英国

英・CIBER Research社と米・Cabells社、研究者・研究支援者によるジャーナルの品質と信頼性の評価に関する共同調査の報告書を公開

学術出版におけるジャーナルの評価・分析ツール等を提供する米国のCabells社が、2020年9月2日付のブログ記事上で、英国を拠点に出版に関する調査研究等を行うCIBER Research社との共同調査の報告書が公開されたことを発表しています。

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が「国家データ戦略」を発表

英国政府のポータルサイト“GOV.UK”に2020年9月9日付で、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)による「国家データ戦略(National Data Strategy)」が掲載されています。

英国政府の「国家データ戦略」は、データの利活用に対して国民の信頼を得ながら、世界最先端のデータ経済の構築に向けて英国を牽引することを目的に策定されました。民間・公共の別や組織の大小を問わず、現代経済の原動力となっているデータに関して、英国政府の行動の枠組みを定めたものとして説明されています。

「国家データ戦略」では、データの最適な利活用に関する戦略の中核として、「データの基盤」「データを扱う技術」「データの可用性」「責任あるデータの運用」を定めています。また、これらの戦略の中核と関連する優先行動領域として次の5点を挙げています。

1. 経済全体におけるデータの利活用の価値を明確化する
2. 成長を促すと同時に信頼されるデータの利活用体制を構築する
3. 効率化・公共サービスの改善を目指して政府のデータ利活用のあり方を変革する
4. データを支えるインフラストラクチャーの安全・回復力を保障する
5. 国境を越えたデータの流通を支援する

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、所有する全ジャーナルの査読方式をダブルブラインドとする予定であることを発表

2020年9月8日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、所有する全ジャーナルの査読方式をダブルブラインドとする予定であることを発表しました。ポートフォリオ全体でこのアプローチを採用する物理学出版社は同出版局が初めてとしています。

ダブルブラインドとは、著者・査読者の双方にお互いの素性を示さずに行われる査読形式です。同出版局は2017年以降、所有するいくつかのジャーナルにおいて、著者がダブルブラインドによる査読を選択できるオプションを設けており、多くの著者からシングルブラインド(著者の素性は査読者に示される一方、査読者の素性は著者に示さない方式)よりも公平であるとして好意的な評価が得られたと述べています。

同出版局は、今回の移行は学術出版プロセスにおけるジェンダー・人種・地理的な偏りに対する同社の取組の一環であり、ダブルブラインドの採用によって、ジェンダー・人種・出身国・所属に関するバイアスを低減できる可能性があるとしています。

移行は段階的に行われ、2020年末までに一部のジャーナルがダブルブラインド方式のみとなるほか、目標として、2021年末までにポートフォリオ全体を移行させることを挙げています。

英国図書館(BL)、Linked Data技術を用いて図書館コミュニティの目録データ等を共有しオンライン上で発見可能な環境を構築するイニシアチブ“Share-VDE”に参加

2020年9月4日、英国図書館(BL)、Linked Data技術を用いて図書館コミュニティの目録データ等を共有しオンライン上で発見可能な環境を構築するイニシアチブ“Share Virutal Discovery Environment(Share-VDE)”に参加したことを発表しました。

Share-VDEは、様々な図書館コミュニティ作成の書誌目録・典拠ファイル等の書誌情報をLinked Data技術で接続し、共有の発見環境構築を目指す図書館主導のイニシアチブです。国際的な図書館サービスプロバイダーCasalini Libriと、文化遺産部門向けの統合図書館システム(ILS)・セマンティックウェブソリューション等のソフトウェア開発会社である@Cult社が中心になって推進しています。

英・Jisc、デジタルコンテンツ保存に関する多様なニーズに対応した新サービス“Preservation”の提供を開始

2020年9月8日、英国のJiscは、デジタルコンテンツ保存に関する多様なニーズに対応した新サービスとして“Preservation”の提供を発表しました。

Jiscは、デジタル保存システムの提供に実績のあるカナダのArtefactual社及び英国のPreservica社との共同設計により、SaaS型の共有プラットフォームサービスとして“Preservation”を開発しました。特別コレクション・電子記録管理・研究データ等、任意のデジタルコンテンツの保存に対応が可能で、これらのコンテンツについて様々な標準や法的義務を遵守しつつ、コンテンツへのアクセスの維持、再利用可能性の提供を実現できる、と説明しています。

Jiscは“Preservation”が提供する主な機能として、以下の4点を挙げています。

・任意のデジタルオブジェクトに関する特定のデータ・メタデータの取り込みと保存のために必要なアクションの同定、及びこれらの自動的な実行
・デジタルファイルのアーカイブ版の作成と作成されたアーカイブ版の長期保存への移行
・長期的な発見可能性と再利用可能性の維持に必要な場合には、将来の新たな技術による保存を実施
・保存コンテンツに関するアクセス可能な複製物作成等によって研究成果の普及を支援

