アーカイブ - 2016年 - book

6月 16日

E1809 - クラウド目録:1つの目録にすべてを集約<文献紹介>

 図書館目録は,ウェブにおける存在感が薄い。当文献は,米国の公共図書館は全体で約1億7,000万人の登録利用者を抱え,全米で読まれている本の約半数を所蔵しているにもかかわらず,検索エンジンで本のタイトルを検索すると,オンライン書店やソーシャル読書サービスのGoodreadsの方が,圧倒的上位に表示されるという現状を指摘する。サービスへのアクセス数を比較すると,Goodreadsは,1か月に2,140万人がアクセスし,米国におけるアクセス数ランキングが67位であるのに対して,WorldCatは,2015年4月のアクセス数がわずか49万人でランキングは3,748位とのことである。

E1808 - がん相談支援センターと図書館との連携ワークショップ<報告>

 2016年1月25日,福岡県立図書館で,九州・沖縄地区図書館&がん相談支援センター連携ワークショップ「いつでも,どこでも,だれでもが,がんの情報を得られる地域づくりをめざして」が開催された。

E1807 - 白百合女子大学「図書館ピアサポーターLiLiA」5年間の軌跡

 「図書館ピアサポーターLiLiA」は,2010年9月,当時の白百合女子大学図書館(以下当館)館長であった酒井三喜教授によって発案され, 2011年4月から本格的な活動を開始した。2015年度末で丸5年を迎えたことを機に,この活動をふりかえり,今後の活動のあり方を探りたい。

E1806 - R.E.A.D.:ドクタードッグへの絵本の読み聞かせ

E1806 - R.E.A.D.:ドクタードッグへの絵本の読み聞かせ

 1999年に米国ではじまった,図書館で子どもたちが犬に読み聞かせをするR.E.A.D.(Reading Education Assistance Dogs)プログラムを知ったきっかけは,『読書介助犬オリビア』(講談社,2009)だった。この本では例えば授業で本を読むとき,訛りや吃音を笑われて人前で読むのが苦手になった子どもや,人と会話することに慣れていない子どもが,訓練を受けた読書介助犬(以下ドクタードッグ)に繰り返し本を読んで聞かせることで苦手意識を克服し,自信をつけることができたという事例が紹介されている。犬たちは本読みの不出来を指摘することなく,じっと耳を傾け,子どもたちを励ましてくれるからである。加えて,子どもたちの読書への興味・関心が格段に高まったということも示されている。これを読んで筆者の所属する,司書課程500名の学生を擁する武庫川女子大学でもR.E.A.D.プログラムを実践し,司書を目指す学生たちに体験してもらいたいと思った。

6月 2日

E1805 - 米国民の学びと公共図書館に関する報告書

E1805 - 米国民の学びと公共図書館に関する報告書

 2016年4月,米国のPew Research Centerが米国民の公共図書館(以下図書館)への意識と学びに関する報告書“Libraries and Learning”を公開した。2015年10月13日から11月15日まで,16歳以上の米国民2,752名を対象として実施された調査“Educational Ecosystem Survey 2015”をもとに,回答者の属性による差異などが紹介されている。また,米国の図書館を対象としたデジタル技術を活用したサービスの提供状況等に関する調査で,2015年10月に結果が公開された米国メリーランド大学情報政策アクセス・センター(IPAC)と米国図書館協会(ALA)による“2014 Digital Inclusion Survey”(回答館数は2,304)の結果とも比較されている。

E1804 - 研究データとオープンサイエンスフォーラム<報告>

 2016年3月17日,国立国会図書館(NDL)東京本館で「研究データとオープンサイエンスフォーラム~RDA東京大会における議論を踏まえた研究データ共有の最新動向~」が,NDL,国立情報学研究所(NII)及び科学技術振興機構(JST)の共催により,開催された。本フォーラムの趣旨は,同年3月1日から3日まで東京で開催された研究データ同盟(Research Data Alliance:RDA)第7回総会の参加者による報告を踏まえ,研究データに関する国内外の最新動向を共有することであり,当日は研究者や図書館員の他,出版関係者など約120名の参加があった。

