文庫」の画像データを統合表示する試行ウェブサイトを公開

2018年9月28日、京都大学図書館機構と慶應義塾大学メディアセンターは、両大学が所蔵する医学分野の貴重資料コレクション「富士川文庫」のデジタル化画像を統合表示するウェブサイト、「富士川文庫デジタル連携プロジェクト試行版」を公開しました。

「富士川文庫」は、京都帝国大学医科大学や慶應義塾大学医学部などで医学史を講じた医学博士・文学博士の富士川游氏の旧蔵書です。

同ウェブサイトはIIIFを用いて、両大学の画像を統合表示しています。2018年9月28日現在、京都大学からは4,710件、慶應義塾大学からは450件の所蔵資料が公開されています。今後、慶應義塾大学からは約1,000件以上が順次追加される予定です。

今回のウェブサイト公開は、両大学が締結した「富士川文庫デジタル連携プロジェクト」(通称「デジタル富士川」)に関する覚書によるものです。同プロジェクトは、実施期間である2020年度末までに、新規撮影画像の追加公開や連携機関の拡大、試行ウェブサイトの新機能開発などを視野に入れ、試行から本稼働へと移行することを目指しています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、ResourceSyncに関するウェブセミナー(ウェビナー)の映像・スライドを公開

2018年9月25日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が実施した、ResourceSyncに関するウェブセミナー(ウェビナー)の映像のアーカイブと発表スライドを公開しました。

次世代リポジトリのための技術の1つとされるResourceSyncを実装するリポジトリのためのユースケース等に関する情報を提供することを目的に開催されたものです。

ResourceSyncの開発機関の1つであるロスアラモス国立研究所のMartin Klein氏と、ResourceSyncを採用しているCOREのアグリゲーターからPetr Knoth氏が講師を務めています。

Presentations about ResourceSync(COAR,2018/9/25)
https://www.coar-repositories.org/news-media/presentations-about-resourcesync/

米国議会図書館(LC)、デジタル化した映像のコレクション“National Screening Room”を公開

2018年9月26日、米国議会図書館(LC)は、デジタル化した映像のコレクション“National Screening Room”を公開しました。

公開されたコンテンツの大部分はパブリックドメインで、LCがパブリックドメインと判断した映像はダウンロード可能です。著作権保護期間中の映像も公開されていますが、それらはストリーミングファイルとして利用できます。

今回、アフリカ系アメリカ人向けのニュース映画“All-American News”や歴史的に著名な人物の映像、映像資料の永久保存レジストリ“National Film Registry”に納められた作品、1950年代に公開されたメンタルヘルスに関するフィルム等から281タイトルの映像が公開されましたが、今後も毎月新しいコンテンツが追加される予定です。

National Screening Room of Free Motion Pictures Now Online (LC,2018/9/26)
https://www.loc.gov/item/prn-18-125/

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)とフランス国立図書館(BnF)、文化遺産の保存と利用に関するパートナーシップを締結

2018年9月26日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)とフランス国立図書館(BnF)が、文化遺産の保存と利用に関するパートナーシップを締結したことを発表しました。

合意内容として、既存のデジタル画像やメタデータを研究者のオンラインでの利用のために共有すること、両館が相互に利益のある文化遺産の領域を戦略的にデジタルすること、両館のキュレータが協力して両館のコレクションを研究し文章を執筆すること、両館が関心のある分野に焦点を当てた短期特別研究員制度の開始、研究シンポジウムの計画と開催、が紹介されています。

Crossref、登録件数が1億件を突破

2018年9月26日、Crossrefが、登録されているデータの件数が1億件を突破したことを発表しています。

コンテンツの割合としては論文74%・単行書15%・会議録5%であること、6,900万件にはフルテキストへのリンクがあること、3,100万件以上のものにライセンス情報があること、300万件以上のものに助成機関の情報があることなどが紹介されています。

100,000,000 records - thank you!(Crossref,2018/9/26)
https://www.crossref.org/blog/100000000-records---thank-you/

参考:
Crossref、データベースの登録件数が8,000万件を突破
Posted 2016年4月11日
http://current.ndl.go.jp/node/31303

Public Knowledge Project(PKP)・SciELO、プレプリントサーバーの開発で合意

オープンソースの出版システムを開発・提供している複数の大学によるイニシアチブPublic Knowledge Project(PKP)とラテンアメリカにおけるオープンアクセス(OA)電子ジャーナルプラットフォームSciELOが、両機関の重要な原則に基づいたプレプリントサーバーの開発で合意したと発表しています。

開発するプレプリントサーバーは、PKPの電子ジャーナル出版システム“Open Journal System (OJS)” や、SciELOのジャーナルで用いられている出版システムと相互運用可能なものとするとし、他の機関に対しても公開されます。

