資料保存

郡山市(福島県)、横浜市立大学と「こおりやま文学の森資料館所蔵フィルム修復」に係る協定を締結:久米正雄が撮影したフィルム

2020年4月15日、福島県の郡山市と横浜市立大学が、同市の「こおりやま文学の森資料館所蔵フィルム修復」に係る協定を締結しました。フィルムの修復及びその成果に基づき文化・芸術の振興を図ることを目的としています。

修復対象は、同市内で6歳から高校卒業までを過ごした久米正雄により撮影され、「こおりやま文学の森資料館」が所蔵する映像フィルムです。

フィルムの一部は、固着・劣化によりその全容を確認することができない状態であるものの、部分的に確認できる範囲では、久米と同時代の作家・田山花袋等が映っていることから、希少性の高い貴重な資料であることが想定され修復することになったとしています。

地元紙の報道によると、同大国際教養学部の庄司達也教授の協力により、2020年度は修復可能性を調査し、その結果を踏まえて修復方法を検討していくとのことです。

文化庁、令和2年度のメディア芸術アーカイブ推進支援事業の募集要項を発表

メディア芸術に関する情報を掲載する文化庁のウェブサイト「メディア芸術カレントコンテンツ」の2020年4月9日付け記事に、「令和2年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の補助対象となる団体の募集に関するお知らせが掲載されています。

文化庁が実施する同事業は、国内の優れたメディア芸術作品や、散逸・劣化の危険性が高いメディア芸術作品の保存・活用・公開等を支援することで、日本のメディア芸術の振興に資することを目的としています。対象となる「メディア芸術」は、デジタル技術を用いて作られたアート、アニメーション・特撮、マンガ、ゲームが該当します。

募集案内では、事業の提案例としてメディア芸術関連資料のデジタルアーカイブ化の取り組みを挙げています。また、事業で整備された目録情報などのメタデータ等は、メディア芸術データベースへの登録が予定されています。

令和2年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業について(メディア芸術カレントコンテンツ, 2020/4/9)
https://mediag.bunka.go.jp/article/article-16170/

ブルーシールドオーストラリア(BSA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための休館期間中でもGLAM機関のコレクションを安定的に保存するためのガイドを公開

2020年3月29日、ブルーシールドオーストラリア(BSA)が、新型コロナウイルスの感染拡大をうけて休館する、図書館・博物館・公文書館といったGLAM機関における資料保存に関するガイド“Closed by COVID-19? A Practice Guide for managers of heritage collections that are closed at short notice because of an epidemic or pandemic”を公開しました。

感染拡大防止のための休館により、環境(換気の制限・害虫の侵入)、セキュリティ(侵入者や破壊者)、職員の健康・安全といった状況が変化し、職員による状態確認の頻度も落ちるという資料保存上のリスクが発生することから、緊急状況下においてもコレクションが放置されることなく安定的な環境で保存できるようにするために取り組むべき作業を提案するものです。

奥州市(岩手県)・国立歴史民俗博物館・合同会社AMANE、地域資料継承支援に関する覚書を締結

2020年3月30日、奥州市(岩手県)・国立歴史民俗博物館・合同会社AMANEが、2月28日に、地域資料継承支援に関する覚書を締結したことが発表されています。

近年の大規模災害や世代交代による意識変化により、全国的に資料の滅失・散逸が急速に進んでいることから、産学官の三者が連携し、公有・民有を問わず地域での資料保全の基盤構築を図ることを目的とした覚書で、1年ごとに更新するとしています。

今後、連携・協力して以下の取組を実施するとしています。

1. 奥州市所蔵資料を、国立歴史民俗博物館の総合資料学情報基盤システムデータベース「khirin」(キリン)に各機関連携の下で順次掲載

2. 公有・民有問わず奥州市内の資料及び市内に関係する資料に関して、継続的に地域で保存する体制を構築するための調査・研究を開始

国立歴史民俗博物館 研究に関するお知らせ
https://www.rekihaku.ac.jp/
※2020.3.30欄に「産学連携で地域資料に取り組む―岩手県奥州市・合同会社AMANEと地域資料継承支援に関する覚書を締結―」とあります。

感染症拡大の状況下において図書館資料の衛生状態を保つ方法(記事紹介)

American Libraries誌の2020年3月27日付ブログ記事として、フリーランスの著作家であるLara Ewen氏による“How to Sanitize Collections in a Pandemic”が公開されています。

