アーカイブ - 2020年 4月 14日

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層の意識調査2019年版を公開

米・Ithaka S+Rは、2020年4月2日付けのブログ記事で、報告書“Ithaka S+R US Library Survey 2019”を同日公開したことを紹介しています。Ithaka S+Rが 3年ごとに実施している、米国の大学図書館指導者層を対象とした意識調査に基づくものです。

報告書本文によれば、全米にある非営利の4年制大学の図書館長等を対象として2019年秋に調査が行われ、対象者全体の46%となる662の回答を得たとあります。主な調査結果として、業務の優先順位がコレクションからサービスへとシフトし続けていること、電子書籍への支出が上昇し紙の書籍とほぼ同じ水準であること、回答者の半数が今後5年の間に大規模なパッケージ契約を中止する可能性が高いと考えていることなど、8点を挙げています。

ブログ記事では、調査実施後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大学図書館を含む高等教育全体の計画に大きな変更が生じていることに触れ、今回の調査結果が、変更前に最も重要であった事項のスナップショットとして機能することを願うと述べています。また、2020年後半にフォローアップ調査を実施予定とあります。

欧州博物館組織ネットワーク(NEMO)、新型コロナウイルス感染症の流行により欧州の博物館・美術館が受けた影響とその対応に関する一次調査結果を公表

2020年4月7日、欧州博物館組織ネットワーク(NEMO)は、新型コロナウイルス感染症の流行により欧州の博物館・美術館が受けた影響とその対応に関する一次調査結果を公表しました。NEMOは、1992年に設立された、欧州評議会(Council of Europe)加盟国内の全国的な博物館・美術館組織によるネットワークです。

調査結果では、2020年4月3日までにアンケート調査に回答した、欧州以外の一部の国も含む41か国の博物館・美術館650館からの情報に基づき、経済面での影響、オンラインサービスの状況、スタッフの業務状況等がまとめられています。

例えば経済面での影響では、スウェーデン、アルバニア、オーストリアでのいくつかの例外を除き92%の館が休館中であること、オランダ・アムステルダム国立美術館などの大規模館では週当たり10万ユーロから60万ユーロの収入減が発生していること、観光地にある館は、観光の中止や夏までの規制継続の可能性を考慮して75%から80%の収入減を見込んでいること等が示されています。

NEMOは調査を4月17日まで継続しており、情報のさらなる収集が進めばより詳細なデータを公表するとしています。

HathiTrust、臨時休館等の状況にある米国内の参加館を対象に「緊急一時アクセスサービス」を提供中

2020年3月30日、HathiTrustは、「緊急一時アクセスサービス」(Emergency Temporary Access Service:ETAS)の提供開始を発表しています。

ETASは、公衆衛生上の緊急事態を受けての臨時休館等により、所蔵する印刷資料への「予期しない、または不本意な、一時的な」アクセス制限が生じている米国内の参加館を対象とし、一定の制約の下、HathiTrust上にある著作権で保護されたデジタル化資料の本文への合法的アクセスを可能とするサービスです。

対象館が属する大学の学生、教職員、スタッフは、同館が印刷版を所蔵している資料について、デジタル化資料の本文への一時的なアクセスが可能となります。ただし、同時アクセス回数は所蔵部数が上限となります。また、資料を一冊単位でダウンロードするオプションも提供されていません。

HathiTrustによる承認を経て、すでにETASが利用可能となっている図書館のリスト“ETAS: Approved Libraries”も公開されています。

韓国・文化体育観光部、オンライン授業を開始した学校を支援することを目的に、所管する国立博物館・美術館の展示資料や教育コンテンツを各館のウェブサイトを通じて提供すると発表

2020年4月10日、韓国・文化体育観光部は、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン授業を開始した学校での活用を目的に、所管する国立博物館・美術館の展示資料や教育コンテンツを各館のウェブサイトを通じて提供すると発表しました。

