研究図書館

米国化学会(ACS)の出版部門と米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館、オープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結

2020年3月19日、米国化学会(ACS)は、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)図書館とオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、ACSの刊行する全ての学術誌において、MITの所属者が責任著者である論文は全てOAとなります。また、著者最終稿(accepted manuscript)は、MITが学術出版社との間に定めた“Framework for Publisher Contracts”、及びACSの出版ポリシーに従って、自動的にMITのOAリポジトリへ登録されます。最終的な出版社版(the version of record)についても、個々の著者による追加費用の支払不要でACSの出版プラットフォーム上でOAにより公開されます。

情報リテラシーが米国の大学生の学習・発達に与える影響:大規模研究の結果から(文献紹介)

2020年3月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.2に、米国インディアナ大学高等教育研究センター所属の研究者であるKevin Fosnacht氏による論文“Information Literacy’s Influence on Undergraduates’ Learning and Development: Results from a Large Multi-institutional Study”が掲載されています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「新JAIRO Cloudへの移行評価実験報告」を公開

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2019年10月から12月にかけて実施した「新JAIRO Cloudへの移行評価実験」についての報告を公開したことを発表しました。

「新JAIRO Cloudへの移行評価実験」は、2020年10月にリリースが予定されている新しいJAIRO Cloudについて、移行に支障がないように事前評価を行ったものです。国立情報学研究所(NII)の評価実験環境でJAIRO Cloud利用機関のうち17機関が実験を行い、JPCOARコンテンツ流通促進作業部会JAIRO Cloudチームが中心にとりまとめを行いました。公開された実験報告では、新JAIRO Cloudの各機能に対する実験参加機関の評価等が示されています。

また、実験参加機関から投稿された課題の内訳・機関向けの報告書の様式・移行評価実験におけるJAIRO CloudチームからNIIへの要望一覧を示した参考資料も公開されています。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

米・ITHAKA、新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表:JSTORの提供コンテンツ拡大・Ithaka S+Rウェブサイトにおける機関の対応状況に関する情報提供など

2020年3月18日、JSTOR等を運営する米国の非営利団体ITHAKAは、ウェブサイト上で新型コロナウイルス感染症拡大への対応方針を発表しました。

ITHAKAは「現代の決定的な健康危機」となった新型コロナウイルスの大流行に直面し、一丸となって多くの人々の健康を守るためには、教育・研究を含む重要な生命活動が維持されなければならないことを指摘しています。そのための取り組みとして、大学等が休校を余儀なくされる中で、学生や教員が重要な学術資料に可能な限り容易にアクセスできる方法を開発していること、高等教育機関が現在実施している措置の意味を明確化し、将来に役立ちうる重要なエビデンスや教訓の文書化を行っていることを表明しています。

米・Ithaka S+R、アンケートに基づいて新型コロナウイルス感染症拡大に伴う米国の学術図書館の暫定的な対応状況を報告

米・Ithaka S+Rは2020年3月15日付で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う米国の学術図書館の暫定的な対応状況を報告した記事“Academic Library Strategies Shift to Closure and Restriction”を公開しました。

Ithaka S+Rは2020年3月11日の午後8時(米国東部標準時)から、米国の学術図書館向けに新型コロナウイルス感染症への対応に関するオンラインアンケートを実施し、3月13日にアンケート開始から24時間経過時点の213件の回答に基づく対応状況を報告した記事を投稿しました。今回公開された記事はその後の48時間の間に収集された194件の回答の内容が含まれており、開始24時間時点で収集された回答と比較しながら米国の学術図書館の対応状況を報告しています。

Ithaka S+Rは、最新の回答では24時間時点の回答と比較して、休館・開館時間短縮・来館制限・サービス制限・リモートワークの拡大等を実施する学術図書館の数が顕著に増加していることを指摘し、平常通りのサービス提供を行う館はもはや少数派であることを報告しています。その他、米国の学術機関・学術図書館の主な対応状況として以下のことを報告しています。

英・Jisc、定期購読料の収益を利用して購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するAnnual Reviews社のプログラム“Subscribe to Open”への支援を表明

2020年3月10日、英・Jiscは、非営利出版社Annual Reviews社が展開するプログラム“Subscribe to Open”を支援することを表明しました。

“Subscribe to Open”は既存の定期購読料による収益を利用して、特定の購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するためのプログラムです。Annual Reviews社は刊行する51誌のうちの5誌を2020年の試験プログラムの対象とし、一定の金額の定期購読による収益が確保できた場合、対象誌はCC BYライセンスでコンテンツを出版するOA誌に転換する、としています。Jiscは、Jisc Collections経由で契約を締結した英国のAnnual Reviews社の雑誌の購読機関は、このモデルに対する支援を実施済であることを報告しています。

ProQuest社、出版社50社以上と提携しEbook Central上の提携出版社のタイトルを2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供:新型コロナウイルス感染症拡大に伴う図書館支援の一環

2020年3月13日、ProQuest社は、50以上の出版社と提携し、同社の電子書籍プラットフォームEbook Central上の提携出版社のタイトルについて、全ての利用機関に対して2020年6月中旬まで同時アクセス数無制限で提供することを発表しました。

ProQuest社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、世界中の高等教育機関の図書館がキャンパス外での学習や研究への対応に迫られ、電子リソースへのアクセス確保が不可欠になったため、この緊急のニーズに応えることを目的に今回の措置を実施した、としています。新型コロナウイルス感染症による影響を受けたEbook Centralの利用機関は、2020年6月中旬までProQuest社と提携を結んだ出版社の提供する全てのタイトルを同時アクセス数無制限で利用可能になります。機関側で同時アクセス数を無制限とするために必要な手続きはなく、この移行は自動的に行われます。

ProQuest社が今回の実施にあたって提携した出版社の一覧は、同社のウェブサイトで公開されています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で認められた研究目的のテキスト・データ・マイニング(TDM)が出版社の技術的保護手段により阻害される懸念を指摘

欧州研究図書館協会(LIBER)は2020年3月10日付で、“Europe’s TDM Exception for Research: Will It Be Undermined By Technical Blocking From Publishers?”と題されたブログ記事を公開しました。

同記事は、テキスト・データ・マイニング(TDM)を遮断する技術的保護手段に関するアンケートの結果、及びアンケート結果から導かれる改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」実施における懸念事項を指摘したものです。アンケートはLIBERの著作権・法的事項ワーキンググループと英国の図書館・文書館著作権同盟(Libraries and Archives Copyright Alliance: LACA)がGoogleフォーム上で共同実施しているものです。

LIBERとLACAは実施したアンケートの主な結果として、以下の3点を報告しています。

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