デジタル化

欧州委員会(EC)、欧州連合(EU)における文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する2011年勧告の改訂に向けたパブリックコメントを実施中

2020年6月22日、欧州委員会(EC)は、2011年に承認された欧州連合(EU)における文化遺産のデジタル化・デジタル保存等に関する勧告“Commission launches public consultation on digital access to European cultural heritage”について、全ての利害関係者を対象としたパブリックコメントを実施していることを発表しました。

ECはその目的として、文化遺産のデジタルトランスフォーメーションを支援するためのより適切な政策手段の提案を挙げています。また、パブリックコメント実施の背景として、技術の進展が保存・修復・研究等における文化遺産のデジタル化や市民等の様々な部門における広範なオンラインアクセス・再利用について新たな機会を開きつつあること、2019年のフランス・パリのノートルダム大聖堂の火災等で文化遺産のデジタル保存に関する重要性が認識されたこと、新型コロナウイルス感染症の流行によりソーシャルディスタンシング拡大のための措置が続く中でオンラインからアクセスできる文化遺産の必要性や適切なデジタルツールの利点が示されたこと、などを挙げています。

カナダ・ロイヤルBC博物館、同州の先住民族に関する写真をデジタル化して公開

2020年6月17日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のロイヤルBC博物館が、同州の先住民族に関する写真のデジタル化画像約1万6,000点を公開したと発表しています。

デジタル化されたものは、1800年代後半から1970年代に撮影された写真で、デジタル化前には、言語別に整理され館内の木製のインデックスカードの引き出しにおさめられていました。

2018年5月に開始され2020年4月に終了した、インデックスカードに取り付けられている写真のデジタル化作業では、撮影されている場所・人・物に関して詳細に書かれている写真裏面の撮影も行われており、同写真が閲覧できるデータベースでは、被写体となっている先住民の名前から検索することもできると説明されています。その他、同館では、同州の先住民族の代表に会って、デジタル化された画像を収めたUSBドライブを提供しています。

米・テンプル大学図書館のSFコレクションのデジタル化(記事紹介)

2020年6月15日、テンプル大学図書館が、同大学が実施しているSF作品コレクションのデジタル化プロジェクトに関する記事を掲載しました。

同プロジェクトは、同館が所蔵する数百点のSF作品を新しいフォーマットで保存し、研究者がより多くの作品を一度に分析できるようにするために行われています。対象は、同大学のチャールズ図書館が持つSF作品コレクションのうちの一部です。このコレクションは、同大学の卒業生であるパスコウ氏(David Paskow)の個人蔵書からSF作品のペーパーバック5,000点の寄贈を受けたことを契機として構築が開始されました。

デジタル化作業では、資料のスキャンに加え、光学式文字認識(OCR)処理も行われています。また、記事の中では、今回のデジタル化プロジェクトは、SF作品を含むフィクションという軽視されることの多い分野に、研究者の注意を引くのを助けるだろうと述べられています。

2年間でデジタル化されたSF作品は300点ほどであり、同館内の端末で閲覧が可能です。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を受け、同大学はHathiTrust Digital Libraryにもデータのアップロードを行いました。

米・EDUCAUSE、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションをテーマとした2件の報告書を公開

2020年6月15日、米国のNPO組織EDUCAUSEは、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:Dx)」テーマとした2件の報告書を公開したことを発表しました。

公開された報告書は、高等教育におけるデジタルトランスフォーメーションがどのように展開されているかについてデータ収集等を実施するEDUCAUSEの研究プロジェクトの成果として発表されました。同プロジェクトは、デジタルトランスフォーメーションによる環境の変化に関する理解を深め、その課題や機会を調査することを目的としています。

国際日本文化研究センター、「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開

2020年6月24日、国際日本文化研究センターが、「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開しました。

1890年代から1950年代までに出版された、約1万枚の浪曲(浪花節)SPレコードのデジタルアーカイブで、著作権保護期間満了分の音源、全レコード盤面画像、番付・ポスター等の関係資料画像がインターネット公開されています。著作権保護期間中の音源は同センター内で限定公開されます。

音源のデジタル化作業は継続中で、今後も追加予定としています。

「浪曲SPレコード デジタルアーカイブ」を公開しました(国際日本文化研究センター,2020/6/24)
http://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2020/06/24/s001/

