デジタル保存

オランダデジタル遺産ネットワークとOpen Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境を開発中

2020年7月21日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)との協力を通じ、オープンソースのデジタル保存ツールをテストできる仮想研究環境(VRE)を開発中であることを発表しました。

広く使用されているデジタル保存ツールを、個別にインストールすることなく実行できるVREを開発することにより、国際コミュニティにおけるデジタル保存ツール利用へのニーズの高まりに応えることを目的としています。現在のバージョンでは、Apache Tika、DROID、 JHOVE、veraPDFといったデジタル保存ツールを含んでおり、開発チームがプロトタイプのテストを行っている段階とあります。

デジタル保存に関するイベント“#WeMissiPRES”が2020年9月にオンラインで開催:無料で参加可能

英・電子情報保存連合(DPC)のウェブサイトで、デジタル保存に関するイベント“#WeMissiPRES”の開催が紹介されています。

“#WeMissiPRES”は、オランダデジタル遺産ネットワーク(Dutch Digital Heritage Network)、DPC、中国科学院文献情報センターの主催により、2020年9月22日から24日にかけてオンラインで開催されます。2020年9月に中国・北京で開催予定であった第17回電子情報保存に関する国際会議(iPRES)が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2021年10月に延期されたことを受け、iPRES2019以降の進捗の共有やコミュニティ間での意見交換等を行う場として設けられるものです。

2020年8月19日までの期間、予め提示されている3テーマのいずれかに沿った発表の応募を受け付けているほか、2020年9月2日には参加登録が開始されます。なお、参加は無料となっています。

#WeMissiPRES(DPC)
https://www.dpconline.org/events/wemissipres

Open Preservation Foundation(OPF)、フランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語によるメンバー募集パンフレットを公開

2020年7月9日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、メンバー募集パンフレットが6か国語で利用可能になったことを発表しました。

英国図書館(BL)のスタッフによって、英語パンフレットのフランス語・イタリア語・日本語・スペイン語・ポルトガル語への翻訳が行われ、英語を含めた6か国語によるパンフレットがOPFのウェブサイト上で公開されています。

OPFのメンバー募集パンフレットには、加入による特典の概要・加入機関からの声・メンバーの種別と年会費の概略などが案内されています。

New OPF membership brochure now available in six languages(OPF,2020/7/9)
https://openpreservation.org/news/new-opf-membership-brochure-now-available-in-six-languages/

オープンで持続可能なデジタル保存をテーマとした会議“OPFCON”の資料が公開される

2020年7月7日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オープンで持続可能なデジタル保存をテーマとした会議“OPFCON”の発表資料や各セッションの記録映像を、OPFのウェブサイト上で公開したことを発表しました。

同会議は、OPFの設立10周年を記念し、2020年6月9日及び10日にオンラインで開催されました。

OPFCON content now available online(OPF, 2020/7/7)
https://openpreservation.org/news/opfcon-content-now-available-online/

OPFCON(OPF)
https://openpreservation.org/resources/opfcon
※OPFCONの資料を掲載しているOPFのページです。

国立公文書館、「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」を公開

国立公文書館のウェブサイトにおいて、「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」(令和2年7月付け)が公開されています。

電子公文書等に関し、同館が「長期保存の技術・方法」「長期保存に求められるシステム環境・運用管理」という2つの視点で実施した調査検討の結果を報告するものです。報告書は以下の6章からなります。

1.調査の概要
2.電子公文書等の保存に係る問題及び課題の把握
3.電子公文書等に係る館の保存対策に対する対応
4.受入れ等に係る業務の実施に対する対応
5.電子公文書等システムの運用に対する対応
6.あるべき姿へ向けて

同館では、本調査検討の結果に基づき、次期電子公文書等システムの要件定義を実施する予定としています。

「電子公文書等の適切な保存に係る調査検討報告書」を掲載しました(国立公文書館)
http://www.archives.go.jp/news/20200703095731.html

デジタル保存におけるリスクの定量評価を支援するツールDiAGRAM(記事紹介)

英・グラスゴー大学におけるデジタル保存の取組を紹介するブログ“Digital Preservation @ University of Glasgow”の2020年6月29日付け記事で、ベイジアンネットワークに基づいた方法論を使用してデジタル保存におけるリスクを定量化し、1つ以上のリスク要因が変化した場合の結果を比較できるツールDiAGRAMが紹介されています。

同ツールは、英国国立公文書館が、国内の5つのアーカイブ及び英・ウォーリック大学の統計学者との協力を通じ開発を行っているものです。2020年7月6日時点では、バージョン0.9.6(プロトタイプ)とあり、ステータスは開発中となっています。

