第2章 調査の結果 図表<1.5>公共図書館の業務分析一覧表(一部抜粋)

第2章 調査の結果


図表<1.5>公共図書館の業務分析一覧表(一部抜粋)

※「専門性の確立と強化を目指す研修事業検討ワーキンググループ(第2次)報告書」(日本図書館協会 2000年)による。

※紙幅の関係で、解説部分を省いて掲載した。

1 経営管理   
A 図書館運営の計画・立案(図書館運営の計画・立案は、円滑な図書館運営を行うため、必要な情報を収集したり協議したりすることで、「総合運営計画」から「利用者の声の対応」等7項目とした。 1 総合運営計画(将来計画を含む)の企画・立案
2 教育委員会事務局等との協議
3 他自治体・図書館等との連携・協力
4 図書館関係団体との連絡調整
5 図書館の運営に関する情報収集と分析
6 図書館調査の立案・実施
7 利用者の声の対応
B 図書館協議会(図書館協議会の事務局として運営にあたる。) 1 協議事項の提案
2 協議会開催事務 
C 議会、教育委員会との連絡・調整(議会、教育委員会との連絡・調整を行う) 1 条例、規則等の制定及び改廃の手続き 
2 議会の質問等への対応
D 図書館統計(図書館統計は、蔵書統計、利用統計、職員、経費(財務)、施設等の統計で、これらを客観的に把握・分析し図書館運営に活かす) 1 統計の立案
2 統計の作成 
3 統計の分析・評価
E 広報(図書館の現状、方針、利用方法その他を宣伝して図書館に対する理解を深め、利用促進を図る) 1 図書館報等広報の立案
2 図書館報等広報の作成 
F 人事管理(図書館の円滑な運営と目的の達成のためには有能な職員を充分確保することが必要である。職員の採用・配置計画・研修等の項目から構成されている) 1 職員の採用
2 職員の配置計画
3 職員の勤務状況の報告 
4 研修の立案・実施
5 職員協力者の受入
6 実習生の受入
G 財務管理(公立図書館における予算の執行は図書館サービスの具現化である。予算の立案・編成・管理・執行等と決算、備品管理、現金出納等8項目を財務事務とした) 1 予算立案
2 予算編集事務 
3 予算管理
4 予算執行 
5 決算 
6 備品管理 
7 現金出納 
8 財務課・会計課などとの連絡調整 
H 施設の維持・管理(図書館施設は図書館サービスを行うための器であり手段である。その維持管理は、法律や条例、規則等に基づき、適切に行わなければならない。) 1 施設の改修計画の企画立案
2 施設管理業務の委託契約・連絡調整 
3 施設補修 
4 集会室の利用受付、利用案内 
5 消防・防災計画の立案、訓練の実施 
6 読書室等の管理運営(利用者の整理等) 
7 ポスター等掲示物、チラシの整理 
8 拾得物等の整理、届出 
9 利用者の整理・警備 
10 開館・閉館・休館の準備 
11 駐車・駐輪の管理 
I 庶務・その他(図書館の管理業務一般について必要な庶務全般、その他で構成されている。) 1 配送業務 
2 館内会議の運営
3 視察等来客対応
4 文書管理 
5 各種調査回答
2 資料管理   
A 資料の選択・収集(図書館資料として扱うすべての資料について、収集方針並びに収集計画の立案、及びそれらに基づく実際の選択や収集に関わる一連の業務) 1 収集方針(除籍を含む)の立案
2 収集計画の立案
3 選定ツールの収集
4 選択
5 発注 
6 寄贈依頼 
7 契約 
8 検収
  
