著作権

一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)、『情報の科学と技術』誌掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定:グリーンOAによる公開手続・時期等を明確化

2020年9月9日、一般社団法人情報科学技術協会(INFOSTA)は、会誌『情報の科学と技術』について、掲載記事のオープンアクセス(OA)ポリシーを策定したことを発表しました。

INFOSTAはOAポリシーの策定によって、同誌へ記事を執筆した著者が機関リポジトリ等でグリーンOAにより記事の公開を実施する際の手続・時期等を明確化しました。OAポリシー策定に伴い、同誌への原稿の執筆・提出・掲載の詳細を定めた「『情報の科学と技術』原稿執筆の手引き」の「5. 著作権」のうち第3節の改訂が行われています。

米・Authors Alliance、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1201条へ研究目的のテキスト・データ・マイニング(TDM)を可能にするための例外追加を求めた申立を提出

2020年9月8日、作家の利益促進のために活動する米国の非営利団体Authors Allianceは、米国著作権局に対してデジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1201条へ研究目的のテキスト・データ・マイニング(TDM)を可能にするための例外追加を求めた申立(petition)を提出したことを発表しました。

DMCA第1201条は、著作権保護のため著作物に設定された技術的保護手段の回避を禁じていますが、特定の条件下で適用を除外して回避を認める例外を規定し、3年ごとに例外対象の見直しを行っています。米国著作権局は2020年6月22日付で、通算8度目の見直しの開始と要望等の受付を通知し、Authors Allianceはこの手続きに基づいて、米国図書館協会(ALA)・北米研究図書館協会(ARL)・大学・研究図書館協会(ACRL)で構成する図書館著作権同盟(LCA)、及び米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)とともに申立を提出しました。

国際図書館連盟(IFLA)、欧州の「デジタルサービス法」への意見を提出

2020年9月8日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州委員会による「デジタルサービス法」(Digital Services Act)策定に関する意見募集に応じ、意見を提出したことを発表しました。欧州委員会は、2020年6月2日から9月8日にかけて意見募集を行っていました。

IFLAの発表によれば、デジタルサービス法はインターネットのプラットフォームに関する新たなルールの策定をもたらすものであり、これらのルールは政府によるオンライン規制の新基準を設定しうるため、図書館界を含むデジタル分野の全ステークホルダーに対し世界的な影響を及ぼします。

IFLAは、次の法的枠組みにおいて、著作権の例外や制限を含め、表現の自由や情報へのアクセスの自由といったユーザーの基本的権利の尊重と確保を主張するため、図書館分野を代表して意見提出を行ったと述べています。IFLAの意見として以下の内容等が示されています。

文化庁、文化審議会著作権分科会の法制度小委員会に設置された「図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第2回)」の議事次第・配布資料を公開

文化庁のウェブサイトに、2020年9月9日に文部科学省旧文部省庁舎5階テレビ会議室で開催された「図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第2回)」の議事次第と配布資料が公開されています。

第2回のワーキングチームでは、学術著作権協会、日本写真著作権協会、日本書籍出版協会・日本雑誌協会、日本新聞協会、日本美術著作権連合、日本文藝家協会、日本漫画家協会の権利者団体からのヒアリング、及び制度設計等に関する自由討議などが行われました。

図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第2回)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/toshokan_working_team/r02_02/

北米研究図書館協会(ARL)、ILLサービスに関するCONTUのガイドラインを再検討するためのホワイトペーパー“Modern Interlibrary Loan Practices: Moving beyond the CONTU Guidelines”を公開

2020年8月31日、北米研究図書館協会(ARL)が、ホワイトペーパー“Modern Interlibrary Loan Practices: Moving beyond the CONTU Guidelines”を公開しました。

