学術情報基盤

韓国科学技術情報研究院(KISTI)、科学技術情報プラットフォームScienceONにおいて、研究テーマの発展の全体的な流れを把握することができる「論文タイムラインサービス」の試験運用を開始

韓国科学技術情報研究院(KISTI)が、2020年9月21日から、KISTIが運営する科学技術情報提供プラットフォームScienceONにおいて、「論文タイムラインサービス」の試験運用を開始しています。

当該論文の引用・被引用情報を分析し、その論文を中心として、引用・被引用された論文を時系列順(タイムライン)に生成するもので、関心のある分野の研究テーマがどのように発展してきたか、その全体の流れを把握することが可能です。

これにより、研究者が既存の研究結果をもとに自身の研究を次の段階に発展させるとともに、隣接分野との融合研究を行うにあたって、論文の時系列情報を根拠に革新的な研究を発見し、また、研究の方向性を確立することに役立てることが期待されています。

ScienceON, ‘논문타임라인 서비스’ 개편(ScienceON、「論文タイムラインサービス」改編)(KISTI,2020/9/20)
https://www.kisti.re.kr/promote/post/news/5022?t=1600993924341

米・Educopia Institute、学術出版インフラ開発プロジェクト“Next Generation Library Publishing”の価値観・原則のフレームワークと評価チェックリストの草案を公開

2020年8月26日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、“Next Generation Library Publishing(LGLP)”について、プロジェクトの価値観・原則のフレームワークと評価チェックリストを表したツールとして、“Values and Principles Framework and Assessment Checklist”の草案を公開したことを発表しました。

NGLPはArcadia基金による助成の下、Educopia Instituteや米・カリフォルニア電子図書館(CDL)等が主導するプロジェクトです。図書館による出版活動の支援を目的に、学術出版インフラの強化・統合・拡張等を通して、著者・編集者・読者に提供される出版経路の改善を目指しています。“Values and Principles Framework and Assessment Checklist”は、出版ツール・サービス・プラットフォームと最終的なサービス提供者である学術コミュニティ・出版者との間の強固な連携関係を評価・促進する目的で作成されました。

新たな研究成果公開のプラットフォームOctopus(記事紹介)

2020年6月23日、Europe Science社が運営するニュースサイトResearch informationに、“Cambridge scientist 'breaks up the old-fashioned academic paper'”と題された記事が公開されていました。

記事では、新たな研究成果公開のプラットフォームであるOctopusについて紹介されています。同プラットフォームは、研究成果の出版のプロセスをProblems、Hypotheses、Methods/Protocols、Data/Results、Analyses、Interpretations、Applications、Reviewsの8個の要素に分解して、それぞれに応じた研究成果を公開することができます。Octopusは英・ケンブリッジ大学のAlex Freeman氏によって取り組まれており、英・Jisc等が助成するReproducibility Networkによって支援されています。

このようなモデルを採用したプラットフォームの利点として、下記が挙げられています。

米・カリフォルニア電子図書館、全国的なアーカイブ資料の検索支援ネットワーク基盤の構築に向けた2年間の研究・実証プロジェクトを開始

2020年7月28日、米・カリフォルニア電子図書館(CDL)は、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による98万2,175ドルの助成を活用して、全国的なアーカイブ資料の検索支援ネットワーク基盤の構築に向けた2年間の研究・実証プロジェクト“Building a National Finding Aid Network”を開始することを発表しました。

同プロジェクトには、各州・地域のアグリゲーター及び米国の図書館等のネットワークLYRASISとの緊密なパートナーシップの下で、CDLとOCLC・バージニア大学図書館が共同で取り組みます。インフラストラクチャーの老朽化や予算の減少等に伴い、情報検索環境下で米国内のアーカイブ資料の可視性が不十分な状況となっていることを背景に、コミュニティが主体的に関与して全ての関係者が利用可能なアーカイブ資料の検索支援ネットワークを構築し、包括的で持続可能なアクセスを提供することがプロジェクトの目的である、と説明されています。

国立情報学研究所(NII)、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用を開始

2020年8月4日、国立情報学研究所(NII)が、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用を8月3日10時から開始したことを発表しました。

各クライアントにおけるCAT2020の適用については、各ベンダーの対応が必要です。

2020年以降の目録所在情報システムの適用開始について(NII目録所在情報サービス, 2020/8/3)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/2020/08/2020202083_22.html

参考:
国立情報学研究所(NII)、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)の適用開始日を2020年8月3日へ延期
Posted 2020年5月1日
https://current.ndl.go.jp/node/40884

「知識コモンズ」の視点から見た日本のリポジトリにおける研究データのガバナンス状況(文献紹介)

2020年7月31日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”のオンライン速報版(ahead-of-print)の論文として、“How are research data governed at Japanese repositories? A knowledge commons perspective”がオープンアクセスにより公開されています。