また、オープンソースによる多言語対応のプレプリントサーバーシステム開発真に関心のある機関を歓迎するとし、長期的なビジョンとして、XMLマークアップなど、高性能な出版前に関するサービスを統合し、プレプリントの品質を高める事を掲げています。

CA1938 - 研究文献レビュー:新しい図書館史研究 / 長尾宗典

 本稿では、本誌297号(2008年9月)に三浦太郎が発表した図書館史に関する研究文献レビュー(CA1673参照)の後を受け、2008年から2017年までの10年間に主として日本国内で発表され、日本の図書館を対象とした図書館史研究文献のレビューを行う。書評に関しては重要なものに限り、論文発表後に一書にまとめられた研究の場合は単行本を取り上げる。なお、三浦は2012年に、2002年から2011年までの文献整理を行っているので(1)、重複する文献紹介は極力省略することとする。

CA1937 - 動向レビュー:国内の公共図書館における健康医療情報サービスの最近の動向 / 池谷のぞみ

 2000年代の前半から、国内の公共図書館において健康医療情報を提供する取り組みに積極性が増すと共に、その動きに広がりが出てきている。厚生労働省が提示した地域包括ケアシステム構想では、市民が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築がめざされている。地域包括ケアシステムの構成要素には、本人の希望と経済力にかなった「すまいとすまい方」と「生活支援・福祉サービス」の連携があり、必要に応じた「介護」、「医療」、「予防」という専門的なサービスの提供がある。そしてそのシステムの根底に位置づけられ、重要となるのが、本人・家族が在宅生活を選択し、実際にそうした生活を送ることの心構えを持つこととされる(1)。本人・家族が適切な選択をし、そのための心構えを持ち、実際に生活を送れるようになるために前提となるのが、適切な情報である。健康医療情報へのアクセスを市民に保障することはこれまで以上に重要になってきているといえる。

CA1936 - 全国遺跡報告総覧における学術情報流通と活用の取り組み / 高田祐一

独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所(以下、奈文研)は、発掘調査報告書を中心に文化財報告書(以下、報告書)を全文電子化しインターネット上で検索・閲覧できるようにした「全国遺跡報告総覧」(1)(以下、遺跡総覧)を2015年6月から運営している(図1)。2017年度は年間約100万件のダウンロードがあり、活発に利用されている。島根大学附属図書館を中心とした国立大学、地方公共団体(以下、地公体)・博物館・学会等と共同推進している事業である。これまでの経緯やメリットは拙稿(E1700参照)を参照願いたい。

CA1935 - プロダクション・アイジーの現場から見たアニメーション・アーカイブの現状と課題 / 山川道子

 筆者が所属する株式会社プロダクション・アイジー(以下、I.G)は、「文化庁平成28年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の補助を受け、「アニメーション・アーカイブの機能と実践 I.Gアーカイブにおけるアニメーション制作資料の保存と整理」(1)を作成し、2017年に発表した。これをきっかけにして、改めてアニメーション・アーカイブについて考えた中で、紹介できる現状と課題、そして今後について本稿では述べていきたい。

CA1934 - 新学習指導要領と学校図書館の活用 / 森田盛行

 2018年3月に高等学校の学習指導要領が改訂され、これにより2018年から2022年にかけて幼稚園から高等学校及び特別支援学校の新学習指導要領(以下「新指導要領」と言う。)が施行されることになった。

CA1933 - 主権者教育と高校図書館 / 成田康子

 2015年6月17日、公職選挙法が71年ぶりに改正され、選挙年齢が18歳以上に引き下げられた。そして、第24回参議院議員通常選挙の公示日(2016年6月22日)以降の選挙から適用された。従来と異なり、高校在学中に有権者となる生徒がいる現状から、国(総務省、文部科学省(文科省)、を中心に)は主権者教育のあり方を検討した。文科省では、主権者教育の目的として「単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるにとどまらず、主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を身に付けさせる」ものとし(1)、教育活動への具体的な取組を促している。それに伴い、2008年9月に子どもの読書サポーターズ会議の報告書において提言された高校の図書館の機能(E850参照)(2)を活用する期待も高まってきている。

CA1932 - オーテピア高知図書館:県と市の合築による一体型図書館 / 小泉公乃

 2018年7月24日、高知県高知市において新図書館等複合施設「オーテピア」(1)が開館した。オーテピアは、(1)オーテピア高知図書館(表1)、(2)オーテピア高知声と点字の図書館、(3)高知みらい科学館の3つの施設からなる複合施設である。その中核的施設であるオーテピア高知図書館は、高知県立図書館と高知市民図書館による合築(がっちく)の図書館であり、県と市の図書館を1つの建物内で共同経営するという日本ではこれまでにない取り組みである。筆者は、このオーテピア高知図書館を対象として、建築における初期段階の2016年2月から現在にわたって観察調査とインタビュー調査を組み合わせたエスノグラフィーを行ってきた。それ以前については、資料調査を基礎にインタビュー調査を行った。表2は,合築前の高知県立図書館と市民図書館の基本情報である。

