LIBER(欧州研究図書館協会)

欧州研究図書館協会(LIBER)、ドイツ連邦司法・消費者保護省(BMJV)による改正EU著作権指令の国内法化案へのパブリックコメント募集に対して回答を提出

2020年7月27日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、ドイツ連邦司法・消費者保護省(Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz:BMJV)が実施中の「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」国内法化案へのパブリックコメント募集に対して、回答を提出したことを発表しました。

LIBERは、BMJVの公開した法案について、絶版著作物の利用・大量のデジタル化に関連して2点の懸念を指摘しています。1点目の懸念として、文化遺産機関が集中管理団体(CMO)をいつ利用すべきか、例外的に利用しなければならない場面はどのようなものかについて、原案では明確でないことを挙げています。LIBERはこの懸念へ対応するために、CMOが関与してライセンスを提供すべき事例、「代替的な著作権の例外規定」(fall-back exception)が提供されるべき事例の明確化、CMOの決定プロセスへの期限の設定などの提言を行っています。

欧州14大学の共同運営による機関リポジトリを統合して学術成果物を迅速にオープンアクセス(OA)出版するためのプラットフォーム“University Journals”(文献紹介)

2020年6月29日付で、欧州研究図書館協会(LIBER)の季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻第1号(2020)掲載の事例研究として、複数の大学の共同運営によって、個々の機関リポジトリを統合し参加大学所属の研究者による成果物をオープンアクセス(OA)出版するために整備中のプラットフォーム“University Journals”設立の経緯や展望を紹介した論文が公開されています。

“University Journals”は、査読を経て商業出版社の購読誌に学術成果を発表する伝統的な学術出版システムがオープンサイエンスの発展を阻害している一方、機関リポジトリによる成果物のOA化は研究者に十分なメリットを示せていないため進展していないという問題意識から設立の検討が始まりました。個々の大学の機関リポジトリと接続し、出版社から独立した効率的・高品質で持続可能性の高い出版プラットフォームを構築するプロジェクトとして、オランダのPICA財団等の助成を受けながら、欧州14大学のコンソーシアムにより共同研究が進められています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、テキスト認識処理に関心のある図書館員にとって有用な文献のリストを公開

2020年7月8日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、光学文字認識(OCR)・手書きテキスト認識(Handwritten Text Recognition:HTR)といった、テキスト認識処理に関する文献リストを公開したことを発表しました。

LIBERは、テキスト認識処理の詳細、テキスト認識処理分野における新しい動向、品質の低いテキスト認識がデジタルコレクションに与える影響といった話題に関心のある図書館員に有用な文献を紹介する目的でリストを公開しました。LIBERのデジタル人文学・デジタル文化遺産ワーキンググループでは、メンバー宛に有用な文献の推薦を募って文献管理ツールZoteroへの集約を行っており、公開された文献リストは、このZoteroに集約された文献から抜粋されたものです。リストには以下のような文献が含まれています。

・米国のノースイースタン大学の報告書“A Research Agenda for Historical and Multilingual Optical Character Recognition”。印刷テキストや手稿を対象とした歴史的・多言語資料のOCRの品質改善に関する9つの提言などが含まれている。

欧州研究図書館協会(LIBER)、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートを公開

2020年6月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、研究機関の執行部とともに学術評価指標に関する課題に取り組む図書館関係者向けのレポートとして、“Why Do Measures Fluctuate?:Metrics Report - Guidelines for Talking to Management”を公開したことを発表しました。

学術評価指標等の課題を扱うLIBERの“Innovative Metrics Working Group”によって、同レポートは作成されました。学術評価指標を議論する上で陥りやすい過ちや、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)をはじめとした新しいアプローチに触れながら、LIBERのWGや各機関の経験に基づく学術評価指標の不安定さ背景の説明の一助となる提言を提供するなどして、各機関の執行部と図書館関係者の議論を促進することを作成の目的としています。

レポートはリポジトリzenodoで公開されています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、図書館建築関係者のためのウェブサイト“Library buildings in Europe”を公開

2020年6月22日、欧州研究図書館協会(LIBER)とLIBERの建築部会(LIBER Architecture Group:LAG) が、図書館建築関係者のためのウェブサイト“Library buildings in Europe”を公開しました。

新築・増築・改修・館内空間の再構築といった図書館建築プロジェクトに携わる人が、同ウェブサイトに掲載された写真や情報を見ることで、新しいトレンドを習得し、知識・経験を共有し、お互いに学びコンタクトを取ることを支援することを目的としています。

