視聴覚資料

米・Illinois Open Publishing Network(IOPN)、オープンアクセスの査読誌“Journal of Anime and Manga Studies”の創刊号を公開

2020年10月14日、米・Illinois Open Publishing Network(IOPN)が、オープンアクセスの査読誌“Journal of Anime and Manga Studies”の創刊号公開を発表していました。アニメ・マンガ・コスプレ・ファンダムに関する研究や書評を扱う学術誌であり、創刊号には米国におけるアニメの普及等に関する論文5本及び書評1本が含まれています。

IOPNは、米・イリノイ大学図書館の学術コミュニケーション・出版ユニットが運営するデジタル出版サービスであり、“Journal of Anime and Manga Studies”の編集長は、同大学情報学大学院(iSchool)の卒業生で米・エモリ―大学の法律図書館員であるBilly Tringali氏が務めています。

オーストラリア国立公文書館(NAA)、2025年までに再生できなくなる可能性が高い視聴覚記録のデジタル化保存のため300万ドルを拠出すると発表

2020年10月27日、オーストラリア国立公文書館(NAA)が、視聴覚記録のデジタル化保存のため300万オーストラリアドルを拠出すると発表しました。5年計画の最初の1年分の作業の資金となります。

予算が逼迫するなかでも、今後5年間で、技術や機器の入手が困難となり、また、媒体自体も劣化することで、再生できなくなる可能性が高い磁気メディアの記録の保存を重視して決定したもので、この拠出により、同館のデジタル化された視聴覚資料は12万アイテムを超えるまで増加し、最も重大な危機にさらされている資料のほぼ半分がデジタル化保存されることになります。

NAAが所蔵する視聴覚記録には、先住民(アボリジニとトレス海峡諸島民)の言語・物語・オーラルヒストリー、同国の南極観測基地への遠征隊、オーストラリア郵便公社の広告、ウーメラ試験場から発射されたロケット、スノーウィーマウンテンズ水力発電計画による建設に関する記録があると紹介されています。

米・テキサス大学オースティン校、アンドリュー W.メロン財団の助成金を活用して視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施

2020年10月7日、米・テキサス大学(UT)は、同大学オースティン校英語学部(Department of English)のクレメント(Tanya Clement)准教授の代表する研究チームが、アンドリュー W.メロン財団による45万ドルの助成金を活用して、視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施することを発表しました。

クレメント准教授によるプロジェクト“AudiAnnotate Audiovisual Extensible Workflow(AWE)”は、人文科学分野における重要なデジタル視聴覚コレクションについて、アクセス促進・研究や教育における利用の拡大・理解の増進等を目的として取り組まれます。クレメント准教授はお知らせの中で、視聴覚資料へのアノテーションの付与とオンライン共有がプロジェクトの基本的な取り組みであり、デジタル人文学専門のコンサルタント会社Brumfield Labsや、ソフトウェア開発会社のAVP等と提携し、オープンソースのツールを用いて作成・共有を容易に進めるワークフローの開発を計画していることなどを説明しています。

関西大学図書館、多彩なアプローチからSDGsの達成に貢献する「KU Library thinks SDGs 2020」を実施

2020年9月17日、関西大学図書館は、多彩なアプローチからSDGsの達成に貢献する「KU Library thinks SDGs 2020」を、2020年9月21日から2021年1月30日の期間に実施することを発表しました。

発表では、以下の7つのアプローチが挙げられています。

1.【Academic】教員推薦図書の展示
2020年9月21日から2021年1月30日
同大学の学部横断型科目「SDGs入門」担当教員による推薦図書等、17の目標を達成するためのヒントとなる本の展示が行われます。

2.【Librarian】企画展『向きあう、広がる、新学期:Sustainable Development Goals』
2020年9月21日から2021年1月30日
「ウイズコロナ時代のキャンパスライフ」に参考となる本の展示が行われます。

3.【Audiovisual】視聴覚資料の展示『SDGs audiovisual selection』
10月1日から12月26日
SDGsに対する理解を深められるような視聴覚資料を展示します。

視聴覚コレクションへの相互運用可能なアクセス:“Avalon Media System”について(記事紹介)

europeana proの2020年8月3日付の記事“Interoperable access for audiovisual collections - exploring Avalon Media System”で、デジタルの音声・動画コレクションへのアクセスを管理、提供するためのオープンソースのシステム“Avalon Media System”が紹介されています。

記事によると、同ウェブサイトの2020年6月12日付の記事で紹介されたEuropeanaの新しいメディアプレーヤーは、同システムおよびIIIFの成果をもとに構築されています。

同システムは、米・インディアナ大学と米・ノースウェスタン大学によって2011年に共同開発が開始され、同記事の執筆時点では少なくとも12の機関で利用されています。音声・動画コレクションへの柔軟なアクセスを提供するものであり、HTMLのiframe(インラインフレーム)を用いて他のウェブサイトにメディアプレーヤーを埋め込むことが可能です。

