資料管理

HathiTrustの2019年前半の活動と今後の展望(記事紹介)

2019年8月6日、HathiTrustは、2019年から2023年までの戦略的方向性を示した“HathiTrust’s 2019-2023 Strategic Directions”実施から半年が経過したことを受けて、半年間の活動を振り返りながら今後の展望を示したブログ記事“2019: HathiTrust at Mid-Year & Upcoming Opportunities”を公開しました。

2018年3月13日に承認された“HathiTrust’s 2019-2023 Strategic Directions”では、デジタル保存とアクセス、文化的記録の管理者としての役割等への関与の強化が示されています。HathiTrustの2019年の具体的な出資と活動はここで示された戦略的方向性を達成するために行われています。

2019年1月から6月までの主要な動きとして、印刷物を読むことに障害がある利用者へのアクセシビリティを向上させたこと、1923年に出版されパブリックドメインとなっている5万4,000点近くのタイトルを公開したこと、共同管理(Shared Print)プログラムの第2段階を完了したこと、などを挙げています。

【イベント】実務セミナー「資料管理の現場でデジタルアーカイブを位置づける」(6/22・東京)

2019年6月22日、東京大学大学院経済学研究科学術交流棟(東京都文京区)において、社会・労働関係資料センター連絡協議会、東京大学経済学部資料室が主催する実務セミナー「資料管理の現場でデジタルアーカイブを位置づける」が開催されます。

図書館やアーカイブズの所蔵資料において、デジタル・メディアが大きな位置を占めつつある中で、資料管理の現場の視点から、デジタル・メディアを含めた資料管理全般の在り方を考え直すことを狙いとしたセミナーです。

参加費は、労働資料協会員は無料、非会員は2000円となっています。定員は30名であり、事前の申込みが必要です。

主なプログラムは次のとおりです。

講義「デジタルアーカイブ入門:歴史と課題」
報告「エル・ライブラリーの事例から教訓を学ぶ 労働組合旗、労働史オーラルヒストリー、産業映画フィルムのデジタル化について」
講師:谷合佳代子氏(エル・ライブラリー〈大阪産業労働資料館〉館長)

講義「東京大学経済学図書館の蔵書管理におけるデジタル化の位置づけ」
講師:矢野正隆氏(東京大学経済学部資料室助教)

見学:東京大学経済学部資料室の撮影室

ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン図書館、冊子体コレクション見直しのため、OCLC Sustainable Collection Servicesを導入

2018年1月18日、OCLCはアイルランドのユニバーシティ・カレッジ・ダブリン図書館が、同館所蔵の冊子体コレクションの見直しのため、OCLCの図書館の資料管理と共有の支援を行うサービスSustainable Collection Services(SCS)を用いる予定であると発表しました。

同館はSCSとウェブベースの分析用アプリケーションGreen Glassを用い、大学内の複数のキャンパスでコレクションを共同で管理し、他の活動のためのスペースを確保するとしています。同館のコレクション部門副館長のオサリヴァン(Carmel O'Sullivan)氏は、紙媒体の単行書を貸出状況や共同保存のパートナー館の所蔵状況といった観点から分析したいとし、利用頻度の低い資料は保存書庫に送るなどの冊子体コレクションの見直しの判断を、利用者のニーズの正確な理解に基づいて行うために、同システムを活用する予定であると述べています。

OCLC Research、研究図書館の「研究コレクション」に関するシンポジウムの報告書を刊行

2017年8月2日、OCLC Researchが、2016年10月に、米・ケンブリッジのNorton's Woods Conference Centerで、研究図書館における「研究コレクション」を再検討すること目的に、図書館の担当者や研究者が集まって行なわれたシンポジウムの報告書“The Transformation of Academic Library Collecting: A Synthesis of the Harvard Library's Hazen Memorial Symposium”を刊行しました。

研究図書館のコレクション、特に共同コレクションの将来や、伝統的に特殊コレクション・アーカイブコレクションと呼ばれてきたコレクションの再検討をテーマとした発表や参加者による議論をまとめたものとなっています。

HathiTrustの理事会、印刷資料1,600万冊の共同管理のための覚書や関連指針を承認

2017年6月29日、HathiTrustの理事会が、印刷資料1,600万冊の共同管理のための覚書(MOU)や関連指針を承認したと発表されています。

HathiTrustに参加する50の図書館が、HathiTrustのプログラムのもと、総計1,600万冊以上の印刷資料を、25年間共同管理(Shared Print)することを内容とした提案を行なったことを受けたもので、理事会の承認を得たことから、2017年9月30日までに所蔵館と覚書を締結することが目指されています。

HathiTrustの参加館、印刷資料1,600万冊の共同管理を提案

HathiTrustに参加する50の図書館が、HathiTrustのプログラムのもと、総計1,600万冊以上の印刷資料を、25年間共同管理(Shared Print)することを内容とした提案を行なっていると、2017年5月24日付のHathiTrust Updateが報じています。

