電子出版

人文学におけるオープンレビューの実践と将来性をテーマとしたドラフト版白書がオープンレビューを求め公開

メディア研究に携わる研究者や学生、実務家のためのコミュニティネットワークMediaCommonsが提供する、当該研究分野の電子出版プラットフォーム“MediaCommons Press”において、“Open Review: A Study of Contexts and Practices”という白書のドラフト版が公開され、オープンレビューへの協力が求められています。

これは、MediaCommonsとニューヨーク大学出版(NYU Press)が、2011年から2012年にかけて様々なバックグラウンドを持つ6名の人文学研究者からなる諮問委員会の検討結果を踏まえて作成したもので、特にデジタル環境下の人文学を対象としたオープンレビューの技術や実践、要望についての研究成果をまとめたものとのことです。

Open Review: A Study of Contexts and Practices
http://mediacommons.futureofthebook.org/mcpress/open-review/

Open Review: A Study of Contexts and Practices (MediaCommons 2012/6/18付けの記事)

学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”が創刊

米国のパシフィック大学図書館等がかねてより予定していた、学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした査読付きオープンアクセス雑誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”が創刊されました。

The Journal of Librarianship and Scholarly Communication
http://jlsc-pub.org/jlsc/vol1/iss1/

参考:
学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした、査読付きオープンアクセス雑誌“The Journal of Librarianship and Scholarly Communication”(米国)
http://current.ndl.go.jp/node/18661

人文学研究のデジタル化に対応 CLIRとNITLEが新たなデジタル出版モデル“Anvil Academic”を発表

2012年2月13日、米国の図書館情報資源振興財団(Council on Library and Information Resources:CLIR)と米国立技術・教養教育研究所(National Institute for Technology and Liberal Education:NITLE)が、新たな人文学のデジタル出版モデルとして“Anvil Academic”を発表しました。これは人文学研究が大規模なデータセットに基づいて行なわれるようになってきていることを受けて、これまでの伝統的な研究論文では表現できなかった、デジタル技術を反映させた新たな形式での学術出版を目的としているようです。Anvil Academicで出版される学術書は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで提供され、モバイル端末等でも利用できるものとなるようです。また、Anvil Academicを通じて刊行される学術書全てを、「米国デジタル公共図書館」(DPLA)で採用される標準やプロトコルに対応させるとともに、Anvil AcademicはEuropeanaの技術要件や、人文・社会科学の学術図書のオープンアクセスを推進するコンソーシアム“Open Access Publishing in European Networks”(OAPEN)のガイドラインに沿ったものとなるようです。

英国学士院、オンライン出版プラットフォーム“British Academy Publications Online”を公開

英国学士院(British Academy)が、オックスフォード大学出版局とともに、オンラインで出版物を提供するプラットフォーム“British Academy Publications Online”(BAPO)を公開しました。BAPOでは、英国学士院発行の人文・社会科学に関する学術書やエッセイ集等がフルテキストで利用できるようです。現在100タイトルが提供されており、機関向けにフリートライアルを提供しているようです。

British Academy Publications Online
http://www.britishacademypublications.com/

British Academy Publications Online launches with 100 titles (British Academy Publications Online 2012/2/6付けの記事)
http://www.britishacademypublications.com/newsitem/22/british-academy-publications-online-launches-with-100-titles;jsessionid=7CBAEE8D644E3F7C0788A49E6A4F7060

ミシガン大学図書館出版局とOpen Humanities Press、批判理論等をテーマとした専門書6冊をオープンアクセスで刊行

2011年12月15日に、米国のミシガン大学図書館出版局MPublishingと人文系専門書をオープンアクセスで提供するOpen Humanities Press(OHP)が、6冊の専門書をオープンアクセスで刊行したようです。図書は、批判理論や大陸哲学、カルチュラル・スタディーズに関するもので、各タイトルともフルテキストのHTMLで提供されているようです。ミシガン大学図書館出版局のShana Kimball氏は図書の刊行について、OHPの偉大な成果であり、「学界と図書館の協同による新たな出版モデルが、アクセス問題に対する一つの解決策になりうるものであることを示す有力な証拠である」とコメントしているようです。なお、刊行された図書は以下のとおりです。
・Levi R. Bryant. The Democracy of Objects.
・Joseph Nechvatal. Immersion Into Noise.
・Tom Cohen ed. Telemorphosis: Theory in the Era of Climate Change, Vol. 1.
・Henry Sussman ed. Impasses of the Post-Global: Theory in the Era of Climate Change, Vol. 2.

