知的自由

文化遺産国際協力コンソーシアム、シンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」の報告書を公開

2020年6月19日、文化遺産国際協力コンソーシアムは、2019年度刊行物を同コンソーシアムのウェブサイト上にアップロードしたことを発表しました。その中には、2019年12月1日に開催されたシンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」の報告書も含まれています。

各講演やパネルディスカッションの内容を掲載しているほか、資料編として、「文化遺産の意図的破壊に関するユネスコ宣言」「災害リスク削減に向けた図書館関連活動及び紛争・危機・自然災害時の図書館関連活動に対する IFLA の関与の原則」の日本語訳が収録されています。

刊行物をアップしました(文化遺産国際協力コンソーシアム, 2020/6/19)
https://www.jcic-heritage.jp/jcicheritageinformation20200619/

北米の研究図書館センター(CRL)、メキシコの行方不明者の記録に関するリポジトリ“Repository of Documentation Relating to Disappearances in Mexico”の構築計画を発表

2020年6月15日、北米の研究図書館センター(CRL)は、米国の慈善団体マッカーサー基金(John D. and Catherine T. MacArthur Foundation)の資金助成を活用して、エル・コレヒオ・デ・メヒコ(El Colegio de México)、メキシコ国立自治大学の法律学研究所(Instituto de Investigaciones Jurídicas)、イベロアメリカーナ大学(Universidad Iberoamericana)のメキシコの3研究機関とともに、メキシコ国内の行方不明者の記録に関するリポジトリ“Repository of Documentation Relating to Disappearances in Mexico(RDDM)”を構築することを発表しました。

メキシコでは2006年以降、麻薬をめぐる紛争の激化に伴い、6万人以上の行方不明者が公式に登録されています。これらの行方不明者の発生の大部分に治安当局が関与・共謀し、同国では司法へのアクセス保証とは程遠い状況にあります。

国際出版連合(IPA)、米トランプ政権がボルトン元大統領補佐官の著書の出版差し止めを裁判所に求めた問題を受けて同書の出版社サイモン&シュスター社への支持を表明

2020年6月18日、国際出版連合(IPA)は、米国のトランプ政権が元大統領補佐官ボルトン(John Bolton)氏の著書“The Room Where It Happened”の出版差し止めを裁判所に求めた問題を受けて、同書を出版するサイモン&シュスター社への全面的な支持を表明しました。

IPAの出版の自由委員会の委員長であるKristenn Einarsson氏は、出版の自由を尊重し国家の重要問題に関して十分な情報に基づいた対話を可能にする民主主義社会において、ボルトン氏・サイモン&シュスター社はともに重要な役割を果たしており、同書は出版に値する内容である、と述べています。また、IPAのJosé Borghino事務局長は、米国は言論の自由を守る砦であり、その事実はサイモン&シュスター社が政権から受けた圧力に力強く対抗したことによって証明されているが、米国の公権力が作家や出版社の口を封じようとしている状況は、世界中に憂慮すべき悲観的な兆候を示したものであり、表現の自由は決して当然のものとみなすべきではなく脅かされた場合には防衛されなければならないことを想起させられる、とコメントしています。

なお、同書の出版差し止め請求については、2020年6月20日付で連邦地方裁判所がこれを棄却しています。

2020年の米国の“Library of the Year”はシアトル公共図書館に:選出には多くの批判も

2020年6月3日、Library Journal(LJ)誌のウェブサイトにおいて、同誌とCengage Learning傘下のGale社が授与する2020年の米国の“Library of the Year”に、ワシントン州のシアトル公共図書館(SPL)を選出したと発表しました。

コミュニティーのニーズに積極的に耳を傾け、人種平等・公平性に重点を置いた取組を進めてきたことが評価されての受賞でしたが、その選出に多くの批判が寄せられています。

批判の内容は、SPLが2020年1月、反トランスジェンダーのグループが開催するイベントにSPLの会議室利用を許可したことを非難し、受賞にふさわしくないとするものです。SPLは、知的自由に関する同館の取組等に沿って利用を許可しましたが、人権活動家・団体から抗議の声があがっていました。

米国図書館協会(ALA)、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)、抗議デモへの参加者、ジャーナリストへの警察の暴力を非難する声明を発表

2020年6月11日、米国図書館協会(ALA)が、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)、抗議デモへの参加者、ジャーナリストへの警察の暴力を非難する声明を発表しました。

