アーカイブ - 2020年 5月

5月 28日

オーストラリア図書館協会(ALIA)、オーストラリアの公共図書館における新型コロナウイルス感染症の影響を調査した中間レポートを公表:再開館時の留意点をまとめたチェックリストも

2020年5月6日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、オーストラリアの公共図書館における新型コロナウイルス感染症の影響を調査した中間レポート“COVID-19 and Australian public libraries: interim report 30 April”を公表しています。

中間レポートは、2020年3月から4月末にかけての影響をまとめており、作成の目的として、図書館間でのガイダンス提供、図書館の再開館支援等を挙げています。200以上の図書館からのフィードバックを要約し、利用者、図書館スタッフ、物理的空間、貸出、イベント・プログラム、無料WiFi等の情報技術活用、レファレンス対応など13の章に分けて各館の状況と取組を整理しています。

そのうち、第12章「再開館」では、再開館は感染症流行前の状況に戻すことを意味するのではなく、図書館サービスへの新しいアプローチ(“New Normal” approach)を導入することを意味する、と述べ、図書館にとって、既存サービスの優先順位付け、資源配分の利用者評価を踏まえた見直し、デジタルサービスの増強等を行うチャンスでもあるとしています。

オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、新型コロナウイルス感染症に関する規制の緩和を受けた会員館の再開館計画等についてアンケート調査を実施

2020年5月27日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)は、オーストラリア・ニュージーランドにおいて新型コロナウイルス感染症に関する規制が緩和されたことを受けて、会員館を対象に図書館の再開館計画や再開館に向けての取り組みについてアンケート調査を実施したことを発表しました。

CAULのアンケート調査は、再開館の時期・主な課題・安全に開館するための対策・柔軟な職場環境・職員の人員配置・最優先事項・共有すべき情報の7項目について実施され、会員館47館中32館から回答がありました。アンケート調査の結果として、職員の職場復帰を段階的・当番形式とした管理体制がよく採用されていることや職員の健康状態を多くの会員館が優先事項に挙げていることなどを紹介しています。また、他館にも役立つと思われる再開館に向けた留意点や取り組みとして、学生の来館を管理するための予約システムの活用、オンラインセッションへ参加する学生用の学習スペースのより一層の提供・オーストラリア図書館協会(ALIA)が発表した図書館再開のためのガイドライン等が挙がったことを紹介しています。

CAULは実施したアンケート調査の質問項目をウェブサイト上で公開しています。調査の最終的な結果は、2020年6月に機関名を匿名化した上で公開される予定です。

DOAJ、カナダの学術プラットフォームÉruditとパートナーシップ関係を締結:フランス語学術雑誌等の可視性・発見可能性向上のため

2020年5月26日、DOAJ(Directory of Open Access Journals)は、カナダの学術プラットフォームÉruditとパートナーシップ関係を締結したことを発表しました。

両者のパートナーシップ関係は、Éruditのプラットフォーム上で流通する査読付オープンアクセス(OA)学術雑誌のDOAJへの収録を奨励・支援するプロジェクトの実施を目的として締結されました。現在、DOAJには131か国以上・75言語で出版された1万4,450タイトルのOA学術雑誌が収録されていますが、DOAJは2019年4月にフィンランド学会連盟(Federation of Finnish Learned Societies :TSV)等が発表した「学術コミュニケーションにおける多言語使用に関するヘルシンキ提言(Helsinki Initiative on Multilingualism in Scholarly Communication)」の署名機関として、英語以外の学術雑誌の収録に精力的に取り組んでいます。

米・トランプ政権は「購読料の壁」を突き崩すか?:米国大統領府科学技術政策局(OSTP)による政府助成研究成果物のパブリックアクセス方針の検討を巡る議論(記事紹介)

米国科学振興協会(AAAS)のScience誌オンライン版に2020年5月21日付で、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)による連邦政府の助成を受けた研究成果物のパブリックアクセス方針の検討を巡って、その経緯や論点を解説した記事が掲載されています。

OSTPは2020年3月31日付で、連邦政府の助成を受けた研究の成果物である査読付き学術出版物・データ・コードのパブリックアクセスを拡大する方法について、情報提供依頼書(RFI)を公開し5月6日に回答期限を迎えました。また、2月19日付で、米国政府の助成を受けた研究者が1年間に生産する約22万本の論文を即時公開した場合の利益や課題、実現するための「効果的な手段」についての意見照会を実施しました。

