電子出版

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者を対象とするオープン化された教科書シリーズの第1弾として“Krisenmanagement”を公開

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)は、2020年4月9日付のブログ記事において、新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者を対象としたオープン教育資源(OER)の教科書シリーズ第1弾として、“Krisenmanagement(危機管理)”の公開を発表しました。

TIBでは、同館のオープンサイエンスラボが新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者支援を目的として、迅速な図書製作(book sprints)・OER開発に取り組んでいます。この取り組みの一環として、8冊の公衆衛生サービスに関する教科書シリーズの製作が進められており、公開された“Krisenmanagement”は、このシリーズの最初のタイトルとなります。

“Krisenmanagement”はオープンアクセス(OA)となっており、GitHub上にも様々なフォーマットで公開されています。また、ドイツのeラーニングプロバイダー“oncampus”のウェブサイト上で、同書のコンテンツを基にしたMOOCが提供されています。このため、公衆衛生分野を新たに学ぶ医学生はすぐにこの教材を活用可能になっています。

電子書籍規格EPUB 3.0.1に関するISO規格(ISO 23736:2020)が発行

2020年2月19日付で、電子書籍規格EPUB 3.0.1に関するISO規格(ISO 23736:2020)が発行されています。

規格は「概要(Overview)」「EPUB出版物(Publications)」「コンテンツ文書(Content documents)」「オープン・コンテナ・フォーマット(Open container format:OCF)」「メディア・オーバーレイ(Media overlays)」「フラグメント識別子(Canonical fragment identifiers)」の6つのパートで構成されています。それぞれのパートの電子版はISO/IECの情報技術タスクフォース(ITTF)のウェブサイトからダウンロードすることができます。

2019年の紙の出版物の推定販売金額は前年比4.3%減の1兆2,360億円、電子出版市場は23.9%増の2,593億円:紙と電子を合算した出版市場は前年比0.2%増の1兆5,432億円

2020年1月24日、全国出版協会の出版科学研究所が、『出版月報』2020年1月号において2019年(1月期から12月期の累計)の出版市場規模を発表しています。

2019年に刊行された書籍・雑誌を合わせた紙の出版物の推定販売金額が、前年比4.3%減の1兆2,360億円で15年連続のマイナスになったと発表しています。書籍は3.8%減、雑誌は4.9%減です。一方で、電子出版市場は前年比23.9%増の3,072億円で、内訳は、電子コミックが29.5%増の2,593億円、電子書籍が8.7%増の349億円、電子雑誌が16.7%減の130億円となっています。

紙と電子を合算した出版市場は、前年比0.2%増の1兆5,432億円となり、全体の市場は2014年の電子出版統計開始以来、初めて前年を上回りプラス成長となっています。

日本電子出版協会(JEPA)、2019年「JEPA電子出版アワード」の結果を発表:大賞は「note」

2019年12月23日、日本電子出版協会(JEPA)の2019年「JEPA電子出版アワード」の結果が発表されました。大賞は株式会社ピースオブケイクが運営するメディアプラットフォーム“note”でした。

受賞者の一覧は次のとおりです。

○デジタル・インフラ賞
note(ピースオブケイク)【大賞】

○スーパー・コンテンツ賞
岩波新書eクラシックス100(岩波書店)

○エクセレント・サービス賞
MANGA Plus by SHUEISHA(集英社)

○チャレンジ・マインド賞
DiSEL(アソビモ)

○エキサイティング・ツール賞
EPUBpack(イースト)

電子出版アワード2019(第13回)ジャンル賞決定、大賞はnote ノート!(JEPA,2019/12/23)
https://www.jepa.or.jp/pressrelease/20191223/

Bowker社、米国の自費出版の動向を発表:2018年は前年比40%の増加

2019年10月15日、米国の書誌情報サービス企業で、ProQuest社の関連企業であるBowker社は、2013年から2018年にかけての米国の自費出版に関するデータをまとめたレポート“Self-Publishing in the United States, 2013-2018”の公開を発表しました。

このレポートはBowker社が同社のデータベースに登録されたISBNの件数に基づいて、毎年1回発行しているものです。最新のレポートでは、ISBNが登録された自費出版の紙書籍と電子書籍の合計タイトル数は、2017年の120万点から2018年には160万点以上に増加しており、2013年のタイトル数と比較すると263%の増加となるなど、2018年も例年通りに増加傾向であったことなどが指摘されています。

