CA1982 - マンガ図書館におけるマンガ以外の所蔵資料 / myrmecoleon

PDFファイル

カレントアウェアネス
No.345 2020年9月20日

 

CA1982

 

マンガ図書館におけるマンガ以外の所蔵資料

myrmecoleon(1)

 

 「たくさんのマンガや関連資料を所蔵し、閲覧・展示する図書館・ミュージアムなどの施設」をマンガ図書館と呼ぶ(2)と、線引きによるが、現在国内には数十から百近くのマンガ図書館がある(3)

 図書館の所蔵資料の多くが図書であるのと同様に、マンガ図書館の所蔵資料の多くはマンガ(マンガが掲載された資料)である。マンガは主に各種の出版物(4)やデジタル媒体(5)に掲載されるほか、肉筆画としての鑑賞が前提のマンガもある(6)。図書館が図書以外の資料を収集するのと同様に、マンガ図書館もマンガ以外の資料を収集している。

 マンガ図書館は一般の図書館と重なる点もあり、過去にも『カレントアウェアネス』で紹介されるなど関心が高いが、マンガ以外の所蔵資料に注目した紹介は少なかった。これらもマンガ理解の上で意義のある資料であることから、今回はこうした「マンガ図書館のマンガ以外の所蔵資料」を紹介する。

 中村稔氏は文学館の収集すべき文学資料に「図書、雑誌、原稿、創作ノート、メモの類、日記、書簡、自筆の書画、愛蔵した書画、筆記具等の日常の身の廻り品等」(7)を挙げ、「図書、雑誌」では文学作品のほか研究書や評論、回想等にも触れている(8)。文学館はマンガ図書館と同じく日本の出版文化である文学を対象とする文化施設であり、また特定の作家の記念館が多い点でも共通する。これを参考にマンガ図書館の所蔵資料を整理すると「マンガ」「マンガの制作に関する資料」「漫画家に関する資料」「マンガ・漫画家の研究書や評論、回想等」が挙げられる。これにマンガで顕著な「マンガの二次的な作品やその関連資料」を加え、「マンガ」以外について実例を挙げつつ紹介していきたい。

 

マンガの制作に関する資料

 マンガ制作の過程で作られる原画等の副次的な制作物は制作の実態がうかがえる重要な資料である。マンガの制作工程を作画の前後で整理すると、作画前の制作物として原作やネーム、下書き等、作画時の制作物として原画、作画後の制作物として出版社や印刷会社の業務資料が挙げられる。

 マンガの絵の原稿が原画である。原画はマンガ制作の資料としてだけでなく、漫画家の肉筆画でもあることから美術的な鑑賞の対象ともなり、マンガの企画展等ではマンガに代わって原画がよく展示されている。こうした企画展の原画も多くは作者からの借用であり、原画を所蔵するマンガ図書館はまれである。

 原画をマンガ図書館で取り扱う上での課題に量がある。マンガはページ1枚ごと原画があり、著名なマンガ作品なら1作品当たり数千枚から数万枚に及ぶのが普通で、同時に原画1点1点が代替のない肉筆画である。量に伴う保管方法や収蔵スペースはマンガ図書館が所蔵を担えない主な理由であり、作者や遺族が保管に困って廃棄するのも課題である。

 例外的に原画を大規模に収蔵している施設として秋田県の横手市増田まんが美術館(9)がある。2019年のリニューアルでは原画70万点の収蔵能力がある原画収蔵庫を増設し、矢口高雄氏(10)の約4万5,000点をはじめ複数人の漫画家の原画あわせて40万点以上を収蔵している。増田まんが美術館は今後もこうした原画の収集を継続していく方針である。なおこれらの原画は矢口氏のみ横手市への寄贈、他の漫画家分は同館や横手市での一定の利用を認める条件で預かっている。他のマンガ図書館でも一時的な預かりとして原画を収蔵する例が多い(11)。こうした意味でマンガ図書館の原画は必ずしも「所蔵資料」と言えない点に注意が必要である。

 近年はマンガ制作のデジタル化が進んで原画のかたちも大きく変わっており、保管の負担が軽減された一方で新たな課題が生まれている(12)

