IFLA(国際図書館連盟)

E2246 - 不確実で複雑な時代の図書館の役割:IFLA Trend Report 2019

不確実で複雑な時代における図書館の役割とは何だろうか。2019年12月,国際図書館連盟(IFLA)が,“Trend Report”の2019年更新版を公開した。同レポートは,図書館内外の様々な分野の専門家からの知見を得て社会の新しいトレンドを調査し,図書館が単に生き残るためでなく,そのようなトレンドに対処し,大きな役割を果たすための議論の叩き台として,2013年にその初版(E1474参照)が作成されたものである。初版では,図書館に影響を与える世界的な情報環境のトレンドとして「情報へのアクセス」「教育」「プライバシー」「市民の関与」「技術革新」の5点を掲げ,その理解の延長線上に方向性や論点を追加する更新版を2016年・2017年・2018年と継続的に作成してきた。2020年には初めての大きな改訂を実施するとしている。

国際図書館連盟(IFLA)の多文化社会図書館サービス分科会とオーストラリア図書館協会(ALIA)、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館やイベント変更案内の多言語翻訳版を作成していると発表

2020年3月24日、国際図書館連盟(IFLA)の多文化社会図書館サービス分科会(Services to Multicultural Populations Section)は、オーストラリア図書館協会(ALIA)と共同で、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館やイベント変更案内の多言語翻訳版を作成していると発表しています。

若手図書館員のための活動を行っているIFLAの“New Professionals Special Interest Group”や国際学校図書館協会(IASL)といった国際的な図書館ネットワークも協力しています。

30か国語に翻訳したものが無料で利用可能で、自館に合わせた編集も可能となっています。対象言語は拡大中としていますが、他の未翻訳の言語、特に、インドのパンジャブ語・カレン語に翻訳するための支援を求めているとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をうけ、会長・事務局長連名で声明を発表:情報共有ページ“COVID-19 and the Global Library Field”も開設

2020年3月23日、国際図書館連盟(IFLA)が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をうけ、会長・事務局長連名で声明を発表しました。

世界中の図書館が新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けており、利用者と職員の安全を損なうことなく情報へのアクセスを提供するための最善の方法に関して厳しい決定が行なわれていることを指摘し、このような状況下でのオンラインサービスの拡大や、各国図書館協会による支援、公衆衛生機関や研究所・保健部門に属する専門図書館の活発な活動を紹介するとともに、我々のパートナーである出版者・ベンダー等が情報へのアクセスを図書館が提供し続けるために協働してくれることを確信していると述べています。

そして、不確実な未来に直面している中、図書館界の対応に誇りを持っており、困難な時にあって図書館を頼りにするコミュニティのために可能な限りの最善を尽くし続ける強靭さ・創造性・奉仕の精神を図書館が持っていることを承知しているとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、「グリーンライブラリー賞2020」の受賞館を発表:タイ・ランシット大学図書館

2020年3月19日、国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館(ENSULIB)に関する専門部会が、「グリーンライブラリー賞2020」の受賞館に、タイのランシット大学図書館を選んだと発表しています。

アルゼンチン・オーストリア・ベルギー・ベラルーシ・ブラジル・ブルガリア・中国・コスタリカ・クロアチア・エジプト・エクアドル・フランス・キューバ・ハンガリー・インド・ケニヤ・リトアニア・ネパール・ノルウェー・パキスタン・フィリピン・ポルトガル・ロシア・セネガル・スロバキア・スリランカ・スイス・南アフリカ・タイ・ウクライナ・アラブ首長国連邦・英国・米国からの50の申請の中から選ばれました。

同館の、私立大学の図書館でありながら、地域の人も利用可能で、学校や刑務所にもサービスを提供しているなど、地域の教育という観点で持続可能な環境教育の主導的役割を高める活動を実施していること、持続可能な開発目標を経営のフレームワークとして掲げ、エネルギー・紙・水の使用量を監視し目標の達成率を精査していることなどが評価されたとしています。

その他、上位入賞5館も以下の通り発表されています。

国際図書館連盟(IFLA)、オランダ・ハーグの本部事務所を閉鎖:事務所が所在するオランダ王立図書館(KB)の新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館をうけ

