電子書籍

出版社による図書館向け電子書籍提供状況と図書館のコレクション構築に関する調査報告書(オーストラリア)

2020年4月1日付の国際図書館連盟(IFLA)著作権等法的問題委員会(CLM)のお知らせで、オーストラリア・メルボルン大学ロースクールのギブリン(Rebecca Giblin)准教授らが新たに公開した調査報告書“Driven By Demand: Public Library Perspectives on the Elending Market”が紹介されています。

ギブリン准教授らによる調査は、同准教授らが主導する電子書籍貸出に関する調査研究プロジェクト“eLending Project”の一環として行われました。出版社による図書館向け電子書籍ライセンスの提供状況が各図書館の電子書籍選書の意思決定にどのような影響を与えているか、各図書館は電子書籍タイトルの不足とコミュニティの多様なニーズとのバランスをどのようにとっているかの調査を目的として、オーストラリア全土の図書館を対象としたアンケート調査が行われ、アンケート結果に基づいて調査報告書が作成されました。

米・公共図書館協会(PLA)、新型コロナウイルス感染拡大下の公共図書館の対応状況の調査結果を発表

2020年4月9日、米・公共図書館協会(PLA)が、新型コロナウイルス感染拡大下の公共図書館の対応状況の調査結果を発表しました。

調査は3月24日から4月1日にかけて、PLAが他の図書館団体とともにオンラインで実施したもので、米国の公共図書館の28%から回答がありました。各州少なくとも1館からの回答があり、43州では10%以上の館が回答しています。

98%の館が休館していると回答していますが、図書館は同状況下において急速にサービスを適応させており、オンラインの更新ポリシーの延長(76%)、電子書籍やストリーミングメディアといったオンラインサービスの拡大(74%)、オンラインでのプログラムの実施(61%)等が行われています。また、自由記述欄においては、紙資料の購入予算のデジタル資料購入への割当変更、デジタル技術に不慣れな人への電話でのアウトリーチ等を行っているといった記載もあったとしています。

行なわれているサービスの具体的としては、3Dプリンターを用いたフェイスシールドの作成、地方政府の事業継続計画のための人員の提供、オンラインでの読み聞かせや編み物教室、電子書籍等を利用するためのオンライン図書館カードの発行などがあげられています。

英国図書館情報専門家協会(CILIP)、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、図書館員が子ども・若者に本を推薦するライブ配信番組“National Shelf Service”を開始:推薦本は電子書籍として貸出可能

2020年4月3日、英国図書館情報専門家協会(CILIP)が、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、図書館員が子ども・若者向けに本を推薦するライブ配信番組“National Shelf Service”を開始すると発表しました。

自宅に退避していても、子どもの読書への動機や熱意を維持することは不可欠であることから、子どもやその家族の新しく多様な読書体験を支援することを目的に、平日の11時から毎日、YouTubeを使って行われます。

内容は、1人の図書館員が1つの本を毎日推薦するもので、選ばれた本は、地域の図書館で電子書籍として借りることができます。

National Shelf Service launches this Monday(CILIP, 2020/4/3)
https://www.cilip.org.uk/news/499503/National-Shelf-Service-launches-this-Monday.htm

韓国教育学術情報院(KERIS)、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の電子資料を学術研究情報サービス(RISS)を通じて無料で提供:新型コロナウイルスの感染拡大をうけての遠隔授業等を支援

2020年4月2日、韓国教育学術情報院(KERIS)は、学術電子資料利用権支援事業で契約した28種類の学術データベース・電子ジャーナル・電子書籍等を、学術研究情報サービス(RISS)を通じ無料で提供すると発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて開講の延期や遠隔授業に変更した大学の研究活動を支援することが目的で、大学に所属する学生と研究者が利用できます。

KERISでは2021年からは11種類を追加して39種類の電子資料を提供できるよう準備をしているとしています。

KERIS, 코로나19대비 전자자료 이용 범위 확대 추진으로 대학의 비대면 연구활동 지원(KERIS、新型コロナウイルス感染症に備えて電子資料の利用範囲の拡大を推進して大学の非対面研究活動を支援)(KERIS, 2020/4/2)
https://www.keris.or.kr/main/na/ntt/selectNttInfo.do?mi=1088&nttSn=36456&bbsId=1090

