北米

人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブ“Toward an Open Monograph Ecosystem(TOME)”のウェブサイトが公開

2019年12月3日、人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブ“Toward an Open Monograph Ecosystem(TOME)”のウェブサイトが公開されました。

TOMEは米国大学協会(AAU)・北米研究図書館協会(ARL)・Association of University Presses(AUPresses)により2017年から5年間の試験事業として開始されたプロジェクトで、今回のウェブサイトの公開は、人文・社会科学分野の研究成果へのアクセスを増やしたい学者・出版社・図書館員・大学職員によるコミュニティを構築することが目的で、TOMEの支援を受けての出版に興味を持つ著者や出版社への情報が提供されています。

これまでTOMEの助成により、28冊の単行書がOAとして出版されており、現在も30冊を超える単行書が作成作業中であると紹介されています。

図書館のコンテンツプロバイダーに「COUNTER実務指針第5版」への迅速な移行・対応を求める国際的な図書館コミュニティ連名の要求書が公開される

2019年11月26日付で、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)等の国際的な図書館コミュニティが連名で、2019年1月に発効した電子リソースの利用統計の記録と交換のための実務指針「COUNTER実務指針第5版」への図書館のコンテンツプロバイダーの迅速な移行・対応を求めた要求書が公開されています。

要求書では図書館コンテンツプロバイダーに対して、「COUNTER実務指針第5版」で提供される一貫性のある、比較可能で、信頼できる利用データは、図書館が購読する電子リソースの価値の理解と実証に重要であること、「COUNTER実務指針第4版」のみでコンテンツの利用データを提供している場合COUNTERに準拠しているとは言えなくなっていること、「COUNTER実務指針第5版」はCOUNTERのウェブサイトで利用可能になっていること等に言及しています。

北米の都市図書館協議会(ULC)の電子書籍への公平なパブリック・アクセスの必要性に関する声明に対して北米の市・郡の公選役職者77人が署名

2019年11月7日、北米の都市図書館協議会(ULC)は、電子書籍への公平なパブリック・アクセスの必要性に関する声明“Statement on Equitable Public Access to E-Books”に対して、北米地域の市長や郡長官等の公選役職者77人が署名したことを発表しました。ULCは署名者が所属する自治体の住民数を合計すると4,400万人以上に上ることを発表しています。

北米研究図書館協会(ARL)、学術成果をオープンに利用できるようにするための学術出版社との交渉の原則を定めた“MIT Framework for Publisher Contracts”への支持を表明

2019年11月7日、北米研究図書館協会(ARL)、“MIT Framework for Publisher Contracts”を支持することが11月6日付の理事会で承認されたと発表しています。

“MIT Framework for Publisher Contracts”は、学術成果をオープンに利用できるようにするための学術出版社との交渉の原則を定めたもので、マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館により策定されました。

著者の著作権保持、著者稿の機関リポジトリへの自動投入、追加のライセンスなしでの包括的なテキストデータマイニングの権利といった、図書館の出版者との交渉に係る6つの基本原則を定めたものです。また、出版サービスの持続可能で公正なコストベースの価格設定を求めています。

北米の研究図書館センター(CRL)の管理する南アジア研究資料コレクションSouth Asia Open Archives(SAOA)がJSTOR上で利用可能になる

2019年10月16日、北米の研究図書館センター(CRL)とJSTORは共同して、両者の提携により、CRLの管理する南アジア研究資料コレクションSouth Asia Open Archives(SAOA)のコンテンツが、JSTORのプラットフォーム上で利用可能になったことを発表しました。

SAOAは、英語及び南アジア諸言語による南アジア関連の芸術・人文科学・社会科学分野にわたる網羅的なコレクションです。CRLの南アジア研究のためのデジタルリソース創出を目的としたイニシアチブSouth Asia Materials Project(SAMP)から発展して、1967年以降の南アジア関連の希少な資料をデジタル保存し自由に利用可能にしています。植民地時代の重要な行政・貿易に関する報告書やカースト制度・社会構造・社会経済史・女性とジェンダー等をテーマとした新聞など、35万ページ以上のコンテンツを含み現在もその規模を拡大しています。

JSTORは図書館・コンソーシアム向けに、JSTORのプラットフォーム上で主要コレクションを公開できるようになるイニシアチブを実施しており、CRLとJSTORの提携はこのイニシアチブの一環として締結されています。

