専門図書館

saveMLAK、「COVID-19の影響による専門図書館の動向調査(2020/07/04)」の結果を発表

2020年7月6日、saveMLAKは、「COVID-19の影響による専門図書館の動向調査(2020/07/04)」の結果を発表しました。

同調査は、6月11日から7月4日にかけて、日本の専門図書館300館を対象に実施されました。

発表では、閉館を継続している館は35館であり、211館が開館、5館は新型コロナウイルス感染症以外の理由で閉館、49館は状況が確認できていないとしています。

閉館中も継続されているサービスとしては、遠隔でのレファレンス、文献複写が挙げられています。また、開館再開後も制限されているサービスとして、対面でのレファレンス、パソコンの利用等が挙げられています。新型コロナウイルス感染症対応としての新しい取り組みの例では、資料を遠隔で提供するサービスやバーチャルレファレンスサービス等が紹介されています。

同調査のデータは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC0で公開され、saveMLAKのウェブページからダウンロードできます。

国立教育政策研究所教育図書館、「資料遠隔提供サービス」の試行運用を開始

2020年7月1日、国立教育政策研究所教育図書館が、同館の所蔵資料を自宅または所属図書館・近隣図書館で利用できる「資料遠隔提供サービス」の試行運用の開始を発表しました。

同館以外で入手困難であり、発行年が1967年以前の資料のうち、所定の条件を満たす資料は、オンラインで全文の画像を無料で提供する「デジタル提供」の対象となります。発行年が1968年以降の資料であれば、図書の閲覧を希望する場合は、所属または近隣の公共図書館へ同館資料を郵送する「図書館への郵送貸出」、複写箇所が特定できる場合は「文献複写郵送」を利用できます。「図書館への郵送貸出」は郵送料、「文献複写郵送」は複写代金と送料が必要です。

ニュース(国立教育政策研究所教育図書館)
https://www.nier.go.jp/library/index.html
※2020年7月1日付で「資料遠隔提供サービス」に関するお知らせが掲載されています。

米・クレアモント神学校、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍を寄贈

2020年6月8日、米国カリフォルニア州の博士号授与機関であるクレアモント神学校(Claremont School of Theology)は、同校図書館のフィリップス(Thomas E. Phillips)館長が米国神学図書館協会のメーリングリストに送信したメールを引用する形で、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍をIAに寄贈したことを発表しました。

“Open Library”は、IAが図書館所蔵資料をデジタル化した電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出する“Controlled Digital Lending”の技術を利用して実施する電子書籍貸出プログラムです。同校が寄贈したコレクションは2021年1月1日頃からOpen Libraryで利用可能になり始め、今後2年以内にコレクション全体のデジタル化が完了することが予定されています。同校のコレクションは米国西部における宗教学分野のものとしては特に定評のあるものです。この寄贈は同校がオレゴン州セーラムのウィラメット大学構内へ移転することにより、ロサンゼルス地区の研究者の資料アクセスが不便になることへの対応として行われました。

総計20万点以上の映画関係資料を所蔵する「東映太秦映画村・映画図書室」が2020年7月1日にオープン

「東映太秦映画村・映画図書室」の2020年7月1日のオープンが発表されています。

東映太秦映画村(株式会社東映京都スタジオ)が、2018年から、京都大学大学院人間・環境学研究科と映像産業振興機構(VIPO)の協力のもと進めてきた映画関係資料の整理とアーカイブ化の成果で、ポスター約3万点、スチール写真10万点以上、プレスシート3万点以上、台本約1万5,000点、書籍約7,000点、映像ソフト約5,000点等、総計で20万点以上の資料を所蔵しています。

利用料金は無料ですが(映画図書室のみを利用する場合は、映画村の入村料も不要)、資料の利用には事前(5営業日前)の資料閲覧申請フォームからの申請が必要です。閲覧は映画図書室内でのみ可能で貸出は行っていません。複写サービスも行っていますが、ポスター・スチール写真・台本は原則として複写・撮影ができません。

東映太秦映画村・映画図書室オープンのお知らせ(東映太秦映画村・映画図書室,2020/6/26)
https://www.toei-eigamura-library.com/597/

ドイツ経済学中央図書館(ZBW)、オープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOを同館の電子資料管理に導入

2020年6月18日、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)は、オープンソースの図書館サービスプラットフォームFOLIOを同館の電子資料管理に導入したことを発表しました。

2016年から始動したFOLIOのイニシアチブにおいて、ドイツでは北部を中心とした図書館ネットワーク“Gemeinsamer Bibliotheksverbund(GBV)”が当初から開発パートナーとして参加し、ZBWはGBVの一員として2017年から開発コミュニティに加わりました。特にZBWはFOLIOの「電子リソース管理」に関するワーキンググループの試行図書館として、GBVと緊密に連携しながら協力しています。

今回の決定により、ZBWはFOLIOの電子リソース管理モジュールを実務で運用する、ドイツおよび世界でもごく早期の事例となります。ZBWはGBVと連携しながら、今後数か月をかけて、FOLIOを同館のネットワークサービスや既存のドイツ国内のシステムに統合する作業を進めます。統合の内容として、共同目録K10plusとFOLIOとの間のデータのインポート・エクスポートを行うためのインタフェース開発や、ドイツ国内の電子リソースのライセンス契約を共同管理するためのシステムLAS:eRとの連携が挙げられています。

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、ドイツの“Library of the Year 2020”に選出:ゴータ市立図書館が優秀な小規模自治体・地域の図書館として併せて選出