 また、作画の前後の制作物は原画以上にまれな資料である。

 マンガの作画前の制作物としては「ネーム」(13)が代表的である。より簡易なプロットやアイディアのメモも制作物に含まれる。マンガの原作者はこの工程に関わる(14)。作品に残らない下書きや練習書き、アシスタントへの指示なども含められるだろう。マンガ制作のやり方によってはこうした資料も残る。

 これらは制作のはじまりとして重要な資料である一方、作者にとってはただのメモ書きとの認識も多く、必ずしも保管しておらず、公開への抵抗も多いと思われる。マンガ図書館では原画と合わせてこれらを預かることもあるが、より取り扱う機会が少ない資料である。たとえば東京都千代田区の明治大学米沢嘉博記念図書館(CA1781参照)では三原順氏(15)の遺族より一時的に預かっている原画等を文化庁メディア芸術連携促進事業連携共同事業の一環として整理しており、この中にはネームが描かれたノートなどの資料(同整理では「原画相当資料」と呼んでいる)が含まれている(16)

 原画がマンガとして出版されるまでには出版社の編集や印刷会社等の作画後の工程がある。古くは原画に台詞等の写植を貼る工程が知られる。ここでも各工程への指示書きやチェックのための刷り出し、版や製版データなどの副次的な制作物は存在する。ただし基本的に出版社・印刷会社等の内部資料であり原則として表に出ない資料である。マンガ図書館等でも所蔵がまれだが、これらの工程も時代によって変化しており(17)、それが分かる制作物はマンガの理解において重要な資料である。

 

漫画家に関する資料

 漫画家自身に関する資料もマンガ図書館で収集すべき資料である。作者の経験や内面は作品に影響し、それを推察できる資料は所蔵する意義がある。

 日記や書簡は作者の生活や交友関係が分かり、マンガ制作への動機などがうかがえる資料である。漫画家はあまり表に出ない職業であり、写真なども重要な資料である。これらは非公開でプライベートな資料が含まれ、取り扱いは本人・関係者の了解などが求められる(18)

 漫画家は、絵画・絵本・小説・映像・造形など分野はさまざまだが、別の仕事あるいは趣味としてマンガ以外の作品を制作している場合があり、これも作品理解の上で参考となる。漫画家手書きのサイン等も一種の作品であり、マンガ図書館の多くでは来館した漫画家によるサインがよく展示されている。

 画材や作画資料(作画時に参考とした書籍・写真等)はマンガ制作の様子を想像できる資料であり、展示・研究上で有益である。北沢楽天氏(19)が使用した机や画材を配置してアトリエを再現したさいたま市立漫画会館(20)など、マンガ図書館では画材や作画資料を並べて漫画家のマンガ制作の場を再現した展示がしばしばある。

 愛蔵品、好きな本や映画も作者や作品への影響を考える上で重要な資料である。その他身の回りの品一般が漫画家を知るうえで有益な資料である。

 文学館においては「文学館の収集、保存の対象は文学者に関連するすべてだといってよい」(21)との指摘がある。マンガ図書館も同様と言えるだろう。

 

マンガ・漫画家の研究書や評論、回想等

 マンガ掲載の有無に関わらず、マンガに関する著作は広く収集すべき資料である。たとえば漫画家の記念館であればその漫画家に関するあらゆる資料を完備することが望ましい(22)

 マンガ研究を目的とした学術雑誌には日本マンガ学会の学会誌『マンガ研究』(23)などがあるが少なく、マンガに関する研究は隣接分野の学会誌や紀要のほか、書籍のかたちで発表されることが多い。マンガは学術的に扱われた歴史が比較的浅いため専門書だけでなく、一般書で重要な著作が多い分野でもある。マンガ情報誌(24)や、商業出版物だけでなく同人誌なども含めて、マンガの研究・評論などを主題とする資料は広く収集すべきである。

 漫画家自身の著作は上述の漫画家に関する資料の側面も含めて有益な資料である。活動の回顧録のほか、マンガ制作の入門書もよく出版されている。雑誌・新聞等のインタビューも重要である。マンガ原作者、編集者、書店員等マンガ関係者の著作も同様である。

 その他マンガやマンガ作品・漫画家に関する著作は多々あり、雑誌、新聞、テレビ、インターネット等での言及も収集する必要があるが、マンガは非常に広く言及され、すべてを拾うのは困難である。各館の目的とリソースに応じ現実的な範囲を定めた収集が妥当と思われる。

