電子情報保存

E2328 - 米国国立農学図書館によるデータレスキュープロジェクト

2020年8月,米国国立農学図書館(NAL)と米国のメリーランド大学情報学部との協働で実施したデータレスキュープロジェクトの報告書“Final Report and Recommendations of the Data Rescue Project at the National Agricultural Library”が同大学の機関リポジトリで公開された。同プロジェクトは,退職する研究者や閉鎖される研究室のデータや書類を迅速に評価する試験的プロセスの開発を目的としたものであり,データレスキュー実践のガイドである“Data Rescue Processing Guide: A Practical Guide to Processing Preservation-Ready Data From Research Data Collection”を作成している。報告書ではガイドの作成プロセスや実際のデータレスキューの評価,今後の展望について報告している。以下では,どのような視点でガイドを作成し,ガイドを用いてどのような処理を行ったのかに着目して報告内容を紹介する。

英・ケンブリッジ大学図書館、デジタル保存プログラムの開始を発表:現在及び将来における同館のデジタルコレクションへのアクセス保証のため

世界デジタル保存デーである2020年11月5日、英・ケンブリッジ大学図書館は、デジタル保存プログラムを近日中に開始することを発表しました。

ケンブリッジ大学による支援の下で同館が主導するプログラムであり、収集したデジタルコレクションのケアや、オープンソースのシステム・ツール、標準に基づくサービスを提供するものです。これにより、同館はオープンソース・コミュニティを支援しつつ、デジタルコレクションと利用者双方のニーズを満たすことができるとしています。

発表では、同館におけるこれまでのデジタル保存関連の取組、開始されるサービスでは資料作成・登録・利用者によるアクセス等の各段階で長期保存のための工夫を行うこと、サービスの詳細情報は開始後に共有すること等が述べられています。

Cambridge University Library
https://www.lib.cam.ac.uk/
※“Latest news”に2020年11月5日付けのニュースとして“Cambridge University Library launches Digital Preservation Programme”が掲載されています。

英・電子情報保存連合(DPC)、2020年の“Digital Preservation Awards”を発表

世界デジタル保存デーである2020年11月5日、英・電子情報保存連合(DPC)が2020年の“Digital Preservation Awards”を発表しました。

同賞は2004年に創設されたもので、2020年は7つの賞が設けられており、デジタル保存に関するすぐれた取組や、デジタル保存の進展に多大な功績のあった個人に与えられます。

各賞の概要と受賞者は次のとおりです。

・The International Council on Archives Award for Collaboration and Cooperation
組織・専門・セクター・地理的境界を越えたすぐれた連携事例に対して授与される賞であり、米・国家デジタル管理連盟(NDSA)によるデジタル保存支援ツール“Levels of Digital Preservation”の改訂プロジェクトが受賞しました。

英・電子情報保存連合(DPC)、主要リソースの複数言語での翻訳版を公開:組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”の日本語訳も

世界デジタル保存デーである2020年11月5日、英・電子情報保存連合(DPC)は、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”について、日本語訳・フランス語訳をPDFで公開したことを発表しました。なお、英語版は2019年9月に公開されました。

その他、以下の資料の翻訳版公開も発表されました。

・意思決定者等にデジタル保存の重要性を説明する際に利用可能なガイド “Executive Guide on Digital Preservation”のフランス語版・スペイン語版(英語版は2019年5月に公開)
・2020/2021年度におけるDPCの新しい活動計画を示した文書“DPC Prospectus 2020-2021”の、アラビア語版・フランス語版・ドイツ語版・スペイン語版(英語版は2020年8月に公開)

DPCは、“DPC Prospectus 2020-2021”において、2020年中には同文書及びDPCの主要なリソースのうちいくつかを複数言語で利用可能とするとしていました。今回の発表では、以下の翻訳についても近日中の公開を予定していると述べています。

DOAJ、CLOCKSS・Internet Archive等と連携してオープンアクセスジャーナルの長期保存の保証を目的とした共同イニシアチブを開始

2020年11月5日、DOAJ(Directory of Open Access Journals)は、小規模で論文処理費用(APC)の収入に依拠しないオープンアクセス(OA)ジャーナルに対して、長期保存を提供するサービス構築に向けて、連携協定を締結したことを発表しました。