2020年6月16日、ドイツ図書館協会(Deutschen Bibliotheksverbandes:DBV)とドイツテレコム財団(Deutsche Telekom Stiftung)は、“Bibliothek des Jahres(Library of the Year)”の2020年受賞館として、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)を選出したことを発表しました。

また、初めての試みとなる優秀な小規模自治体・地域の図書館を表彰する“Bibliothek des Jahres in kleinen Kommunen und Regionen”に、テューリンゲン州のゴータ市立図書館(Stadtbibliothek Gotha)を選出したことを併せて発表しています。

TIBについては、アナログ・デジタル双方における優れたサービスの展開と、戦略的なオープンサイエンスへの転換・オープンアクセス・研究データ・デジタル長期保存といった分野における同館の際立った取り組みが評価されました。副賞として2万ユーロが授与されます。

人口4万6,000人のゴータ市の図書館は、子ども・ヤングアダルト層から高齢者世代まで、多様な利用者層に応じて優れた教育やメディア事業を展開していることが評価されました。副賞として7,000ユーロが授与されます。

米国国立医学図書館(NLM)、米国国立衛生研究所(NIH)助成研究の成果物にあたるプレプリントのPubMed Central上での利用について実現可能性を検証する試行プロジェクトを開始

2020年6月1日、米国国立医学図書館(NLM)傘下の米・国立生物工学情報センター(NCBI)は、NLMが米国国立衛生研究所(NIH)助成研究の成果物にあたるプレプリントのPubMed Central(PMC)上での利用について、その実現可能性を検証する試行プロジェクト“NIH Preprint Pilot”の開始準備を進めていることを発表しました。

“NIH Preprint Pilot”は、NIHの助成を受けた早期の研究成果物について、その発見可能性を高める方法の調査を主たる目標として取り組まれます。プレプリントのような中間的研究成果物の活用を推進するNIHの方針に基づき、NLMはこのプロジェクトが、NIH助成研究の発見可能性とアクセスのさらなる加速に向けた情報提供や、NIH助成研究のオープンアクセス(OA)による迅速な普及支援として機能することを意図しています。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、2020年版以降の医学件名標目表(MeSH)のドイツ語翻訳事業をドイツ医療文書情報機構(DIMDI)から承継

2020年5月20日、ドイツ医学中央図書館(ZB MED)は、米国国立医学図書館(NLM)が整備する医学件名標目表(MeSH)のドイツ語翻訳事業について、ドイツ医療文書情報機構(Deutsche Institut für medizinische Dokumentation und Information:DIMDI)から移管を受け、2020年版以降の翻訳を同館が担当することを発表しました。

MeSHは年に一度更新される世界的に普及した医学用語のシソーラスです。書籍等の主題索引から、データベースの索引、医学・生命科学分野の検索プロファイル作成まで多方面で活用されています。

MeSHのドイツ語翻訳事業は2018年までDIMDIが担当し、2020年5月時点では2019年版MeSHのドイツ語翻訳版がDIMDIのウェブサイトからダウンロード可能になっています。ZB MEDはDIMDIとの緊密な連携の下で、翻訳事業を引き継ぎ、後日2020年版MeSHのドイツ語翻訳版を提供する予定です。

韓国国立障害者図書館、国立中央図書館(NLK)から移管され、文化体育観光部の所属機関に:国の障害者サービス政策の策定・総括を担当

2020年6月4日、韓国の国立障害者図書館が、国立中央図書館(NLK)の所管から、文化体育観光部の所属機関に移管されました。2019年に改正された図書館法によるもので、今後、同館が、国による図書館の障害者サービスの政策を策定し、総括します。

同日、文化体育観光部長官は、国立障害者図書館を訪問し、障害者を対象とした新型コロナウイルス感染拡大下のオンラインサービスの視察を行なっています。

코로나19 대응, 국립장애인도서관 비대면 서비스 현장 점검(新型コロナウイルス感染症に対応する国立障害者図書館の非対面サービスの現場を点検)(文化体育観光部,2020/6/4)
https://www.mcst.go.kr/kor/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=18054

米国図書館協会(ALA)、5月に実施した新型コロナウイルス感染症への図書館の対応状況についての調査結果を発表

2020年6月3日、米国図書館協会(ALA)が、5月12日から18日にかけて実施した新型コロナウイルス感染症への図書館の対応状況についての調査結果を発表しています。

米・公共図書館協会(PLA)が3月に実施した調査の継続調査で、国内の3,800を超す全館種の図書館が回答しています。回答率は公共図書館では30%以下、大学図書館では20%以下、その他の館種では20%未満です。

ALAからのプレスリリースでは、調査結果として以下の点が紹介されています。

コミュニティーの危機に対応したと回答した館の多くが、新たな連携・マスク等の個人防護具(PPE)の配布・食料の支援・正確な情報の提供といった取組を行っています。

再開館に関しては、休館中に拡大したオンライン・電話でのサービスが継続されています。また、ほとんどの図書館で職員の健康と安全のための手順・利用者のソーシャルディスタンシングのための要件・資料の消毒のためのプロセスを策定するための間休館しています。次の段階のサービスとしては路上での資料の受け渡し・郵送・予約制がもっとも一般的であり、37%の館が6月・7月の再開館を予定している一方47%が未定と回答しています。再開館にあたっては、人数制限・時間指定・消毒・コンピューター利用席の削減などが想定されています。

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