アーカイブ - 2020年 10月

10月 29日

CHORUSとDatacite、相互のリンク充実と発見可能性の向上を目的とした覚書を締結

2020年10月28日、公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアチブCHORUSは、Dataciteと2年間の覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結したことを発表しました。

CHORUSとDataciteが締結した覚書は、研究成果物へのアクセス・利用状況等の報告を管理するための識別子・標準の採用に向けた取り組みの調整を目的としています。研究者・研究成果・研究助成元・所属機関の間に信頼のおけるリンクを構築することは、学術的な成果物への広範なアクセス提供に不可欠であるという認識の下、両者は共に学術情報流通における発見可能性の向上を支援する非営利機関として、その貢献をさらに深化させるために覚書を締結しました。

両者は締結した覚書に基づいて、以下のような取り組みを協力して進める予定です。

・データセット・研究者・研究助成元の間を繋ぐ明確なリンク構築に向けた支援
・CHORUSのコンテンツとDataciteの付与したDOI間のリンクをCHORUSのダッシュボード及び生成されるレポート上に表示
・Dataciteのサービスへの研究助成機関の認知度向上
・研究成果物の公開支援を目的とした研究者・研究機関に対する永続的識別子の利用奨励

欧州委員会(EC)、「オープンソースソフトウェア戦略 2020-2023」を承認

2020年10月21日、欧州委員会(EC)は、「オープンソースソフトウェア戦略 2020-2023(Open source software strategy 2020-2023)」を承認したことを発表しました。

欧州委員会は同戦略を、欧州のデジタルトランスフォーメーション等に関する包括的戦略“European Commission Digital Strategy”の目標達成に向けた重要な一歩に位置づけています。オープンソースの持つ変革・革新・協調の可能性や、その原則・開発実践等を奨励・活用するための見通しを示し、ソフトウェアや専門知識の共有・再利用を通して、欧州社会の利益の増進・コストの削減・サービス改善を目指す内容です。

戦略では主要な目標として以下の4点を掲げています。

・欧州独自のアプローチによってデジタル分野における自律性確立を推進すること
・“European Commission Digital Strategy”を実践すること
・ソフトウェア、アプリケーション、データ、情報、知識の共有と再利用を奨励すること
・ソースコードの共有によって知識社会へ貢献すること

尼崎市立歴史博物館(兵庫県)が2020年10月10日に開館:同館地域研究史料室が旧地域研究史料館の公文書館機能を承継

2020年10月10日、尼崎市立歴史博物館(兵庫県)が、2018年度に着工したリニューアル工事を終えて開館しました。

尼崎市立歴史博物館は、歴史遺産の収集・保存・展示・利用等の役割を担っていた文化財収蔵庫と、市史編集事業を受け継ぎ公文書館機能を担っていた地域研究史料館を統合した新しい博物館として誕生しました。「ボランティアや市民団体等が活動に参画する市民と共にあゆむ博物館」「子どもたちの初めての博物館体験を大切にした学校教育との積極的連携」「体験・交流型の活動や市民の歴史研究の場としてレファレンスを重視」の3方針に基づく運営が行われ、原始・古代から近・現代までの尼崎の歴史を紹介する常設展示室や、特定のテーマに基づく特別展や企画展を開催する企画展示室が設置されています。地域研究史料館が担っていた公文書館機能は、同館の3階に設置された地域研究資料室(あまがさきアーカイブズ)へ承継されています。

また、2020年10月28日には、同館のウェブサイトが開設しています。

学術雑誌の研究データポリシーの強度に影響を与える要因(文献紹介)

2020年10月13日、オープンアクセスジャーナルPeer Jが、”Data sharing policies of journals in life, health, and physical sciences indexed in Journal Citation Reports”と題した論文を公開しました。著者は韓国・梨花女子大学校のJihyun Kim氏ら5名です。

多くの学術雑誌は、データに関するポリシーを設けてきており、データ共有の実施、提出するデータの種類等が定められています。論文では、インパクトファクター、主題分野、ジャーナル出版者の種別、出版者の地理的位置等の要因が、データ共有ポリシーの強度にどのように関連しているかについて探られています。