公開されたブログ記事は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中で、利用者・図書館職員双方の安全を保つための課題等について、専門家の様々な意見を紹介する内容です。ブログ記事ではフロリダ大学図書館の資料保存担当者であるデュラン(Fletcher Durant)氏のコメントを紹介しながら、図書館資料の衛生状態を保ち安全を確保するために、簡単・安全でコストのかからない方法は、時間をかけてウイルスを隔離することであることを指摘しています。デュラン氏は、最低24時間、できれば14日間ウイルスから隔離することが最良の消毒方法であり、全ての図書館が2020年3月17日付の米国図書館協会(ALA)の勧告に従って、閉鎖すべきであると提案しています。デュラン氏は、図書館は感染症拡大を媒介するリスクを孕んだ施設であり、そのような事態が発生した場合には利用者の健康への直接的な影響のみならず、図書館への社会的な信頼低下を招く可能性がある、とコメントしています。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ、文学研究科所蔵の重要文化財「大日本史編纂記録」の第6冊から第10冊、第21冊から第50冊までを公開

2020年3月27日、京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、文学研究科所蔵の重要文化財「大日本史編纂記録」の第6冊から第10冊、第21冊から第50冊までを公開したことを発表しました。

同大学の文学研究科と総合博物館は2018年度から「大日本史編纂記録」の修復・電子化事業を実施しており、修復・電子化が完了した第6冊から第10冊、第21冊から第50冊までの1,506画像が京都大学貴重資料デジタルアーカイブで公開されています。

「大日本史編纂記録」の修復・電子化事業は今後も引き続き行われ、その成果は随時京都大学貴重資料デジタルアーカイブで公開する、としています。今回の公開によって、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、1万7,638タイトル、136万5,106画像となっています。

文学研究科所蔵重要文化財『大日本史編纂記録』第6冊から第10冊、第21冊から第50冊までを公開しました(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ,2020/3/27)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/news/2020-03-27

カナダ保存研究所、文化財のカビ予防・除去に関するガイドラインの改訂版を公開

2020年3月13日、カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute;CCI)は、文化財のカビ予防・除去に関するガイドライン“Mould Prevention and Collection Recovery: Guidelines for Heritage Collections”の公開を発表しました。

同ガイドラインの初版は2004年の刊行であり、今回公開された版は改訂版となります。カビについての一般情報のほか、図書館・アーカイブ・ミュージアムの所蔵品におけるカビ成長防止、所蔵品からのカビ除去、カビによる健康被害防止のための個人用保護具等に関する情報がまとめられています。

@cci.conservation(facebook, 2020/3/13)
https://www.facebook.com/cci.conservation/posts/3920490831324601

浦添市立図書館(沖縄県)にて、歴史にふれる館収蔵資料展「あなたもするかも!? 文化財の有無の照会」が開催:工事で破壊しないよう予定の土地に埋蔵文化財があるかどうかを確認する「文化財の有無の照会」の役割と実際の出土品を紹介

沖縄県の浦添市立図書館のカウンター前において、2020年3月17日から5月17日まで、浦添市歴史にふれる館収蔵資料展「あなたもするかも!? 文化財の有無の照会」が開催されます。

土地の売買や、建物の建設、道路の整備などを行う際に、工事で破壊しないよう、予定の土地に埋蔵文化財があるかどうか、事前に地方公共団体の担当部署に依頼し確認してもらう「文化財の有無の照会」の役割について、近年の同市の事例を紹介し、実際に見つかった遺跡の出土品を展示するものです。

あなたもするかも!?「文化財の有無の照会」(浦添市, 2020/3/17)
http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2020022700205/

三重県、「三重県文化財保存活用大綱」中間案に対する意見を募集

2020年3月17日、三重県が、「三重県文化財保存活用大綱」中間案に対する意見を募集すると発表しました。募集期間は3月18日から4月17日までです。

「三重県文化財保存活用大綱」中間案に対するご意見を募集します(三重県, 2020/3/17)
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0046300158.htm

参考:
新潟県、「新潟県文化財保存活用大綱(案)」に関する意見を募集
Posted 2020年1月15日
https://current.ndl.go.jp/node/39949

神奈川県、「神奈川県文化財保存活用大綱(素案)」に関する意見を募集
Posted 2019年7月12日
https://current.ndl.go.jp/node/38582

川崎市、「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年3月)」を公表

2020年3月13日、川崎市が、「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年3月)」を公表しています。

令和元年台風第19号により収蔵品等が浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアムにおいて実施されている収蔵品レスキューの3月9日現在の状況が説明されています。

市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年3月)(川崎市, 2020/3/13)
http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/250/0000115930.html

参考:
神奈川県川崎市、「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について」を公表
Posted 2020年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/40102

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