 

マンガの二次的な作品やその関連資料

 マンガは二次的な作品として商業展開されやすい表現である。メディアミックス(25)という形態もある。特に著名な作品・漫画家ほど、こうした二次的な作品と切り離せない性格がある。

 二次的な作品には小説や絵本などマンガと同様の出版物もあれば、アニメ・特撮などの映像作品、ラジオ・CDドラマなど音声作品、演劇・ミュージカルなどの舞台、ボードゲーム・ビデオゲームなどのゲームとさまざまである。

 手塚治虫氏(26)はアニメの制作にも大きく関わった漫画家であり、兵庫県の宝塚市立手塚治虫記念館(27)ではアニメ作品や制作の資料も展示されている。石ノ森章太郎氏(28)は特撮ヒーロー作品の原作を多数手がけたことから宮城県石巻市の石ノ森萬画館(29)ではそうした特撮作品の造形の展示が目立つ。著名漫画家の記念館ではアニメ作品等も扱うのが一般的である。

 こうした作品は玩具やキャラクターグッズ等が多いのも特徴である。これらも広い意味でマンガに関する資料であり、可能な範囲で収集されるべきである。

 二次的な作品には商業的なものだけでなく、同人誌など含むファンアート(30)、ガレージキット(31)、コスプレ(32)など個人制作も多い点にも注意が必要である。

 

館種による違い

 マンガ図書館はマンガを閲覧・展示する共通点はあるものの、その設置母体や目的はさまざまであり館種の違いがある。最後に上記資料についての館種による違いを紹介する。

 明治大学米沢嘉博記念図書館や京都市の京都国際マンガミュージアム(CA1780参照)など大学が設置に関わるマンガ図書館は、マンガ研究を目的とするため研究書などを比較的よく収集している。上記いずれの資料も重要だが、施設の収蔵スペースは有限のため選択が必要となる。広島市まんが図書館(CA1782参照)のようにマンガを強みとする公共図書館も似た傾向がある。

 漫画家の記念館では制作に関する資料、漫画家に関する資料はマンガと並んで重点が置かれる傾向が強い。あまり知られていない漫画家の記念館もあるが、一般にメディア展開などをされた著名な漫画家の記念館が多いことから、二次的な作品やその関連資料も収集されている。

 逆に岐阜県飛騨市の飛騨まんが王国 マンガサミットハウス(33)や東京都立川市の立川まんがぱーく(34)のようなマンガの読書を目的とした施設ではマンガの所蔵に注力している。上述したマンガ以外の資料としては漫画家のサイン等などが若干見られる。

 マンガ図書館は館の目的により上記のようなマンガ以外の資料も収集・所蔵するが、その内容は一様ではない。各館が独自の考えで自館にとって妥当な範囲で収集しており、今回はその一部を整理したものである。上記にあてはまらない資料もあるだろう(35)

 

 はじめに記した通り、図書館も図書以外の資料を収集する。図書・雑誌・新聞や視聴覚資料、電子媒体などにとどまらず、著作の原稿や個人文書など、各図書館がその設置目的から個人や主題に関するさまざまな資料を収集している。特に専門図書館では顕著であり、上記のマンガ図書館の中にも明治大学米沢嘉博記念図書館や広島市まんが図書館のように大学や自治体の専門図書館が含まれている。こうした点で見れば上記のマンガ図書館の資料の例も、専門図書館の所蔵資料として決して特殊ではない。

 マンガ図書館はまだ歴史の浅い施設であり、マンガ制作自体の変化も早く、ここで紹介したように収集すべき資料の対象もまだ模索の途上と言える。一方、図書館においても、社会・産業の変化や技術の進歩を受けて、これまで収集しなかった資料を収集する機会もあると思われる。たとえば機関リポジトリなどの新しいサービスを受け容れてきた大学図書館では顕著であり、近年では学術論文の制作に関する資料ともいえる研究データの収集の動きが注目されている。こうした新たな資料収集の選択肢が生まれたとき、マンガ図書館と同様に図書館も館種などで状況は変わるが、各館がその目的やリソースをふまえて選択することになるだろう。

