リテラシー

必需品か贅沢品か:Little Free Librariesの課題(文献紹介)

米・アイオワ大学図書館情報学部が発行する雑誌“B Sides: FieldWork”41号(2020年11月)に“Little Free Libraries: A Necessity or A Luxury?”という論文が掲載されています。

本文献において、著者のベリー(Katherine Berry)氏は、Little Free Librariesの創始者のボル(Todd Bol)氏は、Little Free Librariesの設置意図をリテラシーの促進とコミュニティーの構築としており、実際、コミュニティーを強化しているものの、

・そもそも読書が好きな人が利用する傾向にあり、設置される本も特定の層向けになってしまう

・公共図書館が身近になく、貧しい地域での設置が望まれるものの、コストの問題もあって、実際には公共図書館もあり裕福な地域に設置が偏っている

といった課題があると指摘しています。

そして課題解決のため、

小平市立図書館(東京都)、授業の課題や調査・研究に役立つ資料の探し方を学ぶ高校生・大学生が対象の講座「START UP! レポート作成支援講座」を開催

2020年11月28日、東京都の小平市立図書館が、ウェブ会議サービスZoomによるオンライン形式で、高校生・大学生を対象に「START UP! レポート作成支援講座」を開催します。

同講座は、授業の課題や調査・研究に役立つ資料の探し方を学ぶ目的で開催されます。図書館のウェブサイトを利用した蔵書検索方法や、インターネットで自分の欲しい情報を検索するこつ、レポート・論文等の作成に役立つ知識の紹介が行われます。

参加するためには、「東京共同電子申請・届出サービス」から事前に申し込みする必要があり、定員は先着順に20人です。

START UP! レポート作成支援講座の開催(小平市立図書館)
https://library.kodaira.ed.jp/eventT/?id=116

韓国・文化体育観光部、職場内の読書文化を奨励し豊かな読書活動を推進した企業を認証する、2020年の「読書経営優秀企業」132社を発表

2020年10月22日、韓国・文化体育観光部が、2020年の「読書経営優秀企業」132社(大賞1社、最優秀賞5社、優秀賞10社)を発表しました。

同事業は、同部が、職場内の読書文化を奨励し、豊かな読書活動を推進した企業を認証することを目的に2014年に開始したもので、2020年は認証数が大幅に増加しました(2014年:20社、2015年:18社、2016年:49社、2017年:56社、2018年:78社、2019年:103社)。

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により在宅勤務が増加し、対面での読書活動は円滑に実施できなかったものの、非対面・オンラインでの読書活動等といった新しく多様な方法で職場の読書文化が継続されたと評価しています。

大賞を受賞したのは教保生命保険株式会社で、企業創設者を含め、現在のCEOまで読書活動を推進しており、営業現場においては、読書学習と職務能力の開発を支援するために、役員・職員が参加する読書討論会、読書学習を通してお互いに意見を交換する「読書工房」といった活動を実施し、読書文化の底辺を拡大することに貢献したと評価されています。

韓国国立中央図書館(NLK)、図書館利用者および国民のデジタルリテラシー強化のため、デジタルリテラシー教育協会と業務協約を締結

韓国国立中央図書館(NLK)が、2020年9月23日に、社団法人デジタルリテラシー教育協会と、図書館利用者および国民のデジタルリテラシー強化のため、業務協約を締結したと発表しています。

韓国の通信社NEWSISの報道によると、協約に基づき、両機関は、NLKの利用者を対象としたデジタルリテラシー教育の実施、デジタルリテラシー教育課程およびコンテンツの開発、共同推進事業における協力と支援、等において協力するとのことです。

また、9月25日・26日・28日の3日間、イベント「人工知能(AI)を活用したデジタル社会づくり」を共同で実施するとともに、11月には国民を対象に「デジタル市民教育」「メディアリテラシー教育」といった協力事業を推進すると報道されています。

また、NLKの館長の、デジタル社会への急激な変化や新型コロナウイルス感染症の感染拡大による非接触社会が深まっていることから、図書館によるデジタルリテラシー教育が階層・世代間のデジタル格差の減少に寄与することを期待するとともに、国内の図書館が、地域社会の住民を対象とした多様なデジタルリテラシー教育を開発・運営するために、今回の協力が良い事例となることを望むとの発言を紹介しています。

