デジタル化

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、法的・倫理的に適正な資料のデジタル公開を実践するためのワークフローを公開

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館は、同館のデジタル化業務を扱った2020年5月14日付の記事“UC Berkeley Library makes it easier to digitize collections responsibly with novel workflows and bold policy”内で、デジタル化に伴う法的・倫理的問題の適正な対応・処理手順や検討事項等を示した“Responsible Access Workflows”の公開を発表しました。

図書館等の文化遺産機関が所蔵資料をデジタル化して世界中からアクセスできるようにオンライン公開するためには、複雑な法的・倫理的諸問題の処理が求められ、このことがデジタル化・オンライン公開推進の動きを鈍化させていることがしばしばあります。バークレー校図書館でも事態は同様であり、同館はデジタル化事業にあたってこうした難題への対処を容易化するために“Responsible Access Workflows”を開発しました。

オーストラリア国立大学(ANU)がオンライン公開する約5,000点のアジア太平洋地区の貴重地図コレクション(記事紹介)

オーストラリア国立大学(ANU)が2020年5月21日付で公開した記事で、同大学のアジア太平洋学部が実施中のプロジェクトにより、5,000点以上のアジア太平洋地区の地図コレクションがオンライン上で利用できることが紹介されています。

オンライン公開中の地図コレクションには、地形図・地籍図・航空地図など多様な形態の地図が含まれます。1662年に作成されたオランダ領東インドの旧都バタヴィアの全地図をはじめ、作成年代が数百年前に遡るものもあり、寄贈で受け入れた60点を含めコレクションのうちの120点が19世紀以前に作成された古地図です。

地図コレクションは同大学の図書館が運営する機関リポジトリ“Open Research”から自由にダウンロードすることができます。地図コレクションが徐々にオンライン上で利用可能になった2011年以降、中国・インドネシア・ドイツから12万回近くのアクセスがあり、過去1年間にも13万回近くのダウンロードが行われています。

米国議会図書館(LC)、北朝鮮刊行雑誌をデジタル化公開

2020年5月21日、米国議会図書館(LC)が、北朝鮮刊行雑誌をデジタル化公開しました。

公開されたのは、LCのアジア部が所蔵する北朝鮮の建国から現在までの300誌のうち、パブリックドメインであることが明らかな1964年までの8誌340号分です。今後2年間で、1964年までに刊行された146誌約4,038号分に範囲を拡大する予定です。

LCでは、2018年に、北朝鮮刊行雑誌の記事索引データベース“North Korean Serials Indexing Database (NKSIP)”を公開しており、今回デジタル化された8誌のうち7誌を含む21誌3万4,000記事を検索することが可能です。

North Korean Periodicals Now Online(Library of Congress Blog,2020/5/21)
https://blogs.loc.gov/loc/2020/05/north-korean-periodicals-now-online/

米・ブラッドベリー科学博物館がオンラインコレクションを公開:マンハッタン計画の関連資料を含む約100点を収録

2020年5月19日、米・ロスアラモス国立研究所は、同研究所の歴史に関する資料等を展示しているブラッドベリー科学博物館がオンラインコレクションを公開したことを発表しました。

マンハッタン計画の関連資料など約100点の資料を収録しており、公用郵便、研究の記録に用いられた高速度カメラ、ラジオ放送の内容を書き起こしたもの、1945年に行われた核実験であるトリニティ実験で生成されたトリニタイトと呼ばれる鉱物の画像等が含まれています。

Bradbury Science Museum launches online archives with Manhattan Project science and history(Los Alamos National Laboratory, 2020/5/19)
https://www.lanl.gov/discover/news-release-archive/2020/May/0518-bsm-online-archives.php

台湾・国家人権博物館、オーラルヒストリーのコレクション等を収録したデジタルアーカイブを公開

2020年4月30日、台湾の文化部は、同部に属する国家人権博物館が、設立2周年となる2020年5月18日にデジタルアーカイブ「台湾人権故事教育館」(Taiwan's Human Rights Stories)等のデジタルコンテンツを公開することを発表しています。

「台湾人権故事教育館」には台湾における人権の歴史に関する同館の所蔵資料が収録されており、口頭インタビューを記録した視聴覚資料248点及び筆記資料15点、講演映像68点、電子ブック42点、研究報告書49点が含まれるとあります。

また、1949年から1987年にかけての戒厳令下に政治犯の収容施設が設けられ、現在は記念公園となっている「白色恐怖緑島紀念園区」(Green Island White Terror Memorial Park)のバーチャルツアーも公開されます。

Human rights museum goes digital for International Museum Day(文化部, 2020/4/30)
https://www.moc.gov.tw/en/information_196_110809.html

