欧州

E2260 - Open Research Libraryの動向

Open Research Library(ORL)は,世界中のオープンアクセス(OA)の査読付き学術単行書や論文集等のチャプターを単一のプラットフォームから利用可能とするKnowledge Unlatched(KU)の新しい取組であり,2019年5月にベータ版,2020年1月に正式版がリリースされた。OA学術単行書はオンライン上に散在しており,利用者が見つけ出したり,図書館が流通・利用状況を管理したりすることは,困難である。ORLはその解消を目指している。

SPARC Europe、欧州のオープンアクセス・オープンサイエンス・オープンスカラシップを支えるインフラの現況把握のためアンケート調査を実施中

2020年5月13日、SPARC Europeは、欧州のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンス・オープンスカラシップを支えるインフラの現況を把握するために、アンケート調査を実施していることを発表しました。

同調査は、欧州のOAやオープンサイエンスの基盤となりながら、財政的に不安定な状況にあるこれらのサービス・インフラストラクチャーについて、現在の主だった状況を把握する目的で実施されます。SPARC Europeと、人文・社会科学のオープンな学術コミュニケーションのための欧州の研究基盤OPERAS、非営利のOA・オープンサイエンスサービスの資金調達支援に関する国際的なフレームワークSCOSSといった欧州を中心とするOA・オープンサイエンスに関するコミュニティ、及び、持続性・拡張性を備えたオープンサイエンスのための科学・学術基盤の実現を目指して活動する国際的なイニシアチブInvest In Open Infrastructure(IOI)が共同して実施しています。

SPARC Europeは、調査によって得られた情報は、政府・助成機関・図書館・サービスプロバイダ等が、OA・オープンサイエンスにとって必須のインフラへ効果的な助成を実施する戦略検討の一助になる、としています。

Springer Nature社、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名

2020年5月20日、Springer Nature社は、研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名したことを発表しました。

発表の中では、大規模な学術出版社の中では初の署名であり、研究の公正な評価のために、同社が発行するジャーナルポートフォリオ全体において、多くの数量的指標を提供していくこと、学協会の連携機関と協力していくこと等に触れています。

Springer Nature extends commitment against the misuse of impact factors to its entire journal portfolio(Springer Nature, 2020/5/20)
https://group.springernature.com/gp/group/media/press-releases/springer-nature-signs-dora/17990874

EBLIDA、新型コロナウイルス感染症拡大危機への図書館の現在の対応状況・今後の課題等に関する欧州17か国の会員機関へのアンケート調査をとりまとめた報告書を公開

2020年5月14日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)は、報告書“Preparing a European library agenda for the post-Covid 19 age:Work in Progress”の公開を発表しました。

2020年4月、EBLIDAは、新型コロナウイルス感染症拡大危機の間に講じられた、もしくは危機の収束後に何らかの形で実施され得る、対策・実践・可能なサービスを把握するための調査を実施しました。調査には欧州17か国に渡る会員機関が回答し、公開された報告書はこれらの回答に基づいて作成されています。

報告書では、新型コロナウイルス感染症拡大危機収束後の欧州の図書館の行動計画において、次の5点が新しい時代の標準になりうることを指摘しています。

1 急激に増大するソーシャル・ディスタンシング確保要請へ対応し、2メートルの対人距離を保ちながらつながる図書館を実現する
2 最新技術によって図書館を新しい形に変容させる
3 見通しの不透明な経済情勢から、図書館の予算構成を見直す
4 中央集権的なレベル・地域の地方自治体レベルなど、図書館のガバナンスのあり方を見直す
5 気候変動に関わる課題も継続して実施する

cOAlition S、オープンアクセス(OA)出版費用を設定する際に出版者が遵守すべき「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク」を公開:2022年7月1日に発効

2020年5月18日、cOAlition Sは、Plan Sの重要原則である価格の透明性に対応するものとして、オープンアクセス(OA)出版費用を設定する際に出版者が遵守すべき「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク:手引きと要件(Plan S Price Transparency Frameworks: guidance & requirements)」の公開を発表しました。

cOAlition Sは、Plan S原則を満たす価格透明性のフレームワークとして以下の2種類を承認しています。

・学術出版の慣習の転換し出版プロセスの管理主体を学術コミュニティに取り戻すことを目的として活動する研究者・図書館員の連合“Fair Open Access Alliance(FOAA)”が開発し、Frontiers社等が実施中のフレームワーク“Breakdown of Publication Services and Fees”

