視覚障害者

岐阜県図書館、新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた障害者向け対面読書サービスをウェブ会議サービスZoomによりオンラインで再開

2020年10月23日、岐阜県図書館は、10月8日から同館の障害者向け対面読書サービスをウェブ会議サービスZoomを利用したオンライン形式で再開したことを発表しました。

岐阜県図書館の対面読書サービスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い2020年3月から休止していましたが、同館は感染拡大防止とサービス維持の両立のために、Zoomを利用したサービスの再開を決定しました。同館の障害者サービスに登録済で、自身の端末でセットアップができる利用者は、自宅等で朗読を聞くことができます。

対面読書サービス再開について(岐阜県図書館,2020/10/23)
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/info-notice/2020/10/post-72.html

フランス国立図書館(BnF)、新たな障害者向けサービスを開始:デジタル化資料のファイルを提供

2020年11月10日から、フランス国立図書館(BnF)の書誌学に関する資料等を提供する部屋“Salle E”で、新たな障害者向けサービスが開始されます。

フランスの知的所有権法典(Code de la propriété intellectuelle)には、認可を受けた機関が非営利目的で、障害者に提供する著作物を複製できるという著作権の例外規定があます。BnFが提供するファイル転送プラットフォーム“Plateforme sécurisée de Transfert des Ouvrages Numériques (PLATON)”では、例外規定のもと複製が行われた資料の書誌データ等がオンラインで提供されています。

ウェブサイトによると、同サービスは、視覚障害者やディスレクシアをはじめとした、読書に困難がある人を対象としています。PLATONで利用したい資料を探し、BnFに来館して証明書の提出等を行って利用者登録し、USBメモリ等を提出すれば、BnFの職員によりデジタル資料のダウンロードが行われます。ダウンロードされた資料は、利用者各自の読書用ツールでの閲覧が可能です。

日本図書館協会、文部科学省委託事業「読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修」障害者サービス初級講座「すべての図書館で行ってほしい障害者サービスの実際」を実施

2020年9月30日、日本図書館協会(JLA)は、文部科学省委託事業「読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修」障害者サービス初級講座「すべての図書館で行ってほしい障害者サービスの実際」を実施することを発表しました。

同講座は、JLA障害者サービス委員会の企画・運営により実施されます。都道府県立図書館等の職員を対象に、地域の障害者サービスをゼロから進展させるための研修会を体験し、そのノウハウを次年度以降の開催につなげるため、障害者サービスの理念・実際のサービス方法・障害者への配慮・機器の操作支援など、障害者サービスを初歩から学ぶ講座として開催されます。

同講座は、ウェブ会議サービスZoomを用いたウェブ参加と日本図書館協会2階研修室(東京都中央区)での直接参加を併用して行われます。全3日間の講座を2回実施し、第1回は2020年11月17日から19日、第2回は2021年2月1日、8日、15日の開催です。

金沢市立泉野図書館(石川県)、同館キッズフロアにDAISY図書の視聴コーナーを開設

2020年9月26日、石川県の金沢市立泉野図書館は、同館キッズフロアにDAISY図書の視聴コーナーを開設したことを発表しました。

石川県視覚障害者協会から同館へ寄贈されたDAISY図書として、「人魚姫」や「くまのパディントン」などの児童向けのタイトルの視聴が可能です。中学生以下の利用者は、同館キッズフロアの職員に申し出て再生機器を貸出することで、DAISY図書を視聴することができます。また、高校生以上の利用者も公開ホールのカウンターで職員に申し出ることで、同館の公開ホール内で視聴することができます。

E2307 - 「読書バリアフリー基本計画」を読む

国の「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画」(通称「読書バリアフリー基本計画」。以下「計画」)が2020年7月14日に策定・公表された。この計画は,2019年6月28日に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」;CA1974参照)第7条に基づくもので,策定主体は文部科学大臣および厚生労働大臣である。策定に向けての検討協議は,「読書バリアフリー法」第18条に基づき設置された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」(以下「関係者協議会」)で行われ,計画案に対するパブリックコメントを経て,策定された。

ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開

2020年9月28日、ドイツ読書バリアフリーセンター(Deutsche Zentrum für barrierefreies Lesen:dzb lesen)は、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開したことを発表しました。