台湾・文化部、デジタルアーカイブ「国家文化記憶庫」を2020年10月に正式公開予定

2020年5月8日、台湾の文化部は、デジタルアーカイブ「国家文化記憶庫」を2020年の10月17日(台湾文化の日)に正式公開する予定であることを発表しました。台湾文化に関する資料や物語を収集し、文化の記憶として広く公開するものです。

文化部は、民衆による地域の知識保存への参加促進と文化資源のオープンアクセス化を目的として、2017年から「国家文化記憶庫」の構築プロジェクトを立ち上げ、公的機関・民間団体との協力を進めてきました。現時点で、すでに252万点超のデータを収集しています。

2020年7月にデータ提供者と研究者を対象とした試験公開を行い、そのフィードバックを踏まえて調整を行った後に正式公開を行うとしています。

型塑台灣文化DNA的國家文化記憶庫 七月試營運 十月正式上線(文化部, 2020/5/8)
https://www.moc.gov.tw/information_250_110619.html

北海道博物館、総合展示(常設展)をオンラインで閲覧できる「バーチャル北海道博物館」を公開

2020年5月19日、北海道博物館は、総合展示(常設展)をオンラインで閲覧できる「バーチャル北海道博物館」の公開を発表しました。新型コロナウイルス感染症の影響で同館の臨時休館が続いていることを受けてのものです。

「バーチャル北海道博物館」では、総合展示の5つのテーマに沿って、展示室のバーチャルツアーや展示のハイライト動画等の公開が行われます。5月21日時点では第1テーマ「北海道120万年物語」のみ公開されており、残りの4テーマ分についても順次公開するとあります。

「バーチャル北海道博物館」公開のおしらせ(北海道博物館, 2020/5/19)
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/post/news/detail14762/

バーチャル北海道博物館(北海道博物館)
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/exhibition/vm/

大阪大学附属図書館所蔵「石濵文庫」の画像データが追加公開:国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」事業

2020年5月11日、大阪大学附属図書館が、同館本館の所蔵する「石濵文庫」の資料のうち57点の画像データが追加公開されたと発表しています。

国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」事業に基づくもので、同データは、クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-NC-SA)の条件のもと利用可能です。

石濵文庫の一部資料の画像データが公開されました(追加)(大阪大学附属図書館, 2020/5/11)
https://www.library.osaka-u.ac.jp/news/20200511_common/

大阪大学附属図書館 石濱文庫 画像一覧(新日本古典籍総合データベース)
https://kotenseki.nijl.ac.jp/page/list-osak-ishihama.html

韓国国立中央図書館(NLK)、著作物利用の同意キャンペーンを開始:国家的な災害による図書館休館時のデジタル化資料の館外利用拡大のため

2020年5月6日、韓国国立中央図書館(NLK)が、著作物利用の同意キャンペーンを開始すると発表しました。

今回の新型コロナウイルス感染症のような国家的な災害が発生し、図書館が休館した場合に、一時的にデジタル化資料の館外利用が可能となることを目的としたものです。

同館が構築したデジタル化資料110万件が対象で、同館ウェブサイトに、案内文と同意書提出窓口を設置しています。同意書では、(1)一時的、もしくは(2)利用期限の制限がない閲覧・印刷・ダウンロード、等で選択できるようになっていて、これにあわせて、同館では、利用期間の設定や終了日、既存の利用可能範囲の復元といった管理機能の改善を行って、サービスを提供するとしています。

英国国立公文書館(TNA)、臨時休館中、デジタル化記録の一部をウェブサイトで無償公開:チャットでの相談やウェビナーも開催

2020年4月24日、英国国立公文書館(TNA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休館中、デジタル化記録をウェブサイトで無償公開すると発表しています。

登録利用者は、コンテンツへの需要を管理しすべての人がデジタルサービスを利用できるよう、一度に10点、30日間で50件までの制限で、請求とダウンロードが可能です。非営利の私的利用や教育目的のみとなっています。

無料でダウンロード可能な記録は、検索システム“Discovery”において、“available for download only”でフィルタリングすることで検索可能で、TNAがデジタル化し公開した、第1次・第2次世界大戦の記録・軍歴・王立海軍/輸送船団の記録・カンタベリー大権裁判所所管の遺言書・移民関係の記録・20世紀の内閣文書及び保安局のファイル・ドゥームズデイブック(土地台帳)といったものが含まれます。

TNAと連携している民間機関が運営する他のウェブサイト上のコレクションは無料の対象外で、通常は、検索は無料、閲覧やダウンロードは有料ですが、ほとんどのウェブサイトで、14日間の無料トライアルを実施していることも紹介されています。

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