また、LAGでは、同ウェブサイトの掲載する、模範となる刺激的な図書館(国立図書館・大学図書館・研究図書館や研究コレクションを持つ公共図書館、国立公文書館)について、12枚の画像とともに電子メールでの情報提供を求めています。ウェブサイトへの掲載については同部会が決定します。

欧州研究図書館協会(LIBER)、2019/2020年の年次報告書を公開

2020年6月12日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019/2020年の年次報告書である“LIBER Europe 2019-2020 Annual Report”のリポジトリZenodo上での公開を発表しました。

LIBERによる年次報告書の公開は、2018/2019年版に続き今回が2度目となります。2019年6月から2020年5月までの主な出来事、2018-2022年の戦略計画の進捗状況、関与した国際的なプロジェクト、年次大会や季刊誌“LIBER Quarterly”に関するデータ、会計状況等が報告されています。

年次報告書公開に関する発表では、対象期間内の主な出来事として、第48回年次大会の開催、同大会でLIBERの運営を持続可能とするための提案が採択されたこと、国際プロジェクト(SSHOC、INOS、 reCreating Europe)での他機関との協力実施、第49回年次大会のオンライン開催決定、ウェビナーを17回開催し計2,500人以上の参加があったこと、LIBERに新たに10機関が参加したことなどを挙げています。

COVID-19の治療に効果が期待される薬に関する論文のオープンアクセス状況(文献紹介)

欧州研究図書館協会(LIBER)の季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻第1号(2020)に、COVID-19感染拡大下における論文のオープンアクセスについて調査を行った事例研究が掲載されています。

この論文では、大手出版社から公開されているCOVID-19の治療に効果がある可能性がある薬に関する論文のオープンアクセス状況について調査を実施しています。調査は2020年4月12日から17日にかけて実施されており、ScienceDirect等のプラットフォームで公開されている論文が対象となっています。これらのプラットフォームで、COVID-19の治療の効果が期待される薬を検索語句として入力し、検索結果として得られた論文のオープンアクセス状況を調査しています。結果として、プラットフォームや検索語句によってばらつきがあるものの、オープンアクセスではない論文が多く存在することを示しています。

新型コロナウイルス感染拡大の中、多くの大手出版社がCOVID-19等のキーワードを含んだ論文をオープンアクセスにしてきました。しかし、研究の遂行や方針の策定には、それ以外の論文へのアクセスも提供する必要があることを指摘しています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のため図書館向けのガイダンス文書を公開

2020年5月7日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のための図書館向けガイダンス文書の公開を発表しました。

改正EU著作権指令では、第3条で大学・教育機関・図書館が合法的にアクセスできる著作物をマイニングする権利が認められています。また、第4条では主に商業的なデータ分析や人工知能のTDMについて著作権の例外とする規定が設けられています。LIBERが今回公開したガイダンス文書は、改正EU著作権指令を活用してTDMを実施する研究者支援を行う図書館を対象として、同協会の著作権・法的事項ワーキンググループが作成したものです。

欧州の20機関以上が参加するSSHOCプロジェクト、プロジェクト成果物“SSH Open Marketplace”の公開スケジュールを発表

2020年4月27日、欧州の20機関以上が参加する人文・社会科学分野(SSH)におけるオープンクラウドエコシステム構築のためのSSHOC(Social Sciences & Humanities Open Cloud)プロジェクトは、同プロジェクトの成果物である“SSH Open Marketplace”の公開スケジュールを発表しました。

SSHOCプロジェクトはHorizon 2020の資金助成により2019年1月から2022年4月まで展開中のプロジェクトです。欧州研究図書館協会(LIBER)など欧州20機関以上が参加し、欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)の人文・社会科学分野における実現を目指しています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、著作権に関する緊急対応を求める声明を発表:新型コロナウイルス感染拡大下における遠隔教育及び研究の支援のため

2020年4月14日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、新型コロナウイルス感染拡大下における遠隔教育及び研究の支援のため、著作権に関する緊急対応を求める声明を発表しました。

欧州委員会(EC)や加盟国政府に対しては、著作権指令の期間限定かつ目的論的解釈(purposive interpretation)の導入等を、出版社や著者、業界団体に対しては、特定個人への文献全文の提供、施設内閲覧に限定されている電子書籍への研究目的でのリモートアクセス、児童・学生・研究者のみを対象とした録音・録画及びストリーミングによる教育活動での著作物利用、公共図書館によるインターネット上での読み聞かせを可能とすることを求めています。

また、対策が求められる長期的な課題として、オープンアクセスモデルへの速やかな移行や、医学・環境・経済上の危機に備えた公益的保護(public interest defences)を国際・国内の著作権法に盛り込むこと等を挙げています。

ページ