機関リポジトリ

史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』の「病」特集号がオンライン公開:「病」に関する知見の幅広い共有のため

2020年4月6日、史学・地理学・考古学の総合学術誌『史林』を発行する史学研究会は、『史林』の103巻1号(2020年1月)をオンライン公開したことを発表しました。公開は京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)上で行われています。

103巻1号は「病」の特集号となっており、7本の論説が掲載されています。新型コロナウイルス感染症の流行に際し「病」に関する知見を広く共有するため、特例として刊行後ただちにオンライン公開が行われました。

史学研究会
http://www.shigakukenkyukai.jp/
※トップページの「お知らせ」に、2020年4月6日付けで「病」特集号特例公開のお知らせが掲載されています。

『史林』103巻1号(KURENAI)
http://hdl.handle.net/2433/250085

OAリポジトリのレジストリOpenDOARがアップデートを実施:OA方針サポートページのリニューアル及びCOREからの新規のリポジトリレコード900件の登録

2020年4月3日、英・Jiscは、オープンアクセス(OA)リポジトリのレジストリOpenDOARが約半年間の2つのプロジェクトの成果により、アップデートされたことを発表しました。

OpenDOARはこれまで“Policy Tool”として提供していた、リポジトリ向けのOA方針サポートページについて内容のレビューを行い、コンテンツ更新と利用しやすく迅速なアクセスの容易な情報源が提供できるように機能改訂を行いました。リニューアルされたOA方針サポートページ“Policy Support”では、OA方針に関わる主要5項目として、登録される研究成果物のメタデータ・研究成果物の本文等のデータ・研究成果物の種類やバージョン等を示すコンテンツ・リポジトリへ研究成果物の登録・研究成果物のリポジトリ上での保存を挙げ、最低限のレベルの推奨方針と最適なレベルの推奨方針の2パターンの文案を提供しています。コピーアンドペーストや編集が容易となるように、文案はHTML版及びプレーンテキスト版で利用可能です。

また、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREのAPIを利用して、リポジトリのレコードの大規模なインポートを実施し、重複の削除や登録資格の審査等を経て、最終的に900件のリポジトリのレコードが新たにOpenDOARへ登録されたことが発表されています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)タスクフォースによるオープンアクセス担当者養成等に関する海外文献3件を日本語化

2020年3月31日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、同協会の人材育成作業部会がオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)タスクフォースによるオープンアクセス担当者養成等に関する海外文献3件を日本語化したことを発表しました。

JPCOARは、文献日本語化の目的として、機関リポジトリ新任担当者研修のリニューアル、情勢に即した新種のセミナー等の企画検討の参考資料とすることを挙げ、今後の研修・セミナー企画につなげていく、としています。日本語化された海外文献は、COARがかつて取り組んでいたeリサーチと学術コミュニケーションに関わる図書館員の能力に関するタスクフォース“Librarians’ Competencies for E-Research and Scholarly Communication”によって作成された3件の文献です。

米・カリフォルニア大学、学位論文・博士論文に関するオープンアクセス(OA)方針を公表

2020年3月25日、米・カリフォルニア大学は、同大学の学位論文・博士論文に関するオープンアクセス(OA)方針として、“Policy on Open Access for Theses and Dissertations”を公表しました。

新たに公開されたOA方針は、カリフォルニア大学の個々のキャンパスで実施済の方針の内容に倣った大学システム全体としての方針であり、同大学で作成された学位論文・博士論文は大学のOAリポジトリへ保存され、著者の申告したエンバーゴ期間を経てOAにより自由に利用可能になることを定めたものです。OAとなった学位論文・博士論文は同大学の機関リポジトリeScholarshipで公開されます。

今回公表されたOA方針は、2017年と2019年に大学システム全体のレビューを経て策定されています。

米国化学会(ACS)の出版部門と米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館、オープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2020年3月19日、米国化学会(ACS)は、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、ACSの刊行する全ての学術誌において、MITの所属者が責任著者である論文は全てOAとなります。また、著者最終稿(accepted manuscript)は、MITが学術出版社との間に定めた“Framework for Publisher Contracts”、及びACSの出版ポリシーに従って、自動的にMITのOAリポジトリへ登録されます。最終的な出版社版(the version of record)についても、個々の著者による追加費用の支払不要でACSの出版プラットフォーム上でOAにより公開されます。