“DAISY-Leser 2.1”はマウスやキーボードで操作可能なDAISY図書再生用のソフトウェアです。図書内の特定の位置への移動、ページ番号の入力、任意の位置へのブックマークの設定、音声の速度や音量の調整、脚注の表示・非表示の切り替えといったDAISYの仕様が提供する多くの機能を利用することができます。ソフトウェアはdzb lesenのウェブサイトからインストール用ファイルをダウンロードすることで、無料で利用することができます。

DAISYコンソーシアム、電子書籍フォーマットEPUB3の利点をまとめたホワイトペーパーを公開:企業・政府・大学でのEPUB3の利用を推奨

2020年9月10日、DAISYコンソーシアムは、電子書籍フォーマットEPUB3の利点をまとめたホワイトペーパー“It’s Time to Use the Modern Digital Publishing Format for Your Organization’s Documents:Why You Can Produce Better Publications for Everyone with Born Accessible EPUB 3”を公開しました。

法律や社会的関与の観点から、文書・書籍・企業の出版物は障害者を含めた誰もがアクセスできるようにすべきという認識が広がりつつあること、出版業界ではすでにEPUB3の使用が進んでいることを踏まえた上で、企業・政府・大学におけるEPUB3の使用を推奨する内容となっています。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC-SA 4.0での公開であり、HTML、EPUB3、Word、タグ付きPDF形式での閲覧が可能です。

米国議会図書館(LC)、活字による読書が困難な利用者に対する優れたサービスを提供している図書館を表彰

2020年8月19日、米国議会図書館(LC)の障害者サービス部門「視覚障害者及びプリントディスアビリティのある人々のための全国図書館サービス(National Library Service for the Blind and Print Disabled:NLS)」が、活字による読書が困難な利用者に対し、優れたサービスを提供している図書館を表彰すること発表しました。

受賞館は以下の2館です。

・Oklahoma Library for the Blind and Physically Handicapped
発表の中では、同館が、合計15万点以上の点字図書、録音図書、雑誌等の貸出を行ったことが述べられています。また、オンデマンドの情報提供サービスをはじめとした活字による読書が困難な人の情報アクセスを向上するプログラムや、点字、大活字等での教科書や教材の子ども、学校への貸出を行ったこと等に触れられています。

Internet Archive(IA)、大手出版社4社の著作権侵害訴訟に対する答弁書を提出:“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の適法性を主張

Internet Archive(IA)は2020年7月29日付で公開したブログ記事において、商業出版社4社がIAの“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の停止を求めて提起した著作権侵害訴訟への答弁書(Response)を、前日28日に提出したことを発表しました。

図書館の所蔵する冊子体資料をデジタル化して、ファイルの再配布に制限を付けて行われるCDLを通した電子書籍貸出は、9年以上実施され広く米国の図書館界に普及していることなどを挙げ、米国著作権法は図書館が所蔵する資料をデジタル化し、管理された方法で利用者に貸出する権利を阻んでいないとして、IAはCDLによる電子書籍貸出の適法性を主張しています。

ブログ記事では、作家の利益促進のために活動する米国の非営利団体“Authors Alliance”がCDLによる電子書籍貸出をフェア・ユースとして支持する見解を表明したことや、多くの教育機関が公衆衛生上の懸念から資料へのアクセスを厳しく制限する中で行われるこの訴訟は、学習者への情報アクセスを維持するために取り組む図書館等の試みを阻害するものであることにも言及しています。

障害のある学生12人へのインタビューに基づく米国の大学図書館ウェブサイトのアクセシビリティに関する課題と推奨事項(文献紹介)

2020年7月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.5に、米・イリノイ大学シカゴ校のヘルスサイエンス図書館でリエゾン・ライブラリアンを務めるブランスキル(Amelia Brunskill)氏による論文““Without That Detail, I’m Not Coming”: The Perspectives of Students with Disabilities on Accessibility Information Provided on Academic Library Websites”が掲載されています。

同氏は、米国の多くの大学図書館のウェブサイトには、障害のある利用者向けに情報提供するページがありますが、これらのページに対する利用者のニーズや使い勝手、期待等を調査した研究がほとんど存在しないことを背景に、同校に在籍する障害をもつ学生12人に対してインタビュー調査を実施しました。インタビューでは学生に対して、大学図書館の障害者向けウェブサイトにおける、導線や使用される文言、ウェブサイトのデザイン全体、ページの構成、提供されるコンテンツ等の印象についての質問が行われています。

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