ドイツ

ドイツ連邦政府、フランクフルト・ブックフェア2020の開催支援のため同国の経済刺激プログラム“NEUSTART KULTUR”の枠内で400万ユーロの助成を実施

2020年7月10日、ドイツのグリュッタース(Monika Grütters)文化大臣は、同国の経済刺激プログラム“NEUSTART KULTUR”の枠内で、フランクフルト・ブックフェアに対して400万ユーロの助成を実施することを発表しました。

ドイツ政府の財政支援は、新型コロナウイルス感染症の影響下で2020年10月14日から18日の開催が予定されているフランクフルト・ブックフェア2020について、可能な限り多くの出展者が参加できるようにすることを目的として行われます。また、デジタルフォーマット上で、出版社が自社の製品を発表しブックフェアへ参加可能とするための資金としても活用されます。

フランクフルト・ブックフェア2020では、政府の支援を活用して48平方メートルまでのブースの出展料金割引等を実施します。

“NEUSTART KULTUR”は、ドイツ連邦政府による総額10億ユーロの新型コロナウイルス感染症の流行に対する救済プログラムであり、出版・書籍産業に対して最大2,500万ユーロの支援が予定されています。

Knowledge Unlatched(KU)、OpenAPCのデータセットの収録範囲が単行書のオープンアクセス化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表

2020年6月30日、Knowledge Unlatched(KU)は、機関が実際に支払した論文処理費用(APC)のデータセットを提供するイニシアチブ“OpenAPC”とともに、OpenAPCの提供するデータセットの収録範囲が単行書オープンアクセス(OA)化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表しました。

OpenAPCは、OA出版物のAPCの透明・効率的管理を目指すプロジェクト“INTACT”の一部を構成するイニシアチブで、ドイツのビーレフェルト大学図書館が運営しています。今回の初めてのOpenAPCへのBPCの登録では、KUの共同出資による選書プログラムの下で、KUが出版社に支払した全ての費用に関する約1,000冊相当のデータが含まれています。また、KUが資金を募っているその他のコレクションについても、詳細な支払関連データを共有することが予定されています。KUは、自身のOpenAPCへの貢献により、OA単行書のための新しいデータベースが立ち上げられた、としています。

BPCを含んだデータセットは、OpenAPCイニシアチブのウェブサイトで公開されています。2020年夏以降に現在のデータセットからの拡張が予定されています。

2010〜2018年のドイツにおけるオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年6月15日、2010年から2018年までのドイツのオープンアクセス状況に関する論文”Open Access Uptake in Germany 2010-18: Adoption in a diverse research landscape”がZenodo上で公開されました。著者はゲッティンゲン州立・大学図書館のAnne Hobert氏ら5名です。

調査は、Web of Science、Unpaywall、ISSN-Gold-OA 3.0 list、OpenDOAR等のデータを利用して実施されました。調査では45%の文献がオープンアクセスであることが報告されています。特に、分野に特化したリポジトリでの公開が最も普及しているオープンアクセスの手法であることが述べられています。一方、オープンアクセスジャーナルや機関リポジトリを利用したオープンアクセスも近年その割合が上昇していることが報告されています。

また、大学、ヘルムホルツ協会、マックスプランク協会、ライプニッツ協会、政府系研究機関、フラウンホーファー研究機構ごとのオープンアクセス状況の調査も実施しています。それぞれの機関が異なる使命をもつことから、オープンアクセス状況にもばらつきがあることが報告されています。

ドイツ経済学中央図書館(ZBW)、オープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOを同館の電子資料管理に導入

2020年6月18日、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)は、オープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOを同館の電子資料管理に導入したことを発表しました。

2016年から始動したFOLIOのイニシアチブにおいて、ドイツでは北部を中心とした図書館ネットワーク“Gemeinsamer Bibliotheksverbund(GBV)”が当初から開発パートナーとして参加し、ZBWはGBVの一員として2017年から開発コミュニティに加わりました。特にZBWはFOLIOの「電子リソース管理」に関するワーキンググループの試行図書館として、GBVと緊密に連携しながら協力しています。

今回の決定により、ZBWはFOLIOの電子リソース管理モジュールを実務で運用する、ドイツおよび世界でもごく早期の事例となります。ZBWはGBVと連携しながら、今後数か月をかけて、FOLIOを同館のネットワークサービスや既存のドイツ国内のシステムに統合する作業を進めます。統合の内容として、共同目録K10plusとFOLIOとの間のデータのインポート・エクスポートを行うためのインタフェース開発や、ドイツ国内の電子リソースのライセンス契約を共同管理するためのシステムLAS:eRとの連携が挙げられています。

