研究図書館

独・De Gruyter社、大学出版局の新刊電子書籍の完全なコレクションをDRMフリーかつ同時アクセス数制限なしで学術図書館等に提供するビジネスモデル“University Press Library”を立ち上げ

2019年10月7日、独・De Gruyter社は、大学出版局の新刊電子書籍の完全なコレクションをDRMフリーかつ同時アクセス数制限なしで、学術図書館等に提供する持続可能なビジネスモデルとして、“University Press Library”を立ち上げたことを発表しました。

“University Press Library”は、De Gruyter社主導の下、米国の大学出版局3社と米国の図書館等のネットワークLYRASIS及び10の学術図書館が参加して、2014年から5年間行われた試験プロジェクトの成果です。

立ち上げ時点で“University Press Library”に参加する大学出版局として、以下の10社が挙げられています。

OCLC Research、北米の図書の共同管理コレクションの現状をまとめたポジションペーパーを公開

2019年9月26日、OCLC Researchが、米国・カナダにおける、図書の共同管理コレクションの現状をまとめたポジションペーパーを公開しています。

WorldCat登録されている米国・カナダの共同管理コレクションが対象で、調査結果として以下を指摘しています。

・コレクションは、5,920万タイトル9億9,430万点の所蔵があり増え続けている
・重複によりコレクションが希薄化している
・コレクションには多様な出版国、言語の資料が含まれている
・米国北東部がコレクションの集中地域である
・両国のほとんどの地域で冊子版の図書の出版数が所蔵数を上回っている
・コレクションの規模と範囲は、主要な研究機関のみでなく、両国の全ての図書館による貢献の結果である

北米研究図書館協会(ARL)、米・カリフォルニア大学による情報アクセスの障壁除去を目指す取り組みを強く支持する声明を発表

2019年9月30日、北米研究図書館協会(ARL)は、研究成果へのアクセスに関わる状況に変化を起こし、拡大を推進する米・カリフォルニア大学の取り組みについて、強い支持の意を示した声明を発表しました。この声明は2019年9月27日にARLのBoard of Directorsによって承認されたものです。

米・カリフォルニア大学は所属教員の研究成果が全ての人に開かれるように、Elsevier社をはじめとする学術出版社に対して、オープンアクセス(OA)への転換契約を求める取り組みを進めています。ARLは声明の中で、転換契約に関するアプローチが加盟館でも様々である中、カリフォルニア大学の取り組みが明確化した転換契約の価値とビジョンを称え、特に教員・図書館員・執行部が一体となって、原則を発展させ学術出版社との交渉を展開した点について強く賞賛しています。

清代末期から中華民国期にかけて中国で刊行された新聞のデジタルコレクション“Late Qing and Republican-Era Chinese Newspapers”が公開:研究図書館センター(CRL)とEast View Information Servicesとの協力プロジェクトの成果

2019年9月23日、北米の研究図書館センター(Center for Research Libraries: CRL)は、East View Information Servicesとの協力プロジェクトの成果として、中国の清代末期から中華民国期に刊行された新聞のデジタルコレクション“Late Qing and Republican-Era Chinese Newspapers”をオープンアクセスで公開したことを発表しました。公開はEast View社が推進する新聞のデジタルアーカイブ“Global Press Archive”上で行われています。

2019年9月24日付けのEast View社によるプレスリリースでは、現時点で13のタイトルからなる17万5,000ページ超のコンテンツが含まれていること、最終的には2019年末までに数百タイトル、約50万ページの規模となる予定であることを紹介しています。

北米の研究図書館センター(CRL)、冊子体雑誌の共同保存に関するデータベースPAPRの機能拡張を実施

2019年9月20日、北米の研究図書館センター(CRL)は、冊子体雑誌の共同保存に関するデータベース“Print Archives Preservation Registry”(PAPR)について、機能拡張を実施したことを発表しました。

CRLは主な機能拡張として以下の3点を挙げています。

・他のデータベースからのレコード取り込み機能についてフォーマットを指定することにより、JSTOR、HathiTrust、Scholars Portalなどからレコードを追加することが可能になった

・各タイトルについて、紙資料の所蔵情報とデジタル資料の保有情報を区別して表示することが可能になった

・各タイトルについて、FLAREやScholars Trustのような資料保存プログラムに関する情報を表示することが可能になった

PAPR Database Enhanced(CRL,2019/9/20)
http://www.crl.edu/news/papr-database-enhanced

【イベント】大図研京都ワンディセミナー「メディアドクター研究会in京都 テーマ:iPS細胞と臨床試験」(10/27・京都)