浪曲SPレコード デジタルアーカイブ
https://kutsukake.nichibun.ac.jp/rsp/

財務省財務総合政策研究所、『大蔵省史』『大蔵省百年史』『終戦直後の財政・通貨・物価対策』『資料・金融緊急措置』の全文をウェブサイトで公開

2020年6月19日、財務省財務総合政策研究所が、『大蔵省史』『大蔵省百年史』『終戦直後の財政・通貨・物価対策』『資料・金融緊急措置』の全文をウェブサイトで公開しました。

財務総合政策研究所 新着情報
https://www.mof.go.jp/pri/index.htm
※2020年6月19日欄に「「大蔵省史」、「大蔵省百年史」、「終戦直後の財政・通貨・物価対策」及び「資料・金融緊急措置」の全文を掲載しました」とあります。

『大蔵省百年史』上・下・別巻
https://www.mof.go.jp/pri/publication/mof_100history/index.htm

京都大学図書館機構、京都大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて京都大学総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開

2020年6月17日、京都大学図書館機構が、京都大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて京都大学総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開しました。

「壺切御剣図」は、立太子の儀式の際、歴代の天皇から皇太子に継承されてきた護り刀を描いたもので、総合博物館所蔵「勧修寺家文書」に含まれます。

「蝦夷嶋地図」は、蝦夷地調査を行なった秦檍丸(はた あわぎまろ 1760年-1808年)が描いた北海道の古地図です。

【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ: 総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開しました(京都大学図書館機構,2020/6/17)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1386042

[壺切御剣図](京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00031711

国文学研究資料館、嵐牛俳諧資料館(静岡県)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を締結

2020年6月17日、国文学研究資料館は、嵐牛俳諧資料館(静岡県掛川市)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を2月13日に締結したことを発表しています。

嵐牛俳諧資料館が所蔵する俳諧関係の古典籍45点をデジタル化し、国文学研究資料館の「新日本古典籍総合データベース」で、クリエイティブ・コモンズ表示-継承4.0 国際(CC BY-SA 4.0)のもと公開されています。

今後も継続してデジタル化を行なって順次公開する予定です。

お知らせ(国文学研究資料館)
https://www.nijl.ac.jp/news/
※2020.06.17欄に「嵐牛俳諧資料館(静岡県掛川市)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を2020年2月13日に締結いたしました。嵐牛俳諧資料館が所蔵する俳諧を中心とした江戸時代以前の資料のデジタル画像化とWEB上での一般公開を進めていきます」とあります。

Latin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能に:ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供

2020年6月8日、米国のテキサス大学図書館は、ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供するLatin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能になったことを発表しました。

LADIリポジトリは人権問題・少数コミュニティの記録に特に重点を置いて、ラテンアメリカの提携機関のネットワークからユニークなアーカイブ資料を保存し、デジタルアクセスを提供する共同プロジェクトです。LADIリポジトリのリニューアルは、2018年から2019年にアンドリュー W.メロン財団の支援の下、ラテンアメリカ研究に関する同大学オースティン校の学際プログラム“Teresa Lozano Long Institute of Latin American Studies(LLILAS)”と同校の主要図書館の一つであるベンソン・ラテンアメリカコレクションの提携による“LLILAS Benson Digital Initiatives”、及びテキサス大学図書館のソフトウェア開発チームによって実施されました。

音声・動画デジタル化における品質管理:NYPLの事例(記事紹介)

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、NYPLウェブサイト上に掲載された2020年6月8日付けのブログ記事において、NYPLでの音声・動画デジタル化における品質管理について紹介しています。

NYPLのデジタル研究部門に属する、デジタルコレクションサービスの音声・動画保存ユニットがNYPLの視聴覚研究コレクション(audiovisual research collections)の物理的な保存とデジタル化を担当しており、内製あるいは外部委託により行われるデジタル化の監督作業を行っています。

記事によれば、品質管理プロセスでは成果物の100%に対し自動チェックを、約10%から15%に対しマニュアルチェックを実施しています。具体的なチェックポイントの例として、ファイルの技術仕様、ファイルの同一性、ディレクトリ構造及びファイル名の正確性など計8点を示しているほか、使用しているオープンソースのツールも紹介しています。

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