スウェーデン王立図書館

E2117 - スウェーデン王立図書館によるラボ設置のための調査報告書

近年,主に海外の図書館において,館内にラボを設置する館が増えてきている。スウェーデン王立図書館(NLS)でも図書館ラボ設置のための検討が行われ,2018年にはNLSのラボ(以下「NLSラボ」)に求められる要件について委託調査を行った。その調査の報告書である“datalab.kb.se:A Report for the National Library of Sweden”(以下「報告書」)が,2018年10月,調査に携わったスウェーデンのウメオ大学教授Pelle Snickars氏の個人ウェブサイト上で公開された。章立ては,(1)欧米の国立図書館ラボの調査,(2)デジタル研究(Digital Scholarship),(3)NLSラボ設置のための推奨事項となっている。本稿では報告書の概要を紹介することで,図書館ラボに関する知見を深める材料としたい。

BibsamコンソーシアムによるElsevier社との契約解除から半年を受け、スウェーデン王立図書館(NLS)が研究者・学生等への影響調査を実施中

スウェーデン王立図書館(NLS)は、同国のBibsamコンソーシアムによるElsevier社との契約解除(2018年6月30日)から半年をうけ、同国の研究者・学生・政府組織への影響を調査しています。

12の質問からなる調査はオンライン調査により2月1日まで行なわれており、契約解除時にElsevier社の電子ジャーナルを購読していた44の機関の利用者が回答を求められています。

結果は2019年6月にまとめられる予定です。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアムと英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、オープンアクセス出版等に関する契約で合意

Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)と英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、2018年11月29日、オープンアクセス(OA)出版等に関する契約で合意したと発表しました。

アクセス料金と論文処理費用(APC)を含むオフセットモデルによる3年間契約です。同コンソーシアムに所蔵する研究者は、同出版局のハイブリッドジャーナルやOAジャーナルで公的資金を受けた研究成果をOAで公表することができるほか、2019年1月から同出版局の全ての出版物にアクセスできます。

同出版局にとって同内容での契約は、2017年5月にオランダ大学協会と締結した契約に続く2例目となります。

スウェーデン王立図書館(NLS)へのラボ創設のための調査報告書が公開:国立図書館のラボの調査等を実施

2018年10月16日、スウェーデン・ウメオ大学のPelle Snickars教授が、スウェーデン王立図書館(NLS, スウェーデン語ではKB)がラボを創設することを提案する報告書“datalab.kb.se A Report for the National Library of Sweden”を公開しました。

同氏が、スウェーデン王立図書館にラボを設置するための情報を調査・評価することの提案を受け、同館等からの資金援助や人的支援を受けて、調査を実施した結果をまとめたものです。

報告書は、“Library Labs” 、“Digital Scholarship” 、“Recommendations”の3つの章から構成されています。

“Library Labs”は、各館の環境の違いに注意しながら、近年、国立図書館等に設置されたラボの現状を概観したもので、英国図書館(BL)、オランダ王立図書館(KB)、米国議会図書館(LC)、Europeana、デンマーク王立図書館、オーストリア国立図書館のラボが取り上げられています。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、OA出版社・Frontiers社とオープンアクセス出版等に関する契約で合意

スウェーデン・Bibsamコンソーシアムが、オープンアクセス(OA)出版社・Frontiers社とOA出版等に関する契約で合意しました。

Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)とFrontiers社が、2018年6月1日付で発表したもので、論文処理費用(APC)を含むオフセットモデルによる契約で、コンソーシアム参加20機関が対象です。

発表によるとFrontiers社とのこの種の契約は北欧初で、2017年にオーストリア科学財団(FWF)及びウィーン大学と同社の契約に準拠した内容です。

同契約は2018年7月1日からの3年半の間有効です。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、Elsevier社との契約を更新しないと発表

スウェーデン・Bibsamコンソーシアムが、Elsevier社との契約を更新しないと発表しています。

Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)が2018年5月16日に発表したもので、同国政府が設定した2026年までのオープンアクセス(OA)を達成するための要件を満たすモデルをElsevier社が提示できなかったことによるものです。

