フランス

E2181 - カタログ・レゾネ:国立西洋美術館国際シンポジウム<報告>

2019年7月10日,国立西洋美術館(東京都台東区)で国際シンポジウム「カタログ・レゾネ──デジタル時代のアーカイヴとドキュメンテーション」が開催された。カタログ・レゾネとは,特定の芸術家や美術館,コレクションの全作品を網羅した書物を指す。このシンポジウムは,2019年の同館の開館60周年記念「松方コレクション展」で展示されたクロード・モネ《睡蓮,柳の反映》などに関する調査で,モネのカタログ・レゾネを編さんしたウィルデンスタイン研究所(現・ウィルデンスタイン・プラットナー研究所(The Wildenstein Plattner Institute:WPI))に協力を仰いだことがきっかけとなって実現した。

Google、フランスの改正EU著作権指令国内法化に伴いフランス国内におけるニュース記事の検索結果表示方法を変更:記事を抜粋したスニペットやサムネイル画像が非表示に

Google Franceの公式ブログ“Le blog officiel de Google France”に2019年9月25日付で、“Nouvelles règles de droit d’auteur en France : notre mise en conformité avec la loi”と題された記事が投稿されています。2019年10月にフランスで改正EU著作権指令が欧州で初めて国内法化され新しい著作権法が導入されることに伴い、フランス国内ではGoogleの検索結果表示方法が変更される見込みであることを発表したものです。

フランスで新しい著作権法が施行されると、欧州の報道機関が発行するニュース記事を示した検索結果について、フランス国内ではニュース記事を抜粋したスニペットやサムネイル画像が表示されなくなります。これはGoogleが提供する全てのサービスに適用されます。

政治ニュースサイト“POLITICO”が同日付で公開したこのGoogleの意向を扱った記事では、改正EU著作権指令の第15条で報道機関が自機関のコンテンツをオンライン上で表示するGoogleやFacebook等のプラットフォームに対して使用料を求める権利が認められていること、Googleはこの使用料の支払を拒否していること等が解説されています。

仏・高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)、オープンサイエンスに関する国家計画の一環として「書誌多様性」を発展させる出版プロジェクトへ総額260万ユーロの助成を実施

2019年9月2日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(Ministère de l'Enseignement supérieur, de la Recherche et de l'Innovation:MESRI)は、「書誌多様性(bibliodiversité)」を発展させる出版・科学出版のプロジェクトの公募を発表しました。公募プロジェクトに対しては総額260万ユーロの助成が実施される予定です。

フレデリック・ヴィダル大臣がオープンサイエンスに関する国家計画の下で創設されたことを発表した310万ユーロのオープンサイエンス国家基金の一部が公募プロジェクトに対して割り当てられます。応募されたプロジェクトは専門家のパネルによって評価され、2018年に設置されたオープンサイエンス運営委員会によって選定されます。

オープンサイエンス委員会(Le comité pour la science ouverte)の同プロジェクト公募に関する発表によると、国家計画のロードマップに含まれ出版活動に関係している研究インフラストラクチャー、ロードマップに含まれないデジタルプラットフォーム、オープンアクセス(OA)を念頭に置いた図書・雑誌に関連する全ての編集イニシアチブの3種類が、公募対象として想定されています。

フランス国立図書館(BnF)と大日本印刷(DNP)、BnF・リシュリュー館の全面改修にあたり、同館所蔵資料及び歴史的空間のデジタル化等を共同で推進する協定を締結

2019年8月30日、大日本印刷株式会社(DNP)は、7月2日に、フランス国立図書館(BnF)と、同館のリシュリュー館全面改修にあたり、同館所蔵資料及び歴史的空間のデジタル化及びその普及を共同で推進する協定を締結したと発表しました。

DNPの発表によると、2021年の同館リニューアルオープン時には、研究者のための設備が刷新されるとともに、デジタル技術をいかした体験が可能な同館所蔵資料を展示する美術館が新設される予定です。

共同事業では、BnFの貨幣・メダル・古代美術部所蔵コレクションのデジタル化、リシュリュー館内の施設「マザラン・ギャラリー」「国王のキャビネ」の修復とデジタル化、Europeana等のネットワーク上の膨大な情報と作品鑑賞時の鑑賞者の興味・関心とを掛け合わせて編集し提供する仕組みの構築、デジタル化資料のGallicaでの公開、新設の美術館に導入する鑑賞システムの構築などが行われます。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、2019年5月に仏・リヨンで開催されたCOAR Annual Meeting 2019の参加報告書を公開

2019年8月20日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2019年5月21日から23日に仏・リヨンで開催された、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)によるCOAR Annual Meeting 2019へコンテンツ流通促進作業部会のメンバーが参加し、JPCOARスキーマに関する報告と各国関係者との情報交換を行ったことを発表しました。

参加した作業部会メンバーによる参加報告書がJPCOARのウェブサイト上で公開されています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/
※トップページの「お知らせ」に、2019年8月20日付けのお知らせとして「COAR Meeting 2019に参加しました」とあります。

