学術情報基盤

韓国科学技術情報研究院(KISTI)、科学技術情報プラットフォームScienceONにおいて、人工知能(AI)を用いた論文要約サービスを試験的に開始

2020年7月6日、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が、KISTIが運営する科学技術情報提供プラットフォームScienceONにおいて、人工知能(AI)を用いた論文要約サービスを試験的に開始すると発表しました。

これまで論文のタイトル・抄録・キーワード等から論文を調査することはできたものの、論文の論証で示された3要素(研究主題・研究方法・研究結果)からは調べることはできないため読んで整理する必要があったことから、研究者がより迅速・正確に論文を入手できるよう、PDF型式の国内の論文を対象に、自然言語処理技術BERT等を用いて、その内容を抽出・要約し提供するものです。

米・SPARC、学術出版界に関する包括的な現況分析と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップについて2020年更新版を公開

2020年6月22日、米・SPARCは、2019年中に公開済の学術出版界に関する包括的な現況分析“Landscape Analysis”と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップ“Roadmap for Action”について、2020年更新版を作成し公開したことを発表しました。

SPARCが公開した2020年更新版は、2019年中の出来事や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済的な影響を検証し、学術出版市場の状況・関連主要企業の状況に関する最新情報を提供しています。更新版の現況分析では、注目すべき傾向として以下の3点が挙げられています。

・主要出版社における研究評価分野への進出傾向の深化
・Get Full Text Research(GetFTR)のような主要出版社の共同プラットフォームによる研究成果物の流通
・コンテンツへのライセンス契約がデータ分析サービスの契約に直結する新たな「ビッグディール」契約の出現

更新版の行動のためのロードマップでは、データ分析関連製品・サービスの購入の指針となる原則の確立を特に重視して、コミュニティが検討すべき行動の提案が行われています。

E2271 - J-STAGE Data:オープンサイエンス時代の新たなサービス

近年,情報技術の急速な発展を受け,あらゆる人々が研究成果へ自由にアクセスでき,それらを利活用できる環境が現実のものとなっている。このような環境を利用して実現される新しいサイエンスのあり方は「オープンサイエンス」と呼ばれている。その名を冠した様々な取組が世界規模で行われているが,中でも研究データの公開・共有はここ数年関心が高まっているトピックの一つである。人工知能(AI)の台頭に代表されるように,データを利活用することで新たな価値を創出する取組は産・学を問わず期待されている。また,研究不正の防止という観点から,多くの大学や研究機関,研究資金助成機関等がデータ管理・公開に係る方針を掲げ研究の透明性の担保に努めている。さらに,ジャーナルにおいてもデータの公開や共有に関するポリシーの整備が行われ,研究者が研究成果論文を発表する際,その根拠となるデータの公開を求められる場面は多くなっている。こうした状況に対応すべく,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は,日本におけるオープンサイエンスの推進に資することを目的にJ-STAGE Dataを構築した。

米・EDUCAUSE、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションをテーマとした2件の報告書を公開

2020年6月15日、米国のNPO組織EDUCAUSEは、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:Dx)」テーマとした2件の報告書を公開したことを発表しました。

公開された報告書は、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションがどのように展開されているかについてデータ収集等を実施するEDUCAUSEの研究プロジェクトの成果として発表されました。同プロジェクトは、デジタルトランスフォーメーションによる環境の変化に関する理解を深め、その課題や機会を調査することを目的としています。

フィンランド・教育文化省、同国の研究関係情報を1か所で検索できるウェブサイト“Research.fi”を公開

2020年6月9日、フィンランド・教育文化省は、同国の研究に係る情報を1か所で検索できるウェブサイト“Research.fi”の公開を発表しました。

同国の研究体制、同国の組織や公私の研究助成金によるプロジェクトの出版物、人材に関する統計データ、研究のための資金源、出版物の書誌情報といったデータが含まれています。

大学・応用科学大学・研究機関・研究助成機関等が提供しているサービスの情報を集約する全国研究情報ハブをもとに構築されたもので、情報利用の容易化、研究者の事務負担の軽減、科学政策の意思決定支援を目的に作成されました。

将来的には、同国で研究を行っている研究者の情報や、その研究者によって作成された研究データや資料といった情報にも対象を拡大する予定です。

欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局の専門家グループOpen Science Policy Platform(OSPP)が最終報告書を公開

2020年6月2日、欧州委員会(EC)研究・イノベーション総局(Directorate-General for Research and Innovation)がTwitterアカウントの投稿で、専門家グループOpen Science Policy Platform(OSPP)の作成した最終報告書を紹介しています。

OSPPは研究・イノベーション総局が設置した、欧州のオープンサイエンス政策の開発・実施に関し助言を行う専門家グループです。公開された報告書は、2016年から2020年までの4年間の委任期間の状況を概略しつつ、オープンサイエンスに関する欧州委員会の8つの達成目標を示した“OSPP-Recommendations”の公表から2年間の各ステークホルダーにおける取り組みの進捗状況などが示されています。

