アーカイブ - 2020年 7月 22日

京都大学、同大学構内に所在する登録有形文化財「尊攘堂」及び構内遺跡の調査・研究成果のオンライン公開を開始

2020年7月22日、京都大学は、同大学文学研究科附属文化遺産学・人文知連携センターのウェブサイトにおいて、同大学構内に所在する登録有形文化財「尊攘堂」のパノラマツアー、及び同大学構内遺跡の調査・研究成果映像資料のオンライン公開を開始したことを発表しました。

同センター・京大文化遺産調査活用部門の資料室として、同大学構内における埋蔵文化財調査成果の保存・展示目的に使用されている尊攘堂は、2018年6月の大阪北部を震源とする地震で内部が損傷したことから閉室し、修復工事が進められていました。修復工事の完了により、2020年3月にリニューアル開室が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で現在も公開を見合わせていることから、360度のパノラマ写真を用いてリニューアル後の尊攘堂内部をオンラインで観覧可能な「尊攘堂パノラマツアー」が公開されました。「尊攘堂パノラマツアー」では、主要な展示品について詳細な画像と解説文とともに観覧することが可能となっています。また、同大学構内に所在する遺跡の調査・研究成果を一般向けに紹介する映像として、「京都大学キャンパスの遺跡」もオンラインで公開されています。

京都大学は、これらのオンライン公開は、同大学が遺跡の上に建つ大学であることの周知と、文化遺産への理解の啓発が目的である、としています。

cOAlition S、欧州研究評議会(ERC)科学評議会のオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表

2020年7月21日、cOAlition Sは、欧州研究評議会(ERC)の科学評議会(Scientific Council)によるオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表しました。

声明では、過去20年間にわたってハイブリッドジャーナルへの支援がオープンアクセスの速やかな進展を妨げてきたこと、転換契約がないハイブリッドジャーナルには出版社の二重取り(double-dipping)を阻止する手段がないことが指摘されています。

さらに、ハイブリッドジャーナルの現状を維持することは、潤沢な研究資金が与えられている研究者のみがハイブリッドジャーナルでのOA出版に要する費用を調達できることから、欧州の研究者間の不平等を悪化させると述べられています。リポジトリへの登録によるPlan Sへの準拠を可能とする権利保持戦略が存在することから、研究者はハイブリッド型を含むいずれのジャーナルも選択することが可能であると指摘しています。

また、cOAlition Sは若手研究者の懸念に特に注意を払っており、若手研究者を支援する機関との緊密に協働していることが述べられています。

ドイツの電子情報長期保存プロジェクトnestor、OAIS参照モデルの情報生産者からアーカイブへの提出用情報パッケージSIP形成における原則を示した手引きを公開

2020年7月20日、ドイツの電子情報長期保存プロジェクトnestorはTwitterアカウントによる投稿で、同プロジェクトが刊行するnestor-materialienシリーズの新しいタイトルとして“Grundsätze zur SIP-Bildung”を公開したことを発表しました。

“Grundsätze zur SIP-Bildung”は、OAIS参照モデルの情報生産者からアーカイブへの提出用情報パッケージであるSubmission Information Package(SIP)の形成において、その具体化のための原則を示した手引きとして、nestorのワーキンググループが作成しました。電子情報の長期保存においてSIP提出後の処理を容易化するために、オリジナルの情報パッケージとSIPとが近似し、かつ標準的な形で設計されることが望ましいとして、これを達成するための原則として以下の5つを挙げています。

1. 一般原則
2. 情報パッケージ特定のための原則
3. 情報パッケージの構造
4. 情報パッケージのメタデータ
5. 情報パッケージの真正性と完全性

手引きではこれらの5原則の具体化に必要なアプローチについて、個々に要求レベルを示しながら解説しています。

大学図書館でも広がる「シードライブラリー」の取り組み(米国)(文献紹介)

2020年7月15日付で、米・ニューヨーク市立大学の図書館協会が発行するオープンアクセス誌“Urban Library Journal”Vol.26, Issue 1(2020年)収録の論文として、米国テネシー州ノックスビルの2大学の図書館における「シードライブラリー」の取り組みを紹介した論文が公開されています。

