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英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Fact新バージョンのテスト版を公開

2020年3月3日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEO・Sherpa Factについて、それぞれ新バージョンのテスト版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。新バージョンの“v2. SHERPA RoMEO”は基礎データモデルの完全な更新が行われるとともにレイアウトの改善が行われています。原稿のバージョンごとに個別のセクションを設けるレイアウトに変更されたため、各ジャーナルのOAポリシーを原稿のバージョン別に理解しやすくなった、としています。また、ユーザーからのフィードバックを受けてウェブサイトの色使いの改善が行われた他、用語の変更、有料でOA化する条件についての情報の追加、出版社が著者に代わってPubMed Central(PMC)のようなリポジトリへ自動保存するかどうかに関する情報の追加なども行われています。

英・Jiscと米・ロックフェラー大学出版、2年間の“Read and Publish”契約を締結

2020年2月18日、米・ロックフェラー大学出版(Rockefeller University Press:RUP)は、英・Jiscと“Read and Publish”契約を締結したことを発表しました。

契約期間は2020年3月から2022年2月までの2年間で、RUPの発行するハイブリッドジャーナル“Journal of Cell Biology”、“Journal of Experimental Medicine”、“Journal of General Physiology”の3誌が対象となります。契約にオプトインした英国の高等教育研究機関は、公開直後から全てのコンテンツへ無制限にアクセス可能になります。また、契約参加機関に所属する著者は、自身の研究成果をRUPのジャーナルで無制限にCC BYライセンスで即時オープンアクセス(OA)化できると同時に、米国国立医学図書館(NLM)の運営するPubMed Central(PMC)へ直接登録することができます。

プレスリリースによると、米国に拠点を置く大学出版社とJiscとのOA出版モデルへの「転換契約(transitional agreement)」締結は、今回のRUPの事例が初めてとなります。

シンポジウム「オープンアクセス:これまでとこれから」の発表資料が大阪府立大学学術情報リポジトリOPERAで公開される

2020年2月17日、大阪府立大学学術情報リポジトリOPERAは、2019年12月17日に大阪府立大学学術情報センター図書館・大阪市立大学学術情報総合センターの共催により開催された公開シンポジウム「オープンアクセス:これまでとこれから」の発表資料を公開したことを発表しました。

当日のプログラムの内、以下の4つのプログラムの発表資料とシンポジウムの広報ポスターがOPERAで公開されています。

・大阪府立大学学術情報リポジトリOPERAの10年
 大阪府立大学学術情報課

・大阪市立大学学術機関リポジトリ OCURA
 大阪市立大学学術情報課

・研究成果のオープン化から始まる研究戦略
 引原隆士氏(京都大学図書館機構長・附属図書館長)

・機関リポジトリはどう使われているのか
 佐藤翔氏(同志社大学免許資格課程センター准教授)

大阪府立大学が2020年2月17付で公開した同シンポジウムの開催報告によると、シンポジウムへは54人が参加しました。また、同大学内限定でシンポジウム当日の動画が公開されています。

Center for Open Science(COS)提供サービスを利用するリポジトリが直面する苦境(記事紹介)

2020年1月13日付けのNature誌オンライン版記事で、非営利団体Center for Open Science(COS)が提供するサービスを利用している複数のプレプリントサーバ・リポジトリが、同団体が導入した利用料金が払えず、閉鎖や別サービスへの移転等を検討する事態になっていることが報じられています。

COSは主題リポジトリ、地域別リポジトリなど26のリポジトリをホスティングしていますが、各リポジトリの運用者に対し、2020年から投稿数に応じて利用料金を導入することを通知していました。この料金の負担が、特にボランティアベースで運営されている途上国等のリポジトリ等には重くのしかかっているとのことです。すでにインドネシアからのプレプリントを受け付けるINA-Rxivは資金調達に失敗し、終了日はまだ定まっていないものの、運営者はサービス停止を決定したとされています。INA-Rxivは16,500本以上のプレプリントや会議録掲載論文が公開されている、COSがホストするプレプリントサーバの中でも特によく使われているもののうちの一つでした。

全国遺跡報告総覧、類義語およびOCR誤認識用語検索機能を追加

2020年2月15日、奈良文化財研究所が、全国遺跡報告総覧に、類義語およびOCR誤認識用語検索機能を追加したと発表しています。

類義語検索機能は、専門用語の使い方は、専門家の認識や研究史に基づくものの、研究成果を社会に普及する観点からは検索性を確保する必要があることから、用語の類義関係を整理し、内部にシソーラスを構築することで、類義語も含めて検索できるようにしたものです。

OCR誤認識用語検索機能は、印刷物からスキャンした報告書データは、OCR処理によってテキストデータ化されているものの、似ている漢字については誤認識があることから、誤認識されやすい漢字をとりまとめ、専門用語と突合することによって、表記ゆれ専門用語約6万語を生成し、システムに組み込んだものです。