対象となったジャーナルは、Web of Scienceの2017年版のJournal Citation Reportsの178の各カテゴリの各四分位数(Q1、Q2、Q3、Q4)のトップジャーナルです。このうち、生命科学、健康科学、物理科学の分野の700件が対象となりました。これらのジャーナルのWebサイトを著者が個別に閲覧することで、ジャーナルのデータ共有ポリシーを分類し、個々のジャーナルの特性を抽出しています。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、新サービス”Shelf Help”を開始

2020年10月26日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が新サービス”Shelf Help”を開始しました。このサービスは、新型コロナウイルス感染症拡大によって館内での図書のブラウジングが制限されていることを受けて開始されたものです。

利用者は、オンラインフォームまたは電話等で、関心のあること、希望する本のジャンル、本の受け取り先とするNYPLの分館等を通知します。入力された利用者の情報に基づいて、図書館員が5冊の本を選びます。利用者は後日、選択した図書館で、5冊の本を受け取ります。

NYPLの読者サービス部門のアソシエイトディレクターであるLynn Lobash氏は、「読者が新たに大好きな本を見つけたとき、セレンディピティの素晴らしい瞬間があります。Shelf Helpによって、図書館はこの経験を再現しようとしています」と述べています。

ChronosHub、論文の投稿先選定と投稿プロセスにおいて研究者を支援するツール“Journal Finder”のベータ版を公開

2020年10月22日、研究コミュニティを対象としたオンラインプラットフォームChronosHubは、2020年のオープンアクセスウィークへの支援として、論文の投稿先選定と投稿プロセスにおいて研究者を支援するツール“Journal Finder”のベータ版公開を発表しました。

“Journal Finder”のベータ版では、出版社から直接収集したデータを、英・Jiscの最新版Sherpaサービス、DOAJ、Lens.org、Scopus、Web of Scienceといったオンライン情報源と組み合わせて利用しており、助成機関のオープンアクセスポリシーに準拠した投稿先の案内を行います。同社の“Journal Finder”のページによれば、サービスの利用は無料となっています。

台湾国家図書館、児童書を全面的にCIPプログラムの対象とすることを発表

2020年10月27日、台湾国家図書館は、児童書を全面的にCIP(Cataloging In Publication)プログラムの対象とすることを発表しました。

CIPプログラムでは、出版者は図書出版に先立ち校正刷等を国立図書館やその他全国書誌作成機関に提出し、それら機関において書誌情報が作成されます。その後、作成された書誌情報を出版者が当該図書の奥付等に印刷し、出版が行われます。

発表によれば、児童書のCIP申請に当たり、これまではページ数が50ページに満たないために同館のCIPプログラムの対象外となるケースが多く見られました。同館の曽淑賢館長は「国家図書館にとっては大きな業務負担増となるが、出版界・図書館の双方にメリットがある目録サービスである」とし述べています。出版者側のメリットとして、同館のウェブサイトや出版物を通じた情報流通による可視性向上を、図書館側のメリットとして、(CIPデータの利用による)各館での書誌作成業務の負担軽減、各館での分類一致による利用者の利便性向上を挙げています。

CIPプログラムにより作成された書誌情報は同館のデータベース「全国新書資訊網」に登録され、検索・ダウンロードが可能となっています。

『カレントアウェアネス-E』401号を発行

『カレントアウェアネス-E』401号を発行しました。

■E2315■ 移動図書館がつくるウィズコロナでの豊かな日常の可能性
佐倉市資産管理経営室・榊田大輔

■E2316■ University Journals:出版を大学や研究者に取り戻す挑戦
京都大学東南アジア地域研究研究所・設樂成実

■E2317■ ジャパンサーチ正式版の機能紹介
電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室

■E2318■ 第4回デジタルアーカイブ産学官フォーラム<報告>
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館・中西智範

