学術情報流通

台湾・Airiti社、中国語の学術リソースのプラットフォーム“Airiti Library”を期間限定で無償提供:新型コロナウイルス感染症対応への支援

2020年7月31日付の文生書院によるニュースリリースで、台湾のAiriti社が、新型コロナウイルス感染症対応への支援として、中国語の学術リソースのプラットフォーム“Airiti Library”へのアクセスを、期間限定で無償提供することが発表されました。

同プラットフォームは、2020年6月時点で、台湾・中国・香港・マレーシア等の地域における、主に1991年以降の学術雑誌、学位論文のフルテキスト・コンテンツ合計約316万件を収録しています。

無償提供の期間は2020年12月までであり、対象は大学等の研究機関です。機関単位でのIPアドレス認証により提供され、接続数の制限はありません。

台湾の学術データベース会社 Airiti (アリティ)社が、COVID 対応支援として"Airiti Library"を日本向け無償アクセス提供(文生書院, 2020/7/31)[PDF:1ページ]
https://www.bunsei.co.jp/wp-content/uploads/PDF/newsrelease200731.pdf

国際STM出版社協会、査読における用語や定義の標準化を行う “A Standard Taxonomy for Peer Review”のバージョン1.0を公開

非営利団体Center for Open Science(COS)の研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework”(OSF)上に、2020年7月12日付けで“A Standard Taxonomy for Peer Review”のバージョン1.0が公開されています。

国際STM出版社協会の“Peer Review Taxonomy”についてのワーキンググループが作成したものであり、査読における用語や定義の標準化を行っています。同タクソノミーを広く出版社間で用いることにより、論文・ジャーナルの査読プロセス透明化、異なるジャーナル間の査読プロセスのより良い検証・比較を可能にすることを目指しています。

バージョン1.0に対し、2020年8月14日までコメントを募集しています。

A Standard Taxonomy for Peer Review Version 1.0(OSF)
https://osf.io/68rnz/

【イベント】2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」(8/28・オンライン)

2020年8月28日、2020年度第1回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:研究データ公開の意義」が、ウェブ会議システムZoomによるオンラインセミナーとして開催されます。

2020年度のJ-STAGEセミナーは、オープンサイエンスの進展や研究不正の防止といった観点で、研究データの公開を重視する動きが増えていることから、年間テーマを「ジャーナルから見た研究データ」と定め、論文根拠データの公開に関する情報提供が実施される予定です。第1回セミナーでは、「研究データ公開の意義」をテーマに、研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化や、海外ジャーナルの動向等についての解説と共に、論文著者の研究データ公開に関する実践事例の紹介が行われます。

参加無料ですが事前申込が必要です。主な内容は以下のとおりです。

・開会挨拶

・「研究データ公開が学術コミュニケーションにもたらす変化」 (仮)
 倉田敬子氏(慶應義塾大学)

・「Research data and scholarly journals: developments, policy and implementation」
 Dugald McGlashan氏(INLEXIO)

国際連合(UN)、「持続可能な開発目標(SDGs)」のための科学技術・イノベーション促進を目的としたオンラインプラットフォーム“2030 Connect”を公開

2020年7月15日、国際連合(UN)は、「持続可能な開発目標(SDGs)」のための科学技術・イノベーション促進を目的としたオンラインプラットフォームとして、“2030 Connect”を公開したことを発表しました。

“2030 Connect”は、国際連合の加盟国によるSDGsの進展の促進に対する要請に応えたプラットフォームとして構築され、SDGs達成のための呼びかけとして事務総長名で2020年1月に発表された「行動の10年(Decade of Action)」を支える重要なツールに位置づけられています。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、世界の全ての地域において政府やその他の意思決定者が必要なリソースにアクセスし、科学技術・イノベーションに全ての力を注がなければ達成できないことがプラットフォーム構築の背景として説明されています。

米・ブラウン大学デジタル出版イニシアティブ、同大学初のボーンデジタルの学術単行書を米・ヴァージニア大学出版局から出版

2020年7月21日、米・ブラウン大学は、同大学デジタル出版イニシアティブ(Digital Publications Initiative)作成のボーンデジタルの学術単行書“Furnace and Fugue”が、米・ヴァージニア大学出版局から出版されたことを発表しました。

発表によると、同大学にとって初のボーンデジタルの学術単行書であり、テキストと画像、楽譜、音声が含まれています。同出版局は、同書をオープンアクセスで公開する予定としています。

また、同大学では、デジタルでの単行書の出版について、新たな学術的形式の構築および検証が行われています。同イニシアティブは、2021年にボーンデジタルの単行書1冊を米・スタンフォード大学出版局から出版予定であり、アンドリュー・W・メロン財団の助成を受けて、今後6年間で4つから5つの新たなプロジェクトの追加を計画しています。