報告書では、欧州の各ステークホルダーによる取り組みの進捗状況や主要な課題、新しい段階への展望等が具体的な事例とともに示されています。また、25の主要ステークホルダーにより、2030年までにオープンサイエンスを超えて共有された研究知識のシステムを創設するという構想が提案されています。

米・Educopia Institute、デジタル環境下における学術情報基盤の現況のレビューとして“A Bibliographic Scan of Digital Scholarly Communication Infrastructure”を公表

2020年5月18日、米国の博物館・図書館・文書館およびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、デジタル環境下における学術情報基盤の現況レビュー“A Bibliographic Scan of Digital Scholarly Communication Infrastructure”の公表を発表しました。

公表されたレビューは米・イリノイ大学図書館のルイス(David W. Lewis)氏によって作成されました。レビューは3つのセクションで構成され、デジタル環境下の学術情報流通システムに関わる様々な機能・分野(リポジトリ・研究データ等)別の学術文献紹介、各機能や分野の主要プロジェクト・組織等の一覧表、レビュー内で触れられた組織・プログラム・プロジェクト等の概要説明などを取り扱っています。

同レビューは、2018年から2020年までAndrew W. Mellon財団の支援により、米国のデジタル環境下における学術情報基盤の現状調査等を目的に実施中のプロジェクト“Mapping the Scholarly Communication Infrastructure”の成果の一部として制作されています。

SPARC Europe、欧州のオープンアクセス・オープンサイエンス・オープンスカラシップを支えるインフラの現況把握のためアンケート調査を実施中

2020年5月13日、SPARC Europeは、欧州のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンス・オープンスカラシップを支えるインフラの現況を把握するために、アンケート調査を実施していることを発表しました。

同調査は、欧州のOAやオープンサイエンスの基盤となりながら、財政的に不安定な状況にあるこれらのサービス・インフラストラクチャーについて、現在の主だった状況を把握する目的で実施されます。SPARC Europeと、人文・社会科学のオープンな学術コミュニケーションのための欧州の研究基盤OPERAS、非営利のOA・オープンサイエンスサービスの資金調達支援に関する国際的なフレームワークSCOSSといった欧州を中心とするOA・オープンサイエンスに関するコミュニティ、及び、持続性・拡張性を備えたオープンサイエンスのための科学・学術基盤の実現を目指して活動する国際的なイニシアチブInvest In Open Infrastructure(IOI)が共同して実施しています。

SPARC Europeは、調査によって得られた情報は、政府・助成機関・図書館・サービスプロバイダ等が、OA・オープンサイエンスにとって必須のインフラへ効果的な助成を実施する戦略検討の一助になる、としています。

【イベント】国立情報学研究所「学術情報基盤オープンフォーラム2020」(6/8-10・オンライン)、「オープンハウス2020」(6/12-13・オンライン)

2020年6月8日から10日まで、国立情報学研究所(NII)による「学術情報基盤オープンフォーラム2020」がオンライン開催により実施されます。

同フォーラムは、SINET5において実現する大学・研究機関における教育研究環境について、具体的なイメージを関係者と共有し、利用者とともに発展させることを目的として開催されます。「CAT2020」「次期JAIRO Cloud」などを扱うコンテンツトラック、「学認LMS」「グリーンOA」「研究データ管理・活用に関する基盤サービス」「学術機関における研究データ管理フレームワーク」などを扱うOS(オープンサイエンス)トラックなど、VPNから監査まで含む広義の意味を含むセキュリティ、アカデミッククラウドを包含したクラウド環境提供、学術コンテンツ流通基盤に関するテーマを取り扱った意見交換の場などが設けられています。

また、フォーラムに続き、6月12日から13日まで、同じくオンライン開催により「オープンハウス2020」が開催されます。基調講演やバーチャル上でのポスターセッション、ポスターセッションに出展している研究者からリアルタイムで解説を聞くことができるラウンジなどの企画が実施されます。

E2255 - 分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”

1665年のオルデンバーグ(Henry Oldenburg)による英語圏で最古の学術雑誌Philosophical Transactionsの出版から355年,学術出版の形態は大きく変わることなく現在も続いている。1994年,ハーナッド(Steven Harnad)は「転覆提案(The Subversive Proposal)」を公表し,学術出版に係るコストの適正化を目的に,ギンスパーグ(Paul Ginsparg)によるプレプリントサーバー(後のarXiv.org)を参考にした,インターネットを活用した既存の学術出版システムに依存しない新たな学術出版のあり方を提案した。ハーナッドの提案は,その後のオープンアクセス(OA)運動に大きな影響を与え,学術論文などの研究成果物を保存・公開する数多くのリポジトリを生み出したが,学術雑誌を中心とした学術出版の変革までには至らなかった。Pubfairは,この旧態依然の学術出版を取り巻くシステムを,機関とそのリポジトリによるリポジトリネットワークとそこにあるコンテンツを利用して構築される,分散型のオープンな出版フレームワークに置き換えることを目指している。Pubfairに関するホワイトペーパーの初版は2019年9月に,第2版は同年11月に公開された。

ページ