記事では、OSTPの一連の動きが政府助成研究による成果物の即時オープンアクセス(OA)化を定めたとされる米国政府の新しい方針案に対して出版社や議員らが強い反発を示した後に行われていること、OSTPにいわゆる「購読料の壁(paywall)」に対する賛否両論のコメントが盛んに提出されていること、米国政府の科学アドバイザーであるKelvin Droegemeier氏がここ数か月の間に出版社や科学団体の関係者を招いて主催した非公式の会議の場でこの話題が再燃していること、などが解説されています。

『カレントアウェアネス-E』391号を発行

■E2258■ 山形県立図書館のリニューアルについて
山形県村山総合支庁(元山形県立図書館)・菊池綾子

■E2259■ CUPからのRead & Publishモデル契約の提案について
大学図書館コンソーシアム連合事務局

■E2260■  Open Research Libraryの動向
利用者サービス部科学技術・経済課・榎孝浩

■E2261■ ORCIDへの期待とコンソーシアム
東京工業大学・森雅生

■E2262■ シンポジウム「社会に魅せる研究力」を測る<報告>
国立国語研究所・井上雄介

■E2263■ 吉永元信国立国会図書館新館長インタビュー
編集・聞き手:関西館図書館協力課調査情報係

E2261 - ORCIDへの期待とコンソーシアム

2020年4月,ORCID日本コンソーシアムが本格的に始動した。日本におけるORCIDコンソーシアム設立に関する明示的な検討は,2017年9月に国内の会員機関のORCID担当者による会議から始められた。それまでにもコンソーシアム設立に対する期待はあったものの,実現に向けた明示的な行動は見られなかった。しかし,この会議において有志によるコンソーシアム設置に向けた努力を進めるという合意がなされ,2020年3月までに2年間で18回のコンソーシアム運営委員会(以下「運営委員会」)が行われ,準備が進められた。筆者は,このコンソーシアム運営委員会の発起人の一人であり,委員長として関わっている。

E2262 - シンポジウム「社会に魅せる研究力」を測る<報告>

2020年2月13日に,国立国語研究所IRシンポジウム「社会に魅せる研究力を測る-論文では見えてこない社会に貢献する研究を評価する指標-」が国立国語研究所(東京都立川市)にて開催された。

E2260 - Open Research Libraryの動向

Open Research Library(ORL)は,世界中のオープンアクセス(OA)の査読付き学術単行書や論文集等のチャプターを単一のプラットフォームから利用可能とするKnowledge Unlatched(KU)の新しい取組であり,2019年5月にベータ版,2020年1月に正式版がリリースされた。OA学術単行書はオンライン上に散在しており,利用者が見つけ出したり,図書館が流通・利用状況を管理したりすることは,困難である。ORLはその解消を目指している。

E2258 - 山形県立図書館のリニューアルについて

2020年2月1日,山形県立図書館がリニューアルオープンした。現在の遊学館に移転した1990年から四半世紀が経過し,開館当時と求められる役割や活用状況が変化したことに加えて,一部施設・設備の老朽化が見受けられたことから,県立図書館のさらなる活性化に向け改修することを決定し2016年3月にその指針となる「山形県立図書館活性化基本計画」を策定した。翌2017年12月には工事概要を公表し,「県民が集い・学ぶ 本のまち」を基本コンセプトに,2018年8月に改修工事は始まった。

E2259 - CUPからのRead & Publishモデル契約の提案について

大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE;E1189参照)は,2019年8月29日に英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)からのRead & Publishモデル契約を含んだ提案に合意した。この合意は,JUSTICEにとって初のRead & Publishモデルに関する合意となった。本稿では,この合意に至るまでの経緯とその提案内容について紹介する。

E2263 - 吉永元信国立国会図書館新館長インタビュー

2020年3月31日付けで国立国会図書館(NDL)の羽入佐和子館長(E1811参照)が退任し,翌4月1日付けで吉永元信新館長が第17代の館長に就任した。NDLの元職員が館長となるのは,第15代館長を務めた大滝則忠元館長(E1289参照)に続き二人目となる。今後どのようにNDLを運営していこうと考えているのか。いまの想いについて吉永館長にインタビューを行った。