デジタル化された書籍群は出版された書籍群全体を反映しているか:1830年代後半に英国諸島で出版された小説の書誌目録を用いた調査(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年9月1日付で、文献“What Library Digitization Leaves Out: Predicting the Availability of Digital Surrogates of English Novels”が公開されています。

この文献は、1836年と1838年に英国諸島で初めて出版された小説の書誌目録を利用し、図書館等がデジタル化した書籍群が、その母集団となる出版された書籍群全体を反映しているかどうかを調査したものです。筆者は米・インディアナ大学ブルーミントン校のAllen Riddell氏と、米・パデュー大学フォートウェイン校のTroy J. Bassett氏です。

調査では、書誌目録所載の書籍について、Internet Archive、HathiTrust、Google Books、英国図書館のデジタルコレクションでのデジタル化の有無を確認しています。調査の結果、デジタル化の対象資料には偏りが見られること、特に男性が執筆した小説や多巻形式で出版された小説は、他の種類の小説に比べデジタル化資料の利用可能率が高いこと等が判明したとし、前後の数十年や別ジャンルにおいても同様の傾向が見られる可能性を指摘しています。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、世界各国の1,200人以上の研究者を対象とした査読に関する意識調査の結果を公開

2020年8月27日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、世界各国の1,200人以上の研究者を対象に実施した査読に関する意識調査の結果として、“Peer Review Motivations Report 2020”を公開したことを発表しました。

英国物理学会出版局は、2018年1月から2020年3月に同出版局の雑誌への査読を行った、または査読の依頼を受けたことのある1,200人以上の研究者に対して、査読の動機等に関する意識調査を実施しました。なお、調査対象とした研究者群については、代表標本を構築するため中国の研究者に意図して偏らせたことや、物理学研究者の現状を反映して回答者の86%が男性となったことを留意点として説明しています。調査から得られた主な知見として以下のことを報告しています。

クイーンズ大学ベルファスト校図書館(英国・北アイルランド)、2019年4月から2020年3月における同校の論文処理費用(APC)支出状況を報告

2020年8月27日、英国・北アイルランドのクイーンズ大学ベルファスト校図書館は、同館のオープンアクセス(OA)チームが2019年4月から2020年3月の同校の論文処理費用(APC)支出状況に関するレポートを公開したことを発表しました。

同館は作成されたレポートに基づいて、2019年4月から2020年3月の期間に、ゴールドOAルートで同校から212本の論文が公開され、APCの合計額が23万6,822ポンドであったことを報告しています。また、注目すべき点として、以下の3点を挙げています。

・ハイブリッドジャーナルに支払われるAPCは、完全OAジャーナルに支払われるAPCよりもかなり高額となっている
・全体の76%が完全OAジャーナルへのAPC支出であった
・APCが最も高額であったのは米国化学会(ACS)のハイブリッドジャーナル“ACS pharmacology and translational science”に支払われた4,750ポンドであった

オランダ・ILP Lab、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関するポリシーペーパーを公開:収集における法的課題や複数国の法制度等を調査

2020年8月28日、オランダのThe Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は、ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”の公開を発表しました。

ILP Labは、オランダ・アムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)に属しており、学生が運営するイニシアチブです。欧州の情報法分野において、基本的な権利と自由の保護を踏まえた政策解決の発展・促進に携わっています。

このポリシーペーパーは、ILP Labがオランダ国立図書館及びオランダ視聴覚研究所との協力のもと作成したものであり、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関する法制度を策定する際に考慮すべき事項を論じています。作成の背景として、オランダには文化遺産機関がウェブサイト収集を許諾なしに行うための法制度がないためオンラインの文化遺産が収集されず日々失われつつあることを、作成の目的として、現在オランダで進められている法制度導入の検討に資することを挙げています。

英・ケンブリッジ大学図書館、所蔵資料の画像をGoogle Arts and Cultureで公開

2020年8月31日、英・ケンブリッジ大学は、ケンブリッジ大学図書館所蔵資料の画像がGoogle Arts and Culture上で同日から公開されることを発表しました。

同館は、ケンブリッジ大学の機関として初めてGoogle Arts and Cultureに参加しました。同館では2011年からデジタルアーカイブ“Cambridge Digital Library”を公開し、5万点を超えるコンテンツを利用可能としており、今回の参加はコンテンツをさらに利用しやすくするための取組として位置づけられています。

今後もコンテンツの追加を行うこと、ケンブリッジ大学の他機関もGoogle Arts and Cultureに参加する見込みであること等もあわせて紹介されています。

Cambridge University Library joins Google Arts and Culture(University of Cambridge, 2020/8/31)
https://www.cam.ac.uk/stories/UL-on-Google-Arts

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