著作権

英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Factのリニューアル版を公開

2020年6月18日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEOのリニューアル版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。リニューアル版では、各ジャーナルの様々なOAポリシーの概略表示など、ユーザビリティ向上に関する大きな改善が行われました。また、APIの機能拡張や、将来の迅速なサービス展開を可能にする基礎データの改善も行われています。

今回のSHERPA RoMEOのリニューアルは、OAポリシーを取り巻く環境の変化への積極的な対応として実施されました。出版社が出版プロセスのさまざまな段階で提供している複雑なOAポリシーのバリエーションをより明確に示すことができるようになっています。Jiscはリニューアル版への移行を支援するため、ユーザー向けの参考資料を多数用意しています。

なお、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスSherpa Factについても、SHERPA RoMEOとともにリニューアル版が利用可能であることが併せて発表されています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、2019/2020年の年次報告書を公開

2020年6月12日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019/2020年の年次報告書である“LIBER Europe 2019-2020 Annual Report”のリポジトリZenodo上での公開を発表しました。

LIBERによる年次報告書の公開は、2018/2019年版に続き今回が2度目となります。2019年6月から2020年5月までの主な出来事、2018-2022年の戦略計画の進捗状況、関与した国際的なプロジェクト、年次大会や季刊誌“LIBER Quarterly”に関するデータ、会計状況等が報告されています。

年次報告書公開に関する発表では、対象期間内の主な出来事として、第48回年次大会の開催、同大会でLIBERの運営を持続可能とするための提案が採択されたこと、国際プロジェクト(SSHOC、INOS、 reCreating Europe)での他機関との協力実施、第49回年次大会のオンライン開催決定、ウェビナーを17回開催し計2,500人以上の参加があったこと、LIBERに新たに10機関が参加したことなどを挙げています。

Internet Archive(IA)、“National Emergency Library”の終了を早めることを発表

2020年6月10日、Internet Archive(IA)は、“National Emergency Library”事業の終了日を、当初予定されていた2020年6月30日から6月16日に変更し、同日以降は従来の方法で電子書籍の貸出を行うことを発表しました。

同事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による図書館・学校・大学の閉鎖を受けて、遠隔授業、調査・研究活動等を支援するため、従来の電子書籍貸出においてこれまで設定していた同時アクセス制限を一時的に解除したものであり、2020年3月24日に開始されました。発表の中で、今回の終了日の変更は、出版社による6月1日の著作権侵害訴訟の提訴が背景にあるとしています。

また、訴訟の対象には“National Emergency Library”事業だけでなく、従来の電子書籍貸出も含まれていますが、こちらは、同時アクセス制限を用いた、著作権の専門家により構築された合法的枠組みで実施している、と述べています。

E2266 - 台湾における公共貸与権の試行導入

2019年12月31日に,台湾の教育部および文化部は記者会見を開き,公共貸与権の試行導入計画を発表した。公共貸与権(Public Lending Right;CA1579参照)は,「公共貸出権」「公貸権」ともいい,「図書館の貸出しに着目して何らかの金銭を作家に支給する制度」である。欧州を中心に30以上の国・地域で導入されているが,東アジアでは初の試みである。

米国の複数の大手出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴

2020年6月1日、米国出版協会(AAP)は、会員企業のHachette Book Group・HarperCollins社・Wiley社・Penguin Random House社が、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所へ非営利団体Internet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを発表しました。

この訴訟は、IAの運営する電子書籍貸出プログラム“Open Library”、及び2020年3月に開始した“National Emergency Library”事業において行われる、文学作品全体への大規模なスキャニング・公衆への公開・配布等についてその差し止めを裁判所に求めるものです。原告の出版社は、IAが最新作・フィクション・ノンフィクション・スリラー・児童書等を含む約130万点の書籍について違法な複製を行っている、と訴状の中で訴えています。また、IAのこれらの事業は、図書館や教育上の例外、フェア・ユースなど米国著作権法上のいかなる規定にも該当せず、IAの「盗難行為」を支持する著作権法上の根拠は存在しない、と主張しています。

知的財産戦略本部、「知的財産推進計画2020」を決定

2020年5月27日、首相官邸において知的財産戦略本部会合が開催され、「知的財産推進計画2020~新型コロナ後の「ニュー・ノーマル」に向けた知財戦略~」が決定されました。