イースト株式会社、PDFからの構造化テキスト抽出に成功し、この技術を利用して岩波新書のEPUB化を開始

2019年7月18日、イースト株式会社はテキストPDFからの構造化テキストの抽出に成功し、この技術を利用して岩波新書のEPUB化を開始したことを発表しました。

イースト株式会社のプレスリリースによると、この技術により、PDFに目次頁、大見出し、小見出しなど若干のマーク付けし、構造化されたマークダウン(簡易HTML)形式のテキストとキャプション文字を組み込んだ図版の画像ファイルを生成、日本電子書籍出版社協会のガイドに準拠したEPUBファイルの抽出ができる、とされています。

イースト株式会社はこの技術について、日本語の複雑に組版されたPDFからの正確な構造化テキスト抽出は世界初と目されており、新書、文庫、一般書、学術書などの出版物、学術論文、そして深層学習(AI)に投入する社内ドキュメントの構造化など、様々な分野への応用が期待される、としています。

この技術は2019年7月31日に日本電子出版協会主催のセミナーで公開され、8月8日午後に同社内で個別セミナーが開催される予定です。

教育系出版社大手のPearson社、米国で刊行中の1,500タイトルは今後全て電子版優先で販売することを発表

2019年7月16日、教育系出版社大手のPearson社は、米国で刊行中の1,500タイトルは今後全て電子版優先(digital first)で販売し、印刷体の改訂という伝統的な教育出版のモデルから移行することを発表しました。

Pearson社最高経営責任者のJohn Fallon氏は、学生はより簡単にアクセス可能で、手頃な価格の高等教育資料を求めており、90%近くの学習者が何らかのデジタル教育ツールを使用していることをこのビジネスモデル変更の背景として挙げています。そして、目的として、学生のためにコンテンツの提供価格を下げること、中古市場に頼る必要をなくすこと、学習者や顧客のニーズにより効果的に対応できるようになること、等を挙げています。

このビジネスモデル変更によりPearson社の電子書籍の価格は平均40ドル、デジタル学習ツール一式の価格は平均79ドルとなり、学生はより安価に同社のコンテンツを購入可能になると見込まれています。また、印刷体を希望する場合には、平均60ドルで貸出できるようになる予定です。

米国の書籍産業研究グループ(BISG)、オープンアクセスの単行書の利用状況に関するホワイトペーパーを公表

2019年5月5日、米国の書籍産業研究グループ(BISG)が、オープンアクセス(OA) の単行書の利用状況に関するホワイトペーパー“Exploring Open Access Ebook Usage”の公表を発表しました。ホワイトペーパーは“Humanities Commons”(Modern Language Associationが運営する研究者コミュニティ)のリポジトリで公開されています。

ホワイトペーパーでは、オープンアクセス(OA)の単行書の著者・出版者・資金提供者・ベンダー・図書館・読者といったステークホルダーが利用実績データ(Usage data)へ包括的にアクセスして、電子書籍がどこでどのように利用されているかに関する戦略的洞察を得られるよう、ステークホルダー間の利用実績データ共有体制(データ・トラスト)構築を提言しています。

E2099 - 出版の未来を拓く非営利のニュースメディア

筆者が理事長をつとめているNPO法人日本独立作家同盟は2018年10月1日,ニュースメディア「HON.jp News Blog」をリニューアルスタートした。このメディアは,もとは「hon.jp DayWatch」という名称だった。株式会社hon.jp(当時)が運営していた事業の1つで,2004年から電子出版専門でニュースを配信してきた。

2018年の紙の出版物の推定販売金額は前年比5.7%減の1兆2,921億円:電子市場は11.9%増の2,479億円

2019年1月25日、全国出版協会の出版科学研究所が、2018年に刊行された書籍・雑誌を合わせた紙の出版物の推定販売金額が、前年比5.7%減の1兆2,921億円で14年連続のマイナスとなったと発表しています。書籍は2.3%減、雑誌は9.4%減です。

一方で、電子出版市場は前年比11.9%増の2,479億円で、内訳は、電子コミックが同14.8%増の1,965億円、電子書籍(文字もの)が同10.7%増の321億円、電子雑誌が同9.8%減の193億円となっています。

出版月報 2019年1月号(公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所)
https://www.ajpea.or.jp/book/2-1901/index.html

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