E713 - CDNLAO 2007カントリーレポート(1)オーストラリア,カンボジア

カレントアウェアネス-E

No.116 2007.10.31

 

 E713

CDNLAO 2007カントリーレポート(1)オーストラリア,カンボジア

 

 2007年5月7日,インドネシアのバリで,第15回アジア・オセアニア国立図書館長会議(CDNLAO)が開催された。この会議では,CDNLAOの将来戦略などに関して討論が行われたほか,各国の国立図書館の動向および自国の最新の図書館事情についての報告(カントリーレポート)がなされた。『カレントアウェアネス-E』では2006年7月から12月にかけて,2006年のCDNLAOで報告されたカントリーレポートを国別に紹介しているが,その後の1年間の主な変化について,今号から数回に分けて紹介していきたい。

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 オーストラリア

 オーストラリア国立図書館は2006年末,新しい書庫に大規模な資料移転を行った。また電子情報資源について,全国の図書館が同一の契約内容で利用できるナショナルライセンス(CA1438参照)の取り組み“Electronic Resources Australia(ERA)”を進めており,2007年10月現在で9つのデータベースが対象となっている。2007年には情報技術アーキテクチャに関するレポートを作成し,今後のデジタルサービスの方向性を定めている。このほか,著作権の消滅した新聞のデジタル化を開始したこと,音楽資料提供サービス“MusicAustralia”(CA1575参照)で民間企業と連携して視聴・購入も可能としたこと,バーチャルレファレンスサービス“AskNow” (E519E565参照)でインスタントメッセージング(IM)を試行し好評を博したこと,などが報告されている。

 また全国的には,オンラインでの資料・サービスの提供が拡大していることにより,多数の研究図書館で,来館利用者が近年減少していると報告されている。一方で,公共図書館の来館利用者は,人口増加率と同水準で増加しており,依然として多いという。

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 カンボジア

 カンボジア国立図書館が編纂を進めていたカンボジア関連資料“Cambodiana”(E526参照)の目録が2006年末に刊行され,同館のウェブサイトでも検索できるようになった。“Cambodiana”については,フランス政府やシンガポール国家図書館委員会などの支援を受け,原資料の保存やデジタル化の取り組みも行われている。また出版業界との協同による出版目録“Books in Print”が初めて刊行されるなど,書誌情報の整備・提供も進展してきている。

 また同館は各図書館や関連団体と連携しての読書推進プログラム,情報リテラシープログラムなども積極的に実施している。ユネスコが無償で提供している図書館システム“WINISIS”を利用した資料の貸出も始まっている。資金不足の中,利用者に評価されるサービス,国立図書館としての十全な役割の遂行を目指し,たゆまぬ努力が続けられている。

 なお,逐次刊行物へのISSN付与の仕組みと法定納本制度については,2007年中に法制化される見通しであるという。

Ref:
http://www.nla.gov.au/lap/cdnlao2007.html
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/pdf/geppo0708.pdf
http://www.nla.gov.au/lap/documents/cdnlao2007aust.doc
http://www.nla.gov.au/pressrel/2006/humewarehouse.html
http://www.nla.gov.au/nlp/index.html
http://era.nla.gov.au/
http://www.nla.gov.au/dsp/documents/itag.pdf
http://www.musicaustralia.org/
http://www.asknow.gov.au/about-us.html#IM
http://www.nla.gov.au/lap/cambodia07_000.rtf
http://carnetsdasie-pp.com/
CA1438
CA1575
E519
E526
E565