同ペーパーでは、1970年代に策定されたILLサービスに関するCONTU(著作権のある著作物の新技術による利用に関する全国委員会)のガイドラインは、継続的な再評価・調整が必要とされたものの行われないままとなっており、40年前のジャーナルの価格・学術出版・図書館の収集業務に基づいた時代遅れのものであると評価しており、米国著作権法108条(図書館・アーカイブズでの複写)や107条(フェアユース)といったILLサービスに適用される著作権法を再検討するとともに、CONTUの歴史や法的位置がまとめられています。

ARLでは、同ペーパーが、図書館や図書館協会が、ILLサービス・契約実務・ジャーナルの購入に関して議論するきっかけとなることを期待するとしています。

文化庁、文化審議会著作権分科会の法制度小委員会に設置された「図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第1回)」の議事次第・配布資料を公開

文化庁のウェブサイトにおいて、2020年8月27日に文部科学省旧文部省庁舎5階テレビ会議室で開催された「図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第1回)」の議事次第と配布資料が公開されています。

「図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム」は、2020年7月29日付の文化庁文化審議会著作権分科会法制度小委員会決定「ワーキングチームの設置について」に基づいて設置されました。2020年11月まで5回に分けて、絶版等資料へのアクセスの容易化・図書館資料の送信サービスといった検討課題を審議し、11・12月頃に開催予定の2020年度第2回の法制度小委員会において、ワーキングチームとしての一定のとりまとめの報告等を行う予定です。

図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム(第1回)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/toshokan_working_team/r02_01/

2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のオープンアクセス(OA)状況等に関するPubMedを情報源とした調査(文献紹介)

2020年8月12日付で、オープンアクセス(OA)出版プラットフォームを提供するF1000 Researchに、スペインの医学研究者らが共著で執筆した文献として、“Open Access of COVID-19-related publications in the first quarter of 2020: a preliminary study based in PubMed”が公開されています。

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、各出版社は同感染症に関する文献を米国国立医学図書館(NLM)の運営するPubMed Central(PMC)などの適切なリポジトリにおいて、即時OA化することを認める意向を示しています。著者らはNLMの生物医学文献データベースPubMedやOA文献探索のためのブラウザ拡張機能Unpaywall等のツールを用いて、2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のOA状況等に関する調査を実施しました。また、過去のコロナウイルス関連文献との比較のために、2000年代前半に中国等で流行した新型肺炎の原因ウイルス「SARSコロナウイルス(SARS CoV-1)」や中東呼吸器症候群(MERS)の原因ウイルス「MERSコロナウイルス(MERS CoV)」に関連する文献のOA状況等も分析しています。

Google 画像検索、使用許可情報を提供している画像の絞り込み機能等を追加

2020年8月31日、Googleは、Google 画像検索(Google images)において、利用可能な画像を絞り込むための機能や、当該画像の使用許可情報が掲載されているページへのリンクを追加したと発表しています。

画像の公開者・作成者が使用許可情報を提供している画像には、検索結果画面において、画像上に「ライセンス可能」バッジが表示されます。バッジ付きの画像を選択すると、使用許可情報掲載ページへのリンクが表示されます。また、検索結果画面の「ツール」機能の「ライセンス」から「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」や「商用およびその他のライセンス」の画像の絞り込みが可能となっています。

オランダ・ILP Lab、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関するポリシーペーパーを公開:収集における法的課題や複数国の法制度等を調査

2020年8月28日、オランダのThe Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は、ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”の公開を発表しました。

ILP Labは、オランダ・アムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)に属しており、学生が運営するイニシアチブです。欧州の情報法分野において、基本的な権利と自由の保護を踏まえた政策解決の発展・促進に携わっています。

このポリシーペーパーは、ILP Labがオランダ国立図書館及びオランダ視聴覚研究所との協力のもと作成したものであり、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関する法制度を策定する際に考慮すべき事項を論じています。作成の背景として、オランダには文化遺産機関がウェブサイト収集を許諾なしに行うための法制度がないためオンラインの文化遺産が収集されず日々失われつつあることを、作成の目的として、現在オランダで進められている法制度導入の検討に資することを挙げています。

ページ