学術情報基盤

英・Jisc、加盟機関を対象にShibboleth認証システムのヘルスチェック実施を発表

2020年4月20日、英・Jiscは、加盟機関を対象にShibboleth認証システムのヘルスチェックを無料で実施することを発表しました。

英国では新型コロナウイルス感染症の影響により、教育機関が遠隔学習へ大きく依存する状況が継続しています。様々なオンライン資料へのアクセスにおいてシングルサインオン(SSO)認証を提供するShibbolethのシステムは、高等教育機関が都市封鎖(lockdown)中も継続して教育機能を果たすにあたって重要な基盤となっています。

Jiscのヘルスチェックは、機関が利用者認証のために設置するShibboleth Identity Provider(IdP)が完全かつ安全に機能しているかを確認する目的で、専門のTrust and identity consultancy teamによって遠隔により行われます。ヘルスチェックの内容には、サポート期間内のバージョンのShibbolethを利用しているか、オペレーティングシステム(OS)が安全で正しくパッチが適用されているか、IdPが正しい属性情報を発信しているかなどが含まれています。

Jiscはメールで加盟機関からヘルスチェックの申し込みを受付しており先着順で実施する、としています。

韓国国会図書館(NAL)と韓国科学技術情報研究院(KISTI)、新しい情報サービス環境構築を目的としたビックデータ・人工知能(AI)活性化のための包括業務協約を締結

2020年4月14日、韓国国会図書館(NAL)と韓国科学技術情報研究院(KISTI)が、ビックデータ・人工知能(AI)活性化のための包括業務協約を締結したと発表しています。

今回の協約締結を通して、両機関のデジタル情報の相互共有と共同利用体制整備で協力し、AI活性化のために蓄積された情報インフラ及び情報化技術とビックデータを活用することで、研究開発の革新と支援のための新しい情報サービス環境を構築するとしています。

KISTIの発表によると、KISTIでは、機械学習データの構築、学習データの前処理、データ処理のためのキュレーション技術の開発、データの品質高度化推進、を担当するとし、国内外の論文約1億件・研究報告書約26万件・科学技術研究者136万人といった科学技術コンテンツを人工知能が活用できるデータキュレーションを構築します。また、科学技術情報と研究データを基盤としたAIの将来にニーズに対応できるよう各分野の研究機関と継続的に協力関係を構築する計画であるとしています。

あわせて、両機関では、新型コロナウイルス感染症により経済的に困難な状況に陥っている出版業界と書店での消費の振興を目的とした“Book Bucket Challenge”の実施も提案されています。

文部科学省、「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者」を発表:学術情報サービス基盤CiNiiの開発・京都大学のOA推進事業等が科学技術賞を受賞

2020年4月7日、文部科学省は、「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が決定したことを発表しました。

文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰しています。

社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象とする、科学技術賞の開発部門では、「学術情報サービス基盤CiNiiの開発」の業績による東京大学の大向一輝准教授(国立情報学研究所(NII)客員准教授)を含め、24件87人の受賞が発表されています。

科学技術の振興に寄与する活動を行った者を対象とする、科学技術賞の科学技術振興部門では、「オープンサイエンスの実現に向けたモデル基盤構築への貢献」の業績による京都大学の引原隆士教授ら同大学のオープンアクセス推進事業の関係者5人を含め、7件23人の受賞が発表されています。

ORCID, Inc.、2019年の年次報告書と2025年に向けた活動の重要目標・事業評価指標(KPI)等を示した“ORCID’s 2025 Vision”を公開

2020年3月19日、ORCID, Inc.が研究データ公開プラットフォームfigshare上に、2019年の年次報告書を公開しています。

195万7,249人の新規ユーザー登録があり2019年末時点でユーザー数が776万3,812人に達したこと、全体の40%以上にあたる321万9,135件のレコードが少なくとも1つ外部の識別子と関連性を持つようになったことなど、研究者によるORCIDの採用と活用の観点で画期となる1年であった、としながら2019年の事業概要が報告されています。

また、2020年3月20日には、2025年に向けた活動の重要目標・事業評価指標(KPI)等を示した“ORCID’s 2025 Vision”を同じくfigshare上に公開しています。

“ORCID’s 2025 Vision”はORCIDの中核戦略とその課題から、研究者向けサービスの改善・高品質データの提供・組織的なレジリエンスの向上・ORCID採用の拡大の4つの重要目標を設定し、それぞれ活動内容と評価指標を示しています。

国立情報学研究所(NII)、CAT2020に対応したマニュアルとして「目録情報の基準(第5版)」と「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」を公開

2020年3月26日、国立情報学研究所(NII)の目録所在情報サービスが、2020年以降の目録所在情報システム(CAT2020)に対応した「目録情報の基準(第5版)」と「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」を公開したことを発表しました。

CAT2020の適用が開始される2020年6月1日以降に、大学図書館等の総合目録データベース(NACSIS-CAT)におけるデータ作成・修正作業で使用するためのマニュアルである、としています。

「目録情報の基準(第5版)」 及び 「目録システムコーディングマニュアル(CAT2020対応版)」 を公開しました(NII目録所在情報サービス,2020/3/26)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/2020/03/5cat2020.html

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)は2020年3月13日付で、ICOLCに参加する世界中の図書館コンソーシアムとこれらのコンソーシアムを構成する各図書館を代表して、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表しました。

ICOLCは声明を発表した目的として、出版社等に対して世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が世界の情報コミュニティにどのような影響を与えているかの理解を促すこと、図書館と情報サービス提供者の双方にとって有益と思われるICOLCのアプローチを提案すること、の2点を挙げています。

ICOLCは声明の中で出版社等へ次の4点を至急検討するように要請しています。

仏・オープンサイエンス委員会、SCOSSで資金調達を実施中の3種類のオープンサイエンス基盤サービスへ総額45万ユーロの支援を実施

2020年3月10日、仏・高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)のオープンサイエンス国家計画の一環として設置されているオープンサイエンス委員会(Le comité pour la science ouverte)は、SCOSSを通して資金調達を実施中の3種類のオープンサイエンス基盤サービスへ総額45万ユーロの支援を実施することを発表しました。

SCOSSはMESRIやSPARC Europe等も参加する、非営利のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンスサービスの資金調達支援のための国際的な連合体です。オープンサイエンス委員会は、現在SCOSSの援助対象となっている、オープン書誌データ・引用データの普及を目指すインフラサービスOpenCitations、オープンソースの出版システムを開発・提供する複数大学のイニシアチブPublic Knowledge Project(PKP)、OAの査読済単行書のダイレクトリDOABへ支援することを表明しています。支援額の内訳は、OpenCitationsが25万ユーロ、PKPが7万5,000ユーロ、DOABが12万5,000ユーロです。

欧州研究図書館協会(LIBER)、シングルサインオン(SSO)認証実施のための10の推奨原則の草案を公開:パブリックコメントを募集中

2020年3月2日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、LIBERの下に設置された「図書館の連携認証管理(Federated Identity Management For Libraries:FIM4L)」ワーキンググループがシングルサインオン(SSO)認証実施のための10の推奨原則の草案を公開し、パブリックコメントを募集していることを発表しました。

施設外から図書館のオンラインリソースへアクセスする際に用いられるSSOによる連携認証は、正しく設定されていない場合には、利用者のプライバシーを保護するという図書館の責任に相容れないものとなります。LIBERのFIM4Lワーキンググループは同草案を利用者のプライバシーを保護しながら、図書館と出版社がSSOによる連携認証の設定・管理をより容易に実施できるようにすることを目的に作成しました。

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