■E2319■ CMSを利用したデジタルアーカイブの構築<報告>
筑波大学附属図書館・大久保明美

E2315 - 移動図書館がつくるウィズコロナでの豊かな日常の可能性

佐倉市(千葉県)では,老朽化した市立佐倉図書館を取り壊して新たに「(仮称)佐倉図書館等新町活性化複合施設」(以下「新佐倉図書館」)に建て替える計画が進んでいる。

E2316 - University Journals:出版を大学や研究者に取り戻す挑戦

「学術雑誌の危機」が問題になり久しい。大手出版社による市場の寡占化が進み,雑誌の価格が高騰を続け研究成果へのアクセスに不均衡が生じている。大学図書館のコンソーシアムによる価格交渉やオープンアクセス(OA)ジャーナルの刊行など様々な手が打たれているが,論文掲載料など新たな問題も生じ,いまだ根本的な解決には至っていない。こうした状況に風穴を開けようと,欧州4か国から13大学が協力し,機関リポジトリをもとにしたOA出版のためのプラットフォームの運用に向けたプロジェクト, University Journalsが進んでいる。本稿では,このプロジェクトについて,主に季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻に掲載されたオランダ・ライデン大学図書館のSaskia Woutersen-Windhouwer氏らの論文の要約を行いながら以下に紹介する。

E2317 - ジャパンサーチ正式版の機能紹介

ジャパンサーチは,日本が保有する豊かな文化的・社会的資産であるコンテンツの利活用のため,さまざまな分野のデジタルアーカイブと連携し,そのメタデータを集約して,利活用しやすい形で提供するプラットフォームとなることを目指したサービスである。国立国会図書館は,内閣府知的財産戦略推進事務局が庶務を務めるデジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会で決定される方針のもとで,システム運用と連携調整を担当している。2020年9月末現在,ジャパンサーチは,24機関(つなぎ役)の111データベースと連携しており,合計約2,130万点のメタデータを統合して検索できる。

E2318 - 第4回デジタルアーカイブ産学官フォーラム<報告>

2020年9月10日,内閣府知的財産戦略推進事務局と国立国会図書館(NDL)の主催により「デジタルアーカイブ産学官フォーラム(第4回) ジャパンサーチの挑戦 ~ポストコロナ社会とデジタルアーカイブ~」が開催された。ジャパンサーチの正式版(以下「JPS」;E2317参照)が,2020年8月25日に公開されたことを受けてのイベント開催である。コロナ禍の影響をうけ,オンライン形式で開催されたが,国内外740人を超える参加となり,JPSへの関心の高さがうかがえる。

E2319 - CMSを利用したデジタルアーカイブの構築<報告>

2020年9月11日,筑波大学附属図書館研究開発室は,Zoomによるオンラインワークショップ「CMSを利用したデジタルアーカイブの構築」を,筑波大学人文社会国際比較研究機構との共催により開催した。

10月 28日

【イベント】児童青少年委員会公開オンラインセミナー「学校図書館の現場から公共図書館のYAサービスに期待すること」(12/7・オンライン)

2020年12月7日、日本図書館協会(JLA)の児童青少年委員会により、セミナー「学校図書館の現場から公共図書館のYAサービスに期待すること」がオンラインで開催されます。

講師は横山道子氏(神奈川県立藤沢工科高校 学校司書)であり、高校生と学校図書館について、公共図書館のヤングアダルト(YA)サービスへの期待について話されます。

定員は90人(先着順・要事前申込)であり、参加費は無料です。

お知らせ一覧(JLA)
http://www.jla.or.jp/home/news_list/tabid/83/Default.aspx
※2020年10月28日付で、「児童青少年委員会 公開オンラインセミナー「学校図書館の現場から公共図書館のYAサービスに期待すること」開催のご案内」と掲載されています。

成田市(千葉県)、給食センター玉造本所・分所において、読書週間にあわせ「おはなし給食」を提供中

2020年10月27日、千葉県の成田市が、給食センター玉造本所・分所において、読書週間(10月27日から11月9日まで)にあわせ、「おはなし給食」を提供中であると発表しています。

中学校の教員からの提案をきっかけに、給食センターと学校図書館の司書が共同で、2017年度から実施しています。

展示コーナーを設けておすすめの本と関連メニューを紹介している学校図書館もあると紹介されています。

読書週間に合わせて「おはなし給食」を実施しています(成田市,2020/10/27)
https://www.city.narita.chiba.jp/kosodate/page0151_00004.html