国立公文書館アジア歴史資料センター、「アジア歴史ラーニング -デジタル資料で学ぶ日本とアジア-」を公開

2020年5月28日、国立公文書館アジア歴史資料センターが、「アジア歴史ラーニング -デジタル資料で学ぶ日本とアジア-」を公開しました。

学習指導要領改訂やアクティブラーニング、学び直しへの関心の高まりを受けて作成されたものです。

トップページにある6つのテーマをクリックすると、それぞれにおいて「国内の動き」「外交」「戦争・軍事」「世界の動き」の4つに分かれた年表ページが表示されます。年表からは、用語の解説や二次利用の際の手引きのほか、関連する資料画像やテキストを見ることができる用語ページへのリンクが用意されています。

「アジア歴史ラーニング -デジタル資料で学ぶ日本とアジア-」の公開のお知らせ (2020年05月28日)(アジア歴史資料センター)
https://www.jacar.go.jp/news/news04_others.html#20200528

日本図書館協会(JLA)、「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の更新版を公開

2020年5月26日、日本図書館協会(JLA)が、「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の更新版を公開したことを発表しました。

同ガイドラインは、5月14日に策定されたものであり、今回の更新は、策定後の状況の変化と5月20日に公表された「来館者名簿」の運用に関する補足説明を踏まえて実施されました。

前回から更新された箇所としては、同ガイドラインの位置づけや活用の手順に関する記載、海外の図書館協会等が発表したガイドラインに関する情報、来館者の氏名及び緊急連絡先の把握に関する留意事項や運用方法の記述等があります。

また、附記には今後も必要に応じて更新が行われること、同ガイドラインの特定事項の詳細や事例を示す必要性が生じた際には、JLAのホームページに掲載することが書かれています。

さいたま市図書館、さいたま市生涯学習コンテンツ『学びの泉』に「地域もの知りけんてー」と「コロナ情報館」を提供

2020年5月16日、さいたま市図書館は、さいたま市生涯学習コンテンツ『学びの泉』に「地域もの知りけんてー」と「コロナ情報館」を提供したことを発表しました。

「地域もの知りけんてー」は、同館に関する豆知識や、図書館周辺の地域の文化・伝統・自然環境を題材にしたクイズです。「コロナ情報館」では、さいたま市、埼玉県、国等が発信している新型コロナウイルス感染症に関連する情報へのリンクが整理されています。

生涯学習コンテンツ『学びの泉』 「地域もの知りけんてー」に挑戦してみよう!(さいたま市図書館, 2020/5/16)
https://www.lib.city.saitama.jp/infoevent?3&pid=2662

参考:
鳥取県立図書館、「新型コロナウイルス関連肺炎についてのリンク集」を公開
Posted 2020年1月31日
https://current.ndl.go.jp/node/40117

saveMLAK、「COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/05/21)」の結果を発表

2020年5月23日、saveMLAKが「COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/05/21)」の結果を発表しました。

同調査は、5月16日にsaveMLAKが結果を公開した第5弾調査に続く、第6弾の調査として、公共図書館・公民館図書室等1,708館を対象に、5月20日9時から5月21日21時にかけて実施されました。

発表によると、休館している図書館が全体で47%、休館中であるものの予約受取サービスを再開した図書館が278館、休館を行った図書館の平均休館日数は43日です。開館に向けた動きとして、入館記録を取っている図書館が32館から93館に増加したこと、入館者数の制限や時間ごとの入れ替え制を実施している事例、ロードマップの策定、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対応のセルフアーカイブ活動が挙げられています。また、動画配信等の新たに開始されたサービス、オンラインで開催されたイベントについてもまとめられています。

同調査のデータは、クリエイティブ・コモンズライセンスのCC0で公開され、saveMLAKのウェブページからダウンロードができます。また、調査の根拠となった図書館や地方公共団体のウェブページの中で可能なものはInternet Archiveに保存され、調査時点のページを閲覧できます。

武蔵野市立図書館(東京都)、利用者番号の末尾の数(奇数・偶数)により来館日を振り分けての市内在住・在勤・在学者への予約資料の貸出を再開

東京都の武蔵野市立図書館が、新型コロナウイルス感染防止対策を講じたうえで、2020年5月27日から予約資料の貸出を再開すると発表しています(吉祥寺図書館・武蔵野プレイスは5月28日から)。

対象者は市内在住・在勤・在学者で、予約資料が用意されているかをウェブサイトの「マイページ」で確認の上、3密を回避するため、利用者番号の末尾が奇数の場合は奇数日に、偶数の場合は偶数日に受け取るよう求めています。

対象外の利用者への予約資料の貸出等その他のサービスの再開については改めて通知するとしています。ウェブサイトや電話によるレファレンス等は行われています。

武蔵野市立図書館 重要なお知らせ
http://www.library.musashino.tokyo.jp
※「5月27日(水曜日)より、市内在住・在勤・在学の方の予約資料貸出を再開します(吉祥寺図書館・武蔵野プレイスは28日(木曜日)から) (2020年5月27日)」とあります。