American Archive of Public Broadcasting、1968年から1977年までに放送されたテレビ番組“Black Journal”の59エピソードをオンライン公開

米国議会図書館(LC)とボストンの公共放送局であるWGBHが共同で運営する、米国の公共放送の歴史的コレクションを提供するデータベース“American Archive of Public Broadcasting(AAPB)”は、2020年7月8日付けのブログ記事において、1968年から1977年までに放送されたテレビ番組“Black Journal”の59エピソードをオンライン公開したことを発表しました。

“Black Journal”は、アフリカ系米国人が自らのために自ら製作した初めての全国放送のテレビ番組であり、主に米国黒人社会の公共問題を取り扱っています。放送当初は、米国の公共放送サービス(PBS)の前身に当たる“National Educational Television(NET)”が製作し、後にニューヨークの系列局WNETへ製作が引き継がれました。

特定非営利活動法人映画保存協会、令和2年7月豪雨により水損被害を受けた視聴覚資料の洗浄に関する相談を受け付け

2020年7月8日、特定非営利活動法人映画保存協会が、同会の災害対策部において、令和2年7月豪雨により水に濡れたり土砂をかぶったりした8mmフィルムやビデオテープ等の視聴覚資料の洗浄に関する相談を受け付けると発表しています。

[災害対策部]2020 九州豪雨の被害について(映画保存協会,2020/7/8)
http://filmpres.org/whatsnew/11630/

参考:
天草市(熊本県)、ウェブサイトに「歴史資料保全のお願い」を掲載し、古い記録・美術工芸品等を捨てないよう呼びかけ
Posted 2020年7月13日
https://current.ndl.go.jp/node/41491

Europeanaの新しいメディアプレーヤーの開発(記事紹介)

Europeana Proの2020年6月12日付け記事“Europeana Media: rolling out the new audiovisual player”において、2018年9月から2020年2月にかけて実施されたプロジェクト“Europeana Media”で開発された、Europeanaの新しいメディアプレーヤーが紹介されています。

メディアプレーヤーはオープンソースであり、コンテンツ埋め込みやアノテーション・字幕付与等のための機能を備えています。動画や音声にそれらの高度な機能を加えて提供するために、IIIFのバージョン3に基づいたIIIFマニフェストを使用している、としています。

プレーヤーの全機能は、欧州のテレビ放送アーカイブを提供する“EUscreen”のポータルサイト上において、コンテンツ・パートナーである“Istituto LUCE”のコレクションにアクセスし、MyEUscreenアカウントでログインすることにより体験可能となっています。Europeana上でも、コンテンツ・パートナー提供の視聴覚資料は全てこの新しいプレーヤーにより再生されますが、Europeanaにはユーザーのログイン機能がまだ実装されていないため、プレーヤーの機能は一部制限されている、とあります。

音声・動画デジタル化における品質管理:NYPLの事例(記事紹介)

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、NYPLウェブサイト上に掲載された2020年6月8日付けのブログ記事において、NYPLでの音声・動画デジタル化における品質管理について紹介しています。

NYPLのデジタル研究部門に属する、デジタルコレクションサービスの音声・動画保存ユニットがNYPLの視聴覚研究コレクション(audiovisual research collections)の物理的な保存とデジタル化を担当しており、内製あるいは外部委託により行われるデジタル化の監督作業を行っています。

記事によれば、品質管理プロセスでは成果物の100%に対し自動チェックを、約10%から15%に対しマニュアルチェックを実施しています。具体的なチェックポイントの例として、ファイルの技術仕様、ファイルの同一性、ディレクトリ構造及びファイル名の正確性など計8点を示しているほか、使用しているオープンソースのツールも紹介しています。

米・ルイジアナ州の歴史的動画のアーカイブ“Louisiana Digital Media Archive”、1981年から1990年まで放映されたテレビシリーズ“Folks”の210エピソードを公開

2020年2月1日、米・ルイジアナ州の歴史的動画のアーカイブ“Louisiana Digital Media Archive(LDMA)”は、同州の公共放送サービスLouisiana Public Broadcasting(LPB)が制作したテレビシリーズ“Folks”の1981年から1990年まで放映された210エピソードをストリーミング配信したことを発表しました。

“Folks”はマイノリティ問題を扱うテレビシリーズとして、同州に住むアフリカ系アメリカ人やその他のマイノリティに関する話題が盛んに取り上げられました。毎年2月には「黒人歴史月間(“Black History Month”)」を際立たせるために、“Pause for Pride”という特集が組まれています。

同州ラファイエット郡における黒人コミュニティへの教育上の人種差別廃止の影響を扱った1982年放映のエピソード、ゴスペル音楽の歴史とアフリカ系アメリカ人のルーツを扱った1989年放映のエピソード、南北戦争の再建期(Reconstruction)から1980年代までの州政治における黒人の歴史を扱った1990年放映のエピソード等を無料で視聴することができます。

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