電子ジャーナル

米国計算機学会(ACM)、米国内の4大学とオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約」を締結

2020年1月23日、米国計算機学会(ACM)は、カリフォルニア大学・カーネギーメロン大学・マサチューセッツ工科大学(MIT)・アイオワ州立大学の4大学とオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」を締結したことを発表しました。

各大学との契約は2020年1月1日から3年間が契約期間となり、ACMにとって初めて締結した「転換契約」となります。契約期間中これら4大学の構成員は、ACMの発行する学術雑誌・会議録等を提供するプラットフォーム“ACM Digital Library”の全てのコンテンツへ無制限にアクセス可能になります。また、責任著者がこれら4大学の所属である論文がACM発行の学術雑誌・会議録等へ掲載される際には、追加費用を支払うことなくOAで公開することができます。

プレスリリースでは、この新しいOA出版モデルへの「転換契約」は4大学の協調により進められたものである、としています。

米国化学会(ACS)、新たなオープンアクセス誌”JACS Au”創刊を発表 旗艦誌”JACS”を補完する位置づけ

2020年1月16日、米国化学会(ACS)は新たなオープンアクセス(OA)誌”JACS Au”を創刊することを発表しました。誌名の”Au”の部分は”Gold”と読む、とされています。

ACSはこれまでにも同学会最初の完全OA誌”ACS Central Science”やOAメガジャーナル”ACS Omega”を刊行していますが、JACS Auは同学会の主要雑誌(いわゆるフラグシップジャーナル、旗艦誌)である”Journal of the American Chemical Society (JACS)”を補完するものとして、最先端の、高インパクトな研究を掲載するOA誌とする、とされています。ACSの発表ではPlan Sにも言及されており、Plan Sが実現し、助成を受けた研究者が完全OA誌でしか論文を発表できなくなった場合の、JACS本誌に対する受け皿としてJACS Auを想定しているようです。ただし、JACS Auの編集チームは独立して設けるともされています。

JACS Auの投稿受付は2020年夏から開始するとされています。

Taylor & Francisグループ、学術雑誌で公表された論文と臨床試験データとのリンク形成を実施

2020年1月15日、Taylor & Francisグループは、電子ジャーナルプラットフォーム“Taylor & Francis Online”上に公表された論文と臨床試験データとのリンク形成を実施することを発表しました。

Taylor & Francisグループは医学・医療分野において250タイトル以上の学術雑誌を刊行しており、同分野で公表された論文はしばしば登録済の臨床試験と関連しています。論文と臨床試験とのリンク形成は、著者が登録済の臨床試験の番号を論文内に記載することで、自動的にCrossref及びPubMedへ臨床試験データの登録が実施される形で行われます。これによりPubMedのメタデータの充実とCrossrefの機能を利用した論文と臨床試験との恒久的な関連付けが可能になる、としています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とスペイン国立研究協議会(CSIC)、3年間の“Read & Publish”契約を締結

2020年1月15日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とスペイン国立研究協議会(CSIC)、3年間の“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

この“Read & Publish”契約は大学出版社とスペインの研究機関が締結した初めての契約であると同時にCUPが南欧で締結した初めての契約となります。2020年からCSICに所属する約120機関の著者は、公的資金を受けた論文をCUPのハイブリッド誌及び完全オープンアクセス(OA)誌にOAで掲載可能になります。また、科学・技術・医学・人文科学・社会科学等にまたがる400タイトル以上のCUPの完全な学術雑誌コレクションにアクセス可能になります。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、国際光工学会(SPIE)と3年間の“Read & Publish”契約を締結

2020年1月13日付の国際光工学会(SPIE)のお知らせにおいて、スウェーデンのBibsamコンソーシアムとSPIEが、2020年から2022年までの3年間を契約期間とする“Read & Publish”契約を締結したことが発表されています。

この契約はSPIEが署名した初めての“Read & Publish”契約となり2020年1月1日から契約が開始されます。契約によりBibsamコンソーシアムの構成員は、SPIE発行の会議録や雑誌論文50万点以上を収録した“SPIE Digital Library”の全てのコンテンツへのアクセスが可能になります。また、論文処理費用(APC)を支払うことなく、無制限にSPIE発行の学術雑誌で研究成果をオープンアクセス(OA)化することができます。