OCLC Research、北米の図書の共同管理コレクションの現状をまとめたポジションペーパーを公開

2019年9月26日、OCLC Researchが、米国・カナダにおける、図書の共同管理コレクションの現状をまとめたポジションペーパーを公開しています。

WorldCat登録されている米国・カナダの共同管理コレクションが対象で、調査結果として以下を指摘しています。

・コレクションは、5,920万タイトル9億9,430万点の所蔵があり増え続けている
・重複によりコレクションが希薄化している
・コレクションには多様な出版国、言語の資料が含まれている
・米国北東部がコレクションの集中地域である
・両国のほとんどの地域で冊子版の図書の出版数が所蔵数を上回っている
・コレクションの規模と範囲は、主要な研究機関のみでなく、両国の全ての図書館による貢献の結果である

北米研究図書館協会(ARL)、米・カリフォルニア大学による情報アクセスの障壁除去を目指す取り組みを強く支持する声明を発表

2019年9月30日、北米研究図書館協会(ARL)は、研究成果へのアクセスに関わる状況に変化を起こし、拡大を推進する米・カリフォルニア大学の取り組みについて、強い支持の意を示した声明を発表しました。この声明は2019年9月27日にARLのBoard of Directorsによって承認されたものです。

米・カリフォルニア大学は所属教員の研究成果が全ての人に開かれるように、Elsevier社をはじめとする学術出版社に対して、オープンアクセス(OA)への転換契約を求める取り組みを進めています。ARLは声明の中で、転換契約に関するアプローチが加盟館でも様々である中、カリフォルニア大学の取り組みが明確化した転換契約の価値とビジョンを称え、特に教員・図書館員・執行部が一体となって、原則を発展させ学術出版社との交渉を展開した点について強く賞賛しています。

清代末期から中華民国期にかけて中国で刊行された新聞のデジタルコレクション“Late Qing and Republican-Era Chinese Newspapers”が公開:研究図書館センター(CRL)とEast View Information Servicesとの協力プロジェクトの成果

2019年9月23日、北米の研究図書館センター(Center for Research Libraries: CRL)は、East View Information Servicesとの協力プロジェクトの成果として、中国の清代末期から中華民国期に刊行された新聞のデジタルコレクション“Late Qing and Republican-Era Chinese Newspapers”をオープンアクセスで公開したことを発表しました。公開はEast View社が推進する新聞のデジタルアーカイブ“Global Press Archive”上で行われています。

2019年9月24日付けのEast View社によるプレスリリースでは、現時点で13のタイトルからなる17万5,000ページ超のコンテンツが含まれていること、最終的には2019年末までに数百タイトル、約50万ページの規模となる予定であることを紹介しています。

北米の研究図書館センター(CRL)、冊子体雑誌の共同保存に関するデータベースPAPRの機能拡張を実施

2019年9月20日、北米の研究図書館センター(CRL)は、冊子体雑誌の共同保存に関するデータベース“Print Archives Preservation Registry”(PAPR)について、機能拡張を実施したことを発表しました。

CRLは主な機能拡張として以下の3点を挙げています。

・他のデータベースからのレコード取り込み機能についてフォーマットを指定することにより、JSTOR、HathiTrust、Scholars Portalなどからレコードを追加することが可能になった

・各タイトルについて、紙資料の所蔵情報とデジタル資料の保有情報を区別して表示することが可能になった

・各タイトルについて、FLAREやScholars Trustのような資料保存プログラムに関する情報を表示することが可能になった

PAPR Database Enhanced(CRL,2019/9/20)
http://www.crl.edu/news/papr-database-enhanced

米・SPARC、北米のオープン教育資源(OER)の現状に関する報告書の2018-2019年版を公開

2019年9月30日、米・SPARCが、オープン教育資源(OER)に関する情報の共有・発見プラットフォーム“Connect OER”による、北米の加盟機関132機関のOERの現状を調査した報告書“Connect OER Annual Report”の2018-2019年版を公開しました。

SPARC Releases Connect OER Annual Report for 2018-2019(SPARC,2019/9/30)
https://sparcopen.org/news/2019/sparc-releases-connect-oer-annual-report-for-2018-2019/

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