電子書籍

イタリアの視覚障害者の読書支援団体Fondazione LIA、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーのドイツ語訳作成を発表

2020年11月27日、イタリア・ミラノに本拠を置く視覚障害者の読書支援団体Fondazione Libri Italiani Accessibili(LIA)は、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーとして英語で作成した“E-Books for all: towards an accessible publishing ecosystem”について、ドイツ語訳化することを発表しました。

ホワイトペーパーのドイツ語訳化は、Fondazione LIAと、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)・ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)の間で締結された合意に基づいて進められます。ドイツ語版のホワイトペーパーは2021年秋までに提供される予定です。

株式会社紀伊國屋書店、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenに本文音声読み上げ機能を追加

2020年12月3日、株式会社紀伊國屋書店は、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenにおいて、電子書籍の本文閲覧に際しインターネットブラウザを利用して音声読み上げができる機能を追加したと発表しました。発表では、「読書バリアフリー法」に基づく図書館での「アクセシブルな電子書籍」提供への期待の高まりに応えるもの、と述べています。

KinoDenが収録する電子書籍のうち、EPUBリフロー型フォーマットのタイプの中で出版社が許諾した電子書籍約3,000点が本文音声読み上げの対象となります。この機能は、現在はインターネットブラウザからの閲覧のみに限定しているものの、2021年前半にはKinoDenが採用する電子書籍アプリbREADER Cloud上でも実現する予定とあります。

失われた文学遺産を救出する:オーストラリアの絶版書電子化プロジェクト(記事紹介)

オーストラリア・メルボルン大学のマルチメディアプラットフォーム“Pursuit”において、2020年11月22日付けで絶版書電子化プロジェクトに関する記事“Rescuing Australia's lost literary treasures”が公開されています。筆者はオーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏です。

本記事で紹介されている絶版書電子化プロジェクト“Untapped: the Australian Literary Heritage Project”は、ギブリン氏が率いる研究者チームと、オーストラリア作家協会、オーストラリアの公共図書館が連携して実施するものであり、2020年11月に立ち上げられました。図書館コレクションの専門家チームとの協力により文化的に重要な絶版書をリスト化した上で、それらを電子書籍化し、販売や図書館でのデジタル貸出を行うという内容です。

絶版書のためのマーケットを用意し作家の収入を改善することも意図したプロジェクトであり、作家側は電子書籍の販売や貸出に伴う収益を受け取ります。記事によれば、オーストラリアでは作家が執筆活動から得る収入は年々減少しており、最新の数字では一年当たり平均1万2,900オーストラリアドルの収入とあります。

【イベント】電子図書館調査報告2020発刊記念セミナー(12/18・オンライン)

2020年12月18日、「電子図書館調査報告2020発刊記念セミナー」がオンラインで開催されます。

同セミナーでは、電子出版制作・流通協議会(電流協)が発行した『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告書』の内容と、図書館における新型コロナウイルス感染症対策について説明が行われます。

参加費は無料で、事前の申込が必要です。

当日の主な内容は以下の通りです。

・「公共図書館における電子図書館・電子書籍貸出サービスアンケート」調査の結果について
講師:長谷川智信氏(電流協)

・「大学図書館における電子図書館・電子書籍貸出サービスアンケート」調査の結果について
講師:野口武悟氏(専修大学教授)

・「電子図書館調査2020、With/Afterコロナの図書館・電子図書館のこれから」
講師:植村八潮氏(専修大学教授)

電子図書館調査報告2020発刊記念セミナー(電流協)
https://aebs.or.jp/seminar20201218.html

米国著作権局、オンラインのみで出版された電子書籍に対する法定納本の最終規則を公表:2020年12月14日発効

2020年11月12日、米国著作権局は、オンラインのみで出版された電子書籍(Electronic-Only Books)を法定納本の対象とすることを規定した最終規則(final rule)を公表しました。発効日は2020年12月14日です。

米国著作権法第407条は、米国内で発行された著作物の著作権者に対して、米国議会図書館(LC)における利用に供するため、2部納本することを定めていますが、著作権局長は特定の種類の著作物の納本義務を免除する権限を有しています。オンライン出版物については、電子逐次刊行物を除いて、法定納本の対象に含めない暫定規則(interim rule)が2010年に定められました。

その後、米国著作権局は、暫定規則の最終規則化に向けて、オンラインのみで出版された電子書籍も電子逐次刊行物同様に納本対象とする内容で、2018年に規則案を作成しました。なお、納本対象となる電子書籍は、「1巻または特定の巻数の下、米国内で発行され、オンライン上でのみ利用可能な電子フォーマットによる言語の著作物」と定義されており、電子メール・ブログ・ウェブサイト・オーディオブック等は対象に含まれません。