参加館の研究者は現在の契約条件に基づき、引き続き1995年から2017年にかけて発行された論文にはアクセスできますが、2018年6月30日以降にElsevier社のプラットフォームで公開された論文は利用できなくなります。

独・De Gruyter社とスウェーデン・Bibsamコンソーシアム、オープンアクセス出版等に関する契約で合意

2018年5月3日、De Gruyter社が スウェーデン王立図書館(NLS)と、Bibsamコンソーシアムにおける同社の電子ジャーナルの閲覧とオープンアクセス(OA)出版に関する契約を締結したと発表しています。

NLSは、Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っており、今回の締結内容は、同コンソーシアム加盟機関(2018年は、ストックホルム大学、ヨーテボリ大学、セーデルトーン大学、チャルマース工科大学、スウェーデン王立工科大学)に所蔵する著者の100%のOA出版を保証するものです。

De Gruyter and Bibsam Consortium sign agreement for access and open access(De Gruyter,2018/5/3)

参考:
オランダ大学協会と独・De Gruyter社、オープンアクセス出版について合意
Posted 2016年6月14日
http://current.ndl.go.jp/node/31792

スウェーデン王立図書館(NLS)、Springer Nature社との“Springer Compact”契約の効果を検証した報告書を公開

2018年2月12日、スウェーデン王立図書館(NLS)が、Springer Nature社との“Springer Compact”の契約が2018年12月31日で終了することを受け、再交渉に際しての手引きとなるための推奨事項をまとめた“Evaluation of offset- agreements report 3: Springer Compact”を公開しました。

独立評価グループが同契約の効果を検証したもので、公開される4つの報告書のうちの3番目のものです。

また、オーストリア・英国・ドイツ・オランダなど、スウェーデン以外での、Springer Nature社による購読料とAPCとを相殺するオフセット契約も検証し、その違いを表でまとめています。

スウェーデン王立図書館(NLS)、同国の2010年から2016年にかけてのオープンアクセスの進展状況を調査した報告書を公開

2017年12月6日、スウェーデン王立図書館(NLS)が、スウェーデン語で発表した2010年から2016年にかけての同国のオープンアクセス(OA)の進展状況を調査した報告書の概要を英語で紹介しています。

NLSは、2017年、政府から、同国の学術成果のOAへの転換を調整することを委任され、同調査は、その任務の一環として実施されたものです。

同国の42の高等教育機関(HEI)や研究機関のメタデータを集約する、同国の出版物データベース“SwePub”のデータや、APIを通じて論文のOA版への情報を提供する非営利のサービス“oaDOI”を用いて分析されました。

2016年にOA全体及びグリーンOAの割合が減少したのは、機関リポジトリへの登録の遅れや、搭載された論文のエンバーゴ期間が原因であろうこと、2016年のハイブリッドOAの増加は、Springer社とのSpringer Compactの締結によるものであろうこと、2015年のOA率42%は世界の動向(45%)と同じくするものであることを指摘しています。

スウェーデン王立図書館、AV資料の国境を越えたリモートアクセスを可能とするため、スウェーデンとフィンランドの権利者団体と覚書を締結

スウェーデン王立図書館は、AV資料への国境を越えたリモートアクセスを可能とするため、著作権管理団体のCopyswede(スウェーデン)、kopiosto(フィンランド)と覚書を締結したと発表しています。

この種の契約は世界で初めてとのことです。

今年、試行プロジェクトとして開始され、この9月に拡張された同プロジェクトにおいては、研究者と教育者にスウェーデン王立図書館のAV資料へのデジタルアクセスを行なわせ、最終的にはその複製物を提供するため、フィンランドのオーボ・アカデミー大学と連携したとのことで、このアクセスは、リモートアクセスが国境を越えて発生することを意図しており、これは今回の覚書に基づいているとのことです。

この試行プロジェクトは、最終的には、スウェーデンだけでなく、フィンランドでもAV資料をインターネット経由で閲覧できるシステムを作成することを意図しているとのことです。

このような相互貸借では、これまでは、物理媒体からデジタル資料の複製物を作成して提供するため場所をとっていたが、インターネットを通じて提供することで、研究者と図書館職員の時間を節約するとのことです。

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