2019年11月12日、ハンガリーのコンソーシアムEISZ(Electronic Information Service National Programme)と米国化学会(ACS)の出版部門は、試験的なオープンアクセス(OA)出版等に関する「転換契約(transformative agreement)」を締結することを発表しました。
この契約は、ウェルカム・トラスト等による、学会系出版社の即時オープンアクセス(OA)転換とPlan S原則に準拠した「転換契約」締結支援プログラム“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”を契機として締結されました。オプトイン方式による2020年から2022年までの3年間の試験的な契約となります。
契約に基づき、英国生化学会の学術雑誌7誌(完全OA誌2誌含む)について、オーストラリア及びニュージーランドの契約参加機関に所属する研究者は、追加費用を支払することなく研究成果をOAにすることが可能になります。また、契約参加機関からのハイブリッド誌5誌へのアクセス、機関リポジトリ登録用の出版社版(version of record)PDF通知なども含む内容となっています。
ドイツ経済学中央図書館(ZBW)の運営するオープンサイエンス・情報インフラ等に関する話題を扱ったブログ“ZBW MediaTalk”は、2019年10月1日付で、ブログ記事“Open Access in Finland: How an Open Repository becomes a Full Service Open Publishing Platform”を投稿しました。
同記事は、フィンランドの応用科学大学(University of Applied Sciences)コンソーシアム“AMKIT-Konsortio”が共同運営するリポジトリサービス“Theseus”等のネットワークによる、オープンな研究成果物公開プラットフォームの展開を紹介したものです。フィンランドの応用科学大学図書館員で、Theseusのヘルプデスクを担当するTiina Tolonen氏とMinna Marjamaa氏が同記事を共同執筆しています。
英国微生物学会はJiscのコンソーシアムを通してOA出版への転換契約を締結した最初の学会系出版者となります。契約の効力発生は2020年からで、“Microbiology”や“Journal of Medical Microbiology”など、OA誌、購読誌、ハイブリッド誌を含む英国微生物学会の刊行誌6タイトル全てが契約対象となります。
2019年10月4日、ノルウェー国内の研究機関等の高等教育および研究におけるICTや共同サービスを担当するUnit(Direktoratet for IKT og fellestjenester i høyere utdanning og forskning:Norwegian Directorate for ICT and Joint Services in Higher Education and Research)は、ノルウェーの研究機関を代表して、Taylor & Francis社と“Read and Publish”契約で合意したことを発表しました。契約期間は2020年から2022年までの3年間です。