同論文は筑波大学大学院図書館情報メディア研究科の博士後期課程に在籍する西川開氏によって執筆されました。日本のリポジトリにおける研究データのガバナンス状況を調査する目的で、知的・文化的共有資源とその管理を扱う「知識コモンズ」のアプローチによって理念型を設定し、設定された理念型とリポジトリの適合性を個々に評価した結果・考察等を示した内容です。

文部科学省、2019年度の「学術情報基盤実態調査」の結果を公表

2020年7月31日、文部科学省は、「令和元年度「学術情報基盤実態調査」」の結果を公表しました。同調査は大学の学術情報基盤(大学図書館、コンピュータ及びネットワーク等)の現況を把握し、今後の改善と充実のための基礎資料とすべく、2005年度から毎年実施されているものです。2019年度調査の対象の大学は、国立86、公立93、私立613の計792大学で回答率は100%でした。

調査結果のポイントとして、以下の点等が示されています。

〇大学図書館編
・図書館資料費は708億円で、2017年度に続き減少傾向となり、前年度より5億円(0.7%)減少。そのうち、電子ジャーナル経費は315億円で、前年度より17億円(5.9%)増加。
・機関リポジトリを持つ大学は、603大学(76.1%)となり、前年度より18大学(3.1%)増加。
・543大学(68.6%)がアクティブ・ラーニング・スペースを設置。

Elsevier社、同社のプラットフォームScienceDirectに機関外からの簡便なアクセス認証を提供するサービス“SeamlessAccess.org”を導入

2020年7月28日、Elsevier社は、同社の提供する学術文献のオンラインプラットフォームScienceDirectに、機関外からの簡便なアクセス認証に関するサービス“SeamlessAccess.org”を導入したことを発表しました。

ユーザーの所属機関がScienceDirectを購読している場合には、ScienceDirect上の“Access through your institution”ボタンをクリックすることで、所属機関の認証を経てアクセス環境を問わず購読中のScienceDirectのコンテンツへアクセスすることが可能となります。“SeamlessAccess.org”は、ユーザーの選択した機関情報を記憶し、米国情報標準化機構(NISO)の推奨基準に準拠しながら、プライバシーを保護しつつ別のサービス導入サイトへの安全な転送を行うため、一度機関認証を受けたユーザーは、サービスを導入したプラットフォームへ移動する際に認証を繰り返す必要はなく、「シームレスに」プラットフォーム間を移動できる、と案内しています。

内閣府、「統合イノベーション戦略2020」を公表

内閣府が2020年7月17日に閣議決定された「統合イノベーション戦略2020」を公表しています。

「統合イノベーション戦略2020」は、新型コロナウイルス感染症の拡大や大規模災害の発生、イノベーションをめぐる覇権争いの激化など、国内外の状況が著しく変化したこと、また、第201回国会において、人文・社会科学やイノベーションの概念を追加する改正科学技術基本法が成立したことを踏まえて、重点的に取り組むべき施策として策定されました。以下の4点が戦略の柱として盛り込まれています。

① 新型コロナウイルス感染症により直面する難局への対応と持続的かつ強靭な社会・経済構造の構築
② スタートアップ・エコシステム拠点都市の形成やスマートシティの実現と国際展開などの推進
③ 研究力を強化するための若手研究者の挑戦支援や、大学等の間での連携による世界に伍する規模のファンドの創設、人文・社会科学の更なる振興
④ AI、バイオ、量子技術、マテリアルといった基盤技術や、感染症や自然災害などに対する安全・安心に関する科学技術、環境エネルギーなど重要分野の取組の強化

FAIR原則に従ったサービスを実践するためのデータ及びインフラサービスプロバイダに対する提言(文献紹介)

2020年7月7日付で、Elsevier社傘下Cell Pressが刊行するデータサイエンス分野の査読付きオープンアクセス(OA)誌“Patterns”掲載記事として、FAIR原則に従ったサービスを実践するためのデータ及びインフラサービスプロバイダに対する提言“Recommendations for Services in a FAIR Data Ecosystem”が公開されています。

同記事で示された提言は、欧州のFAIR原則促進プロジェクト“FAIRsFAIR”、研究データ同盟(RDA)の欧州における活動拠点RDA Europe、OA学術コンテンツの国際的データベースOpenAIRE、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)実現のためのポータルサービスEOSC-hub、永続的識別子に関する基盤の発展を目指すプロジェクトとして欧州委員会の出資するFREYA projectが、2019年中に共同実施した3回のワークショップの成果に当たるものです。これらの団体は協調して、FAIR原則の実現に貢献すべきサービスにとっての共通課題と優先順位を明らかにすることへ取り組み、EOSCの構築を念頭に置きながら、データ基盤の発展とFAIR原則準拠のサービス提供のための協力に関する提言を作成しました。

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