 本稿では図書館と同様に模索するマンガ図書館の資料収集の試みの一部を紹介した。マンガは多くの図書館にとって非常に離れた主題であり、その取り組みはあまり似たところが無いかもしれないが、もしも本稿が何かの参考となれば幸いである。

 

(1) 筆者のプロフィールは以下を参照。
“@myrmecoleon”. Twitter.
https://twitter.com/myrmecoleon, (参照 2020-06-30).
Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな新館.
http://myrmecoleon.hatenablog.com/, (参照 2020-06-30).
なお筆者は同人誌として下記を発行しており、本稿は同書の今後の改訂で掲載予定の内容の一部をまとめたものである。
myrmecoleon. マンガ図書館の教科書(仮)の(仮). 2019年改訂版, Paradoxical Library, 2019, 104p.

(2) 前掲. p. 45.

(3) myrmecoleon. “日本全国のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮の図書館・ミュージアム”. 2019年度日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(主催・共催型)「MANGA 都市 TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮 2020」展 中間報告書 . 国立新美術館 , 2020, p. 49-59.
https://www.nact.jp/exhibition_special/2020/manga-toshi-tokyo/pdf/manga-toshi-tokyo_report.pdf, (参照 2020-06-30).
アニメ・ゲーム・特撮分野を含むマンガ図書館102館のリストを掲載している。

(4) 書籍や雑誌に限らず、新聞、同人誌、赤本・貸本、その他ポスターやチラシ、ダイレクトメールや商品のパッケージなどさまざまな出版物にマンガが掲載されている。

(5) 近年ではマンガはゲームソフトやCD-ROM、ウェブサイト・アプリ・電子書籍・SNS上などのデジタル媒体での発表も多くなった。図書館と同様にこうしたデジタル媒体のマンガをどう収集するかは課題となっている。

(6) 肉筆画のマンガは1コママンガではしばしば見られ、マンガ図書館でも広島市まんが図書館の「おもしろその年まんが大賞」など、賞を設けて1コママンガを一般から募集し、受賞作を館内に展示している館がある。
“まんが大賞”. 広島市まんが図書館.
https://www.library.city.hiroshima.jp/manga/grand/index.html, (参照 2020-06-30).
他に同人誌の肉筆回覧誌などがある。

(7) 中村稔. 文学館を考える 文学館学序説のためのエスキス. 青土社, 2011, p. 46-47.

(8) 前掲. p. 63-65.

(9) 横手市増田まんが美術館。1995年に増田町(現・横手市)が設置したマンガの美術館。国内外170人以上の漫画家の原画を保管し、一部が展示されている。
横手市増田まんが美術館 .
https://manga-museum.com/, (参照 2020-06-30).
なお筆者は2020年1月から2月に別件の依頼により横手市増田まんが美術館および後述の広島市まんが図書館、飛騨まんが王国 マンガサミットハウス、立川まんがぱーくの4館を視察した。本稿はその経験をふまえて執筆されている。

(10) 矢口高雄(1939年−)。漫画家。代表作に「釣りキチ三平」ほか。増田まんが美術館名誉館長。増田町出身であり、増田まんが美術館開館時に原画展示の重視を提案した。

(11) 1万点以上の原画を収蔵している館としては他に京都国際マンガミュージアムや北九州市漫画ミュージアム(CA1779参照)が挙げられる。藤子・F・不二雄ミュージアムでは原画が川崎市に寄贈され、藤子プロに管理されている。これらの館の運営および原画の管理については下記文献に詳しい。
森ビル. 平成26年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 原画資料の収蔵と活用に向けた調査 実施報告書. 森ビル, 2015, 131p.
https://mediag.bunka.go.jp/projects/project/genga_h26.pdf, (参照 2020-06-30).
京都精華大学 . 平成28年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業 関連施設の連携によるマンガ原画管理のための方法の確立と人材の育成 実施報告書 . 京都精華大学 , 2017, 83p.
https://mediag.bunka.go.jp/mediag_wp/wp-content/uploads/2017/05/report-genga.pdf, (参照 2020-06-30).
京都精華大学. 平成29年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業 マンガ原画アーカイブのタイプ別モデル開発実施報告書 . 京都精華大学, 2018, 253p.
https://mediag.bunka.go.jp/mediag_wp/wp-content/uploads/2018/05/9e97085b57bd6510163b8b3eeefcf9eb.pdf, (参照 2020-06-30).
またこうした所有者から所有権の移動を伴わずに資料を一時的に預かることを「寄託」と呼ぶ場合もあるが、本稿で紹介した横手市増田まんが美術館での取材時にこの語の使用が避けられていた点を尊重してここでは使用しない。法的な寄託と必ずしも一致しない点から誤解を避ける意図があり、同様のことが
中村. 前掲. p. 74-75.
でも触れられている。原画の収蔵は内容としては図書館・美術館における寄託と重なる点もあり、マンガ図書館によっては寄託の語を使用する場合もあるが、各例で所有者との契約の内容は異なり、また一般に詳細は公開されていない。マンガ図書館における用法について十分に整理されておらず、また筆者は原画収蔵の当事者でもないことから、本稿ではこれら全体を「預かり」と表記した。

