学術情報流通

オランダのオープンアクセスの進展状況(記事紹介)

2018年1月23日付けのオランダ国営のオープンアクセス(OA)に関するウェブサイト“open access.nl”の記事において、ユトレヒト大学図書館職員が行なった、オランダの大学所属の研究者による学術文献のオープンアクセス(OA)状況の調査結果の概要が紹介されています。

Web of Science及びAPIを通じて論文のOA版への情報を提供するサービス“oaDOI”を用いて分析されたもので、結果をまとめた論文のプレプリントがPeerJで公開されているほか、分析に用いたデータもZenodoに搭載されています。

調査によると、2016年に発表された査読論文の42%がOAであったこと、原因は不明であるものの、全ての大学で2013年から2014年にかけてOA率が下がり2015年以降は拡大傾向であること、共有のための適切なライセンスなしに自由に閲覧できるブロンズOAの論文の割合が各大学においてかなりの部分を占めること、等が指摘されています。

韓国国立中央図書館(NLK)、国家政策情報協議会の協力事業の一環として、「統一北韓(北朝鮮)資料」を同館のデジタルコレクションで公開

2018年1月22日、韓国国立中央図書館(NLK)が、統一研究院と共同で、NLKが運営する「国立中央図書館デジタルコレクション」内で、「統一北韓(北朝鮮)資料」を公開したと発表しています。

「南北関係と統一」「北朝鮮を調べる」「韓半島統一と国際関係」「北朝鮮の人権と国際協力」の4つにカテゴリーに分けて、北朝鮮の実情や、国内外の北朝鮮専門家の見解や予測等に関する研究資料100点を提供するものです。

NLKでは、政府や公共機関が作成・所蔵する知識情報の活用を目的に2015年11月に発足させた国家政策情報協議会の会員機関との協力事業の一環として、既に、韓国開発研究院(2015年)や国土研究院(2016年)といった研究機関の報告書類を「国立中央図書館デジタルコレクション」において公開しています。

アップロードした文献を解析し、JSTOR内の関連する学術文献を推薦するText Analyzer、14か国語に対応

2018年1月22日、JSTORが、アップロードをした文献を解析し、JSTOR内の関連する学術文献を推薦するText Analyzer(beta)が14か国語に対応したと発表しています。

新たに対応した言語は、アラビア語、中国語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、ヘブライ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、トルコ語の13言語です。

Text Analyzer is now multilingual(JSTOR,2018/1/22)
https://about.jstor.org/news/text-analyzer-now-multilingual/

Text Analyzer(beta)
https://www.jstor.org/analyze/

【イベント】研究会「美術雑誌の情報共有に向けて」(3/16・東京)

2018年3月16日、東京文化財研究所において、研究会「美術雑誌の情報共有に向けて」が開催されます。

明治から昭和戦前期の美術雑誌を具体的に取り上げ、あらためて美術史研究資料としての意義を検証するとともに、その情報の整理、公開、共有のあり方について検討する機会として開催されるものです。

受講料は無料ですが、事前の申し込みが必要で、定員は80人(先着順)です。

内容は以下の通りです。

・東京文化財研究所の美術雑誌 ーその収集と公開の歩み
塩谷純氏(東京文化財研究所 文化財情報資料部 近・現代視覚芸術研究室長)

・『日刊美術通信』から見えてくる、もうひとつの昭和10年代アートシーン
大谷省吾氏(東京国立近代美術館 美術課長)

・「美術」雑誌とは何か ―その難しさと価値をめぐって
森仁史氏(金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所シニアディレクター)

・ディスカッション、質疑応答
塩谷純氏、大谷省吾氏、森仁史氏
司会:橘川英規氏(東京文化財研究所 文化財情報資料部 研究員)

独・De Gruyter社、同社が刊行するオープンアクセス図書が1,000タイトルに到達と発表

2018年1月18日、独・De Gruyter社は、同社が刊行するオープンアクセス(OA)図書が1,000タイトルに到達したと発表しました。

OA図書の多くは英語で書かれたものですが、ドイツ語や他のヨーロッパ言語で書かれたものも含まれるとのことです。

De Gruyter reaches 1000th open access book milestone(De Gruyter、2018/1/18付け)
https://www.degruyter.com/dg/newsitem/263/de-gruyter-reaches-1000th-open-access-book-milestone