韓国・ソウル特別市教育庁、電子書籍等の閲覧や各種講座を受講できる電子図書館サービスのオンライン登録・認証での利用を可能にすると発表:図書館等での利用者登録が不要に

2019年12月24日、韓国・ソウル特別市教育庁が、同庁が運営する電子図書館サービスを、オンライン登録・認証のみで利用可能としたと発表していました。

これまで同サービスを利用するには、同庁が運営する図書館もしくは生涯学習館を訪れて会員登録する必要がありましたが、今後は、利用者の同意のもと、行政情報部の行政情報共同利用システムを利用して利用申請資格を確認します。

ソウル市教育庁の電子図書館では、1万6,000冊の電子書籍・オーディオブックのほか、国内外の電子ジャーナルの利用や各種講座の受講が可能です。

서울시교육청 전자도서관 비대면 자격확인 서비스구축(ソウル市教育庁電子図書館非対面資格確認サービス構築)(ソウル特別市教育庁, 2019/12/24)
http://enews.sen.go.kr/news/view.do?bbsSn=166372&step1=3&step2=1

独・プロジェクトDEAL、Springer Nature社との“Read and Publish”契約に最終合意

2020年1月9日、Springer Nature社と独・プロジェクトDEALを代表して交渉を担当している独・Max Planck Digital Library(MPDL)は、“Read and Publish”契約が正式に締結されたことを発表しました。

この契約は2019年8月22日に署名された覚書(Memorandum of Understanding)を引き継いだものです。プロジェクトDEALを構成する700以上のドイツの研究機関に所属する著者が、Springer Nature社のハイブリッド誌、及び完全オープンアクセス(OA)誌に受理された研究成果を即時OA化することが可能になります。年間1万3,000件以上の論文のOA出版が期待されています。

九州大学、SpringerLink電子ジャーナルパッケージの契約を中止

九州大学附属図書館が、2019年12月31日をもってSpringerLink電子ジャーナルパッケージの契約を中止したことを発表しました。個別のタイトル契約により2020年以降も利用可能なタイトルもあるものの、パッケージとしての利用は2020年1月1日以降、できなくなっているとのことです。

Springer Nature社の SpringerLink 電子ジャーナルパッケージ契約中止について(九州大学附属図書館、2020/1/6付け)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/30617

参考:
東邦大学、Wiley社の電子ジャーナル761タイトルの契約を中止 PPVで対応
Posted 2016年1月12日
https://current.ndl.go.jp/node/30423

英国初の“Read & Publish”契約となった2016年から2018年の“Springer Compact”試験契約に関する英・Jiscの評価(文献紹介)

英・Jiscの研究や活動の成果物等を保存するデジタルアーカイブJisc Repositoryに、2020年1月1日付で、論文“Transitioning to open access: an evaluation of the UK Springer Compact Agreement pilot 2016-2018”のプレプリント版が公開されています。

同論文はJiscのMafalda Marques氏、Graham Stone氏の共著により執筆され、2020年9月刊行の米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に掲載予定の論文です。英国にとって初めての“Read & Publish”契約となった、2016年から2018年の3年間を契約期間とする“Springer Compact”試験契約の分析を内容としています。

論文では、この契約によりオープンアクセス(OA)で出版された論文数、著者が論文のOA化をオプトアウトした件数、契約の条件に不適格であったためOA化が拒否された件数等のデータが分析に使用されています。機関の費用抑制、OA化のオプトアウトや拒否によって発生する財政的な影響についても言及されています。

韓国国立中央図書館(NLK)、文化芸術分野を中心に提供する有料オンラインデータベースを拡大:館外から利用可能なものも

韓国国立中央図書館(NLK)が、2020年1月2日から、提供する有料オンラインデータベースを拡大したと発表しています。

前年比54%拡大しており、国内の他の図書館で利用が難しいものを利用者に提供することが目的です。

2019年は33種類の国内外のデータベースを提供していましたが、2020年からは、Digital National Security Archive(DNSA)、Literature Online(LION)等といった18種類を追加して、合計51種類が提供されます。特に、2020年は、ベルリン・フィル「デジタル・コンサートホール」、China Art Digital Library、Artfilms Digitalといった文化芸術や音楽映像ストリーミングサービスといった分野を拡大しているとしています。

今回提供されるもののなかには、NLKの利用者証を所持していれば、自宅や学校で利用可能なデータベースもあります。

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