アーカイブ - 2020年 10月 19日

米・カーネギーメロン大学図書館によるコンピュータビジョンを用いたアプリ:アーキビストによるタグの付与等を支援(記事紹介)

2020年10月14日付で、米国のカーネギーメロン大学が、同大学図書館の教職員により開発された、ウェブアプリ“Computer-Aided Metadata generation for Photo archives Initiative (CAMPI)”についてのニュース記事を掲載しました。

同アプリは、2020年5月から9月にかけて開発されたものであり、コンピュータビジョン技術を用いて、アーキビストによる類似画像の発見や、写真の内容を表す記述メタデータタグの付与を支援し、アーカイブの写真資料の発見可能性を高めることを目的としています。同アプリを用いると、アーキビストが個別の写真にタグを付与する際に、類似する画像が提示され、それらの画像を確認したうえで、タグを付与すること等ができると述べられています。

同大学のアーカイブズは約100万の写真を所蔵しており、そのうちの2万件ほどがデジタル化されています。記事によると、年々新たな資料が追加されているために、アーキビストは個別資料の分類が困難となり、しばしば特定性を欠くタグが付与されているということが、同アプリの開発の背景にあります。

スイス・ジュネーブ大学図書館、スイスの大学および図書館のコンソーシアム“Swiss Library Service Platform”が運営する検索・サービスポータル“swisscovery”への切り替えを発表

2020年9月29日、スイスのジュネーブ大学図書館が、西部スイス図書館ネットワーク“RERO”から、スイスの大学および図書館のコンソーシアム“Swiss Library Service Platform (SLSP) ”が運営する検索・サービスポータル“swisscovery”への切り替えを行うことを発表していました。切り替えは、2020年12月7日に行われる予定です。

SLSPは、15のスイスの大学および図書館により設立され、スイス国内の研究図書館475館が参加しています。

“swisscovery”は、ExLibrisのディスカバリサービス“Primo”を用いたディスカバリネットワークです。発表によると、同館の利用者は、3,000万以上の資料や30億以上のオンライン論文記事等が利用可能となります。また、SLSPのネットワークに参加する研究図書館のサービスが統合的に提供され、紙媒体の資料やオンライン資料の検索・利用が容易になるということも述べられています。

相模原市立星が丘公民館、募集した読書感想文をTwitterで紹介・共有する事業「星が丘公民館 読書の輪」を実施中:本でつながる地域交流

相模原市立星が丘公民館が、募集した読書感想文をTwitterや同館ウェブサイトで紹介・共有する事業「星が丘公民館 読書の輪」を実施中です。

本の感想文を、同館の図書室前や同館ウェブサイト上の用意された緑色の原稿用紙に書いて、専用ポストに投稿するか同館宛に電子メールに添付して送付すると、その感想文を職員がハッシュタグ“#読書の輪”を付与してツイートします。その他、紙で図書室掲示板に貼り出すことも検討されています。隣接する星が丘こどもセンターにも原稿用紙とポストが設置されています。

地元の地域情報誌によると、「本でつながる地域交流」を掲げ、同館や図書室の利用者数を増やすことを目的に始めた事業とのことです。

英国の図書館・文書館所蔵の音楽資料を検索できる“RISM UK Catalogue”が公開

2020年10月16日、英国図書館(BL)は、RISM(UK) TRUSTが“RISM UK Catalogue”を公開したと発表しています。RISM(UK) TRUSTは、英国の図書館・文書館所蔵の手稿譜や印刷版の音楽資料を把握するために1984年に設立された組織です。

世界の図書館・文書館に所蔵される1850年以前の音楽資料の所在目録RISMのサブセットとして、英国の図書館・文書館で所蔵されている1600年から1800年にかけての印刷物や手稿の音楽資料や、世界中の図書館で所蔵されている冊子体のコンコーダンスのデータが含まれています。

