学術情報基盤

国立情報学研究所(NII)、「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を改定

2020年2月12日、国立情報学研究所(NII)は、「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を改定し2019年度版として公開したことを発表しました。

「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」は、情報セキュリティへの取り組みが重要な課題となり、各大学において情報セキュリティポリシー策定が必須となっている一方、教育・研究活動への配慮、高等教育機関ならではの法律・制度や組織運営、情報・通信・セキュリティ技術等に関する専門知識が求められ、各大学への負担が大きいという問題があるため、ポリシー等策定支援のためNIIが2006年度から公開しているものです。今回の改定は3度目の大規模改定として実施され、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による「政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群(平成30年度版)」に対応し、統一基準への準拠性を高めるための構成見直しやクラウドサービス上で要機密情報を扱う場合についての解説の追加などが行われています。

研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”のサービスのさらなる専門化・記述要素の充実等を目的としたドイツ研究振興協会(DFG)の助成による36か月のプロジェクトが開始

2020年2月6日、研究データの共有と活用の向上にむけて活動を行っている国際コンソーシアム“DataCite”は、研究データリポジトリのレジストリ“re3data.org”に関する36か月のプロジェクト“re3data - Community Driven Open Reference for Research Data Repositories(re3data COREF)”が2020年1月に開始したことを発表しました。

“re3data.org”は独・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology:KIT)図書館がホスティングを提供するDataCiteのサービスです。2012年の立ち上げ以来、研究データリポジトリに関する信頼できる情報源として発展し、現在では2,450以上のリポジトリの情報を提供しています。

学術研究懇談会(RU11)、「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」を発表

学術研究懇談会(RU11)のウェブサイトで、産業界に対して取りまとめした2019年8月付のRU11による要望書「産学連携活動における情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料に関する要望」が公開されています。

同要望書は、近年増大している情報セキュリティ・図書資料関連経費が大学予算を圧迫していること、これまであまり考慮されてこなかった大学教員の提供する「知」の対価(研究指導料)という新たな要因・要素への対応について関係者の理解を求める、という趣旨の下で取りまとめ・作成されました。「図書館資料関連経費」については、電子ジャーナル経費の高騰等に伴い、大学の運営費・研究費を圧迫している実情が指摘されています。

同要望書では、産官学連携活動の関係者に対する要望事項として、次の2点に言及しています。
・「情報セキュリティ・図書資料関連経費」、及び「知」の対価としての「研究指導料」について、該当事項を立てて所要額を負担すること
・情報セキュリティ・図書資料関連経費、研究指導料等以外の企業側から提供される経費(直接経費、間接経費)について、さらに柔軟に措置されるような工夫を企業側と意見交換・検討するために協力すること

“ORCID DE”プロジェクト、2020年から2022年までを期間とする新たなプロジェクトフェーズを開始

2020年1月30日、ドイツ国内におけるORCIDの導入促進を図る“ORCID DE”プロジェクトは、ドイツ研究振興協会(DFG)の助成により2016年に開始したプロジェクトフェーズが終了し、新たに2020年から2022年までを期間とするプロジェクトフェーズを開始したことを発表しました。

ドイツでは、2016年から2019年まで実施された同プロジェクトを通して、ORCID iDの登録数が2016年4月の約4万4,000から2020年1月には約16万8,000へ増加しています。また、プロジェクトの一環として設立されたドイツのORCIDコンソーシアムには、2020年1月時点で56機関が加盟しています。

独・ネットワーク情報イニシアチブ(DINI)の主導により2020年に開始する第二フェーズでは、ORCIDをインフラとして統合済の研究機関ネットワークの拡大と安定化が進められる予定です。また、30か月のプロジェクト期間中、出版社・研究助成機関などORCIDへ関心を持つ組織や利用している組織への支援拡大、及び機関用のORCIDとリンクした識別システムの開発に特に重点を置く、としています。

国立情報学研究所(NII)、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)と国際交流協定を締結:「GakuNin RDM」の基礎技術としてCOSの研究プロジェクト管理システムを採用

2020年1月28日、国立情報学研究所(NII)は、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)との事業協力に関する国際交流協定(Memorandum of Understanding:MOU)を2019年10月29日に締結したことを発表しました。