日本博物館協会、「新型コロナウイルス感染予防の対応状況に係る緊急アンケート」の結果概要を公開

2020年10月26日、日本博物館協会は、「新型コロナウイルス感染予防の対応状況に係る緊急アンケート」の結果概要を公開したことを発表しました。

日本博物館協会は、新型コロナウイルス感染症下の博物館における対策・運営上の課題等を共有し、各館の今後の運営に資するとともに、今後の国等の博物館への支援策にも反映させることを目的として、オンラインアンケートにより「新型コロナウイルス感染予防の対応状況に係る緊急アンケート」を実施しました。同アンケートには709館から回答があり、全46問の設問のうち、回答者情報の第1問から第5問を除く第6問から第46問について、回答の概要が同協会のウェブサイト上で公開されています。

日本博物館協会 News
https://www.j-muse.or.jp/
※2020/10/26欄に「新型コロナウイルス感染予防の対応状況に係る緊急アンケート結果の概要のご報告」とあります。

東京女子大学図書館、コロナ禍の中で人とつながる場を提供し閉塞感を打ち破ることを目的に開催する「方言甲子園ー高校生ご当地アピール動画コンテストー」の作品を募集中

東京女子大学図書館が、「方言甲子園ー高校生ご当地アピール動画コンテストー」を実施するとし、全国の高校生および大学受験生を対象に、2020年12月13日まで動画を募集しています。

方言甲子園は、「コロナ禍で自由な活動が制限される中、日本各地の魅力を楽しみながら共有することで人とつながる場を提供し、閉塞感を打ち破ること」を目的に開催されるもので、ご当地の魅力をその地方の方言を使ってアピールするショート動画(2分以内)を投稿することで参加できます。

応募作品は順次同館公式サイトで公開され、閲覧者の投票や視聴回数によって各賞が決定されます。投票期限は2021年1月10日で、結果発表は2021年1月中旬が予定されています。

東京女子大学が「方言甲子園」の作品を12月13日まで募集中 -- 全国の高校生・大学受験生を対象としたご当地アピール動画コンテスト(大学プレスセンター,2020/10/27)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-44588.html

恩納村文化情報センター(沖縄県)、「恩納村で読書」をテーマにした写真を投稿することでオリジナル図書バッグをプレゼントするイベントを開催中

2020年10月22日、沖縄県の恩納村文化情報センターは、秋の読書週間のイベントとして、10月27日から11月9日まで「キオクバンク写真投稿でオリジナル図書バッグプレゼント!」を開催することを発表しました。

「恩納村で読書」をテーマとして、同センター内や同村内で撮影した読書に関連する写真が募集されています。撮影した写真を、恩納村の旅の思い出に関する写真を自由に投稿可能なフォトバンクとして同センターが運営する「キホクバンク」へ投稿することで、同センターオリジナルの図書バッグがプレゼントされます。

【秋の読書週間】キオクバンク写真投稿でオリジナル図書バッグプレゼント!(恩納村文化情報センター,2020/10/22)
http://www.onna-culture.jp/information/2877/

恩納村キオクバンクのご案内(恩納村文化情報センター)
http://www.onna-culture.jp/bank/

新型コロナウイルス感染症の拡大期間中における米・ニューヨーク市の公共図書館のTwitterによるコミュニティ支援(文献紹介)

2020年10月19日付で、Taylor&Francisグループが刊行する公共図書館に関するテーマを扱う査読誌“Public Library Quarterly”に、クウェート大学の2人の情報学研究者による共著論文“Response to COVID-19 Pandemic: Where Do Public Libraries Stand?”がオープンアクセスで公開されています。

著者らは、新型コロナウイルス感染症の拡大開始後の数か月間に、公共図書館がどのようにTwitterを活用していたかを明らかにする目的で、2019年12月から2020年4月における米国・ニューヨーク市の公共図書館のTwitterアカウントが公開したツイートの分析を実施しました。対象期間中にTwitterをアクティブに運用していた、ニューヨーク市内の公共図書館38館のアカウントによる合計9,450件のツイートが分析の対象とされています。

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