米国

米・テキサス大学サンアントニオ校図書館、同校所蔵のメキシコ料理図書のコレクションから抜粋したレシピ集を作成しオンライン公開:第1弾は「デザート」がテーマ

2020年7月13日、米国のテキサス大学サンアントニオ校(UTSA)は、同校の図書館がメキシコ料理図書のコレクションから抜粋したレシピ集“Recetas: Cocinando en los Tiempos del Coronavirus (Recipes: Cooking in the Time of the Coronavirus)”を作成し、オンライン公開中であることを発表しました。

レシピ集は、同校図書館の特別資料担当のスタッフらが所蔵コレクションから選定して作成しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、自宅に留まることを余儀なくされた「シェフ」たちのために、電子出版物という新しく楽しめる方法でレシピを提供することが目的であると説明しています。

公開されたレシピ集の第1弾では「デザート」が特集され、チュロス・ライスプディング・栗を使ったフラン・ブニュエロス(Buñuelos)などのレシピが掲載されています。メキシコ料理の「メインディッシュ」や「前菜とドリンク」を特集した第2弾以降の公開も予定されています。レシピ集は英語・スペイン語併記の形で構成され、PDF及びEPUB形式で提供されています。同館のウェブサイトからダウンロードすることが可能です。

米・エモリー大学の研究チーム、ジョージア州の大西洋岸約100マイルの生態系・歴史等を参照可能なオンラインリソース“Georgia Coast Atlas”を公開

2020年7月9日、米国のエモリー大学は、ジョージア州大西洋岸の100マイルに及ぶ海岸と防波島における活発な生態系・歴史等を参照可能なオンラインリソースとして、“Georgia Coast Atlas”が利用可能であることを発表しました。

“Georgia Coast Atlas”は同大学の環境科学部とデジタルスカラシップセンターの共同プロジェクトによって構築されました。同大学の学生・教員が作成した同地域のドローンによる空撮映像や、収集された歴史的エピソード、注釈付きの地図などで構成され、現在も継続して収録コンテンツの拡大が進められています。

同大学は、研究・フィールドワーク・情報技術を融合し、自然科学と人文科学の協働による、研究者・一般市民向けの前例のないリソースを構築した、としています。

米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、公共図書館の概況調査の2017年度版のレポートを公開

2020年7月16日、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)が、公共図書館の概況調査の2017年会計年度版のレポートを公開しました。

1988年から開始された同調査は、全米の1万7,000を超す図書館、分館、自動車図書館で構成される約9,000の図書館機構(public library system)における図書館利用、経営状態、職員数、資料に関する統計を分析したものです。

今回の報告書の結果が以下のように紹介されています。

・公共図書館がサービスを提供している地域に住む3億1,200万人の55パーセントにあたる1億7,200万人を超す登録利用者が、2017年に13億2,000万回公共図書館を訪れた(平均年4回訪問)

・公共図書館では2017年に、2016年より20万件多い560万件のプログラムを提供し、2016年より500万人多い1億1,800万人以上が参加した。子どもおよびヤングアダルト向けのプログラムが大部分を占めている。

・オーディオ、ビデオ、電子書籍といった公共図書館で利用できる電子資料の数が2017年も引き続き増加しており、4億6,350万回以上貸し出されている。

障害のある学生12人へのインタビューに基づく米国の大学図書館ウェブサイトのアクセシビリティに関する課題と推奨事項(文献紹介)

2020年7月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.5に、米・イリノイ大学シカゴ校のヘルスサイエンス図書館でリエゾン・ライブラリアンを務めるブランスキル(Amelia Brunskill)氏による論文““Without That Detail, I’m Not Coming”: The Perspectives of Students with Disabilities on Accessibility Information Provided on Academic Library Websites”が掲載されています。

同氏は、米国の多くの大学図書館のウェブサイトには、障害のある利用者向けに情報提供するページがありますが、これらのページに対する利用者のニーズや使い勝手、期待等を調査した研究がほとんど存在しないことを背景に、同校に在籍する障害をもつ学生12人に対してインタビュー調査を実施しました。インタビューでは学生に対して、大学図書館の障害者向けウェブサイトにおける、導線や使用される文言、ウェブサイトのデザイン全体、ページの構成、提供されるコンテンツ等の印象についての質問が行われています。

米・アイオワ大学、“Black Lives Matter”に関する大学構内のスプレーペイントの写真を保存

2020年7月9日、米国のアイオワ大学が、“Black Lives Matter”に関する大学構内のスプレーペイントを写真に撮り、保存を行うことについて記事を掲載しました。

同大学では、建築年数や建材への特別な処置の必要性を踏まえて、建物におけるスプレーペイントの除去作業が進められています。記事の中では、スプレーペイントが持つメッセージを残し、偏見やバリアを取り除くためのガイドとすることを今回の取組の目的として挙げられています。写真は、同大学図書館が運営するアーカイブに保存される予定としています。