この協定により、両機関は研究データ管理の基盤技術の研究・開発において、連携・協力を図り、オープンサイエンスのより一層の推進に貢献することを目指す、としています。NIIのオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)が2021年3月の運用開始を目指して研究・開発を進める、実施中研究プロジェクトに関する研究データの管理基盤「GakuNin RDM」の基礎技術として、COSの研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework(OSF)”の採用が決定しており、NIIは締結された国際交流協定によるCOSとの協力体制の下、大学・研究機関のニーズに応じた研究開発に取り組んでいくことを発表しています。

OCLC、リモートアクセス用ソフトウェア“EZProxy”を利用する図書館向けにデータの分析サービスとして“EZproxy Analytics”の提供を開始

2020年1月14日、OCLCは、リモートアクセス用ソフトウェア“EZProxy”を利用する図書館向けにデータの分析サービスとして“EZproxy Analytics”の提供を開始したことを発表しました。

EZproxy Analyticsは、利用状況等のデータの保存・抽出・強化・レポート作成・視覚化等の分析プロセス全体を自動的に管理し、シンプルなダッシュボード形式に変換するサービスで、フランスのコンソーシアムCouperinとの提携により開発されました。サービスを活用することで、図書館はデータをより実用的な洞察に変換すること等が可能になり、電子資料の投資利益率を容易に把握可能になる、としています。また、アクセス拒否状況の検知により非購読資料の利用状況把握や、認証情報の侵害状況に関するレポート提供によりセキュリティ侵害への対応にも役に立つ、としています。

EZproxy AnalyticsはEZproxyの追加オプションとして提供され、米国・欧州・中東・アフリカのEZproxy導入館ではすでに利用可能になっています。オーストラリア・ニュージーランド・アジア太平洋地区の図書館では2020年後半に利用可能になる予定です。

国立情報学研究所(NII)、広域データ収集・解析プログラム開発を支援するオープンソースのソフトウェア「SINETStream」を公開

2019年12月25日、国立情報学研究所(NII)は、同研究所が運用する学術情報ネットワーク「SINET5」を介して広域に分散するデータを収集・解析する研究を支援する目的で、オープンソースのソフトウェア「SINETStream」を開発し公開したことを発表しました。

「SINETStream」は、環境測定、生体観測、IoTなど、広域に分散したデータの収集や解析を行う研究者にとって、収集・解析プログラムの作成には、ネットワークに関する高度な知識やプログラミングスキルが必要とされ、容易ではないことを背景に開発されました。センサー等から収集されるデータをクラウドや大学などに設置されたサーバへ書き込む、サーバに収集されたデータを解析プログラムに読み込むといった機能があり、APIを利用することでデータの収集・解析を行うためのプログラムを容易に開発することも可能です。また、通信やデータの暗号化、センサー等のデバイスの認証を行う機能も含んでいるため、機微情報を含む場合でも安全にデータ収集を行うことができる、としています。

SCOSS、非営利のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンスサービス支援のため第二の資金調達サイクルを開始:DOAB・OAPEN、PKP、OpenCitationsが援助対象

2019年12月4日、非営利のオープンアクセス(OA)・オープンサイエンスサービスの資金調達支援のための連合“Global Sustainability Coalition for Open Science Services(SCOSS)”は、第二の資金調達サイクルを開始したことを発表しました。

SCOSSはOA・オープンサイエンスにとって重要な非営利のインフラやサービスに対して、ステークホルダー機関が直接かつ即時の投資を可能にするフレームワークの提供を目的として2017年に設立されました。米国大学協会(AAU)・北米研究図書館協会(ARL)・カナダ研究図書館協会(CARL)・オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)・EIFL・欧州研究図書館協会(LIBER)・フランス高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)・Redalyc・SPARC Europeで構成される国際的な連合として組織されています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”に関するホワイトペーパーの第2版を公開

2019年11月27日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”に関するホワイトペーパーの第2版の公開を発表しました。

今回公開されたホワイトペーパーは2019年9月3日に公開された初版について、コミュニティメンバーから寄せられた25件以上のコメントを反映して改訂された第2版となっています。COARは主な改訂点として、Pubfairを多様な評価・配布サービスと接続する分散されたコンテンツ層として表現することで、プラットフォームではなくフレームワークであることを明確に表現し直したことを挙げています。

COARは、次世代リポジトリ専門家グループ等とともに、分散されたリポジトリネットワーク上での付加的なサービスの開発を目指して、Pubfairやその他のモデルの概略の提示・実装等に引き続き取り組んでいく、としています。

ページ