北海道大学、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開

北海道大学が2020年9月11日付のプレスリリースで、高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターが、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開したことを発表しました。

同センターは2019年度にアドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考や創造的問題解決力を育成するオープン教材として、大学初年次教育を対象に、批判的思考や創造的問題解決力を根底から支える思考技術として「デザイン思考」を教授し、デジタルツールを活用した制作活動を通してデジタルリテラシーを深く学ぶことを目的に開発中の全4章からなるオープン教材の開発を進めています。今回、「第2章.デジタルプロダクトの読解」に対応する3つのコンテンツとして、「2-1 デジタルプロダクトの機能」、「2-2 デジタルプロダクトの観察」、「2-3 デジタルプロダクトの評価」が公開されました。

同センターは、共同研究で開発したオープン教材を学内外の教育に活用し実践研究を蓄積する予定であり、2020年7月には北海道大学の初年次向け授業「大学生のためのデジタルリテラシー入門」の教材として活用されました。今後の計画として、連携大学での利用やオープン教材をもとにしたMOOCの開講を挙げています。

どのように図書館は新型コロナウイルス感染症感染拡大下でリテラシー向上の使命を果たしてきたか(記事紹介)

2020年9月7日、国際図書館連盟(IFLA)が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における図書館によるリテラシー向上のための取組に関する記事“Literacy Cannot Wait: How Libraries Have Continued to Fulfil their Mission to Promote Literacy during COVID-19”を掲載しました。

記事では、図書館がこれまでリテラシーの向上において重要な役割を果たしてきたこと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、リテラシー教育も含んだ教育や学習全般に混乱が生じていること等に触れ、以下をはじめとした図書館の取組について事例を挙げています。

・オンラインや図書館外での読み聞かせ
・オンラインでの読書チャレンジ(reading challenge)の実施
・電子書籍や郵送サービスといった、リモートでの情報源へのアクセスの提供
・コミュニティで話される言語が母語でない人を対象とした会話クラス(conversation class)の実施

新温泉町立加藤文太郎記念図書館(兵庫県)、町内在住の児童・生徒を対象としたプログラミング実習室「ぶんちゃんラボ」を開催

兵庫県の新温泉町立加藤文太郎記念図書館が、2020年9月16日、町内在住の小学生・中学生・高校生を対象としたプログラミング実習室「ぶんちゃんラボ」を開催します。

参加料は無料で定員は5人(先着順)です。

報道によると、システムエンジニアだった図書館職員が講師を務めており、2019年夏に特別教室を実施したところ好評だったため、2020年1月から毎月1回の定期開催となったとのことです。記事では、プログラミングに関する本を集めたコーナーも設置されているとも紹介されています。

『広報しんおんせん』180号(2020年9月)
https://www.town.shinonsen.hyogo.jp/uppdf/1598484941.pdf
※p.12の同館に関するページに記載があります。

オランダの修士課程の大学院生の研究データ管理(RDM)に対する意識調査(文献紹介)

2020年8月5日付で、“Data Science Journal”誌第19巻に、論文“Research Data Management for Master’s Students: From Awareness to Action”が掲載されています。著者はオランダ・デルフト工科大学(TU Delft)のDaen Adriaan Ben Smits氏とMarta Teperek氏です。

著者らは、修士課程の大学院生について、研究論文や助成金申請に代表者として主体的に関わることが少なく、これまで研究データ管理(RDM)実践の観察対象にあまりされてこなかったものの、研究キャリアの準備段階にあり、将来優れた研究者・政策立案者・RDM実践者となる可能性を秘めた重要な研究対象群であるとして、RDMに対する認識を調査し分析する研究を実施しました。調査として、2015年以降にオランダの大学で修士論文の執筆を経て修士号を取得した16人を対象に、2019年9月から10月にかけて半構造化インタビューが行われました。インタビューで得られた知見として次のようなことを報告しています。

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