E1803 - 日本図書館協会,2015年度末で図書選定事業を終了

E1803 - 日本図書館協会,2015年度末で図書選定事業を終了

 日本図書館協会(JLA)は1914年に,公共図書館向けに新刊図書の選択及び図書の分類・目録編纂の参考とすることを目的として図書選定事業を開始した。当時の理事等が直接関わり,時流に流されることなく,独自の立場で選定することを旨としていた。ところが,1931年に社会教育会と提携して文部省(当時)から補助金を得て松本喜一理事長(当時)のもと良書普及事業を開始したことで,独自色が薄れ,文部省の意向を反映したものとなっていった。

E1800 - 障害者差別解消法に対応したJLAの図書館向けガイドライン

 日本図書館協会(JLA)は2016年4月の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)施行に向け、2015年12月に「図書館利用における障害者差別の解消に関する宣言」を発表し、次いで2016年3月「図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン」(以下ガイドライン)を発表した。

5月 19日

E1796 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2016/3/31現在)(1)

 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E1771ほか参照)に続き,2016年2月下旬から2016年3月下旬までの主な情報を,次の記事( E1797参照)とあわせ,2つの記事に分けて紹介する。東日本大震災の発生から5年を迎え,被災地の図書館をはじめ全国各地の図書館等で様々な活動,取組が行われた。

 

E1795 - 熊本地震による図書館等への影響

 2016年4月14日から4月16日にかけ,熊本県熊本地方及び阿蘇地方を震源とする,震度7の地震2回を含む震度6弱以上の地震が発生し,大規模な被害が生じている。本稿では2016年5月18日までの情報を基に地震の影響を受けた図書館等の状況を中心に紹介する。なお,被害の大きい地域については情報が未だ得にくく,情報が網羅されていないことをご了承いただきたい。

4月 28日

E1794 - レンガ棟の新しいサービス~国際子ども図書館リニューアル~

 国立国会図書館国際子ども図書館では,2015年6月末の新館「アーチ棟」竣工後(E1731参照),帝国図書館(1906年建設)時代からの建物である「レンガ棟」の改修を行っている。改修は,アーチ棟に移転した資料室・事務室跡地等の建物内部と,屋根・外壁等の建物外部(2016年6月末頃に終了予定)において行うものである。このうち,建物内部の改修は,それぞれの改修箇所のサービス休止を伴ったが,改修とこれに付随する諸準備(資料移転など)が終了したところから,順次サービスを開始している。2016年2月には,レンガ棟2階に「調べものの部屋」と「児童書ギャラリー」を開室した。また2016年3月にはレンガ棟1階の「子どものへや」と「世界を知るへや」を再開し,3月下旬には同棟3階の「本のミュージアム」と「ホール」で展示を再開した。3月末時点では,建物内部の改修はほぼ終了している。

E1793 - オンライン資料の納本制度の現在(3)オーストラリア

E1793 - オンライン資料の納本制度の現在(3)オーストラリア

◯はじめに

2015年8月17日にオーストラリア連邦議会を通過した「民法・司法関係法改正法2014」(Civil Law and Justice Legislation Amendment Bill 2014)によって,オーストラリア国立図書館(NLA)への納本対象資料をオンライン資料にも拡大するように改正された著作権法が,2016年2月17日施行された。これまで,NLAでは,無償のオンライン資料を出版者との契約により収集してきたが,改正著作権法の施行に伴い,有償・無償を問わずオンライン資料は全て納本制度に基づき収集できることとなった。2012年に司法省からオンライン資料のオンデマンド収集を主旨とする納本制度の拡大について提言が出されたが,これはその提言の延長にあるものであろう。

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