2020年3月13日、国際図書館連盟(IFLA)が、オランダ・ハーグの本部事務所を3月16日から31日まで閉鎖すると発表しました。事務所があるオランダ王立図書館(KB)の休館を受けてのものです。

16日以降、IFLAのスタッフはリモートワークにより、世界の図書館界を支援し続けるとしています。IFLAではこれまでも多くの業務をオンラインで実施しており、これまでとほとんど変わりはないものの、閉鎖期間中、電話への応答や郵便物の受け取りはできないとしています。閉鎖期間は4月1日以降も続く可能性についても言及しています。

In the face of COVID-19, IFLA closes offices but continues to offer strong support to the global library field(IFLA, 2020/3/13)
https://www.ifla.org/node/92957

国際図書館連盟(IFLA)・国際公文書館会議(ICA)、プライバシー法の制定とアーカイブに関する共同声明を発表

2020年3月4日、国際図書館連盟(IFLA)と国際公文書館会議(ICA)が、プライバシー法の制定とアーカイブに関する共同声明“IFLA-ICA Statement on Privacy Legislation and Archiving”を発表しました。

世界中で、プライバシー保護に関する法律が制定されつつあることを受けて発表されたもので、法律の制定は個人情報が悪用されないためにも歓迎すべき事とする一方、「忘れられる権利」を新たなレベルに引き上げるもので、欧州連合(EU)においては図書館・文書館は消去の対象から外されているものの、他の地域でも法律が制定されつつあることから、注意をすることが必要であるとしています。

また、著作物の保存は必ずしも誰もが自由に利用できるということではないが、プライバシー権と情報へのアクセスのバランスを取るには、知識と倫理綱領に基づく専門家が判断することが最良の方法であり、共同声明では、この点を強調し、法律により収集を妨げたり、アーカイブされた文書の破棄を義務付けてはいけない等としています。

E2229 - IFLA,資料の寄贈に関するガイドライン増補版を公開

2019年3月,国際図書館連盟(IFLA)収集・蔵書構築分科会から,資料の寄贈に関する図書館向けのガイドライン“Gifts for the Collections: Guidelines for Libraries”の2019年増補版(2019 Extended Edition)が公開された。

国際図書館連盟(IFLA)、“IFLA/Systematic Public Library of the Year Award 2020”への応募受付開始

2020年1月30日、国際図書館連盟(IFLA)の公共図書館分科会が、“IFLA/Systematic Public Library of the Year Award 2020”への応募の受付開始を発表しました。

受付期間は2月1日から4月15日までで、応募にはIFLAの会員である必要はなく、地方政府の新図書館の担当も応募が可能です。

創造的なITソリューションとオープンで機能的な建物を組み合わせ、デジタルの発展と地域の文化を考慮に入れた図書館を対象に贈られる賞で、2010年1月1日から12月31日までの間に建設されたか、図書館以外の建物を改修して設置されたものが対象です。

「環境や地域文化との相互作用」「建築の質」「柔軟性」「持続可能性」「学習空間」「デジタル化」の6点が評価基準としてあげられています。

受賞館は、8月15日から21日にアイルランド・ダブリンで開催されるIFLA年次大会で授与されます。

国際図書館連盟(IFLA)、改正EU著作権指令の「アップロードフィルター条項」実施ガイドライン草案を広く共有することを求めた書簡に署名

2020年1月19日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州の40以上の市民社会組織とともに、2019年4月に成立した改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で定められた「アップロードフィルター条項」実施ガイドライン草案を広く共有することを求めた書簡に署名したことを発表しました。

改正EU著作権指令の第17条では、著作権を侵害するコンテンツのアップロードを防ぐために、オンラインコンテンツ共有サービスのプロバイダが講じるべき措置に言及した「アップロードフィルター条項」が定められ、2021年6月までに加盟国は国内法化を完了する必要があります。しかし、第17条にはプラットフォームに対してユーザのアップロードした全てのコンテンツを監視する技術の利用を義務付けていると読み取れる条項と監視の義務は存在しないと宣言した条項が併存するなど、多くの矛盾した内容が指摘されています。IFLAは図書館分野からの唯一の代表として、EU加盟国の利害関係者間で行われている同条項への懸念に対処を目的とした、実施ガイドライン作成のための対話に積極的に参加しています。

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