・Information Power社が開発しAnnual Reviews社・Springer Nature社等が試行実施中のフレームワーク“Plan S Price and Transparency Framework”

国際NGO組織NAPLE、欧州の公共図書館における新型コロナウイルス感染症への対応状況を調査したレポートを公開

欧州の公共図書館政策担当局による国際NGO組織National Authorities for Public Libraries in Europe(NAPLE)は、欧州の公共図書館における新型コロナウイルス感染症への対応状況を調査したレポートを公開しました。

レポートは、2020年3月20日から4月24日までの期間にNAPLEに加盟している20か国のメンバーから得た回答に基づくものであり、4月30日付けで公開されています。内容はあくまでこの期間におけるスナップショットと見なす必要があるとしています。

レポートが特に焦点を当てているのは、図書館の休館状況、スタッフの勤務状況、休館中の貸出サービス及びオンラインサービスの状況、本の検疫をはじめとした安全のための対策、医療への支援、フェイクニュース対策であり、これらの点について各国の事例を列挙しています。最後に、ケーススタディーとしてオランダにおけるオンラインサービスの状況を詳しく紹介しています。

OpenAIRE、COVID-19に関連する可能性のある研究情報の検索ポータルを公開

OpenAIREは、2020年5月11日付けのTwitterにおいて、COVID-19に関連する可能性のある研究情報の検索ポータル“OpenAIRE COVID-19 Gateway”を公開したことを発表しています。なお、5月18日時点ではβ版となっています。

“OpenAIRE Research Graph”に含まれる10,000以上の情報源及び追加情報源からマイニングしたコンテンツにタグ付けを行い、出版物、研究データ、ソフトウェア等の研究情報を集約しており、COVID-19関連研究の発見・ナビゲーションのための単一アクセスポイントを提供するものとあります。

@OpenAIRE_eu(Twitter, 2020/5/11)
https://twitter.com/OpenAIRE_eu/status/1259789266537807873

OpenAIRE COVID-19 Gateway
https://beta.covid-19.openaire.eu/

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のため図書館向けのガイダンス文書を公開

2020年5月7日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のための図書館向けガイダンス文書の公開を発表しました。

改正EU著作権指令では、第3条で大学・教育機関・図書館が合法的にアクセスできる著作物をマイニングする権利が認められています。また、第4条では主に商業的なデータ分析や人工知能のTDMについて著作権の例外とする規定が設けられています。LIBERが今回公開したガイダンス文書は、改正EU著作権指令を活用してTDMを実施する研究者支援を行う図書館を対象として、同協会の著作権・法的事項ワーキンググループが作成したものです。

欧州の20機関以上が参加するSSHOCプロジェクト、プロジェクト成果物“SSH Open Marketplace”の公開スケジュールを発表

2020年4月27日、欧州の20機関以上が参加する人文・社会科学分野(SSH)におけるオープンクラウドエコシステム構築のためのSSHOC(Social Sciences & Humanities Open Cloud)プロジェクトは、同プロジェクトの成果物である“SSH Open Marketplace”の公開スケジュールを発表しました。

SSHOCプロジェクトはHorizon 2020の資金助成により2019年1月から2022年4月まで展開中のプロジェクトです。欧州研究図書館協会(LIBER)など欧州20機関以上が参加し、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)の人文・社会科学分野における実現を目指しています。

SPARC Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの状況の基礎調査について中間結果を公開

2020年4月29日、SPARC Europeは、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの基礎調査について中間結果を公開したことを発表しました。

SPARC Europeは2019年の欧州研究図書館協会(LIBER)のカンファレンスで、学術図書館がオープンエデュケーションへどのように貢献しているかを調査する計画を発表していました。2019年後半に調査の第1弾として、高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの現況調査が行われています。

SPARC Europeの調査には欧州29か国から146件の回答が寄せられ、機関の状況・資金調達の状況・方針策定・図書館のリーダーシップ・アドヴォカシー・関連するサービス・関連する課題と利益の7つの分野への調査が行われています。

次のような調査結果が紹介されています。

・オープンエデュケーションに関する方針は、20以上回答されたものの機関の大方針の中の一部という位置づけにされている傾向にあった。オープンエデュケーションの価値を機関でより強固にする必要がある

・半数以上の機関が、オープンエデュケーションやオープン教育資源(OER)に関する取り組みの中心的な立場にあると回答している

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