(12) マンガ制作のデジタル化の手法も漫画家により異なり、おもに紙で行い仕上げなどにデジタルを使用する漫画家、デジタルとアナログを行き来する漫画家、フルデジタルで制作する漫画家など多様である。紙の原画が残る場合もある。制作中に使用するソフトウェアや保存フォーマットも多様である。デジタルデータのため収蔵量の問題は少ないものの、何を保管するか、どう保管するかなどは今後の課題である。また展示・閲覧の方法は、適したデータの出力を複製原画として展示する、ディスプレイ上で表示する、ソフトウェアの機能で作画過程を映像で再現するなどの例があり、随時模索されている。

(13) マンガを制作する際の台詞やコマ割り、構図、キャラクターの配置といった作画の計画をおおまかに描いたものを業界用語でネームという。映像作品における絵コンテの役割を果たすマンガの設計図である。

(14) 同じ原作でも、文章のみで書く場合、コマ割りを含むネームまで作る場合、あるいはコミカライズの原作となるアニメ・小説・ゲーム等の場合と多々ある。同じ原作者でも組む漫画家や作品でスタイルを変えることもあり一様でない。

(15) 三原順(1952年-1995年)。漫画家。代表作に「はみだしっ子」ほか。明治大学 米沢嘉博記念図書館では没後20年を記念した「三原順 復活祭」を開催した。
“「〜没後20年展〜 三原順 復活祭」”. 明治大学米沢嘉博記念図書館.
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun.html, (参照 2020-06-30).

(16) 京都精華大学. 平成29年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業 マンガ原画アーカイブのタイプ別モデル開発実施報告書. 京都精華大学, 2018, p. 218-219.
https://mediag.bunka.go.jp/mediag_wp/wp-content/uploads/2018/05/9e97085b57bd6510163b8b3eeefcf9eb.pdf, (参照 2020-06-30).

(17) 前掲した下記報告書のマンガ出版社へのインタビューにおいてもマンガの編集・出版工程の変化に触れられている。
京都精華大学. 平成28年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業 関連施設の連携によるマンガ原画管理のための方法の確立と人材の育成 実施報告書. 京都精華大学, 2017, p. 23-25.
https://mediag.bunka.go.jp/mediag_wp/wp-content/uploads/2017/05/report-genga.pdf, (参照 2020-06-30).

(18) 一方近年ではブログやSNSでの公開も多い。

(19) 北沢楽天(1876年-1955年)。漫画家。新聞『時事新報』の漫画欄をはじめ、明治から昭和にかけて新聞・雑誌で1コママンガ等を描いた日本のマンガの第一人者。日本初の職業漫画家ともいわれる。

(20) さいたま市立漫画会館。北沢楽天の記念館。1966年、氏の邸宅跡地に大宮市(現・さいたま市)が設置。漫画家の記念館のはしり。
“さいたま市立漫画会館”. さいたま市.
https://www.city.saitama.jp/004/005/002/003/001/, (参照 2020-06-30).

(21) 中村. 前掲. p. 63.

(22) 文学館についても同様の言及がある。
中村. 前掲. p. 63-64.

(23) “『マンガ研究』”. 日本マンガ学会.
https://www.jsscc.net/category/publish/manga_studies, (参照 2020-06-30).