丸善雄松堂株式会社、独・De Gruyter社との日本販売総代理店契約を拡大:国内法人向けにDe Gruyter社のデータベース53タイトルの販売を開始

2020年6月15日、丸善雄松堂株式会社は、ドイツの出版社De Gruyter社との日本販売総代理店契約を拡大し、De Gruyter社提供のデータベース商品の約9割にあたる53タイトルの商品について、国内法人向けの販売を開始したことを発表しました。

丸善雄松堂株式会社は、2019年6月にDe Gruyter社の学術雑誌・イヤーブックに関する日本販売総代理店契約を締結しています。

丸善雄松堂、De Gruyter GmbH との日本販売総代理店契約を拡大 [PDF:853KB](丸善雄松堂株式会社,2020/6/15)
http://yushodo.maruzen.co.jp/ir/news/2020/release20200615-1.pdf

De Gruyter(丸善雄松堂株式会社)
https://kw.maruzen.co.jp/ln/ec/ec_gruyter01.html

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、ドイツの“Library of the Year 2020”に選出:ゴータ市立図書館が優秀な小規模自治体・地域の図書館として併せて選出

2020年6月16日、ドイツ図書館協会(Deutschen Bibliotheksverbandes:DBV)とドイツテレコム財団(Deutsche Telekom Stiftung)は、“Bibliothek des Jahres(Library of the Year)”の2020年受賞館として、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)を選出したことを発表しました。

また、初めての試みとなる優秀な小規模自治体・地域の図書館を表彰する“Bibliothek des Jahres in kleinen Kommunen und Regionen”に、テューリンゲン州のゴータ市立図書館(Stadtbibliothek Gotha)を選出したことを併せて発表しています。

TIBについては、アナログ・デジタル双方における優れたサービスの展開と、戦略的なオープンサイエンスへの転換・オープンアクセス・研究データ・デジタル長期保存といった分野における同館の際立った取り組みが評価されました。副賞として2万ユーロが授与されます。

人口4万6,000人のゴータ市の図書館は、子ども・ヤングアダルト層から高齢者世代まで、多様な利用者層に応じて優れた教育やメディア事業を展開していることが評価されました。副賞として7,000ユーロが授与されます。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、2020年版以降の医学件名標目表(MeSH)のドイツ語翻訳事業をドイツ医療文書情報機構(DIMDI)から承継

2020年5月20日、ドイツ医学中央図書館(ZB MED)は、米国国立医学図書館(NLM)が整備する医学件名標目表(MeSH)のドイツ語翻訳事業について、ドイツ医療文書情報機構(Deutsche Institut für medizinische Dokumentation und Information:DIMDI)から移管を受け、2020年版以降の翻訳を同館が担当することを発表しました。

MeSHは年に一度更新される世界的に普及した医学用語のシソーラスです。書籍等の主題索引から、データベースの索引、医学・生命科学分野の検索プロファイル作成まで多方面で活用されています。

MeSHのドイツ語翻訳事業は2018年までDIMDIが担当し、2020年5月時点では2019年版MeSHのドイツ語翻訳版がDIMDIのウェブサイトからダウンロード可能になっています。ZB MEDはDIMDIとの緊密な連携の下で、翻訳事業を引き継ぎ、後日2020年版MeSHのドイツ語翻訳版を提供する予定です。

国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 - 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

米・Ithaka S+R、研究図書館11館とともにビッグディール契約中止による利用者や図書館への影響関係の調査プロジェクトを開始

2020年5月28日、米・Ithaka S+Rは、研究図書館11館とともにビッグディール契約中止による利用者や図書館への影響関係の調査プロジェクトを開始したことを発表しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う図書館予算への影響もあり、すでに多くの学術図書館が電子ジャーナルのビッグディール契約の中止を検討しています。図書館の厳しい財政状況から、既存のパッケージ契約がこれまで利用可能だったタイトルへの継続アクセスを保証した「転換契約」のような代替の契約に置き換わる可能性はさらに低下していると言えます。こうした傾向は図書館が利用者へ提供できるタイトルが不十分となる状況をもたらし、ILLやプレプリントサーバー、研究者同士のネットワークなど、他のコンテンツ入手手段への依存を高めることが予想されます。こうした学術情報資源を取り巻く環境の急速な変化の中、研究者へより発展的なコンテンツの発見・アクセス戦略を提供しつつ、こうした変化が研究者の図書館への認識にどのように影響を与えているか把握することが、学術図書館にとって不可欠になっています。

ページ