内閣府、「統合イノベーション戦略2020」を公表

内閣府が2020年7月17日に閣議決定された「統合イノベーション戦略2020」を公表しています。

「統合イノベーション戦略2020」は、新型コロナウイルス感染症の拡大や大規模災害の発生、イノベーションをめぐる覇権争いの激化など、国内外の状況が著しく変化したこと、また、第201回国会において、人文・社会科学やイノベーションの概念を追加する改正科学技術基本法が成立したことを踏まえて、重点的に取り組むべき施策として策定されました。以下の4点が戦略の柱として盛り込まれています。

① 新型コロナウイルス感染症により直面する難局への対応と持続的かつ強靭な社会・経済構造の構築
② スタートアップ・エコシステム拠点都市の形成やスマートシティの実現と国際展開などの推進
③ 研究力を強化するための若手研究者の挑戦支援や、大学等の間での連携による世界に伍する規模のファンドの創設、人文・社会科学の更なる振興
④ AI、バイオ、量子技術、マテリアルといった基盤技術や、感染症や自然災害などに対する安全・安心に関する科学技術、環境エネルギーなど重要分野の取組の強化

cOAlition S、欧州研究評議会(ERC)科学評議会のオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表

2020年7月21日、cOAlition Sは、欧州研究評議会(ERC)の科学評議会(Scientific Council)によるオープンアクセスとPlan Sへの声明に対する返答を公表しました。

声明では、過去20年間にわたってハイブリッドジャーナルへの支援がオープンアクセスの速やかな進展を妨げてきたこと、転換契約がないハイブリッドジャーナルには出版社の二重取り(double-dipping)を阻止する手段がないことが指摘されています。

さらに、ハイブリッドジャーナルの現状を維持することは、潤沢な研究資金が与えられている研究者のみがハイブリッドジャーナルでのOA出版に要する費用を調達できることから、欧州の研究者間の不平等を悪化させると述べられています。リポジトリへの登録によるPlan Sへの準拠を可能とする権利保持戦略が存在することから、研究者はハイブリッド型を含むいずれのジャーナルも選択することが可能であると指摘しています。

また、cOAlition Sは若手研究者の懸念に特に注意を払っており、若手研究者を支援する機関との緊密に協働していることが述べられています。

欧州研究評議会(ERC)科学評議会、オープンアクセスについてCoalition Sから独立した活動を行うことを発表:若手研究者や助成が少ない国の研究者等のニーズに焦点

2020年7月20日、欧州研究評議会(ERC)の科学評議会(Scientific Council)が、Coalition Sのサポーターをやめ、オープンアクセス(OA)の実現に向けて独立した活動を行うことを決定したと発表しました。

発表によると、若手研究者をはじめとした研究者のニーズや、研究コミュニティや欧州の国家間での公平性の担保等に焦点が当てられます。また、Coalition Sが示している、2021年1月1日から発効する完全・即時のOAに関する原則Plan Sについて、特に若手研究者や代替となる助成が少ない国の研究者、OA方針の導入が難しい分野の研究者にとって弊害となり得ると指摘しています。

同審議会は、欧州委員会(EC)と連携し、Horizon EuropeのOAに関する規則と齟齬なく、ERCを含めたプログラム全てに適用可能な解決策を模索するとしています。

オランダの学術雑誌にオープンアクセス(OA)出版を提供するプラットフォーム“OpenJournals.nl”の構築が始まる:2020年秋に運用開始予定

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2020年7月14日付の記事で、オランダ王立芸術科学アカデミー (KNAW)が同国の学術雑誌へOA出版を提供するプラットフォーム“OpenJournals.nl”の構築を開始したことが紹介されています。

プラットフォームの構築には、オランダ科学研究機構(NWO)が助成しており、KNAWとNWOはOpenJournals.nlによって、規模が小さく独自にOA出版へ移行する手段に乏しい社会科学・人文科学分野のOAを促進することを意図しています。OpenJournals.nlは学術雑誌をOA出版するためのデジタル基盤と技術的支援を提供するものであり、各雑誌及び編集者のコンテンツ・購読構造等に関する自律的な運営機能は維持される、と説明しています。

文部科学省、ジャーナル問題検討部会(第3回)の議事録・配布資料を公開

文部科学省のウェブサイトにおいて、2020年6月15日にオンラインで開催された科学技術・学術審議会情報委員会ジャーナル問題検討部会(第3回)の議事録と配布資料が公開されています。

ジャーナル問題検討部会 議事録・配付資料(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu29/001/giji_list/index.htm
※第3回の議事録・配布資料も掲載されています。

参考:
文部科学省、ジャーナル問題検討部会(第2回)の議事録・配布資料を公開
Posted 2020年5月28日
https://current.ndl.go.jp/node/41066

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