韓国・文化体育観光部、新型コロナウイルス感染拡大防止のための社会的距離の確保や自宅での生活を支援するキャンペーンを開始:電子書籍・オーディオブックの最大2点までの無料提供及び総計5,000冊の紙の本のプレゼント

2020年4月1日、韓国・文化体育観光部が、韓国出版文化産業振興院と連携し、4月の1か月間、「本と一緒に賢く距離を置く」キャンペーンを実施すると発表しています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための社会的距離の確保や自宅での生活が日常化した現状を支援することが目的で、以下の2種類の事業を実施します。

1点目は、教保文庫の電子図書館に搭載された4万7,000件の電子書籍とオーディオブックの中から最大2点まで全国民が無料で利用できるものです。提供された80万点分がなくなるまで実施されます。

2点目は、韓国出版文化産業振興院が選定した7分野84点の中から本を選び、応援メッセージと選んだ本を送りたい人の住所を添えて申請すると、同住所宛にメッセージを添えて無料で本をプレゼントできるものです。期間は4月1日から10日までで、毎日先着順で50人、総計5,000冊分が用意されています。

韓国・国立障害者図書館、DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の統合ビューアの提供開始にあたり、統合ビューアの評価イベントを実施

2020年3月31日、韓国・国立障害者図書館が、DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の統合ビューアの提供開始にあたり、統合ビューアの評価イベントを実施すると発表しました。

DAISY資料と電子書籍(EPUBファイル)の各々のビューアを個別にダウンロードせずに、統合的に利用できるビューアで、同館のオンライン会員(障害者認証済み会員)が評価イベントに参加できます。

参加申込の期間は4月1日から4月21日までで、4月27日に参加者が決定されます。

参加者は、イベント期間中、統合ビューアを用いて指定された図書をダウンロードして利用します。指定図書5冊すべてをダウンロード、利用満足度・評価の提出、クイズに全問正解等により、抽選で賞品が当たります。

電子書籍・電子ジャーナル等への付加価値税(VAT)がゼロ税率へ(英国)

英・Guardian紙は、2020年3月11日付けの記事で、英国における電子書籍やオンライン新聞への付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)が、2020年12月からゼロ税率となることを報じています。

紙の書籍や新聞に対するVATはこれまでもゼロ税率であった一方、電子書籍やニュースサイトのオンライン購読等には現在20%のVATが課されています。電子雑誌・電子ジャーナルもこの税率変更の適用対象となるため、大学図書館における費用負担軽減につながるとしています。なお、オーディオブックは適用対象外となっています。

同記事では、出版社側が節約できた税額分全てを消費者側に還元するかは不透明であること、電子書籍のコスト減が従来の書店業への打撃となりうることも指摘しています。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

米・ITHAKA、新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表:JSTORの提供コンテンツ拡大・Ithaka S+Rウェブサイトにおける機関の対応状況に関する情報提供など

2020年3月18日、JSTOR等を運営する米国の非営利団体ITHAKAは、ウェブサイト上で新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表しました。

ITHAKAは「現代の決定的な健康危機」となった新型コロナウイルスの大流行に直面し、一丸となって多くの人々の健康を守るためには、教育・研究を含む重要な生命活動が維持されなければならないことを指摘しています。そのための取り組みとして、大学等が休校を余儀なくされる中で、学生や教員が重要な学術資料に可能な限り容易にアクセスできる方法を開発していること、高等教育機関が現在実施している措置の意味を明確化し、将来に役立ちうる重要なエビデンスや教訓の文書化を行っていることを表明しています。

米・ワシントン州立図書館、オープンソースの電子書籍アプリSimplyEを用いた同州全体の電子書籍プラットフォームの構築を開始:米国の図書館等のネットワークLYRASISと連携

2020年3月17日、米・ワシントン州立図書館が、米国の図書館等のネットワークLYRASISと連携し、オープンソースの電子書籍アプリSimplyEを用いた、同州全体の電子書籍プラットフォームの構築を開始すると発表しました。

図書館中心の電子書籍管理を行って、同州内の公共図書館による貸出を増やすことを目指しており、春の終わり頃には最初の試験を実施する館に構築したプラットフォームを配置する計画です。

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