米国では、果物・野菜・ハーブ・花などの種子を貸出等によってコミュニティに提供し、健康で持続的な発展を促す「シードライブラリー」の取り組みが、公共図書館を中心に広く展開されています。公開された論文では、これまで学術文献上で言及の少なかった学術機関の図書館の取り組みに着目し、テネシー州の第3都市ノックスビルに所在するペリシッピ・ステート・コミュニティ・カレッジ(Pellissippi State Community College:PSCC)と、同州を代表する研究機関であるテネシー大学ノックスビル校の2大学の図書館における「シードライブラリー」が採りあげられています。同論文の目的は、同一都市内の規模や使命の異なる2大学の取り組みを事例として紹介することで、食料へのアクセス、持続的なコミュニティの形成、学生の学習等に貢献する「シードライブラリー」の他の高等教育機関での設立の検討に資するようなケーススタディを提供することである、と説明されています。

長崎県立希望が丘高等特別支援学校、諫早市立たらみ図書館(長崎県)で同校生徒による校外喫茶サービス「Smile hope cafe」を実施

2020年7月10日、長崎県立希望が丘高等特別支援学校は、2020年7月16日と8月19日に同県の諫早市立たらみ図書館の調理談話室で、一般客を迎えた校外喫茶サービス「Smile hope cafe」を実施することを発表しました。

2020年7月16日に実施された「Smile hope cafe」では、コーヒーやアイスカフェオレ、同校の農芸コースが栽培した「シソ」を使用したシソジュース等の飲料類が提供されました。コーヒー豆は、同館の所在する諫早市多良見町内のコーヒー販売店とのコラボレーションによるオリジナルブレンドが使用されています。

地元紙の報道でも、公共施設の協力を得て特別支援学校の実習を兼ねた珍しい取り組みとして紹介されています。

校外喫茶サービスのお知らせ(食品加工・接客コース)(希望が丘高等特別支援学校,2020/7/10)
http://www2.news.ed.jp/bunrui/syoukai/tokusyoku/78100tokusyoku/99084.html

文化学園・文化学園大学図書館、「貴重書デジタルアーカイブ」で楊洲周延の錦絵を公開

2020年7月1日、文化学園・文化学園大学図書館は、同館が運営する「貴重書デジタルアーカイブ」で、開館70周年記念事業として、錦絵を公開することを発表しました。

対象の錦絵は同館が所蔵する浮世絵師楊洲周延の作品154点であり、3回に分けて公開されます。

公開予定日等は以下の通りです。

第1弾:公開予定日7月1日 当時の生活を描いた作品98点
第2弾:公開予定日9月15日 洋装化を描いた作品25点
第3弾:公開予定日10月6日 時代かがみ、ほか作品31点

また、同館のTwitterアカウントで、公開された資料の紹介を行っています。

【図書館開館70周年記念事業】貴重書デジタルアーカイブでの錦絵公開について(文化学園・文化学園大学図書館, 2020/7/1)
https://lib.bunka.ac.jp/news/2020/07/news3719/

欧州研究評議会(ERC)科学評議会、オープンアクセスについてCoalition Sから独立した活動を行うことを発表:若手研究者や助成が少ない国の研究者等のニーズに焦点

2020年7月20日、欧州研究評議会(ERC)の科学評議会(Scientific Council)が、Coalition Sのサポーターをやめ、オープンアクセス(OA)の実現に向けて独立した活動を行うことを決定したと発表しました。

発表によると、若手研究者をはじめとした研究者のニーズや、研究コミュニティや欧州の国家間での公平性の担保等に焦点が当てられます。また、Coalition Sが示している、2021年1月1日から発効する完全・即時のOAに関する原則Plan Sについて、特に若手研究者や代替となる助成が少ない国の研究者、OA方針の導入が難しい分野の研究者にとって弊害となり得ると指摘しています。

同審議会は、欧州委員会(EC)と連携し、Horizon EuropeのOAに関する規則と齟齬なく、ERCを含めたプログラム全てに適用可能な解決策を模索するとしています。

武雄市図書館・歴史資料館(佐賀)、企画展「水とともに生きる 武雄の災害と治水」を開催中

2020年7月11日から8月16日にかけて、佐賀県の武雄市図書館・歴史資料館で、企画展「水とともに生きる 武雄の災害と治水」が開催されています。

2019年8月の豪雨により武雄市に被害がもたらされたことを踏まえ、江戸時代の災害や治水・利水事業の資料、近年同市で発生した災害の情報を通して防災意識を高め、水とともに生きていく方法を考えるきっかけを提供するとしています。

水とともに生きる 武雄の災害と治水(武雄市歴史資料館)
http://www.city.takeo.lg.jp/rekisi/kikaku/2020/saigai/saigai.html