千葉大学附属図書館、学生サークルによる約40年前の民話の聞き取り調査報告書のデジタル覆刻版を機関リポジトリで追加公開:福島・長野・山梨の民話を集録した4冊

2020年3月25日、千葉大学附属図書館が、『千葉大学日本文化研究会 民俗調査報告書 リポジトリ用覆刻版』4冊を、「千葉大学学術成果リポジトリ CURATOR」で公開したと発表しています。

公開されたのは、同大学の学生サークル「千葉大学日本文化研究会」(1996年春に廃部)が、故川端豊彦千葉大学名誉教授の指導を受けて、1973年から1993年にかけて、東北地方・関東地方・中部地方を中心に、民話や習俗などの聞き取り調査を行って刊行した『民俗調査報告書』35冊のうち4冊(福島県・長野県・山梨県)です。

「千葉大学日本文化研究会」の初代会長をはじめとする千葉大学卒業生らが2014年から進めてきたデジタル覆刻作業の成果であり、今回の公開分を含め、これまで15冊がリポジトリ上で公開されています。

約40年前に聞き取り調査で集めた民話を学術成果リポジトリから公開しました(第3弾)(千葉大学附属図書館, 2020/3/5)
https://www.ll.chiba-u.jp/topics/2019/topics_20200325_curator.html

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「新JAIRO Cloudへの移行評価実験報告」を公開

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2019年10月から12月にかけて実施した「新JAIRO Cloudへの移行評価実験」についての報告を公開したことを発表しました。

「新JAIRO Cloudへの移行評価実験」は、2020年10月にリリースが予定されている新しいJAIRO Cloudについて、移行に支障がないように事前評価を行ったものです。国立情報学研究所(NII)の評価実験環境でJAIRO Cloud利用機関のうち17機関が実験を行い、JPCOARコンテンツ流通促進作業部会JAIRO Cloudチームが中心にとりまとめを行いました。公開された実験報告では、新JAIRO Cloudの各機能に対する実験参加機関の評価等が示されています。

また、実験参加機関から投稿された課題の内訳・機関向けの報告書の様式・移行評価実験におけるJAIRO CloudチームからNIIへの要望一覧を示した参考資料も公開されています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリネットワークの基本的実践・課題等の特定を目的にリポジトリアグリゲーターを対象としたアンケートを実施中

2020年3月19日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、リポジトリアグリゲーターを対象とした英語・スペイン語によるアンケートを実施していることを発表しました。

COARはアンケート実施の背景として、リポジトリや他の情報源からメタデータやフルテキストを収集し、オープンアクセス(OA)コンテンツの追跡、研究成果の発見環境、標準化された利用統計といった多くのサービスを提供する国・地域レベルのリポジトリアグリゲーターのネットワークが増加していること、これらのアグリゲーターがしばしば優れた実践の採用・ポリシーの定義・共有ビジョンの策定支援等を通してリポジトリコミュニティのまとめ役としても機能していることを挙げています。

COARはスペインの科学・技術振興団体Fundación Española para la Ciencia y la Tecnología(FECYT)とともに、国・地域レベルのリポジトリアグリゲーターによる情報交換と問題解決の共有を支援するためのワーキンググループを立ち上げています。実施中のアンケートの目的は、リポジトリネットワークの基本的な実践や、ワーキンググループによって対処できる課題を特定することである、としています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と米・SPARC、米・OSTPの研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)へ共同回答を提出

2020年3月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)について、米・SPARCと共同作成した回答を公開しました。

OSTPは2020年1月17日付で、政府助成研究による研究成果物のデータ管理と共有を行うデータリポジトリの望ましい特性に関する草案について、3月6日を期限としてパブリックコメントに付しており、COARとSPARCはこの草案のRFIへ2020年3月3日付で共同回答しています。両者は、リポジトリ上でのデータ管理に関するベストプラクティスを活用することとリポジトリに求める要件が複雑になりすぎないことの間でバランスをとることを意図して回答を作成した、としています。回答では草案に関する全般的なコメントとして以下の5点が示されています。

・草案で示された特性の多くを支持するが、ポリシーの目的(アクセス、公正性など)とその目的達成のための実践(メタデータ、ライセンスなど)とを区別するための再編成を提案すること、及びポリシーが望ましい特性を示しつつ中核的な重要な特性群を含めることができれば、長期的なリポジトリの実践の改善に資すること

ページ