『カレントアウェアネス』337号掲載

9月 27日

“IFLA Metropolitan Libraries Short Film Award 2018”の受賞作品は“Books in the Cloud”

2018年9月26日、国際図書館連盟(IFLA)の大都市図書館部会(Metropolitan Libraries Section)は、“IFLA Metropolitan Libraries Short Film Award”の2018年の受賞作品を、イスラエルのBeit Ariela Shaar Zion Libraryの作品“Books in the Cloud”と発表しています。

世界図書館情報会議(WLIC)・第84回IFLA年次大会の会期中の2018年8月27日に、同部会により実施された“IFLA Metropolitan Libraries Short Film Award 2018”において10か国・15作品の中から選ばれたものです。

全作品はA Corto di LibriのYouTube公式チャンネルから視聴できます。

IFLA Metropolitan Libraries Short Film Award 2018. See you next year!(IFLA,2018/9/26)
https://www.ifla.org/node/81794

北米研究図書館協会(ARL)、フェアユースによるソフトウェアの合法的なアーカイブに関する指針“Code of Best Practices in Fair Use for Software Preservation”を公開

2018年9月24日、北米研究図書館協会(ARL)が、“Code of Best Practices in Fair Use for Software Preservation”を公開しました。

デジタルファイルへの継続的なアクセスや、デジタル技術の変遷を明らかにすることを目的とした古い技術や仕様のソフトウェアの合法的なアーカイブを実施するにあたっての、フェアユースの適用に関する指針を示したもので、法律や技術の専門家の支援を受けて作成されたものです。

指針では、図書館員、アーキビスト、キュレーター等のソフトウェア保存担当者がフェアユースを適用できる5つの状況を示しています。

Internet Archive(IA)、“Internet Arcade”にアーケードゲーム約1,100点を追加

2018年9月21日、Internet Archive(IA)は、アーケードゲームをプレイできる“Internet Arcade”に、1990年代から2000年代のアーケードゲーム約1,100点を追加したと発表しました。

Over 1,100 New Arcade Machines Added to the Internet Arcade(IA,2018/9/21)
http://blog.archive.org/2018/09/21/over-1100-new-arcade-machines-added-to-the-internet-arcade/

Internet Arcade
https://archive.org/details/internetarcade

Project MUSE、HTML5形式のオープンアクセス(OA)の単行書300点を公開

2018年9月20日、人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEが、HTML5形式のオープンアクセス(OA)の単行書300点を新しいウェブサイトから公開しました。

300点の単行書には、米国のジョンズ・ホプキンズ大学出版局、コーネル大学出版局、デューク大学出版局、ハワイ大学出版局、ミシガン大学出版局、シラキュース大学出版局、マサチューセッツ工科大学出版局、テンプル大学出版局等の出版物が含まれます。

Project MUSEでは今後も毎年HTML5形式のオープンアクセス(OA)の単行書を追加する計画です。

@ProjectMUSE(Twitter,2018/9/20)
https://twitter.com/ProjectMUSE/status/1042847409997586433

“Enabling FAIR Data Project”の推奨基準を満たす研究データリポジトリを検索できるRepository Finderが公開

2018年9月19日、DataCiteが“Repository Finder”の公開を発表しています。

研究者が、自身の研究データを登録するに際し、米国地球物理学連合(AGU)が取組む、地球・宇宙・環境科学の研究データをFAIR原則に合致させることを目的とした“Enabling FAIR Data Project”が推奨する基準を満たしたリポジトリが検索できるもので、AGU・re3data.org・DataCiteにより開発されました。

検索対象は、コミュニティで活用され、研究データをオープンアクセス(OA)で提供し、永続的識別子を用いているリポジトリとなっていますが、適切なリポジトリが見つけられない場合や、追加の基準による検索が必要な場合、研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”に登録されたリポジトリも検索することができます。

EBSCO社、2019年の学術雑誌価格上昇の予測値を5~6%と発表

2018年9月20日、EBSCO社が、2019年における大学・医学図書館向けの学術雑誌の価格上昇の予測値を公表しました。これによると、全体として5~6%(外国為替レートを考慮しない場合)の上昇になると予測されています。

EBSCO Information Services Releases Serials Price Projection Report for 2019(EBSCO,2018/9/20)
https://www.ebsco.com/news-center/press-releases/ebsco-information-services-releases-serials-price-projection-report-2019

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