全国遺跡報告総覧:類義語およびOCR誤認識用語検索機能の公開(なぶんけんブログ, 2020/2/15)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2020/02/ruigigo.html

科学技術振興機構(JST)、2020年2月22日にJ-STAGEへの機能追加としてデータリポジトリ対応機能をリリース

2020年2月12日、科学技術振興機構(JST)は、JSTの構築する電子ジャーナル出版推進のためのプラットフォームJ-STAGEについて、機能追加としてデータリポジトリ対応機能をリリース予定であることを発表しました。

データリポジトリ対応機能のリリースは2020年2月22日に実施されます。この機能追加により、J-STAGEに登載されている論文等の画面に、研究成果論文の根拠となるデータなど記事に関連するデータ情報の表示が可能になります。その他、データリポジトリに対応した記事の絞り込み検索機能の追加や資料画面・書誌画面のアイコンの追加なども併せて行われます。

ニュース(J-STAGE)
https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/News/TAB1/Current/Page1/-char/ja
※2020年2月12日付けのニュースに「【利用発行機関の皆様へ】2020年2月22日にJ-STAGEデータリポジトリ対応機能をリリースします。」とあります。

研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”のサービスのさらなる専門化・記述要素の充実等を目的としたドイツ研究振興協会(DFG)の助成による36か月のプロジェクトが開始

2020年2月6日、研究データの共有と活用の向上にむけて活動を行っている国際コンソーシアム“DataCite”は、研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”に関する36か月のプロジェクト“re3data - Community Driven Open Reference for Research Data Repositories(re3data COREF)”が2020年1月に開始したことを発表しました。

“re3data.org”は独・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology:KIT)図書館がホスティングを提供するDataCiteのサービスです。2012年の立ち上げ以来、研究データリポジトリに関する信頼できる情報源として発展し、現在では2,450以上のリポジトリの情報を提供しています。

E2227 - SPARC Japanセミナー2019特別編<報告>

2019年11月12日,横浜市のパシフィコ横浜で開催された第21回図書館総合展における国立情報学研究所(NII)主催のフォーラム「SPARC Japanセミナー2019特別編 オープンアクセスの今とこれから:ステークホルダーの戦略とともに考える」に参加した。日本の学術情報流通に関わるステークホルダー(NII,オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR),大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE),科学技術振興機構(JST))が一堂に会してオープンアクセス(OA)の在り方,今後の見通しなどについてそれぞれの立場から見解を述べ合うセミナーであった。本稿では各ステークホルダーの取組にスポットを当てながら,セミナーの要点を報告したい。

フランスの学術機関コンソーシアムCouperin、フランス国内の研究者を対象とした出版・オープンアクセス(OA)の実践に関する調査結果を公開

2020年1月23日、フランスの学術機関コンソーシアムCouperinは、2019年の2月から4月にかけてフランス国内の研究者を対象に実施した、出版・オープンアクセス(OA)の実践に関する調査結果を公開したことを発表しました。

Couperinの同調査はオープンサイエンスに関する国家計画の一環として、過去に前例のない規模で実施され、フランスの科学コミュニティの約10%に相当する1万1,658件の回答を得ています。回答とその分析に基づいて、研究者と出版社との関係、学術雑誌へのOA出版、学術雑誌の利用状況と論文の可視性、機関リポジトリ(archives ouvertes)・プレプリントサーバーの利用状況、研究データへのアクセシビリティなどについて、次のような調査結果が示されています。

新型コロナウイルスにHIVウイルスと不自然に類似したタンパク質が含まれている、と主張するプレプリントがbioRxivに掲載されるも、2日で取り下げられる bioRxivは新型コロナウイルス関連プレプリントに関する注意喚起を表示

プレプリントサーバbioRxivに、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスについて、HIVウイルスと「不気味なほど」(Uncanny)類似したタンパク質が含まれている、と主張するプレプリントが2020年1月31日に掲載されたものの、研究者等から多くの批判を受け2日後の2月2日に取り下げられたことが話題になっています。

元となったプレプリントはインド・ニューデリーの研究者らが投稿したもので、新型コロナウイルス(2019-nCoV)にHIVウイルスと酷似した4つのアミノ酸残基が含まれていることを発見したとしています。抄録ではこの類似を「自然界で偶然、起こるとは考えにくい」と主張していました。しかしこの論文に対しては多くの研究者等から手法や結果の解釈について批判のコメントが寄せられ、週末中の2月2日に著者ら自身によって取り下げられました。このような事態を査読が行われていないプレプリントの問題点と指摘する声もある一方で、取り下げまでのスピードの迅速さを評価する意見もあります。

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