これは、HathiTrustのデジタルライブラリに搭載されている450万タイトル分にあたり、全体の60%に相当します。

HathiTrustでは、双方の義務を明確にするため、図書館と締結する覚書(MOU)や指針を策定しており、2017年6月の理事会で覚書が承認され、早ければ、2017年秋にはMOUを締結し、共同管理が実行される計画となっています。

日本図書館協会(JLA)、学校史などの地域資料の破損被害について調査結果を公表、声明を発表

2017年5月19日、日本図書館協会(JLA)は、学校史などの地域資料の破損被害について、調査の結果を公表し、声明を発表しました。

JLAは、学校史などの地域資料の被害状況について、5月11日に47の都道府県立図書館に、各都道府県下の公立図書館の被害状況について、5月17日までに回答するよう依頼しました。

その結果、5月19日19時現在、回答があった47都道府県のうち、27都道府県が被害があったと回答しました。被害館数は65館、被害冊数は合計356冊、被害ページは合計2,484ページとなっています。

また、JLAは、5月19日付でJLA理事長名義の声明を発表しました。地域資料という貴重な資料が破損されたことは誠に残念であるとして、図書館資料を人々の共有財産として大切に扱い、後世の人々に伝えられるようお願いしています。

地域資料等の破損被害について(JLA, 2017/5/19)
http://www.jla.or.jp/home/news_list/tabid/83/Default.aspx?itemid=3310

日本アーカイブズ学会(JSAS)、国立公文書館から提案された「日本におけるアーキビストの職務基準」に対して意見を提出

2017年2月5日、日本アーカイブズ学会(JSAS)は、国立公文書館から提案された「日本におけるアーキビストの職務基準」に対する意見を、2016年7月30日付で提出したことを発表しました。

この基準は、アーキビストを養成するための教育・育成体制や資格制度の確立を見据え、日本におけるアーキビストに関する職種と要件について、国立公文書館が2016年3月18日付で取りまとめたものです。収集・保存・利用というアーキビストの職種(job)ごとに、課業(task)・仕事(work)とアーキビストに求められる要件が整理されています。

人材育成については、2016年3月にまとめられた「国立公文書館の機能・施設の在り方に関する基本構想」で、重要な課題として指摘されています。

「日本におけるアーキビストの職務基準」に対する意見(JSAS, 2017/2/5)
http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=297

日本におけるアーキビストの職務基準(PDF: 6ページ)
http://www.jsas.info/modules/20170205/20160318.pdf

関連:
国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討会議 2016年11月30日開催 第17回 配布資料一覧(内閣府)

米国現代言語協会の印刷物の未来に関するワーキンググループが、印刷物の管理に関するホワイトペーパーの作業草案を公開

2016年12月16日、米国現代言語協会(MLA)の印刷物の未来に関するワーキンググループが、ホワイトペーパー“Concerted Thought, Collaborative Action, and the Future of the Print Record”の作業草案を公開しました。

要約によると、本ホワイトペーパーは、(1)図書館で所蔵されている多くの印刷物に含まれる文化遺産は、保存され、将来にわたって利用できるようにする必要がある(2)文化遺産を維持するための必要な解決策は単一の機関や既存の組織では難しく、高等教育のコミュニティー全体での一致団結した集団行動が必要である、という2つの関連する結論を説得的に示すために作成されたものです。

ホワイトペーパーでは、学術研究と教育に対して情報を提供する時間を超えた公共財という中核的価値から導き出された印刷物の管理のための国家的システムを構築するための課題と方向性を提案しており、その提案は、政策や運営体制への提言、戦略的な建設による既存の高密所蔵施設の合理化、一貫したシステムとして運営される新しい施設の管理を兼ね備えたものとのことです。

LYRASIS、オープンソースの博物館等向けツール“CollectionSpace”に関し、85万ドルの助成を獲得

2016年7月23日、米国の図書館ネットワークLYRASISが、アンドリュー・W・メロン財団から、無料かつオープンソースの、博物館等向けコレクション管理ツールである“CollectionSpace”の開発及び維持のため、85万ドルの助成を獲得したことを発表しています。

“CollectionSpace”は、ニューヨークにあるMuseum of the Moving Imageがプロジェクトを立ち上げたもので、2013年にアンドリュー・W・メロン財団から助成を受けたLYRASISが本部となり、北米や欧州の組織・機関が参画しています。

Press Release:LYRASIS Receives $850,000 Award from The Andrew W. Mellon Foundation to Continue Support for CollectionSpace(LYRASIS NOW, 2016/7/23)
http://lyrasisnow.org/press-release-lyrasis-receives-850000-award/

New Grant Awarded from The Andrew W. Mellon Foundation(CollectionSpace, 2016/7/26)

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