声明では、警察や自警団による殺害に深い悲しみを表すとともに、ALAの黒人コーカス(BCALA)やアジア/太平洋米国図書館員協会(APALA)の声明と連携し、既に発表されている黒人・先住民・有色人種への暴力や差別を非難する声明を支持するとしています。また、人種に基づく体系化された不公平が我々の社会に埋め込まれ、社会制度により強化されていることを認識しており、その社会の中での黒人・先住民・有色人種が日常的に体験する体系的な人種差別や暴力を非難すると表明しています。さらに、抗議デモ参加者やジャーナリストが、修正第1条に基づく言論・報道・集会・請願の自由を行使している中で直面している警察からのいわれなき暴力も非難するとしています。

米国図書館協会(ALA)知的自由委員会(IFC)、図書館の再開にあたっての健康やプライバシーに関する懸念や、館内でのビデオ撮影に対応したガイドライン3点を承認

2020年6月9日、米国図書館協会(ALA)の知的自由委員会(IFC)及びプライバシー小員会が、図書館の再開にあたっての健康やプライバシーに関する懸念や、館内でのビデオ撮影に関する最近の議論に対応するためのガイドライン3点の承認を発表しました。

“Guidelines for Reopening Libraries During the COVID-19 Pandemic”は、新型コロナウイルスの流行下に図書館サービスを提供するにあたって安全を保つためにしばしば尋ねられる質問に回答するもので、職員の健康の保護、ヘルスチェック・マスク・入館記録の法的側面、利用者の図書館からの退館要請、に対応しているほか、方針を見直すための次のステップも提供しています。

図書館問題研究会、日本図書館協会からの回答文書「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」を公開

2020年6月8日、図書館問題研究会(図問研)は、日本図書館協会(JLA)からの回答文書「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」が図問研に送付されたことを発表しました。

同文書は、6月6日付で送付されたものであり、図問研から寄せられた、ガイドライン作成のプロセスについての意見、記載内容の修正要望に対するJLAの回答が記載されています。

6月6日付で日本図書館協会より「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」が送付されました。(図問研, 2020/6/8)
http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/blog/2020/06/08/answer-2/

公益社団法人日本漫画家協会と出版広報センター、「海賊版対策のための著作権法改正成立に関する共同声明」を発表

2020年6月5日、公益社団法人日本漫画家協会と出版広報センターが、「海賊版対策のための著作権法改正成立に関する共同声明」を発表しました。

同声明は、インターネット上の海賊版対策を含む改正著作権法案(著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案)が6月5日に第201回国会で成立したことを受けたものです。声明の中では、法案の成立を歓迎するとともに、関係機関・読者・ユーザーと協力の上、今後も海賊版撲滅に向けた様々な取り組みを行っていくことについて触れられています。

海賊版対策のための著作権法成立に関する共同声明(日本漫画家協会, 2020/6/5)
https://www.nihonmangakakyokai.or.jp/?tbl=information&id=8520

改正著作権法が成立:インターネット上の海賊版対策を強化

2020年6月5日、インターネット上の海賊版対策強化等を含む改正著作権法案(著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案)が、参議院本会議において可決・成立しました。

本会議投票結果(参議院)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/201/201-0605-v003.htm

第201回国会での内閣提出法律案(件名)(内閣法制局)
https://www.clb.go.jp/contents/diet_201/law_201.html
※「第201回国会での提出案件」の閣法番号49に「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案」が掲載されています。

米国図書館協会(ALA)黒人コーカス、「黒人及び有色人種への暴力と差別の増大に対する非難声明」を発表

2020年6月1日、米国図書館協会(ALA)の黒人会員に組織され、アフリカ系米国人をはじめとするアフリカ系の人々のための図書館・情報サービス発展を目的に活動するALAの黒人コーカス(The Black Caucus of the American Library Association:BCALA)は、「黒人及び有色人種への暴力と差別の増大に対する非難声明」を公開しました。

5月28日付の同声明は、ミネソタ州ミネアポリスの警察署内で発生した、警察官の行為による黒人男性フロイド(George Floyd)氏の死亡事故を強く非難するものです。BCALAは人種差別に対する闘いにおいて、積極的活動・予防活動に取り組むことを会員へ奨励し、伝統的な方法と現代特有の方法を併用した以下のような手段により、不正義に対抗する行動を起こすことを呼びかけています。

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