米国

E2284 - 各国の図書館における新型コロナウイルス感染症への対応例

2020年5月5日,国際図書館連盟(IFLA)は,事務局と図書館協会運営分科会が共同で,世界中で新型コロナウイルス感染症への規制が緩和される中で再開館する図書館を支援することを目的に,各国の図書館協会等による図書館を安全に再開館するための計画の事例収集を行っていると発表した。収集された情報はIFLAのウェブサイト内の“COVID-19 and the Global Library Field”ページにて随時更新されている。

E2285 - 米国における大学図書館の図書館長等の意識調査2019年版

2020年4月,米国のIthaka S+Rは,大学図書館の図書館長等を対象とした意識調査の結果をまとめた報告書“Ithaka S+R US Library Survey 2019”を公開した。Ithaka S+Rは,米国にある非営利の4年制大学の図書館長等を対象として,大学図書館の戦略に関する調査を3年ごとに実施しており,今回の調査は,2010年(E1175参照),2013年(E1560参照),2016年に次ぐ4回目である。大学教員を対象とした“US Faculty Survey”も2000年から3年ごとに行われており,今回の報告書では,2018年の調査結果が比較に使用されている。

米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校音楽図書館による楽譜のオンライン出版(記事紹介)

2020年7月23日、米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が、UCLA音楽図書館(UCLA Music Library)による、楽譜をオープンアクセス(OA)で出版する取組について、記事を掲載しました。

同取組は、UCLAの研究とコレクションを世界中からアクセス可能にすること、教育、学習、研究活動を支援すること等を目的としたプロジェクト“OpenUCLA”の一環として行われています。記事によると、米・ロサンゼルスを拠点とする音楽団体Kaleidoscope Chamber Orchestraとの共同プロジェクトであり、これまでに86か国の作曲家から7,800作品以上の楽曲が投稿されました。投稿された楽譜の一部は、同大学のOAリポジトリである“eScholarship”上で公開され、楽譜の著作権は作曲者が保持しています。

これまでは、投稿に30ドルの支払いが必要でしたが、2020年はUCLA音楽図書館がUCLA図書館の一時的な助成を受け、費用なしでの投稿が可能となっています。記事の中では、科学分野のジャーナルではなく、音楽作品に焦点を当て、著作権保護期間内の最近の曲を出版するという点が、このOA出版プロジェクトの特徴であると述べられています。

米・イリノイ州立大学ミルナー図書館らによる共同プロジェクトがサーカスのルートブックをデジタル化

2020年7月21日、米国のイリノイ州立大学は、現存が確認されているサーカスのルートブック(circus route books)400冊のうち、300冊以上のデジタル化が完了したことを発表しました。

ルートブックは、ショーのシーズンの終わりに発行され、サーカスのスタッフ、イベント、訪問地に関する情報や、移動距離や毎日の食事等の統計を掲載しています。また、天候の記録を含むものもあります。同デジタル化は、米・図書館情報資源振興財団(CLIR)の「隠れた特別コレクションのデジタル化助成プログラム」による26万8,000ドルの助成を受けて、同館、サーカスの博物館であるCircus World、The John and Mable Ringling美術館の共同プロジェクトとして行われたものであり、1842年から1969年に出版されたルートブックを対象としています。

発表の中では、メタデータ作成の過程でサーカスのパフォーマーについて米国議会図書館(LC)の名称典拠を作成したこと、現在はメタデータの改善とパフォーマーの探しやすさの向上に焦点を当てていること等が述べられています。

北米の研究図書館センター(CRL)のSlavic and East European Materials Project、20世紀前半の米国でウクライナ系カトリック教徒が発行した新聞“Ameryka”をデジタル化し公開

2020年7月22日、北米の研究図書館センター(CRL)は、Slavic and East European Materials Project(SEEMP)がウクライナ系カトリック教徒の発行した新聞“Ameryka”のデジタル化を実施したことを発表しました。

SEEMPは、スラブ・東欧地域の研究に関連する資料のマイクロフィルム化・デジタル化による収集・保存・維持を通して会員向けに提供するCRLのプロジェクトです。今回SEEMPがデジタル化した“Ameryka”は、ウクライナから米国に渡った移民を支援するために共済保険協会として設立された、「米国におけるウクライナ系カトリック教徒のプロビデンス協会(Providence Association of Ukrainian Catholics in America)」が1912年に創刊した新聞です。1918年から週3回刊、後には日刊となり、1950年代から1970年代には約1万2,000人に購読され読者数がピークに達しましたが、1998年に終刊しました。

OCLC Research、アーカイブ資料・特殊資料コレクションのLinked Data評価グループにおける議論で得られた知見の要約レポートを公開

2020年7月21日付で、OCLC Researchが、アーカイブ資料・特殊資料コレクションのLinked Data評価等のためのワーキンググループ“Archives and Special Collections Linked Data Review Group”で得られた知見を共有するレポートを公開しています。

