アーカイブ - 2016年 2月 - book

2月 18日

E1768 - 『図書館の意味:一つの文化史』<文献紹介>

Crawford, Alice ed., The Meaning of the Library: A Cultural History. Princeton University Press, 2015, 336p., ISBN 978-0-691-11639-1.

 本書『図書館の意味:一つの文化史』は2012年の英国のセント・アンドルーズ大学(University of St Andrews)ジェームズ王図書館(King James Library)創立400周年にちなんで,2009年から2013年にかけて行われた12の連続講演をまとめたものである。この講演が行われた時期は,英国においては経済危機による公共図書館の分館の廃止が進み,また,技術革新による図書館・図書館員不要論が生まれた時期と符合する。ちなみに2012年はセント・アンドルーズ大学の創立600周年にも当たる。

E1767 - 公開講演会「図書館とソーシャル・キャピタル」<報告>

 2015年12月18日,立教大学池袋キャンパスで,公開講演会「図書館とソーシャル・キャピタル」が開催され,立教大学司書課程主任の中村百合子氏(図書館情報学)の呼びかけにより,30名ほどの図書館関係者が参加した。本講演会では,東京経済大学コミュニケーション学部教授である柴内康文氏による講演と図書館関係者からの質疑応答が行われた。本稿では,当日の内容を報告する。

柴内氏は,米国の政治学者ロバート・パットナムの著書であり自身が邦訳を行った,米国社会のボウリング人口全体における一人でボウリングをする人口の増加を手掛かりにソーシャル・キャピタルの位置づけを論じた『孤独なボウリング:米国コミュニティの崩壊と再生』を基軸に,ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の概要紹介と米国および日本におけるソーシャル・キャピタルの様相に関して触れた後,講演会の題にある図書館とソーシャル・キャピタルの関係について議論を行った。

E1766 - 「デジタル脚本アーカイブズ」の試行研究

〇はじめに
 「脚本アーカイブズ活動」とは,テレビ・ラジオの放送番組制作に使用した脚本・台本を収集,保存,管理,公開する活動をいう。2011年5月18日,文化庁と国立国会図書館(NDL)の間で「我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定」が締結され,「テレビ・ラジオ番組の脚本・台本」も保存等の対象の一分野となった。テレビ・ラジオも放送初期は映像や音声の残存率が非常に低い。特に1980年以前のテレビ番組の映像は,録画に使われたビデオテープが高価だったため,何度も上書きされて現存せず,脚本・台本は,当時の放送番組を知る大きな手がかりとなる。この協定を受け,2012年,日本放送作家協会から活動を継承し,日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム(代表理事・山田太一;以下コンソーシアム)が設立された。そして1980年以前の脚本・台本約2万7,000冊をNDLに寄贈し,東京本館の音楽・映像資料室で公開中であり,また,1981年以降の脚本・台本は川崎市市民ミュージアムで2016年度中に公開予定である。

E1769 - 東アジア地域書誌コントロールの動向 国際フォーラム<報告>

E1769 - 東アジア地域書誌コントロールの動向 国際フォーラム<報告>

 2016年1月9日,大阪学院大学で日本図書館研究会情報組織化研究グループ主催の「東アジア地域における書誌コントロールの動向に関する国際フォーラム」が開催された。同フォーラムでは,日中韓における書誌コントロールの現状について,Linked Open Data(LOD;CA1746参照)やBIBFRAME(E1386参照),RDA(CA1767参照)などを切り口に,夏翠娟氏(上海図書館システム・ネットワークセンター),朴志英氏(漢城大学),渡邊隆弘氏(日本図書館協会目録委員長・帝塚山学院大学)が発表を行ったのち,木村麻衣子氏(学習院女子大学)をコメンテータに迎えてパネルディスカッションが行われた。以下,その内容を報告する。

E1770 - 国立国会図書館,書誌データ利活用アンケートを実施

 2016年2月12日,国立国会図書館(以下当館)は,作成・提供する書誌データの利活用に関するアンケートの結果を公表した。

2月 4日

E1764 - 大学図書館における学術コミュニケーション機能の組織配置

 2015年11月18日,米国のIthaka S+Rが,大学図書館における学術コミュニケーション部署の組織配置に関して調査し,レポート“Office of Scholarly Communication: Scope, Organizational Placement, and Planning in Ten Research Libraries”を公開した。このレポートは,Ithaka S+Rがハーバード大学の依頼を受け,大規模な大学図書館における基礎情報を収集すべく,米英の11の図書館等を対象に,電話調査等を行った結果をまとめたものである。なお近年,学術コミュニケーションの変容という文脈でオープンアクセス(OA)が挙げられることが多いが,本調査の対象にはOA方針を採択していない大学の図書館も含まれる。また,スタンフォード大学は調査対象であったが,学術コミュニケーション機能を担当する部署がなくOAについても関心が薄いとして回答が得られていない。各大学の図書館長に対しては学術コミュニケーション機能の目的と組織構造について,学術コミュニケーション部署の長(あるいはそれに相当する者)へは当該部署の人員,予算,業務分担,業績について質問している。なお,調査対象の概要(学術コミュニケーション部署や機関リポジトリについて)と質問内容が附録として掲載されている。

E1763 - 国連2030アジェンダと図書館:IFLAのツールキット

 2015年9月,国際連合は,“Transforming our world:the 2030 Agenda for Sustainable Development”(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ/以下,アジェンダ)を採択した。これは,2001年策定の“Millennium Development Goals”(ミレニアム開発目標)の後継として,その残課題やその後顕在化した課題に対応すべく新たに設定された,17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)と169のターゲットからなる2030年までの国際的な開発目標である。先進国・開発途上国を問わず全ての国で達成すべき目標とされ,2016年1月1日に施行された。

E1762 - 第5回日中韓電子図書館イニシアチブ(CJKDLI)会議<報告>

 2015年12月10日と11日,第5回日中韓電子図書館イニシアチブ(China-Japan-Korea Digital Library Initiative:CJKDLI)会議(E1526E1647参照)が国立国会図書館(NDL)で開催された。中国国家図書館(NLC)と韓国国立中央図書館(NLK)からは各4名,開催国であるNDLからは9名が出席した。

E1761 - 第26回保存フォーラム「保存と展示の両立を考える」<報告>

 2015年12月18日,国立国会図書館(NDL)は,東京本館において第26回保存フォーラム「その展示,本を傷めていませんか?-保存と展示の両立を考える-」を開催した。保存フォーラムは資料保存の実務者による知識の共有,情報交換を意図した場である。