CA1753 - 動向レビュー:大学キャンパスの中のオープンアクセス / 森 いづみ

大学キャンパスの中で、オープンアクセス(Open Access:OA)はどれくらい浸透しているのだろうか。どのような実践があり、いかなる成果が上がっているのだろうか。本稿では、研究者や大学の戦略、学術情報流通の新しいビジネスモデル構築に大学図書館がどう貢献していくかという観点から、大学キャンパスの中で取り組まれている代表的なOA活動を紹介し、今後の展望を考える。...

米国Saylor Foundation、大学学部レベルの教科書の無料提供者に賞金を提供するキャンペーンを実施

米国の非営利財団であるSaylor Foundationが、“Open Textbook Challenge”という取り組みを行っているようです。2011年9月7日付けのINTERNET Watchのニュースによると、これは、大学学部レベルの教科書を無料提供するために、著作権者に対して2万ドルの賞金を提供するキャンペーンとのことで、教科書の著作権者が同財団に対して提供し、同財団の審査を通過して講義資料として受理された場合に、賞金を提供するというものとのことです。なおその際には、Creative Commons Attribution 3.0のライセンスで提供することに合意しなければならない等の条件があるようです。

Open Textbook Challenge (Saylor Foundationのウェブサイト)
http://www.saylor.org/otc/

【イベント】大学出版部協会電子部会・関西支部共催公開研修会「電子出版・学術情報の電子化の実践のために」(10/26-27・大阪)

一般財団法人大学出版部協会が、電子部会・関西支部の共催で公開研修会「電子出版・学術情報の電子化の実践のために」を、2011年10月26-27日に大阪大学中之島センターで開催するようです。大学出版部協会は、図書館関係者等にもこの公開研修会への参加を呼び掛けています。なお参加にあたっては、参加費用が必要となっています。

公開研修会「電子出版・学術情報の電子化の実践のために」開催のお知らせ (大学出版部協会 2011/9/6付けの記事)
http://www.ajup-net.com/20110906_1634433620.html

学術情報流通やオンライン出版などをテーマにした、査読付きオープンアクセス雑誌“The Journal of Librarianship and Scholarly Communication”(米国)

2011年7月8日、米国のパシフィック大学図書館とカリフォルニア州立理工大学図書館が共同で、新しい査読付きオープンアクセス雑誌“The Journal of Librarianship and Scholarly Communication”を刊行すると発表しました。この雑誌は学術情報流通、機関リポジトリ、オンライン出版、デジタルプロジェクトをテーマとし、それらに携わる図書館実務担当者がアイディアや戦略などを共有する場を提供していくとのことです。第1号は2012年初頭に出版され、その後は季刊になる予定だそうです。各論文はクリエイティブコモンズライセンスで公開されるようです。

Pacific University Library and Cal Poly San Luis Obispo Library form partnership (Pacific University 2011/7/8付けプレスリリース)
http://www.pacificu.edu/news/detail.cfm?NEWS_ID=10010&CATEGORY_ID=2

イースト株式会社、EPUB3.0対応のWindows用リーダー“espur”(エスパー)を無償公開

2011年7月6日、イースト株式会社は、EPUB3.0に対応したWindows用リーダー「espur(エスパー)試作版」を無償公開すると発表しました。EPUB3.0は米国の標準化団体IDPF(International Digital Publishing Forum)が5月23日に仕様を発表したばかりだそうです。espurはWindows 7、Windows Vistaで動作し、縦書き、ルビ、禁則、見開き表示などの日本語組版に対応しているとのことです。同社は「おそらく世界ではじめてのEPUB3.0対応リーダー」としています。

espur
http://espur.jp

イースト EPUB3対応のPC用リーダーを無償公開(イースト株式会社 2011/7/6付けプレスリリース)
http://www.est.co.jp/press/110706.htm

EPUB 3 Proposed Specification Released (IDPF 2011/5/23付けプレスリリース)
http://idpf.org/epub3_proposed_spec_released

参考:
電子書籍規格EPUBの新バージョン“EPUB 3”の仕様のパブリックドラフトが公開
http://current.ndl.go.jp/node/17608

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