Libraries preserving images of spray-painting from Black Lives Matter protests(University of Iowa, 2020/7/9)
https://now.uiowa.edu/2020/07/libraries-preserving-images-graffiti-black-lives-matter-protests

American Archive of Public Broadcasting、1968年から1977年までに放送されたテレビ番組“Black Journal”の59エピソードをオンライン公開

米国議会図書館(LC)とボストンの公共放送局であるWGBHが共同で運営する、米国の公共放送の歴史的コレクションを提供するデータベース“American Archive of Public Broadcasting(AAPB)”は、2020年7月8日付けのブログ記事において、1968年から1977年までに放送されたテレビ番組“Black Journal”の59エピソードをオンライン公開したことを発表しました。

“Black Journal”は、アフリカ系米国人が自らのために自ら製作した初めての全国放送のテレビ番組であり、主に米国黒人社会の公共問題を取り扱っています。放送当初は、米国の公共放送サービス(PBS)の前身に当たる“National Educational Television(NET)”が製作し、後にニューヨークの系列局WNETへ製作が引き継がれました。

米・コネチカット大学の図書館と工学部による手書き文字の認識技術開発(記事紹介)

2020年7月9日付で、米国のコネチカット大学が、同大学図書館と同大学工学部による、機械学習を用いた手書き文字の認識技術開発の取組に関する記事を公開しています。

同館が運営するデジタルアーカイブ“Connecticut Digital Archive”では、歴史的資料がオンラインで提供されています。しかし、手稿は光学文字認識(OCR)処理を行えないため、デジタル化後も検索ができない状況であり、米国の図書館等のネットワークLYRASISからの助成を受けて、同館は解決に取り組んでいます。

同館はマサチューセッツ歴史協会や同大学工学部等と協力し、22種類の文字の1万6,000枚以上の画像を2019年の夏に作り、そのパターンを識別するための、ニューラルネットワークを構築するアルゴリズムを作成しました。結果として、22文字すべてを対象とした際には86パーセント、4文字を対象とした際には96パーセント以上の正確さで、文字を認識できたとしています。

取組の目標としては、データセットの拡充、ニューラルネットワークの調整、改良版の一般公開が挙げられています。

電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開:英米の大学図書館員を中心とした2年以上の策定作業の成果

2020年7月7日付で、電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開されました。

OCFLは、英米の大学図書館員を中心とした編集チームと電子情報の保存や技術に関するコミュニティの2年以上の策定作業の成果として公開されました。構造的で透明性が高く予見可能な方法による、特定のアプリケーションに依存しない電子情報の保存手法を示しています。設計の意図として、デジタルリポジトリ内でオブジェクトを長期にわたって管理するためのベストプラクティスの採用を促進すること、手法を標準化することによってアプリケーション間におけるコンテンツのマイグレーションや転送を容易にすることが挙げられています。

設計上の目標、及び活用することによる利点は以下の6点である、と説明しています。

米国情報標準化機構(NISO)、論文投稿システム間等での原稿転送に関する推奨指針を公表

2020年7月6日、米国情報標準化機構(NISO)が、推奨指針“NISO RP-30-2020, Manuscript Exchange Common Approach (MECA) Recommended Practice”を公表しました。

リジェクトされた原稿の再投稿・再査読に費やされる時間を短縮化することを目的とした、論文投稿システム内、および、論文投稿システム間での原稿転送に関するオープンプロトコル策定のため、共通語彙に加え、転送されるコンテンツの送信・識別・パッケージ化についての推奨事項を定めたものです。

推奨事項では、投稿システム間、プレプリントと論文投稿システム間、オーサリングシステムと論文投稿システム間、論文のアクセプト後の処理システムと論文投稿システム間の原稿や査読の転送が対象とされています。

OCLC、大学図書館および研究図書館におけるオープンアクセス活動に関する報告書を公開

2020年7月7日、OCLCは、大学図書館および研究図書館のオープンコンテンツ活動に関する報告書“Open Content Activities in Libraries: Same Direction, Different Trajectories— Findings from the 2018 OCLC Global Council Survey”を公開したことを発表しました。

同報告書は、2018年11月12日から2019年1月31日にかけて実施された、OCLCのグローバル評議会のオンライン調査の結果を分析したものです。同調査は、世界のあらゆる種類の図書館におけるオープンアクセス(OA)やオープンコンテンツの状況を明らかにすることを目的に行われ、82か国から705件の回答がありました。

報告書では、調査結果のうち、大学図書館および研究図書館のオープンコンテンツに関する活動についてまとめられています。69か国からの511件の回答のうち97パーセントがオープンコンテンツの活動に関与し、大多数の館が新しい活動の用意や計画を進めているということが記載されています。主な活動としては、OAコンテンツの機関リポジトリの管理、コンテンツのデジタル化およびオープン化、電子図書館の管理が挙げられています。

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