E2159 - ジャーナルプラットフォームの連合体“GLOALL”の結成

ユネスコが提唱する“Inclusive Knowledge Societies”という概念がある。全ての人々は,各々に合った言語や形式により,情報やコミュニケーション手段にアクセスすることが可能で,またそれらを解釈し活用するためのスキルを備えている,という状態を指し,ユネスコはそのような社会の実現を目指さなければならないとしている。科学技術・学術情報の流通も,この概念で言うところの「情報」及び「コミュニケーション手段」に含まれると考えられるが,現在の学術ジャーナルを巡る情勢は,いわゆるオープンアクセス(OA)に関する議論を踏まえても,理想的な状態からは程遠いと言わざるを得ない。特に2018年に欧州の助成機関が発表した,公的助成による研究の成果論文の即時OAを義務化する計画である“Plan S”と,それに関して世界的に展開された激しい議論は,立場による見解の相違はあるものの,科学技術・学術情報流通が多くの問題を抱えた状態にあることの明確な証左として共通認識されたのではないだろうか。

国際図書館連盟(IFLA)、「グリーンライブラリー賞2019」の受賞館を発表:コロンビアの“Biblioteca Pública Municipal Daniel Guillard”

2019年6月9日、国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館(ENSULIB)に関する専門部会が、「グリーンライブラリー賞2019」の受賞館に、コロンビア・カリの“Biblioteca Pública Municipal Daniel Guillard”を選んだと発表しています。

オーストリア、ボツワナ、ブルガリア、コロンビア、エジプト、フランス(レユニオン)、ハンガリー、インド、イラン、アイルランド、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、シンガポール、スロベニア、南アフリカ、米国からの34の申請の中から、同館の、情報リテラシー・エコリテラシー・読書を組み合わせた事業“Gaia- En mi biblioteca la tierra tambien es de todos”が、持続可能性への意識を喚起し、グリーンな活動に対して目に見える効果をもたらすためにすべての世代・コミュニティを巻き込むものであると評価され選出されたものです。

審査員は、同館は、多くの社会的・経済的問題に直面している地域に力を与えるため、環境にやさしい地域を再建することや、大規模な経済的手段なしでの社会的・経済的条件を改善することを重視していると述べています。

【イベント】国際シンポジウム「カタログ・レゾネ──デジタル時代のアーカイヴとドキュメンテーション」(7/10・東京)

2019年7月10日、東京都台東区の国際西洋美術館が、同館において、国際シンポジウム「カタログ・レゾネ──デジタル時代のアーカイヴとドキュメンテーション」を開催します。

19世紀フランス美術に関するカタログ・レゾネ編纂拠点として世界的に有名なウィルデンスタイン・プラットナー研究所と国立西洋美術館による共催です。

デジタル時代において一層の重要性を増しつつあるカタログ・レゾネ(特定の芸術家や美術館、コレクションの全作品を網羅した書物)に着眼点を置きつつ、その編纂過程で重要な役割を果たすアーカイヴ資料、ドキュメンテーション資料について多様な視点から考察するシンポジウムです。美術史研究の視点からアプローチすることで、従来アーカイヴの文脈では等閑視されてきた新しい論点の提示を試みるとしています。

料金は無料ですが、定員は先着90人(事前の申し込みが必要)です。

内容は以下の通りです。

・エリザベス・ゴレイエブ氏(ウィルデンスタイン・プラットナー研究所所長)
「ウィルデンスタイン・プラットナー研究所──デジタル世代に向けての新しいカタログ・レゾネとアーカイヴ調査」

【イベント】写真史料をめぐる国際研究集会「在外写真史料の研究と歴史学」(6/27・東京)

2019年6月27日、東京都文京区の東京大学史料編纂所において、同所の古写真研究プロジェクト主催による、写真史料をめぐる国際研究集会「在外写真史料の研究と歴史学」が開催されます。

同所が進めている、国内外の写真史料(古写真)を対象とした調査・研究に係わって、在外日本関係写真史料の調査・研究成果を発表するとともに、来日中の写真史研究者ルーク・ガートラン氏による講演が行われます。

参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要です。

内容は以下の通りです。

報告1
保谷 徹氏(東京大学史料編纂所)
「高精細画像でみる幕末・明治初期日本―ブルガー&モーザーのガラス原板コレクション」

報告2
谷 昭佳氏(東京大学史料編纂所)
「写真による幕末維新期の日本イメージの形成-英・仏・独・瑞・伊・墺・露のオリジナルコレクションから」

DOAB財団 (DOAB Foundation)の創設が発表される

2019年5月21日、人文・社会科学系の単行書のオープンアクセス(OA)を推進するオランダのOAPENと、人文・社会科学系の電子情報資源のプラットフォームを運営するフランスのOpenEditionにより、DOAB財団の創設が発表されています。

DOAB(Directory of Open Access Books)は、OAPENによって2012年に公開されたOAの単行書のダイレクトリです。

同財団は、3月5日に、オランダの法律の下、OAPENとOpenEditionが共有する財団(foundation)として設立され、運営組織としては、フランス国立科学研究センター(CNRS)と仏・エクス=マルセイユ大学が法的に代表しています。

今後数か月の間において、OAPENとOpenEditionは、人文・社会科学のオープンな学術コミュニケーションのための欧州の研究基盤OPERASの他の協力機関とも連携し、DOABのプラットフォームを更新します。DOABは、最終的には、OPERASの中核的サービスとなる予定です。

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