OCLCは、Linked Dataと特殊コレクションに関する事業を拡張し、コミュニティ特有のニーズに対応するため、研究図書館支援のための国際的ネットワーク“OCLC Research Library Partnership”の加盟館に所属する16人の専門家が構成するワーキンググループとして、“Archives and Special Collections Linked Data Review Group”を立ち上げています。同ワーキンググループは、OCLCのスタッフの支援を受けながらLinked Data環境への移行における主な懸念事項の調査を実施しました。公開されたレポートはワーキンググループ内の議論で得られた知見の要約として作成され、次のようなトピックが取り扱われています。

米・カリフォルニア州立図書館、同州政府機関・政府当局の提供する全ての助成金情報を検索可能なオンラインツール“California Grants Portal”の運用を開始

2020年7月15日、米国のカリフォルニア州立図書館は、カリフォルニア州政府機関・政府当局の提供する全ての助成金情報を検索可能なオンラインツール“California Grants Portal”の運用を開始したことを発表しました。

同館が新たに運用を開始した“California Grants Portal”では、カリフォルニア州の政府機関や省庁が提供する助成・融資の情報について、競争的なもの、先着順のものを問わず、全てオンライン上で一元的に検索・発見可能となっています。ツールは幅広い助成金関係者らの意見に基づいて、同館の専門チームが14か月間をかけて設計しました。ポータルサイトのデータは24時間ごとに更新され、キーワード検索やカテゴリー選択、助成対象となる申請者別の絞り込み等に対応しているほか、APIやcsvファイルを介してポータルサイトのデータへアクセスすることもできます。運用開始時点で100件以上・合計170億ドル以上の助成金情報が提供されています。

新型コロナウイルス感染症感染拡大下のアフリカ系アメリカ人に関するコンテンツのガイド(記事紹介)

2020年7月17日、米国・ハーバード大学の学生新聞である“Harvard Crimson”に、同大学図書館が、新型コロナウイルス感染症感染拡大のアフリカ系アメリカ人への影響に関するオープンアクセスのコンテンツを収集し、新たな調べ方ガイドのページを公開したという記事が掲載されました。

記事によると、同大学教育大学院や同大学内の多様性に関する組織“President's Office for Diversity, Inclusion, and Belonging”、人種差別解消に取り組む“Charles Hamilton Houston Institute for Race and Justice”と協力し作成されたものであり、公開以降のアクセス数は8,000以上です。同ガイドは、19のトピックについての記事やポッドキャストをはじめとしたコンテンツを集めたものです。トピックには、「労働と経済(Labor & Economy)」、「メディア、テレビ、劇場、映画(Media, Television, Theater, & Film)」等があります。

米・ブラウン大学デジタル出版イニシアティブ、同大学初のボーンデジタルの学術単行書を米・ヴァージニア大学出版局から出版

2020年7月21日、米・ブラウン大学は、同大学デジタル出版イニシアティブ(Digital Publications Initiative)作成のボーンデジタルの学術単行書“Furnace and Fugue”が、米・ヴァージニア大学出版局から出版されたことを発表しました。

発表によると、同大学にとって初のボーンデジタルの学術単行書であり、テキストと画像、楽譜、音声が含まれています。同出版局は、同書をオープンアクセスで公開する予定としています。

また、同大学では、デジタルでの単行書の出版について、新たな学術的形式の構築および検証が行われています。同イニシアティブは、2021年にボーンデジタルの単行書1冊を米・スタンフォード大学出版局から出版予定であり、アンドリュー・W・メロン財団の助成を受けて、今後6年間で4つから5つの新たなプロジェクトの追加を計画しています。

米・ネバダ大学リノ校図書館、1870年から1988年までに作成されたネバダ州の土地測量図約3,000点をデジタルアーカイブコレクションに追加

2020年7月13日、米国のネバダ大学リノ校は、1870年から1988年までに作成されたネバダ州の土地測量図(plat map)約3,000点を同校図書館がデジタルアーカイブコレクションに追加したことを発表しました。

同館の追加した土地測量図は大半が1930年以前に作成されたものであり、同州の土地区画整理のための土地測量士による手書き・着色の跡が保存されています。同校のお知らせでは、ネバダ州の歴史とともに地図製作の技術の記録された貴重な資料群であることが紹介されています。同校の図書館は資料群のデジタルアーカイブへの追加にあたって、各土地測量図のメタデータの充実を図り、ユーザーは測量区画や測量士等による検索フィルターの利用が可能となっています。

これらの土地測量図は、同館デジタルアーカイブ内のネバダ州公有地管理局の地図類を収録したコレクション“State Land Office Maps”で利用できます。

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