「1. はじめに」に続き、新型コロナ後のニュー・ノーマルの下で「脱平均」、「融合」、「共感」及び「デジタル革新」を進めるために必要な政策の基本方針を示した「2. 『ニュー・ノーマル』と知財戦略」と、各分野において講ずべき施策を示した「3. イノベーションエコシステムにおける戦略的な知財活用の推進」「4. CJ 戦略の実行」「5. コンテンツ・クリエーション・エコシステムの構築」の5章構成となっています。また、報告書の最後には各重点事項の工程表も付されています。

「5. コンテンツ・クリエーション・エコシステムの構築」の「(3)デジタルアーカイブ社会の実現」では、現状と課題に加え、施策の方向性として、

・ジャパンサーチ正式版の公開・本格運用開始と持続可能な運営・運用体制の構築
・絶版等により入手困難な資料をはじめ、図書館等が保有する資料へのアクセスを容易化するため、図書館等に関する権利制限規定をデジタル化・ネットワーク化に対応したものとすることの検討

に関するものなど計8点が示されています。

中国科学院文献情報センターと英・オックスフォード大学出版局が中国初の転換契約締結に合意

2020年5月22日、中国のOA2020署名機関である中国科学院文献情報センターは、英・オックスフォード大学出版局(OUP)との間で、中国初の転換契約締結に合意したことを発表しました。

契約期間は2020年から2022年までであり、契約に参加する中国科学院傘下の26の研究所とその所属研究者は、OUPの科学技術分野の学術誌・論文へのアクセスのほか、これらの学術誌上に、一定数の論文を費用負担なしにオープンアクセスで公開することも可能となります。

この転換契約により、同センターと26の研究所は元々OUPの学術誌購読に用いていた費用をOA出版のための費用に転換することができ、研究者は論文処理費用(APC)の支払いなしにOA論文を発表することができる、と紹介しています。

中国科学院文献情报中心与牛津大学出版社达成国内首个开放出版转换协议(中国科学院文献情報センター, 2020/5/22)
http://www.las.cas.cn/xwzx/zhxw/202005/t20200522_5584635.html

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、法的・倫理的に適正な資料のデジタル公開を実践するためのワークフローを公開

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館は、同館のデジタル化業務を扱った2020年5月14日付の記事“UC Berkeley Library makes it easier to digitize collections responsibly with novel workflows and bold policy”内で、デジタル化に伴う法的・倫理的問題の適正な対応・処理手順や検討事項等を示した“Responsible Access Workflows”の公開を発表しました。

図書館等の文化遺産機関が所蔵資料をデジタル化して世界中からアクセスできるようにオンライン公開するためには、複雑な法的・倫理的諸問題の処理が求められ、このことがデジタル化・オンライン公開推進の動きを鈍化させていることがしばしばあります。バークレー校図書館でも事態は同様であり、同館はデジタル化事業にあたってこうした難題への対処を容易化するために“Responsible Access Workflows”を開発しました。

英国図書館(BL)、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍等を初めて公表:公共貸与権に係る補償金の支払いを実施

2020年5月19日、英国図書館(BL)は、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍・オーディオブックを初めて公表しました。

同館は公共貸与権(PLR)に関するプログラムを所管しており、今回の発表は、同日公表された、同期間における公共図書館の貸出データに基づいており、今回、初めて電子書籍・オーディオブック等に関する数値が含まれ補償金の支払いが行われています。

また、Libraries Connectedが発表した、同国のロックダウン下中に電子書籍を借りた人が358パーセント増加したとの推定も紹介されています。

Press releases(BL)
https://www.bl.uk/press-releases
※「Annual public library loans figures reveal the UK’s most borrowed e-books for the first time Tue 19 May 2020」とあります。

SAGE社、ノルウェー・Unitが組織するコンソーシアムとの間で”Read & Publish”契約を締結

2020年5月18日、SAGE社は、ノルウェー国内の研究機関等の高等教育および研究におけるICTや共同サービスを担当するUnitが組織するコンソーシアムとの間で”Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。契約期間は3年間で、2020年1月1日以降に投稿され受理された論文に対して適用されます。

契約に参加するノルウェーの研究機関に所属する研究者は、890タイトル以上のハイブリッドジャーナルで論文をオープンアクセス(OA)で公開することができ、また同社が出版するゴールドOA誌150タイトル以上でAPC(論文処理加工料)の20%割引を受けられる一方で、890タイトル以上の査読誌にアクセスして閲覧することができます。論文は原則、クリエイティブ・コモンズ(CC)のCC BYライセンスの下で出版されます。

同社は、OA出版のワークフローを支援するプラットフォームSAGE Open Access Portalを立ち上げていることも併せて発表しました。

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