B 資料の整理(収集された資料を、利用できる状態にするために、その資料に施される一連の作業である。大規模館で自館整理を行っているところは、業務が細分化されている。しかし、多くの図書館では受入登録を除き、最も業務委託の進んでいる分野である。) 1 受入業務
2 分類・件名の決定 
3 目録作成 
4 装備 
C 資料の管理(所蔵資料の管理方針及び管理計画の立案から、蔵書評価、並びに具体的な管理作業まで含まれる。) 1 資料管理計画の立案
2 排架 
3 書架整頓 
4 弁償資料の処理 
5 督促、延滞の処理 
6 製本資料の調査
7 新聞・雑誌の製本 
8 資料の劣化対策
9 簡易な製本と修理 
10 欠本・端本・欠号調査、補充
11 蔵書点検 
12 除籍手続き 
13 除籍資料のリサイクル・廃棄 
3 利用サービス A サービスの総合調整(図書館の運営方針の基づき、サービス計画を立案・実行し、点検・評価する) 1 サービス計画の立案
2 サービス内容の点検・評価
B 貸出・返却等(利用者の必要とする資料(図書・雑誌・視聴覚資料等)を貸し出したり、返却したりする業務で、最も日常的な業務であり、一般的にはサービスカウンターで行われる。第一線の公共図書館では基礎的な業務) 1 利用者登録、貸出券の交付 
2 資料の貸出処理 
3 資料の返却処理 
4 読書案内
5 リクエスト・予約の調査と処理の決定
6 リクエスト・予約の処理 
7 相互貸借の手続き(貸出・返却作業を含む) 
8 書庫出納 
9 視聴覚資料の館内利用 
10 CD-ROM等電子資料の館内利用 
C レファレンスサービス(図書館利用者の調査・研究等に必要な資料や情報が得られるように援助する仕事。また、そのために必要な資料等を整備・作成することも含まれる。資料についての基礎的な知識、レファレンスツールについての専門的知識が必要とされ、経験と研鑽も必要である。) 1 質問に基づく調査
2 資料の使い方の案内
3 レフェラル・サービス
4 複写サービス 
5 索引類の作成
D 子どもへのサービス(乳幼児から小学生くらいまでの年齢層を対象にしたサービス。子どもと子どもの資料についての専門的知識が必要。不登校、いじめ等子どもをとりまく種々の環境についての知識も必要である。また、そうした子どもたちとの対応も求められるため、子どもたちに柔軟に対応できることも必要である。) 1 資料の提供
2 利用案内
3 読書案内
4 おはなし会等
5 学校等との連携
E YAサービス(子どもと大人の中間の年代層、主としてティーンエイジャーを対象としたサービス。大人と子ども、両方についての専門的知識が求められる。また、この年代の特徴として、好みの傾向がどんどん変化するということがあり、世の中の若者の動向に敏感であることが求められる。日本ではまだ、多くの経験が蓄積されていないサービスであり、図書館界の動向にも目配りをする必要がある。) 1 資料の提供
2 利用案内
3 読書案内
4 交流会等の開催
F 障害者サービス(障害者サービスには、視覚障害者、聴覚障害者、内部障害者、肢体障害者、精神障害者といった肉体的な障害を持つ人々だけではなく、高齢者などへのサービスも含む) 1 視覚障害者向け資料の選定・作成依頼
2 視覚障害者向け資料の提供 
3 視覚障害者向け資料案内
4 対面朗読
5 聴覚障害者向けサービス
6 その他図書館利用に障害がある人々へのサービス
7 家庭配本サービス
G 病院・刑務所等へのサービス(このサービスは近年取り組まれ始めたサービス。資料の選定等が専門的業務で、貸出そのものは非専門的業務とした。また、独自の役割を持った施設でのサービスのため、当該施設との連絡・調整も重要である。) 1 資料の選定
2 貸出 
H 多文化サービス(日本文化とは異なる文化を持つ人々へのサービス。主として、日本語を母語としない人々へ、各種言語で書かれた資料の収集・提供及び日本語の習得および日本を理解するための資料の収集・提供。) 1 日本語以外の資料の収集・提供
2 日本語習得のための資料の収集・提供
I 行事(ここでは児童向けのものは除く。具体的には、講演会、講座、文学散歩、展示会、上映会、リサイクルフェアなど。) 1 企画
2 開催 
3 資料展示
J 移動図書館(バス・マイクロバス等を改造した車に資料を積んでポイントを巡回し個人に貸出を行う業務を指す。巡回場所の設定や巡回計画は、「サービスの総合計画」(3A)に含まれるため、この項目では「積載図書の選定」が専門的業務となる。) 1 積載図書の選定
K 団体・グループへの援助(公共図書館の利用団体は多岐にわたる。地域文庫・読書会その他、幼稚園、児童館など。) 1 団体貸出 
2 団体・グループとの協力・支援
4 システムの活用と運営管理 A 導入・メンテナンス(現代の公共図書館において、コンピュータシステムの構築は必要性が高い。ここでは新規導入・更新を含め、その企画・立案からメンテナンスまでの業務を扱う) 1 導入・更新計画の企画・立案
2 機器のリース契約、執行管理 
3 システムソフトの管理 
4 職員の機器操作指導・研修
5 利用者への機器操作指導
6 メーカーとの連絡調整
B インターネットの基盤整備(インターネットの普及により、情報の考え方、提供方法、さらには図書館のあり方まで変わったとも言われている。いずれにしろ、今後インターネットは社会的基盤として定着すると考えられる。そのため、各図書館でのインターネットの基盤整備と活用は現在〜近未来の重要課題である。現時点では、具体的事例も乏しいので、以下のように、項目は細分化しない。 1 基盤整備
2 活用