英国の大学関係者有志による学術機関向け電子書籍の高額な価格設定への調査を政府に求めたキャンペーンCampaign to Investigate the Academic Ebook Market(記事紹介)

英BBCが2020年11月13日付で、英国内の大学図書館員・教員・研究者等2,500人以上の有志が、学術機関向け電子書籍の高額な価格設定への調査を政府に求めたキャンペーンとして、“Campaign to Investigate the Academic Ebook Market(CIAEM)”を実施していることを報じています。

同キャンペーンは政府に対する公開書簡の中で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大学の研究・教育の場面で電子書籍への需要がかつてないほど高まっている一方、大学図書館は著作権法上の制約により個人向けのタイトルを購入できず、数倍から数十倍以上の価格の機関向けタイトルを様々な制約付きで購入しなければならない実態について、具体的な事例とともに訴えています。そして、このような状況を生み出しているのが学術機関向けの電子書籍市場が少数の企業の寡占状態にあることを指摘し、機関向け電子書籍に関する学術出版業界の商慣行の調査と緊急の対策を英国政府に対して求めています。

品川区(東京都)、戸籍事務支援を目的とした電子書籍AI検索システムの実証実験を富士通株式会社と共同で開始

2020年11月11日、東京都の品川区は、戸籍事務支援を目的とした電子書籍AI検索システムの実証実験を同日から富士通株式会社と共同で開始したと発表しています。戸籍事務の職員負荷の軽減や正確性の向上・業務効率化が目的です。

今回の実証実験は、届出内容の審査や判断の根拠となる情報を300冊以上の専門書籍(日本加除出版株式会社の専門書を電子書籍化)から瞬時に検索できる電子書籍AI検索システムを同区の戸籍事務に適用し、その有効性を検証するものです。

実験期間は2021年3月31日までで、職員が都度手作業で探していた手間や時間の削減効果や、削減した時間を他の住民サービス向上に充てることによる定性的効果を検証するほか、アジャイル開発方式を採用し、実証期間中に改善点を洗い出し、柔軟かつ素早くシステムを改善・強化するとしています。

電子出版制作・流通協議会(電流協)、「電子図書館(電子貸出サービス)実施図書館(2020年10月01日)」を公表

2020年11月5日、電子出版制作・流通協議会(電流協)が、「電子図書館(電子貸出サービス)実施図書館(2020年10月01日)」を公表しました。

前回2020年7月1日時点と比較して、実施自治体は14増加し114自治体、電子図書館(電子書籍貸出サービス)は14増加し111館となっています。

電流協 お知らせ
https://aebs.or.jp/
※2020年11月5日欄に「電子図書館(電子貸出サービス)実施図書館(2020年10月01日)公表の件」とあります。

電子図書館(電子書籍貸出サービス)実施図書館(2020年10月01日)(電流協)
https://aebs.or.jp/Electronic_library_introduction_record.html

荒尾市(熊本県)、株式会社紀伊國屋書店・荒尾シティプラン株式会社と「荒尾市立図書館の質の向上とあらおシティモールの活性化に関する協定」を締結

2020年11月17日、熊本県の荒尾市が、株式会社紀伊國屋書店・荒尾シティプラン株式会社と「荒尾市立図書館の質の向上とあらおシティモールの活性化に関する協定」を締結したと発表しています。

報道等によると、紀伊國屋書店が、2022年春にあらおシティモール内に移転開館する同館の指定管理者となり、紙資料に加え、さまざまなデータベースや電子コンテンツを取りそろえるほか、学校教育・社会教育で連携し学習支援につなげていくとのことです。

荒尾市立図書館の質の向上とあらおシティモールの活性化に関する協定を締結しました(荒尾市,2020/11/17)
https://www.city.arao.lg.jp/q/aview/161/17754.html

図書館流通センターと大日本印刷株式会社、「バーチャル図書館」の開発を開始

2020年10月30日、図書館流通センター(TRC)と大日本印刷株式会社(DNP)が、「バーチャル図書館」の開発を開始したことを発表しました。

発表によると、仮想空間上の図書館内で利用者が書架を巡って書籍を探し、電子書籍での閲覧やリアルな書籍の取り寄せができる等、バーチャルとリアル両方の利点を生かした図書館サービスの実現が目的とされています。

11月1日から30日にかけてオンラインで実施されている第22回図書館総合展で、デモンストレーション版が公開されています。

図書館流通センターと大日本印刷が共同で未来の図書館「バーチャル図書館」の開発を開始 [PDF:236KB](TRC, 2020/10/30)
https://www.trc.co.jp/information/pdf/20201030_TRCrelease.pdf

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