これら検索対象データは、RISM(UK) TRUSTが、2001年から2007年にかけて、BLおよびロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校と共同で実施した“UK Music Manuscripts (1600-1800) ”プロジェクトにおける、既存のカード目録等からのデータ入力や、それまで調査されていなかった作者不明の作品の目録化作業によるものです。

京都大学図書館機構、「留学生学習サポート強化週間」の期間中に大学院生スタッフ「学習サポートデスク」による英語・中国語・韓国語・インドネシア語の講座を開催

2020年10月16日、京都大学図書館機構は、10月26日から11月13日までの期間を「留学生学習サポート強化週間」として、同大学附属図書館の大学院生スタッフ「学習サポートデスク(Learning Support Desk)」による留学生の学習サポートを強化することを発表しました。

「留学生学習サポート強化週間」の期間中、ウェブ会議サービスZoomを利用したオンライン形式で、英語による「電子リソースの利用方法」「文献の調べ方・集め方」「LaTeXの使い方」、中国語による「人文社会系の研究方法」「学術的な日本語の使い方」、韓国語による「実験レポートの書き方」、インドネシア語による「学術的な日本語の使い方」をテーマとした講座が、それぞれ「学習サポートデスク」のスタッフを講師として開催されます。京都大学図書館機構は、開催する各講座の録画を後日学内限定で公開する予定です。

【図書館機構オンライン講習会】留学生学習サポート強化週間のお知らせ(京都大学図書館機構,2020/10/16)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1387437

英国の大学図書館における学生のメンタルヘルス・良好な精神状態への支援:新型コロナウイルス感染症の拡大以前との比較(文献紹介)

2020年10月5日付で、Elsevier社が刊行する大学図書館の関わるテーマを主に扱う査読誌“The Journal of Academic Librarianship”掲載記事として、英国の大学図書館における学生のメンタルヘルス・良好な精神状態(well-being)への支援を扱った論文がオープンアクセス(OA)で公開されています。

英国において、学習の基盤となる学生のメンタルヘルス・良好な精神状態への支援は、2017年以降の英国大学協会(UUK)の戦略へ正式に盛り込まれるなど、大学の関与の必要性が近年特に認識され、大学図書館のこの分野での取り組みもしばしば報告されています。また、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染への不安、孤独感、雇用への影響などに伴い、学生の精神衛生に関する課題へはさらに注目が集まっています。

Figshareで公開されたオープンな研究データの利用傾向に関する調査(文献紹介)

2020年10月4日付で、Sage社の刊行する情報科学分野の査読誌“Journal of Information Science”のオンライン速報版の論文として、“Do researchers use open research data? Exploring the relationships between usage trends and metadata quality across scientific disciplines from the Figshare case”が公開されています。

同論文では、オープンな研究データの利用率が低い要因としてしばしば指摘されるメタデータの品質との関連の実態を調査するために、研究データ公開プラットフォームFigshare上で公開されたデータの比較・検討が試みられました。著者らは、2019年10月から11月に取得したFigshare上の全21分野・約700万件のリソースのメタデータに対する体系的な品質評価等を実施し、その分析結果を報告しています。

分析の結果として、研究分野によらずオープンな研究データの利用には偏りがありごく少数のリソースが利用全体の大半を占めていることや、データの利用と評価ツールで測定したメタデータの品質との間に有意な相関関係が認められなかったことなどを報告しています。

世界の電子学位論文(ETD)リポジトリの多様性と管理上の課題(文献紹介)

2020年9月30日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌に、インドのカシミール大学のFayaz Ahmad Loan氏とUfaira Yaseen Shah氏による共著論文“Global electronic thesis and dissertation repositories – collection diversity and management issues”が掲載されています。

同論文は、オープンアクセス(OA)リポジトリのレジストリOpenDOARに登録された電子学位論文(ETD)をアーカイブするリポジトリについて、地域分布・主題・言語等の指標に基づく調査結果の報告・考察を行ったものです。2017年12月時点の調査の結果として、次のようなことを報告しています。