アーカイブ - 2016年 7月 - book

7月 28日

E1826 - 起業,中小企業を支援する図書館:ALAの報告書(米国)

 2016年6月,米国図書館協会(ALA)の情報技術政策局(OITP)が,起業や中小企業への支援を行う図書館に関する事例をまとめた報告書“The People's Incubator: Libraries Propel Entrepreneurship”を公開した。報告書では支援内容ごとにその意義と事例がまとめられている。本稿ではその一部を紹介する。

E1827 - 学生の「成功」のために大学図書館は学内で連携を(米国)

 米国の大学・研究図書館協会(ACRL)では,大学・研究図書館(以下図書館)が設置母体に対してその価値を示すための活動“Value of Academic Libraries Initiative”(E1103E1298参照)に取組んでいる。その取組の一環として,ACRLは,2013年から,3年間のプロジェクト“Assessment in Action: Academic Libraries and Student Success”(AiA)を開始した。同プロジェクトでは,(1)大学の組織目標として掲げられる学生の学業面での「成功」に係る図書館の価値を立証・発信する図書館員の能力の向上,(2)学内外の利害関係者との連携強化,(3)大学の評価に対して図書館が貢献しうる戦略の策定・実行,を目標としている。2016年4月にACRLが公表したレポート“Documented Library Contributions to Student Learning and Success: Building Evidence with Team-Based Assessment in Action Campus Projects”は,2014年4月から2015年6月まで実施されたAiAの2年目のプログラムの成果をまとめたものである。

 

E1825 - ライブラリアンの見た世界の大学と図書館<報告>

 2016年6月25日,同志社大学でシンポジウム「ライブラリアンの見た世界の大学と図書館 ~図書館利用行動を中心に~」が開催された。このシンポジウムは科学研究費基盤研究(C)プロジェクト(研究代表者は同志社大学の原田隆史氏)「人の真の情報ニーズを汲み取るコンシェルジュ型資料検索システムの構築」主催によるものである。このシンポジウムはUstreamによる中継も行われ,主催者発表によると,来場した参加者は約200名,中継のリアルタイムの視聴者は約100名にのぼり,テーマへの関心の高さが伺えた。

E1824 - 多摩デポとカーリルの共同研究成果:TAMALASの公開

 NPO法人共同保存図書館・多摩(通称「多摩デポ」)は,東京都の多摩地域に共同保存図書館を作ることで,多摩地域で最後の2冊以下となる資料を共同で保存し,各図書館の利用に供することを目指して活動している。その準備作業として多摩デポと株式会社カーリルは2014年度から多摩地域の各図書館の所蔵情報を仮想空間で共有し,除籍と保存の判断を効率的に行う「バーチャル共同保存図書館」に関する共同研究を進めてきた(E1673参照)。その中で2016年5月に多摩地域(29自治体が対象)にあるすべての図書館の蔵書を横断して検索できるシステム「多摩地域公共図書館蔵書確認システム」(通称:TAMALAS,Tama(多摩)地域でLast(最後)の本という意味)を多摩デポのウェブサイトで公開した。検索対象はISBNが付与されている資料に限られるが,カーリルが提供するAPIとReact(Facebook社が提供するオープンソースのフレームワーク)を組み合わせることにより,従来と比べて検索にストレスを感じないシステムを実現した。ISBNによって検索を行うシステムのため,バーコードリーダーによる連続作業を想定して,ラスト1冊あるいは2冊となったタイトルについてはアラート音を出すことで所蔵状況のフィードバックが得られるなど,作業負荷を軽減する仕組みを取り入れた。

E1823 - 本のある広場からの発信:Book!Book!Okitama2016

 Book!Book!Okitamaは,山形県の置賜地方(3市5町)で2014年から開催されているブックイベントである。図書館に集う人たちやミニコミ誌を作っている団体のメンバーが立ち上げた実行委員会の主催で,すべてボランティアで企画から運営まで行っている。「本と出会い 人,店,まちとつながる心が通う 9日間」をコンセプトに,(1)著者,編集者,装丁家,ブックコーディネーターといった本づくりや本に関わる方によるトークイベント,(2)一箱古本市(CA1813参照)や紙もの雑貨を販売する紙もの市をメインとした「読書と昼寝の日曜日」,(3)協賛いただいたカフェや書店などで「本」にまつわる限定メニューや企画展などをする「よりみちブックイベント」の三本柱で展開している。全く手探りではじめたイベントであったが,年を経過するごとに協賛店や参加者は増え続け,イベントをきっかけに新しいお店を知ったり,「本」の話題で友人や知人が増えたりと,様々な出会いのきっかけとなり,広く地域に根ざしたイベントとなってきた。

7月 14日

E1822 - 全米が「図書館に夢中」:OCLCによる6年間のキャンペーンが終了

 ビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金援助を受け,2009年からOCLCによって米国内で繰り広げられたキャンペーン“Geek the Library”(「図書館に夢中」)が2015年6月に終了した。2009年からの6年間で参加した公共図書館の数は1,779(図書館システムでは959)にのぼる。キャンペーンはいくつかの段階を踏んでおり,2010年4月までは,ジョージア州,イリノイ州など5つの州にある100館ほどが参加する試行期間であった。その後,その結果を分析するとともに内容の改善を図り,2011年6月以降は全米の図書館が「図書館に夢中」に参加できるようになった。試行期間についての報告書は2011年に発表され,2016年4月にも報告書“Local Action and National Impact”(以下最終報告書)が発表された。最終報告書には2012年から2015年の3年間を調査期間として,「図書館に夢中」に参加した図書館員へのインタビューした調査の結果などが示されている。

E1821 - 成人の図書館利用の実態(英国)

 公共図書館(以下図書館)に関する調査の実施,図書館界に対する指導性の発揮,図書館サービスの再活性化支援を目的にコミュニティ・地方自治省に設置されている英国のLibraries Taskforceが,2016年4月28日,成人(16歳以上)の図書館利用の実態について調査した報告書“Taking Part, focus on: libraries”を公開した。

E1820 - 研究用ソフトウェアの持続可能性

 研究データ管理の重要性が最近声高に叫ばれているが,研究データを読み取るには,研究機関で開発され研究目的で使用される研究用ソフトウェアをはじめとするソフトウェアが必要であることは言うまでもない。しかしそのソフトウェアの持続可能性,すなわちソフトウェアを将来にわたって利用できるようにする取組みについては,あまり注意が払われていない。ソフトウェアがないとデータを読み込んで解釈することができないが,ソフトウェアがあっても現在の環境で動作しなかったりバージョンが違ったりするとデータを正しく読み取れない可能性があるので,ソフトウェアの持続可能性は重要な問題となる。

E1819 - 2016年IIPC総会・ウェブアーカイブ会議<報告>

 国際インターネット保存コンソーシアム(IIPC;CA1664CA1733参照)の総会(E1683等参照)及びウェブアーカイブ会議が,2016年4月11日から15日にかけて,アイスランドの首都レイキャビクで,アイスランド国立・大学図書館主催により開催された。IIPC非加盟機関からの参加者も含め約150人が参加し,国立国会図書館(NDL)からは筆者が参加した。

E1818 - 認知症と図書館について考えるシンポジウム<報告>

 2016年3月7日,筑波大学東京キャンパスにおいて,シンポジウム「認知症と図書館」を開催した。昨年の「インタージェネレーション:高齢社会における図書館」(E1669参照)に続く,同大学知的コミュニティ基盤研究センター主催の「高齢社会の図書館」を考えるシンポジウムの第二弾である。当日は,全国各地の公共図書館や大学図書館,福祉関係団体等から131名の参加を得た。