国立中央博物館は、同館ウェブサイトの「オンライン学習映像資料室」において、学校の授業支援を目的に、国立博物館の展示資料や教育コンテンツ150点を選定し公開しました。博物館の教育プログラムとして製作した子ども用歴史アニメ、青少年用の進路探索映像、教員用の文化財に関する講義資料などが含まれます。国立中央博物館では、学校の授業に容易に活用できるよう、150のコンテンツを「先史から統一新羅時代」「高麗から大韓帝国時代」「他の国と地域」「博物館の世界」の4つの項目に分け、コンテンツごとに学年別教科と単元名を掲載したリストも提供しています。

国立民俗博物館では、同館ウェブサイトの「子どもオンライン教育資料」において、韓国・フィリピン・インド・タイといった多くの国の文化関連の学習教材、資料情報カードといったものを含む「多文化パッケージ」コンテンツ約120件を見ることができます。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ、京都大学総合博物館所蔵のエジプト出土資料(パピルス)7点を公開

2020年4月10日、京都大学図書館機構が、京都大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて、京都大学総合博物館所蔵のエジプト出土資料(パピルス)7点を公開したと発表しています。

同博物館が所蔵するエジプト出土資料のうち、1927年に英国エジプト考古学会(BSAE)から寄贈されたものです。

これにより、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、1万7,645タイトル、136万5,127画像となったとしています。

【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ: 総合博物館所蔵エジプト出土資料(パピルス)7点を公開しました(京都大学図書館機構, 2020/4/10)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1385343

ルクセンブルク大学近代デジタル歴史ルクセンブルクセンター、新型コロナウイルス感染拡大下の生活に関する写真・動画等の投稿が可能なプラットフォーム“COVID-19 memories”を開設

2020年4月10日、ルクセンブルク大学近代デジタル歴史ルクセンブルクセンター(Luxembourg Centre for Contemporary and Digital History: C2DH)が、新型コロナウイルス感染拡大下の生活に関する写真・動画・テキスト等の投稿が可能なプラットフォーム“COVID-19 memories”を開設しました。

同国で生活し働く人々が、感染拡大により生活をどのように変えたか、ソーシャルディスタンシング等の方法で家族の生活を如何に守っているのか、テレワークの導入により職業生活がどのように変わったのか、デジタル教育を通して学校はどのように機能しているのか、感染拡大をどのように表現しているのか、感染拡大に関する情報をどのように提供し教育しているのか、などといったことを共有するとともに、将来の世代のために保存することが目的です。

ポスター、警告や命令、電子メール、新聞、雑誌記事、買い物リスト、報告書、私的写真、絵、音声メッセージ、歌、動画、チャット、ソーシャルメディアへの投稿など多くのメディアが収集対象となっています。

米国国立医学図書館(NLM)、医学件名標目表(MeSH)の補足用語(Supplementary Concept Record)として新型コロナウイルス感染症関連用語5語を追加

2020年4月13日、米国国立医学図書館(NLM)は、同館が整備する医学件名標目表(MeSH)の補足用語(Supplementary Concept Record:SCR)として、2020年3月に新型コロナウイルス感染症関連用語5語の追加を行ったことを発表しました。

追加された用語は、“COVID-19 diagnostic testing(「新型コロナウイルス感染症の診断検査」)”、“COVID-19 drug treatment(「新型コロナウイルス感染症の薬物療法」)”、“COVID-19 serotherapy(「新型コロナウイルス感染症の血清療法」)”、“COVID-19 vaccine(「新型コロナウイルス感染症のワクチン」)”、“LAMP assay(「(新型コロナウイルス感染症検出のための)LAMP法による検定」)”の5語です。2020年3月26日から28日にかけて追加されています。

MeSHのSCRについて、2020年3月以前はプロトコルを補足する「クラス2」の使用が、癌に関わる用語に限定されていましたが、新型コロナウイルス感染症に対して利用可能な語彙の作成を促進するため、クラス2の使用範囲を拡大したことが併せて発表されています。