韓国国立中央図書館(NLK)、資料の保存と共有に関し、複合文化施設「芸術の殿堂」と業務協約を締結

2020年5月27日、韓国国立中央図書館(NLK)、資料の保存と共有に関し、複合文化施設である「芸術の殿堂」と業務協約を締結したと発表しています。

協約の内容として、資料の収集・保存のための寄贈・寄託、資料の保存・活用のためのデジタル化及び共同活用に関する協力、資料の整理及びサービスの標準化のための技術情報に関する交流、資料の共有及びサービス活性化のための広報などの連携事業での協力、があげられています。

NLKでは、芸術の殿堂が所蔵している展示図録、ポスター、公演ガイド、録音資料といった5万8,000点の原資料のうち、破損の恐れが高いものや活用性の高い資料を優先的にデジタル化の支援を行う予定です。デジタル化資料は図書館のウェブサイトを通じて公開するともに、芸術の殿堂にも提供されます。また両機関では、芸術資料の管理のための技術や文化芸術コンテンツの開発に関してもお互いの経験を共有し協力する計画です。

5月 27日

中国科学院文献情報センターと英・オックスフォード大学出版局が中国初の転換契約締結に合意

2020年5月22日、中国のOA2020署名機関である中国科学院文献情報センターは、英・オックスフォード大学出版局(OUP)との間で、中国初の転換契約締結に合意したことを発表しました。

契約期間は2020年から2022年までであり、契約に参加する中国科学院傘下の26の研究所とその所属研究者は、OUPの科学技術分野の学術誌・論文へのアクセスのほか、これらの学術誌上に、一定数の論文を費用負担なしにオープンアクセスで公開することも可能となります。

この転換契約により、同センターと26の研究所は元々OUPの学術誌購読に用いていた費用をOA出版のための費用に転換することができ、研究者は論文処理費用(APC)の支払いなしにOA論文を発表することができる、と紹介しています。

中国科学院文献情报中心与牛津大学出版社达成国内首个开放出版转换协议(中国科学院文献情報センター, 2020/5/22)
http://www.las.cas.cn/xwzx/zhxw/202005/t20200522_5584635.html

国立国会図書館、来館サービスの順次再開を発表

2020年5月27日、国立国会図書館(NDL)は、緊急事態宣言の全面解除を踏まえ、来館サービスを順次再開することを発表しました。各館の再開日等は次のとおりです。

〇東京本館
抽選予約制により入館制限を行った上で6月11日から再開

〇関西館
6月4日から再開

〇国際子ども図書館
児童書研究資料室に限定して6月11日から再開

東京本館では、インターネットからの事前の来館利用申込みによる抽選予約制を実施し、1日あたりの入館者数を200名程度から開始します。申込フォームについては、準備が整い次第NDLウェブサイト上で広報が行われます。

あわせて発表された「ご来館にあたってのお願い(3施設共通)」では、入館時にサーモグラフィー等での検温を実施し、発熱のある方は入館できないこと等6点を記載しています。

エルゼビア・ジャパン株式会社、医療情報データベース「今日の臨床サポート」の一部コンテンツを無料提供:新型コロナウイルス感染症患者を扱う医療従事者支援

2020年5月27日、エルゼビア・ジャパン株式会社は、新型コロナウイルス感染症患者を扱う医療従事者支援のため、同社のエビデンスに基づく二次文献データベース「今日の臨床サポート」の一部コンテンツについて、2020年6月30日まで無料提供することを発表しました。

「今日の臨床サポート」は日本の専門医1,400人の執筆によるエビデンスに基づいた医療情報を提供する二次文献データベースです。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)、急性呼吸窮迫症候群、ICUルーチン、人工呼吸器の設定、呼吸不全、呼吸停止、経皮的心肺補助の概要・適応、敗血症、ショック、市中肺炎が無料提供対象となっており、「今日の臨床サポート」のウェブサイト内に設けられたリンクから各コンテンツを閲覧することができます。

プレスリリース(日本発表分)(エルゼビア・ジャパン株式会社)
https://www.elsevier.com/ja-jp/about/newsroom
※2020.5.27欄に「エルゼビア・ジャパン、エビデンスに基づく二次文献データベース『今日の臨床サポート』へのアクセスを一部無料提供」とあります

ページ