DOAJは、電子ジャーナルのアーカイブプロジェクトCLOCKSS・Internet Archive(IA)・ISSN国際センターのデジタル逐次刊行物のメタデータ長期保存サービスKeepers Registry・オープンソースの出版システムを開発・提供する複数大学のイニシアチブPublic Knowledge Project(PKP)と連携協定を締結しました。事業は連携協定の下、DOAJが主導します。

連携協定の締結は、消滅の危機に瀕したOAジャーナルの存在を指摘する最近の研究をきっかけに実施されました。同研究において、特に小規模でAPC収入を得られないジャーナルは、資金源が限られ、簡易的な技術的ソリューションを選択していることが多く、保存のための枠組みへ参加する余裕がない、と指摘されたことを受けた内容となっています。

E2314 - 電子情報の保存・管理の標準手法"Oxford Common File Layout"

2020年7月7日,リポジトリにおける電子情報の長期保存のためのファイルシステムの階層を標準化するための手法であるOxford Common File Layout(OCFL)のVersion 1.0が公開された。OCFLのウェブサイトには仕様を示した“OCFL Specification”と実装上の助言を示した“OCFL Implementation Notes”等が公開されている。

デジタル保存に関する研修のニーズ:英・電子情報保存連合(DPC)内での調査結果(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)による2020年10月8日付けのブログ記事で、DPCがメンバー向けに実施したデジタル保存に関する研修ニーズのアンケート調査について、結果の一部が紹介されています。なお、調査結果をまとめたレポートはメンバー限定の公開となっています。

記事によれば、今回の調査は年2回の頻度で実施されるメンバー向けの研修ニーズ調査の一環であり、2020年の晩春にアンケート送付が行われました。実施目的として、メンバーの増加・多様化を受けての研修ニーズに関する情報収集、研修拡大に当たっての優先順位の把握を挙げています。

回答数は108件であり、英国以外の国(10カ国)からの回答が46%と前回調査時(20%)から大幅増となったこと、52%が実務者(Practitioner)、42%が管理者(Manager)と回答したこと、デジタル保存に関する知識レベルについて63%が「中級」又は「上級」と回答したこと等が紹介されています。また、メンバーが研修に期待する主なメリット、興味がある研修テーマも調査対象となっており、回答結果の上位が示されています。

Open Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存に関する調査結果を公開

2020年9月28日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、デジタル保存に関する調査結果を公開したことを発表しました。

同調査は、コミュニティのデジタル保存に対するアプローチを記録すること、デジタル保存のためのツール等に関する知識基盤を築くことを目的として実施されました。調査期間は2019年11月から2020年2月までであり、31か国98機関から回答が寄せられました。

報告書では、回答の内容について、人員、コレクション、デジタル保存に関する取組、デジタル保存の方針、費用、使用しているソフトウェア等の観点でまとめています。また、調査結果を踏まえ、今後OPFが焦点を当てる事項として、ツールや、方針策定、オープンソースに関する支援を挙げています。

発表によると、報告書の他、匿名化を行った調査結果の生データ、調査結果に関するウェビナーの動画が公開されています。

Open Preservation Foundation(OPF)にスウェーデン国立公文書館が加盟

2020年9月17日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、新たにスウェーデン国立公文書館(Swedish National Archives:SNA)が加盟したことを発表しました。

OPFの発表によれば、SNAはスウェーデン政府の公式アーカイブとして1970年代の初めからデジタル記録を保存しており、当時から継続的にデジタル保存手法の向上に取り組んでいます。欧州の公文書館と保存に関するイニシアチブを通じ協力を行っているほか、電子情報の長期保存のための“E-ARK”プロジェクトや、デジタル情報の長期保存・再利用等における相互運用性に関する仕様の維持を行う専門家グループ“DILCIS Board”、そして、ProtageやPREFORMAといった欧州におけるデジタル保存関連のプロジェクトに関わってきました。

米国議会図書館(LC)、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版を公開

米国議会図書館(LC)が、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版を公開しました。

イントロダクションによると、2019-2020年版の内容から、以下をはじめとした大幅な改訂が行われました。

・コンテンツ分類“Design and 3D”、“GIS, Geospatial and Non-GIS Cartographic”、“Musical Scores”の新規追加
・“Website”から“Web Archives”への変更等、一部コンテンツ分類名称の変更
・HTML版の表示をPDF版と同様のテーブル形式に変更
・コンテンツ分類の推奨フォーマット、許容範囲内のフォーマット基準の更新

Library of Congress Recommended Formats Statement - 2020-2021(LC)
https://www.loc.gov/preservation/resources/rfs/

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