ユーザーは最初に、スタッフの技術スキル、システムのセキュリティ、チェックサムの利用、情報管理、保存するデジタルファイルの種類、ストレージ、物理的なリスク(洪水)に関する内容を含む9つの質問への回答を通じ、デジタル保存のリスクレベルを示すモデルを作成します。作成後のモデルに対し、さまざまなリスク要因を変化させる機能が設けられており、各リスク要因の変化がリスクレベルに及ぼす影響を比較することができます。

米国国立公文書館(NARA)、デジタル保存に関するフレームワークを公開

2020年6月30日、米国国立公文書館(NARA)は、デジタル保存のフレームワークを公開したことを発表しました。

同フレームワークは、NARAの現在の実践等を記録したものであり、電子記録ファイルにおけるリスクを特定する方法や、16種類の電子記録の保存上の特徴、500種類以上のファイルフォーマットの保存に関する計画を記述した一連の文書で構成されています。

草案が2019年9月に公開され、2019年11月までパブリックコメントが実施されていました。今後も改訂を行っていく予定とされ、フィードバックを募集しています。

National Archives Releases Digital Preservation Framework(NARA, 2020/6/30)
https://www.archives.gov/press/press-releases/2020/nr20-58

ルクセンブルク国立図書館(BnL)、デジタル資料の長期保存のための永続的識別子サービス“Persist.lu”の提供を開始

2020年7月1日、ルクセンブルク国立図書館(BnL)は、ルクセンブルクのデジタル資料の保存を行うための、URIフォーマットであるArchival Resource Key (ARK)に基づいた永続的識別子サービス“Persist.lu”の提供を開始したことを発表しました。

ARKの使用により、2020年にシステム内に保存されたデジタルコンテンツは、プラットフォーム等における変更や提供停止によらず、2040年まで検索可能です。また、同国内の各機関は、一定の条件を満たせば、同サービスに直接アクセスして独自のARK識別子を作成できます。最初の連携先および提供先としては、ルクセンブルク国立公文書館が挙げられています。

発表によると、資料の保存というBnLの法的使命や、ボーンデジタル資料およびデジタル化資料の長期保存戦略、同国内のデジタル資料の永続的かつ迅速なアクセスの保証等が背景にあります。また、ARKの作成と使用により、URLが持つ変化しやすいという性質を克服できるとしています。

韓国国立中央図書館(NLK)・韓国科学技術情報院(KISTI)、デジタル知識情報資源の共有と知能型情報サービスの開発に関し業務協約を締結

2020年6月30日、韓国国立中央図書館(NLK)と韓国科学技術情報院(KISTI)が、業務協約を締結したと発表しています。

主な締結内容として、デジタル知識情報資源の収集・共有、デジタル知識情報資源保存のための標準化に関する技術交流と開発協力、人工知能(AI)・ビックデータ分析といった技術基盤による知能型情報サービスの提供・開発のための研究協力、韓国の研究開発成果の活用・普及促進のためのデータ共有・サービスでの協力、学術イベント・展示会の共催や教育プログラムの運営といった文化情報・科学技術分野の発展のための協力、があげられています。

데이터 자원 공유와 지능형 정보서비스 개발 위해 손잡다(データ資源共有と知能型情報サービス開発のために手を組む)(NLK,2020/6/30)
https://www.nl.go.kr/NL/contents/N50603000000.do?schM=view&id=36868&schBcid=normal0302

欧州委員会(EC)、欧州連合(EU)における文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する2011年勧告の改訂に向けたパブリックコメントを実施中

2020年6月22日、欧州委員会(EC)は、2011年に承認された欧州連合(EU)における文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する勧告“Commission launches public consultation on digital access to European cultural heritage”について、全ての利害関係者を対象としたパブリックコメントを実施していることを発表しました。

ECはその目的として、文化遺産のデジタルトランスフォーメーションを支援するためのより適切な政策手段の提案を挙げています。また、パブリックコメント実施の背景として、技術の進展が保存・修復・研究等における文化遺産のデジタル化や市民等の様々な部門における広範なオンラインアクセス・再利用について新たな機会を開きつつあること、2019年のフランス・パリのノートルダム大聖堂の火災等で文化遺産のデジタル保存に関する重要性が認識されたこと、新型コロナウイルス感染症の流行によりソーシャルディスタンシング拡大のための措置が続く中でオンラインからアクセスできる文化遺産の必要性や適切なデジタルツールの利点が示されたこと、などを挙げています。

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