2019年10月27日、京都府立図書館において、大学図書館問題研究会京都地域グループ主催のワンディセミナー「メディアドクター研究会in京都 テーマ:iPS細胞と臨床試験」が開催されます。同イベントは関西で初めて開催される「メディアドクター研究会」でもあるとのことです。

メディアドクター研究会は医療に関するメディア報道のあり方を勉強する会です。開催案内によれば、今回のワンディセミナーではiPS細胞に関する報道を取りあげ、記事を読み、信頼性、科学的根拠、見出しの適切性など、「メディアドクター指標」をもとに読み解いていく、とされています。

参加費は会員は無料、非会員は500円で、フォームを通じた申込が必要です。

大図研京都ワンディセミナー「メディアドクター研究会in京都 テーマ:iPS細胞と臨床試験」 (大学図書館問題研究会 京都地域グループ)
https://www.daitoken.com/kyoto/event/20191027.html

Center for Open Science(COS)、Internet Archive(IA)と共同で科学研究プロセスに関連するオープンデータのアーカイブプロジェクトを実施

2019年9月18日、非営利団体Center for Open Science(COS)は、Internet Archive(IA)と共同で科学研究プロセスに関連するオープンデータのアーカイブプロジェクトを実施することを発表しました。

米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)による2019年の“National Leadership Grants for Libraries Program”による助成を受けたプロジェクトであり、COSとIAは、科学研究プロセスに関するオープンデータが永続的なアクセス、再配布、再利用のために確実にアーカイブされるよう協力するとしています。

同プロジェクトでは、オープンな研究データ、図書館での長期的な管理業務、分散型データ共有・保存ネットワークという3つの分野に焦点を当てることにより、オープンサイエンスとデータキュレーションのさらなる支援のため、よりよいデータ共有基盤の試作・実装が行われます。

2019年9月24日にはIAも同プロジェクト実施に関するより詳しい発表を行っており、その中では以下の点も紹介されています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、研究の開放性を測定する手法と責任ある研究評価指標に関するウェビナーの映像・スライドを公開

欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019年9月10日付けのブログ記事で、同日に開催されたウェビナー“Innovating The Ways Metrics Are Applied, Responsible Metrics & Measuring Openness”の映像をYouTubeで、発表スライドをZenodoで公開していることを紹介しています。

ウェビナーでは、ドイツ経済学中央図書館(ZBW Leibniz Information Centre for Economics)のIsabella Peters氏による、研究の開放性を定量的・定性的に測定する様々な手法についての発表と、英・ケント大学のSarah Slowe氏による、責任ある研究評価指標の重要性と研究機関の役割に関する発表が行われました。

IFLA Journal、2019年10月号が発行:生活を変える健康情報を特集

2019年9月10日、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の45巻3号(2019年10月)が公開されました。生活を変える健康情報(Health information transforming lives)を特集しています。

デジタル化と健康格差、各々の地域の状況に応じた医学ジャーナルの評価、健康情報リテラシーの向上、健康情報リテラシー教育における公共図書館の重要性、健康情報へのアクセスと子宮頸がん検査の受診率の関係、オーストラリア・ニュージランドにおける生物医学分野のオープンアクセスのリポジトリの可能性、ヘルスサイエンス分野の司書がデザイン思考により多様な人々が参加するヘルスデータリテラシー教育を実施する方法、についての論考が掲載されています。

Out Now: October 2019 issue of IFLA Journal(IFLA,2019/9/10)
https://www.ifla.org/node/92552

研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)を実践する:図書館員の視点から(記事紹介)

研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)の2019年8月21日付のブログ記事において、米・アイオワ州立大学図書館の図書館員であるCurtis Brundy氏によるエッセイ“Implementing DORA – A Librarian’s Perspective”が公開されています。

同氏は大学図書館でオープンアクセス(OA)・オープンデータの推進と図書館コレクション予算の管理を担当しています。投稿誌をベースにした研究評価の在り方は研究者の活動に強く影響を与えており、高品質の研究が掲載されているとみなされた「正しい」雑誌の購読価格の高騰、キャリア形成においてインセンティブの弱い研究データのオープン化やオープン教育資源(OER)の製作と採用の阻害等の形で、図書館へ悪影響を及ぼしていることから、研究評価の改善を目指す試みは自身の担当業務の改善・発展を目指す試みと強く結びついたものであることに言及しています。

同氏はエッセイの中で研究評価の改善に向けて図書館員の関与や行動が介在し得る機会として以下の3点を挙げています。

ページ