(24) 専門のマンガ情報誌としては『ぱふ』(雑草社)などが刊行されていたが休刊。
ぱふ. 雑草社, [1979]-2011.
近い媒体としては書籍一般の情報誌の『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)が刊行されている。
ダ・ヴィンチ. KADOKAWA, 1994−.

(25) 同一の作品を複数のメディア(マンガ、アニメ、小説、映画等)で同期して展開することをメディアミックスと呼ぶ。原作と二次的な作品として明確に関係づけられる例もあるが、並行して制作され関係が曖昧な場合も多い。

(26) 手塚治虫(1928年-1989年)。戦後を代表する漫画家。代表作に「ジャングル大帝」など多数。また虫プロダクションを設立し、日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」を制作した。

(27) 宝塚市手塚治虫記念館。1994年宝塚市が設置。地元出身の手塚治虫の記念館。展示企画を手塚プロダクションが担当し原画なども展示されている。
宝塚市手塚治虫記念館.
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/, (参照 2020-06-30).

(28) 石ノ森章太郎(1938年-1998年)。漫画家。代表作に「サイボーグ009」など多数。「仮面ライダー」など多数の特撮作品の原作も手掛けた。

(29) 石ノ森萬画館。2001年石巻市が設置。石ノ森章太郎の記念館。建築自体も氏のデザイン。氏の手がけた特撮作品の展示が目立つ。
石ノ森萬画館.
https://www.mangattan.jp/manga/, (参照 2020-06-30).

(30) マンガやアニメのファンが好きなキャラクターなどのイラストやマンガを描くことは、権利上の問題が皆無ではなく作品により違いもあるが、一般に許容され、行われている。同人誌での頒布や投稿サイトやSNSでの掲載が多い。マンガ図書館でもあまり収集しないが、明治大学米沢嘉博記念図書館は米沢嘉博氏が同人誌即売会の代表だったことからファンアートの同人誌についても所蔵・収集を行っている。

(31) 個人や小規模なグループが少数生産する組み立て式の模型をガレージキットという。マンガやアニメのキャラクターを模したガレージキットもよく作られている。筆者が明治大学米沢嘉博記念図書館で実施した「初音ミク実体化への情熱 展」では(マンガのキャラクターではないが)筆者らが組み立て・塗装した初音ミクのガレージキットを商用フィギュアや個人制作の造形作品とともに展示した。
“ 次元の壁をこえて 初音ミク実体化への情熱 展”. 明治大学米沢嘉博記念図書館.
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miku.html, (参照 2020-06-30).

(32) 模した衣装を着てマンガ等のキャラクターに扮することはコスプレと呼ばれ広く行われている。マンガ図書館でもコスプレに関する資料収集は少ない。京都国際マンガミュージアム等でコスプレイベントに館内を開放する例がある。
“COSJOY”. 京都国際マンガミュージアム.
https://www.kyotomm.jp/event/cosjoy-27/, (参照 2020-06-30).

(33) 飛騨まんが王国 マンガサミットハウス。1994年宮川村(現・飛騨市)が設置のマンガ読書施設。館内でマンガ約4万2,000冊が読める。温泉旅館と一体化しており宿泊もできる。
飛騨まんが王国 マンガサミットハウス.
http://www.miyagawa.org/summit_house/, (参照 2020-06-30).

(34) 立川まんがぱーく。2013年に立川市が設置したマンガ読書施設。館内でマンガ約4万冊が読める。最近の人気作品を参考に随時更新される所蔵資料と工夫された読書スペースが特徴。
立川まんがぱーく.
https://mangapark.jp/, (参照 2020-06-30).

(35) たとえば立川まんがぱーくでは来館者に好きなマンガのポップ(書店のポップのように、マンガを推薦する文章やイラストなどを小さい紙に手書きしたもの)を制作・持参してもらいそれを所蔵・掲示している。また横手市増田まんが美術館では館内で毎週末来館者向けのマンガ作りのワークショップを開催しており、そのさいの作品の一部が館内に展示されている。同様の試みが各館にあると思われる。

 

[受理:2020-08-17]

 


myrmecoleon. マンガ図書館におけるマンガ以外の所蔵資料. カレントアウェアネス. 2020, (345), CA1982, p. 8-11.
https://current.ndl.go.jp/ca1982
DOI:
https://doi.org/10.11501/11546852

myrmecoleon
Materials Other Than Manga in Manga Libraries