欧州

改正EU著作権指令第14条により著作権保護期間の満了した資料のデジタル複製物をパブリックドメインのままとするには(記事紹介)

2020年1月21日付のEuropeana Proのブログ記事として、“Keeping digitised works in the public domain: how the copyright directive makes it a reality”が公開されています。

同記事は英国エクセター大学法学部のAndrea Wallace講師へのインタビューを通して、2019年4月に成立した改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」第14条の文化遺産分野における重要性と同講師の第14条に関する研究の解説を行ったものです。改正EU著作権指令第14条は、著作権の保護期間が満了しパブリックドメインとなったビジュアルアート作品の複製物について、創作性が存在しない限り著作権その他の権利は及ばないことを明記しています。

英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、Plan Sへの支持を表明

2019年12月9日、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREは、Plan Sに対する賛意を表した声明“CORE welcomes Plan S”を発表しました。

COREは、多数の学術コミュニティから支持されたPlan S原則に賛同し、様々なリポジトリや雑誌からオープンアクセス(OA)の研究成果を集約し広く利用可能なものにするという自らの使命によって、次の点でPlan Sの実現に貢献可能であることを表明しています。

Springer Nature社、cOAlition Sの“Transformative Journals”枠組み案へのフィードバックとして公開書簡を発表

2019年12月17日、Springer Nature社は、cOAlition Sが公開した“Transformative Journals”(転換雑誌)枠組み案について、公開書簡(Open Letter)により懸念事項を指摘したフィードバックを行ったことを発表しました。

同社は公開書簡の中で、cOAlition Sが示した枠組み案のうち、年間8%のオープンアクセス(OA)率の成長、OAコンテンツが50%に達した時点で完全OA雑誌に切り替えるといった数値目標が現実的ではないこと、論文処理費用(APC)の免除に関する要件が雑誌の持続可能性を損なうことなどを指摘し、これらの要件の変更がなければ出版社が枠組み案に参加するのは難しいと表明しています。

cOAlition Sは同日付でSpringer Nature社の公開書簡への応答をウェブサイトに掲載しています。この応答の中では、公開した枠組み案は草案であり2020年1月6日までの利害関係者からのフィードバックに基づいて改めて検討することなどが表明されています。同社による数値目標が現実的ではないという懸念については、Europe PMCに収録された同社のOA誌“Nature communications”掲載論文の過去数年のデータを用いて、現実的に実現可能な数値目標であると反論しています。

Europeanaなどのデジタルコレクション活用を図るプロジェクト“TuEuropeana”(ポーランド)

Europeana の2019年12月19日付けの記事で、ポーランドのFINA(National Film Archive - Audiovisual Institute)に所属するMaria Drabczyk氏へのインタビューが掲載されており、FINAが調整役を担っているプロジェクト“TuEuropeana”が紹介されています。

Europeanaを中心とするデジタルコレクションの認知度向上や、二次利用促進のための戦略・手段について話し合うことを目的としたプロジェクトであり、2015年にポーランドの文化・国家遺産省が開催した一連の会合で生まれた、Europeanaのコレクションを広めるためのイニシアチブを立ち上げるというアイデアに端を発しています。

プロジェクト開始4年目となる2019年は、アーティストを対象とした年次プログラムを実施しており、その一環としてデジタルコレクションの収録資料を素材としたポスターのデザインコンテストを開催したことが紹介されています。

Europeana、産業遺産に関する絵画・ポスター等を用いた塗り絵本をオンラインで公開

Europeanaの2019年12月19日付けの記事で、欧州の博物館、美術館、図書館8館が所蔵する絵画・ポスター等を用いた塗り絵本“Europe at Work”のDropbox上での公開が紹介されています。

Europeanaは2019年の秋、欧州の文化機関と協力し、欧州の産業遺産で働いた人々のストーリーを共有・記録する取組み“Europe at Work”を開催していましたが、今回の公開はそれを受けてのものです。

Colouring Europe at Work: download our industrial heritage colouring book(Europeana Blog, 2019/12/19)
https://blog.europeana.eu/2019/12/colouring-europe-at-work-download-our-industrial-heritage-colouring-book/