直方市立図書館(福岡県)内に、寄贈を受けた記録文学作家・上野英信氏の「筑豊文庫」の資料等を紹介する「筑豊文庫資料室」がオープン

2020年7月21日、福岡県の直方市立図書館内に「筑豊文庫資料室」がオープンしました。

報道によると、同市が4年前に寄贈を受けた、筑豊の炭鉱を舞台とした記録文学の作家・上野英信氏が自宅に開設した「筑豊文庫」の書籍や炭鉱の資料等約7,000点や同氏の作品を紹介する資料室としてオープンしたものとのことです。

筑豊文庫資料室がオープン(NHK NEWS WEB(北九州 NEWS WEB),2020/7/21)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20200721/5020006567.html

韓国・国会図書館、2020年7月27日から再開

2020年7月21日、韓国の国会図書館(NAL)が、臨時休館を終了し、7月27日から再開すると発表しました。

利用日の前日に予約する事前予約制で、1日の定員は200人です。開館時間は平日の14時から18時までで、夜間および週末の開館は別途通知があるまで行われません。

書庫資料を受け取る時間を短縮するため、予約者は最大5冊までの事前の閲覧申請が可能です。デジタル情報センターの座席は入室後資料室内のキオスク端末で別途の予約が必要です。

館内ではマスクの着用が必要で、発熱や呼吸器症状が確認されたり、マスクを未着用の場合は、入館が制限されます。また館内では他の利用者と安全な距離を保つ必要があります。

図書館や国会内のレストランは利用できません。

국회도서관 재개관 안내(国会図書館再開館案内)(NAL,2020/7/21)
https://www.nanet.go.kr/usermadang/notice/noticeDetail.do?searchNoSeq=2740

韓国・国立世宗図書館、2020年7月22日から館内での閲覧サービスを再開

2020年7月20日、韓国・国立世宗図書館が、7月22日から館内での閲覧サービスを再開すると発表しました。中央災難安全対策本部が公共施設の運営制限措置の緩和を決定したことを受けてのものです。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため事前予約制で、1日の利用者数を制限して再開します。

事前予約は、利用当日の午前9時から同館ウェブサイトを通じて行い、予約完了メールを受信した後、同メールで案内された時間に利用することができます。

利用者数は1日500人で、1回あたり125人で4回(10時から11時半、12時から13時半、14時から15時半、16時から17時半)にわけて案内されます。各運営時間後ごとに防疫作業が実施されます。

子ども資料室、人文芸術資料室、一般・政策資料室は利用できますが、マルチメディアコーナー、逐次刊行物・新聞コーナー、セミナー室、政策研究室など一部利用制限のある箇所もあります。

利用者は図書館の第1入口において、発熱検査と貸出証の確認を行った後入館できます。マスクの着用と利用者間の安全な距離をとる必要があります。

オープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のバージョン7.0が公開

米・ヴィラノヴァ大学図書館が開発しているオープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のVersion 7.0が、2020年7月20日に公開されました。

セキュリティの向上、ArchivesSpaceやKohaのRESTful APIといったいくつかのシステムとの統合のサポート、EBSCO Discovery ServiceやFOLIOとの互換性の向上、プラグイン生成ツールの強化等が行われています。

VuFind 7.0 Press Release(VuFind, 2020/7/20)
https://vufind.org/wiki/changelog#release_70_-_7_20_2020

参考:
オープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のバージョン6.0が公開
Posted 2019年7月16日
https://current.ndl.go.jp/node/38594

韓国国立中央図書館(NLK)、2020年7月22日からの再開に合わせ、国立デジタル図書館内にメディア創作室を開室

2020年7月21日、韓国国立中央図書館(NLK)は、2020年7月22日からの再開に合わせ、国立デジタル図書館内にメディア創作室を開室すると発表しました。

同室はメディアスタジオと編集席を備えており、同館に「新しい情報メディア生産プラットフォーム」としての機能を拡張させたものと位置付けられています。

メディア創作室は10のスタジオ・12のメディア編集席・企画会議スペースで構成されており、スタジオにはカメラ・マイク・LED照明・背景スクリーン等が完備され、高品質の映像を制作することが可能です。また、メディア編集席には映像・音響編集ソフトがインストールされており、映像を編集してウェブ上にアップロードすることができます。NLKでは、「1人メディアアカデミー」を運営し、レベルにあった講座を提供することで、利用者のメディア作成能力を強化するともしています。

あわせて、図書館の中央にはアナログでの思索空間としての「緑の避難所」も設置されました。

また、デジタル図書館の館内にはノートパソコンの利用増に対応するため、ノートパソコン・モバイルデバイス利用席を51席に拡大したほか、約230台の最新のパソコンも設置しています。タブレットパソコンの館内貸出しサービスも行ないます。