国立国会図書館(NDL)、遠隔複写サービスの新規申込受付休止を発表:新型コロナウイルス感染症拡大の影響

2020年4月10日、国立国会図書館(NDL)は、郵送又は宅配便で発送された同館資料の複写物を受け取ることで来館せずに資料が利用できるサービス「遠隔複写サービス」について、2020年4月15日から当分の間、新規申込の受付を休止することを発表しました

2020年4月15日の午後5時までに受付したNDLオンライン経由の申込、及び2020年4月15日中に到着した郵送による申込をもって、新規の申込受付が休止されます。

NDLは、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大の影響を受け、作業体制が維持できなくなったためサービスの受付を休止する、としています。サービスの再開については、改めて同館のウェブサイト等にお知らせが掲載される予定です。

【重要】遠隔複写サービスの受付休止のお知らせ(4月15日から)(NDL,2020/4/10)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/200410_02.html

Knowledge Unlatched(KU)、オープンアクセス・オープンサイエンス等の専門的ネットワーク拡大の場を提供するプラットフォーム“Open Research Community”を正式公開

2020年4月7日、Knowledge Unlatched(KU)は、オープンアクセス(OA)・オープンリサーチ・オープンサイエンス等の話題に関する専門的ネットワーク拡大の場を世界中に提供する双方向のプラットフォーム“Open Research Community(ORC)”について、試験段階を終えて正式公開したことを発表しました。

ORCは図書館・出版社・研究者が一堂に会して、将来を見据えた研究やOA出版に関する世界的な規模での情報交換の支援を意図して立ち上げられました。KUのイニシアチブとして運用されており無料で利用することができます。ポリシーペーパー・研究報告書形式の最新情報や、ブログ記事の投稿、ビデオパネル等によって、専門家ネットワーク交流の機会を提供しています。システム構築には、コミュニティソフトウェアプラットフォームZapnitoが用いられています。

ORCはOAやオープンリサーチに積極的に携わる世界中の専門家が構成する諮問委員会を設置しています。委員会のメンバーは、プラットフォーム内のディスカッショングループの立ち上げ、ブログ記事の執筆、プラットフォームの窓口として利用者との交流などを行います。

国際図書館連盟(IFLA)、アイルランド・ダブリンで開催予定の2020年世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の中止を発表:ダブリンでは2022年に開催

2020年4月9日、国際図書館連盟(IFLA)が、アイルランドのダブリンで開催予定であった2020年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の中止を発表しました。

開催月の8月までに最悪の事態がおさまって安全でオープンで感動的なイベントを実施できるかは不確実である現状に鑑み、IFLAの運営理事会(Governing Board)とアイルランドの国内委員会が決定したものです。会議中に開催予定であった総会については遅くとも2020年11月30日までに開催できるよう日程と場所を調整するとしています。

2021年は予定通りオランダ・ロッテルダムで開催されます。

2022年はニュージーランド・オークランドでの開催が予定されていましたが、会場の整備が遅れており、また、新型コロナウイルスにより準備作業に制限がかかっており、十分な時間が取れないことから、IFLAではニュージーランドの国内委員会と協議し、オークランドでの開催を中止すると発表しています。かわりに、2022年にはダブリンで開催されます。

2023年は、欧州以外の全世界の地域を対象に候補地の募集が行われます。

瑞浪市民図書館(岐阜県)、新型コロナウイルス感染症による臨時休館期間中、SNS上で日替わりで職員の推薦本を紹介する「#おうちで図書館」を実施

岐阜県の瑞浪市民図書館が、2020年4月7日から、同館の公式Twitter及びInstagramを用いて日替わりで職員の推薦本を紹介する「#おうちで図書館」を実施しています。

報道によると、新型コロナウイルス感染症による臨時休館期間が決まっている4月19日まで、職員が休む4月13日を除いて毎日更新する予定とのことです。

@mizlib_komadori(Twitter, 2020/4/7)
https://twitter.com/mizlib_komadori/status/1247359665769336834

@mizlib_komadori
https://twitter.com/mizlib_komadori