Europeana、「過去のビッグデータ」の収集・活用を目指す欧州の研究プロジェクト“Time Machine”との協力に関する公式声明に署名

2019年12月16日、Europeanaは、欧州の研究プロジェクト“Time Machine”との協力に関する公式声明に署名したことを発表しました。同プロジェクトは、「過去のビッグデータ」(Big Data of the Past)を収集し、過去の欧州に関する大規模な歴史シミュレーターを構築することを目指しています。

Europeanaは同プロジェクトの開始当初から協力を行っていましたが、今回の公式声明への署名によりパートナーシップの強化が図られます。声明では、両組織の専門知識を持ち寄ることで大きな進展が期待できる分野として以下の3つを挙げています。

・技術インフラとデータモデルの改善
・法的ツールと権利に関するフレームワークの改善
・ネットワークとユーザー主導型インフラの接続

また、両組織は共同研究及び技術・インフラ開発に取り組むとともに、共通の活動にはガバナンスモデルを採用する予定であると述べています。

信州大学附属図書館、同館で開催された「オープンサイエンス講演会」の開催報告・発表資料を公開

2019年12月12日、信州大学附属図書館は、2019年12月10日に同館が開催した講演会「基礎から知る「オープンサイエンス」~世界の潮流と研究者・大学の役割~」について、開催報告を公開したことを発表しました。

講演会当日に行われた、杉田茂樹氏(上越教育大学学術情報課長、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員)の講演「欧州研究大学連盟『オープンサイエンスが大学に果たす役割』を読む」と岩井雅史氏(信州大学附属図書館)の報告「信州大学におけるオープンアクセスの歩みとオープンサイエンスに向けて」について、その概要が報告されています。また、ディスカッションでは、同館館長の渡邉匡一氏らによる研究者の立場からの研究データの管理・公開に関するプレゼンテーションと、フロアの教員・研究支援担当者など様々な立場の参加者からコメントや質問があったことが紹介されています。

信州大学機関リポジトリ上で、当日発表資料として杉田氏・岩井氏の発表資料、及び渡邊氏のプレゼンテーション資料「文系研究者の研究データ : 日本文学研究の場合」が公開されています。

デジタルアーカイブの資料で作成するGIFアニメの国際的なコンペティション“GIF IT UP 2019”の優勝者及び各賞受賞者が発表される

Europeanaの2019年12月14日付けブログ記事において、デジタルアーカイブの資料で作成するGIFアニメの国際コンペティション“GIF IT UP 2019”の優勝者及び各賞受賞者が発表されています。

“GIF IT UP”のウェブサイトによると、6回目の開催となる2019年は、DPLA、DigitalNZ、Troveとの緊密な協力のもと、Europeanaが主催しました。

The winners of GIF IT UP 2019(Europeana Blog, 2019/12/14)
https://blog.europeana.eu/2019/12/the-winners-of-gif-it-up-2019/

About(GIF IT UP)
https://gifitup.net/about/

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)、ニュース・情報サイトの信頼性評価を行うNewsGuardとパートナーシップを締結:利用者のメディアリテラシー向上支援のため

2019年12月10日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)は、NewsGuardとのパートナーシップ締結を発表しました。NewsGuardでは、ジャーナリズムの実践に関する9つの基本的、非政治的な基準に基づき、ニュース・情報サイトの信頼性評価を行い、その結果を提供しています。

締結の目的として、NewsGuardが提供するメディアリテラシープログラムへの参加を欧州内の図書館で拡大し、利用者のメディアリテラシー向上支援を図ることを挙げています。なお、同プログラムは2018年後半に米国で開始され、現時点で世界の図書館600館以上で使用されており、Microsoft社の支援により図書館は無料で同プログラムに参加可能とあります。

同プログラムを通じ、ニュース・情報サイトの信頼度と詳細なレビューを提供するNewsGuardのブラウザ拡張機能の利用者用端末へのインストールが可能になること、レビューはメディアリテラシーに関するワークショップ、ディスカッションの材料として使用できることが紹介されています。

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