電子書籍

大日本印刷株式会社、文章のレイアウト変換により読みやすさを高める技術「読書アシスト」の実証実験を実施中:変換表示した小説作品を閲覧できるコーナーも開設

2020年7月10日、大日本印刷株式会社(DNP)は、日本ユニシス株式会社と共同で、目線の動きを誘導するようなレイアウトに変換することで文章の読みやすさを高める技術「読書アシスト」の実証実験を行うことを発表しました。

「読書アシスト」を適用したレイアウトにより、一般的には400~600字程度である1分間に読める文字数を、特別な速読の訓練を経ずとも最大で1,000文字程度まで向上させることができるとしています。

今回の実証実験は2020年7月10日から9月30日にかけて行われ、その間、「読書アシスト」を体験できる専用ウェブサイトと、レイアウト表示に必要なプラグインソフトウェアが無償利用可能となっています。専用ウェブサイト上には、変換表示した小説作品を閲覧できるコーナーも開設されています。

発表によれば、実証実験を通じ読みやすさに関する利用者の声を集め、今後の商品化や機能拡張に活用するとしています。

株式会社メディアドゥ、株式会社光和コンピューターと共同して中小規模出版社向けに電子書籍の売上と印税および紙書籍の印税の統合管理が可能なシステムの開発を開始

2020年7月8日、株式会社メディアドゥは、株式会社光和コンピューターと共同で、電子書籍の売上と印税および紙書籍の印税を統合的に管理可能なシステムの開発を開始することを発表しました。

同社は、開発中のシステムは印税管理の膨大化という出版業界の課題を解決し、ブラウザベースのクラウドサービスとして提供するため、中小規模出版社でも安価で容易に導入可能である、としています。また、経済産業省の令和2年度「コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)」の「コンテンツのサプライチェーンの生産性向上に資するシステム開発を行う事業の支援」対象に採択されており、この支援によって中小規模出版社の事務作業効率化とコスト削減に貢献することも併せて表明しています。

メディアドゥ、光和コンピューターと共同で中・小規模出版社向けに電子書籍売上管理、及び紙・電子の統合印税管理システム開発へ(メディアドゥ,2020/7/8)
https://mediado.jp/service/3022/

E2279 - オーストラリアの公共図書館は電子書籍をどう選んでいるか

2020年3月,オーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏らにより,調査報告書“Driven By Demand: Public Library Perspectives on the Elending Market”が公開された。本稿では,この報告書の内容を紹介する。

ルクセンブルク・国民教育・幼年・青少年省とルクセンブルク国立図書館(BnL)、高校生を対象とした電子図書館サービス“read-y”の提供を発表

2020年7月6日、ルクセンブルク・国民教育・幼年・青少年省(Le ministère de l’Éducation nationale, de l’Enfance et de la Jeunesse)とルクセンブルク国立図書館(BnL)が、高校性を対象とした電子図書館サービス“read-y”を提供することが、BnLのウェブサイトで発表されました。

同サービスでは、若者が料金の縛りなく自由に書籍を選択し読書を楽しめるよう支援することを目的に、主に英語、ドイツ語、フランス語の2万点以上の電子書籍が提供されています。オフラインでの読書、電子書籍の予約、注釈やコメントの付与等の機能があり、プロジェクトに参加している公立学校、私立学校に通う高校生およびその教職員が利用可能です。アプリ版とウェブ版が提供され、スマートフォンやタブレット端末、パソコンから利用できます。

発表によると、同サービスは、教育目的の利用ではなく、娯楽としての個人による読書を想定したものであり、今後も要望に応じて提供する電子書籍を追加する予定であるとしています。

米・クレアモント神学校、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍を寄贈

2020年6月8日、米国カリフォルニア州の博士号授与機関であるクレアモント神学校(Claremont School of Theology)は、同校図書館のフィリップス(Thomas E. Phillips)館長が米国神学図書館協会のメーリングリストに送信したメールを引用する形で、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍をIAに寄贈したことを発表しました。

“Open Library”は、IAが図書館所蔵資料をデジタル化した電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出する“Controlled Digital Lending”の技術を利用して実施する電子書籍貸出プログラムです。同校が寄贈したコレクションは2021年1月1日頃からOpen Libraryで利用可能になり始め、今後2年以内にコレクション全体のデジタル化が完了することが予定されています。同校のコレクションは米国西部における宗教学分野のものとしては特に定評のあるものです。この寄贈は同校がオレゴン州セーラムのウィラメット大学構内へ移転することにより、ロサンゼルス地区の研究者の資料アクセスが不便になることへの対応として行われました。

Knowledge Unlatched(KU)、OpenAPCのデータセットの収録範囲が単行書のオープンアクセス化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表

2020年6月30日、Knowledge Unlatched(KU)は、機関が実際に支払した論文処理費用(APC)のデータセットを提供するイニシアチブ“OpenAPC”とともに、OpenAPCの提供するデータセットの収録範囲が単行書オープンアクセス(OA)化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表しました。

OpenAPCは、OA出版物のAPCの透明・効率的管理を目指すプロジェクト“INTACT”の一部を構成するイニシアチブで、ドイツのビーレフェルト大学図書館が運営しています。今回の初めてのOpenAPCへのBPCの登録では、KUの共同出資による選書プログラムの下で、KUが出版社に支払した全ての費用に関する約1,000冊相当のデータが含まれています。また、KUが資金を募っているその他のコレクションについても、詳細な支払関連データを共有することが予定されています。KUは、自身のOpenAPCへの貢献により、OA単行書のための新しいデータベースが立ち上げられた、としています。

BPCを含んだデータセットは、OpenAPCイニシアチブのウェブサイトで公開されています。2020年夏以降に現在のデータセットからの拡張が予定されています。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

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