SAGE社、統計データリポジトリData-Planetを買収

2018年1月17日、SAGE社が統計データリポジトリData-Planetを買収したことを発表しました。

Data-PlanetはConquest Systems社が提供してきた、70以上の公的・私的機関から提供された49億以上のデータセットを収録する統計データリポジトリです(利用には契約が必要)。SAGE社は元々データサービスSAGE Statsを提供していますが、当面、両サービスを統合する予定はないとされています。

SAGE Publishing expands data offering with the purchase of Data-Planet(SAGE、2018/1/17付け)
https://uk.sagepub.com/en-gb/asi/press/sage-publishing-expands-data-offering-with-the-purchase-of-data-planet

国立大学図書館協会、プレスリリース「大学における学術雑誌購読の危機的状況が深刻化」を公表

2018年1月18日、国立大学図書館協会が、プレスリリース「大学における学術雑誌購読の危機的状況が深刻化」を公表しました。

今後の対応として、

(1)各大学は、JUSTICE の活動を通じた価格抑制の努力を続けつつ、短期的にはそれぞれの財政状況や研究分野の特性に応じた学術雑誌購読の見直しを進めることが求められます。
(2) 一方で、学術雑誌の価格上昇は、論文の書き手であり読み手である研究者自身にも関わる問題です。中長期的には、研究成果の流通や研究評価のあり方を見直し、海外の学術出版社に依存した学術情報流通の構造そのものを改革し、学術雑誌の購読によらない学術情報流通モデルであるオープンアクセスへの転換を図っていくことが必要です。本協会はオープンアクセスの推進に積極的に関わっていきます。

と述べられています。

韓国の大学コンソーシアムが長期間の交渉の末、エルゼビア社と契約締結 ScienceDirectへのアクセス遮断直前

2018年1月15日付けのScience誌記事で、韓国の大学コンソーシアムが長期間にわたったこう着状態の末、エルゼビア社とScienceDirectの契約締結に至ったと報じています。エルゼビア社がScienceDirectへのアクセス遮断を実行するとしていた2018年1月12日の直前に、同意に至ったとのことです。

韓国では2017年5月に300以上の大学図書館から成るコンソーシアムが組まれ、42のデータベース等に関する契約交渉が行われていました。ScienceDirectについては、2019年度分について、前年比4.5%の値上げを要求するエルゼビア社に対し、コンソーシアム側はパッケージ中に多くの小規模な、あまり読まれない雑誌が含まれているとし、譲歩を要求していました。最終的に3.5~3.9%の値上げで両者は合意しました。

独マックスプランク協会、物理学分野のオープンアクセス出版プラットフォームSciPostに助成金を提供

独マックスプランク協会(Max Planck Society)が物理学分野のオープンアクセス(OA)出版プラットフォームSciPostに対し、2万ユーロの助成を行ったことを発表しました。

SciPostはアムステルダム大学の理論物理学者、J.-S. Caux教授が立ち上げたプロジェクトで、読者が無料で読めるだけではなく、著者からもAPC(論文処理加工料)を受け取らずに運営されています。また、論文投稿後、査読期間中も第三者が論文を閲覧し、査読者以外の者でもコメントをつけられる機能を実装したり、査読コメントやそれに対する著者からの回答等も公開される点に特徴があります。

SciPostは2018年に入って以降、マックスプランク協会の他にも、OpenAIRE(3万9,000ユーロ)やオランダ大学協会(5,000ユーロ)からも助成を得ています。

Digital Science社、新たな研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”の提供を開始

2018年1月14日、Digital Science社が新たな研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”のサービス提供を開始しました。

DimensionsはDigital Science社傘下の6つの部門(Altmetric、Digital Science Consultancy、Figshare、Readcube、Symplectic、ÜberResearch)及び100以上の大学・研究助成機関の協働によって生まれたサービスで、約8,600万件の学術論文・図書の書誌情報に加え、8億6,000万件以上の引用情報、約1兆2,000億ドル相当の研究助成情報、3,400万件の特許情報を含み、さらにそれら相互の関係に関する37億件のリンクや、研究評価指標、オルトメトリクス等の情報も含んでいるとのことです。

2018年中は文献・引用等の単純な検索等は無料で行えるとのことです。その他に有料サービスとして、研究機関向けに研究助成情報、臨床試験情報、特許情報等の多様なコンテンツを含んだDimensions Plusや、研究助成機関等向けにDimensions内の情報の分析・可視化ツールDimensions Analyticsを提供するとしています。

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